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2022.04.27

【図解】KPIとは?簡単に意味を説明、設定方法もわかりやすく解説します

【図解】KPIとは?簡単に意味を説明、設定方法もわかりやすく解説します

ビジネス上でよく耳にする「KPI」という言葉ですが、その意味をちゃんと理解しているでしょうか。ここではKPIについて、分かりやすい図を用いてわかりやすくご説明します。KGI・KFSとの違いなどと合わせて、しっかり頭に入れておきましょう。また、KPIの設定方法や参考例もご紹介しますので、初めてKPIを設定する方はぜひ参考にしてください。

KPIとは簡単に言うと「中間目標」のこと

KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれます。簡単に言えば中間目標を意味し、あくまでゴールに向かうプロセスの目標数値です。つまり、現時点からゴールへ到達するために、通過すべきポイントと言えるでしょう。

KPIとKGIの関係図

KGI(重要目標達成指標)とKPIの違い

KPIと混同されがちなものにKGIが挙げられます。KGIは「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれるもの。いわゆる最終的なゴールであり、特定期間で「何」を「どの程度」達成するのかを数値で表しています。KGIに到達するために、どの時点でどこまで進んでおくべきなのか。その中間点がKPI指標となります。

通常、KGIとKPIとは一緒に設定されます。「業界一」のような定性的な目標ではなく、例えば定量的な「来年度の売上100億円」というKGIを設定。これに対して「新規商談を月100件」「新規問合せ件数を月1,500件」という定量的な数値目標をKPIとして設定するのです。

KFS(重要成功要因)とKPIの違い

KFSはKGI以上にKPIと似ているため、その違いをしっかり理解しておきましょう。KFSは「Key Factor for Success」の略で、日本語では「重要成功要因」を意味します。つまり成功(KGI達成)のために重要な要素を示し、これを数値で表したものがKPIです。例えばKPIが「新規商談を月100件」であれば、そのために取り組む「MAツールを導入」「SNS投稿に注力」などの施策がKFSに当たります。

KPI設定の重要性

KGIのみを掲げてしまうと、達成に向けたビジョンが描けなかったり、何をすべきなのか分からなくなったりしかねません。その結果、目標が達成できないという事態も考えられるでしょう。KPIを設定することで、目標達成に向けた道筋が示されます。また、「来年度の売上100億円」と最終目標が大きい場合でも、短い期間で「四半期で35億円」「新規商談を月100件」と切り分ければ心理的な障壁が下がります。目標達成を現実的なものと捉え、着実にKPIに応じた取り組みを積み上げていくことで、目標に到達できる可能性が高まるでしょう。

また、目標を達成できなかった場合にもKPIは役立ちます。細かくKPIを設定しておくことで、「どの時点でどんな問題があったのか」が簡単に見つけられます。「新規商談数」が達成しているのに売上が未達であれば、商談後の成約数や顧客単価に問題があるかもしれません。KPIを設定しておくことでこれに気づき、途中から軌道修正することも可能です。

【初めての方】やさしいKPI設定法

いきなり「KPIを設定しましょう」と言われても、初めてだとどう手を付けて良いか分からないかもしれません。初めての方は以下のように、KPIは目標から逆算することで適切に設定しやすくなります。

  1. 12件の受注を目標(KGI)とする
  2. 受注率が50%なので、KPI:案件数は24件必要
  3. 案件化率が60%なので、KPI:アポ件数は40件必要
  4. アポ率が40%なので、KPI:Web問い合わせ数は100件必要
目標から逆算したKPI設定

この例では12件の受注が目標となっており、受注までには「問合せ→アポ獲得→案件」というプロセスがあります。ただし、問合せがすべてアポイントに繋がるというわけではありません。これは以後のプロセスも同様であり、「何割程度が次の段階へ進むのか」を予測することが大切です。その予測により「12件の受注に至るには何案件が必要か」「では、その案件数を得るには何件アポに繋げれば良いのか」「何件の問合せがあれば確率的に十分なアポを獲得できるか」と逆算します。それが、上記で挙げた例の流れです。

KPIを設定する場合は、図のようにツリー形式で可視化するとイメージしやすくなります。目標達成までの流れと数値が一目で分かるので、初めてでもKPIが設定しやすいはずです。

KPIをツリー形式で可視化

【あわせて読みたい】

B2Bマーケティングにおける目標達成・業績評価指標(KGI/KPI)の活用を考える

【施策別】KPI設定の参考例

施策や組織別に具体的なKPI設定方法・例をご紹介します。

インサイドセールス

インサイドセールスの立ち上げ段階では、ある程度まで商談数と受注数が比例して増加するので、一般的には「商談数」をKPIと設定します。むやみに架電数を増やすと商談に繋がらないため、行動量(架電数)はあくまで補足的なKPIとなります。商談数と受注数との比例増加が頭打ちになった段階では、KPIを商談数ではなく受注数に切り替えることが大切です。

  • 商談件数
  • 受注件数
  • 行動量(架電数)

参考:インサイドセールス立ち上げとKPI設定、押さえるべき5つのポイントとは

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスのKGIは事業伸長であり、「顧客満足度を高めて継続率を上げる」「既存顧客から新規顧客のご紹介を増やす」「アップセル及びクロスセルを目指す」ことが重要です。そのために、「全ユーザーのうち何割が解約したのか(解約率)」「どの程度他社にサービスを勧めたいか(顧客推奨度)」「全顧客のうちサービス活用が軌道に乗っている割合(オンボーディング完了率)」「前年もしくは前月比で既存顧客の売上がどの程度維持できているか(売上継続率)」をKPIとしています。

  • 解約率(チャーンレート)
  • 顧客推奨度(NPS:ネット・プロモーター・スコア)
  • オンボーディング完了率
  • 売上継続率

参考:カスタマーサクセスのKPIは?顧客の成果に向き合う、5つのKPIと実践例

メールマーケティング

メールマーケティングの最終目的は配信メールからの売上(契約・購入)です。配信先のユーザー数を増やすことも重要ですが、メール送信後にユーザーが取る「開封」「クリック」そして「コンバージョン」において、それぞれの確率を高めることが重視されます。この3つをKPIに設定し、これを確認しながらPDCAを回していきます。

メールマーケティングフェーズに応じたメールの種類と配信の対象者
  • 開封率
  • クリック率
  • コンバージョン率

参考:メールマーケティングの基本~シナリオ設計・メール原稿・効果測定~

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングでは記事内容や施策、あるいは顧客の状態によって役割が異なります。そこで「基礎知識記事・MA記事への流入数」「Facebook・Twitterのフォロワー・いいね数」「記事を経由した、ホワイトペーパーのダウンロード数」「MA記事を経由したセミナー申込者数・SNSからのセミナー申込者数」など複数のKPIを設定。あくまで最終的な目標は「売上」であり、これに向けた契約増加やロイヤル化(継続)を軸に設定しています。

目標に対し複数のKPIを設定
  • コンテンツを経由したメールアドレス獲得数(資料DLなど)
  • SNSのフォロー数・アクション数
  • プッシュ通知の許可
  • 訪問頻度・再訪数
  • キラーコンテンツへの送客数
  • コンテンツを経由したセミナー・勉強会申し込み数

参考:コンテンツマーケティングのKPIは?目的に合わせた設定法

KPI設定のポイント

KPI設定のコツは「SMARTの法則」です。SMARTは以下5つの言葉の頭文字で、目標達成のための重要な構成要素とされます。

  • Specific(具体的な)
  • Measurable(測定可能な)
  • Assignable(誰がやるのか割り当て可能な)
  • Realistic(現実的な)
  • Time-related(期限が明確な)
KPI設定に役立つSMARTの法則

SMARTの法則に沿って設定されたKPIは明確であり、従業員も自ら主体的に取り組みやすくなります。そのため、目標をより達成しやすくなるでしょう。

もちろん、ゴールを迎えた後は振り返りも大切です。なぜ達成できたのか、あるいはなぜ達成できなかったのか、その原因や課題から解決方法を検討します。ここで見出した情報は、新たなKPI設定に役立てられるはずです。

KPIを適切に設定してビジネスを加速させるためには

KPI設定の意味や設定方法など、詳しく解説しました。ただし、いくらKPI設定が大切と言っても、目標に対して適切でなければ意味を持ちません。目標が達成できなかったときには、KPIごとに振り返りを行い、未達成の原因を特定して改善に努めることが大切です。
フレームワークを活用したデジタルマーケティング戦略を立て、適切なKPIに沿ってデジタルマーケティングにはずみをつけましょう。

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