セミナー開催はリード獲得の重要な手法の一つですが、セミナーに人を誘致するのは簡単なことではありません。「張り切ってセミナーを企画してみたものの、思うように人を集めることができない…」そんな悩みをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。 この記事では、年間150本を超えるセミナーを継続的に開催しているSATORIのセミナー集客術を一挙公開!おさえておくべきポイントから集客媒体の選び方、告知用メールの書き方まで、現場ですぐにお役立ていただけるセミナー集客のコツを余すところなくご紹介します。
1.セミナー集客の手順とコツをおさえておこう
「セミナー集客は難しい」と思われがちですが、実は手順とコツをおさえておくことで、効果的かつ効率よく集客に取り組むことができます。ここでは、セミナー集客において、是非おさえておきたいポイントを5つご紹介します。
セミナーの開催要項を明確にする
一口に「セミナー集客」と言っても、その手法は多岐に渡ります。そして、開催するセミナーの内容やターゲット層、開催場所などによって選ぶべき集客手法が変わってきます。
セミナー集客に着手する前に、まずはセミナーの開催概要を目に見える形で具体化し、関係者間で共有しておきましょう。
<表1:具体化すべきポイント>
具体化ポイント | 説明 |
セミナーの趣旨 | 何を目的として(新規顧客開拓、既存顧客へのクロスセル・アップセル対策など)どのようなセミナーを行い、参加者に何を持ち帰ってもらうか |
ターゲットユーザー層 | 誰に向けたセミナーなのか(業種、役職、ユーザーの検討段階など) |
開催日時 | いつ開催するのか(平日、休日、日中、夜間、展示会の期間中など) |
参加費用 | 無料か有料か。有料なら価格帯はどの程度か |
開催場所 | オンラインかオフラインか。オフラインなら場所はどこか(自社オフィス内、レンタルホール等) |
定員 | 定員数がある場合は記載 |
集客手法は戦略的に選定する
セミナー集客に有効な手法は一つではありません。リスティング広告やディスプレイ広告などの広告を使うこともできますし、顧客宛てにセミナー案内のDMを送るのもよい方法です。その他、TwitterやFacebookなどのSNSでの情報拡散、展示会、他の関連セミナーで紹介してもらうといった方法もあるでしょう。
重要なのは、そうしたさまざまな手法の中から適切なものを選択するということです。たとえば、若年層に向けたセミナーであればTwitterでの幅広い情報拡散が有効ですし、特定の業界向けのニッチなセミナーなら、業界専門誌や関連ポータルサイトなどに広告を出す方が効率的です。 セミナーの目的・主要ターゲット層に応じて、戦略的に手法を選択しましょう。
既存顧客/新規顧客のアプローチは分ける
マーケティングにおいては顧客を既存顧客と新規顧客に大別し、それぞれに適した手法を用いてアプローチを行います。既存顧客とは既に自社と取引のある顧客、新規顧客は既存のリード、およびその時点では接点のない完全に未知の見込み顧客を指し、両者はセミナー集客においてもアプローチの手法が異なります。
たとえば、既存顧客に対してはインサイドセールスや営業担当者からの直接によりセミナーへの誘致を行えますが、その時点でまだつながりのできていない新規顧客に対しては、広告やSNSといった不特定多数向けにアピール可能な手法を選択する必要があります。 開催するセミナーが既存顧客向けのものなのか、新規顧客向けのものなのかを明確にした上で、適切なアプローチをとりましょう。既存顧客・新規顧客の双方を対象とするセミナーを開催する場合でも、既存・新規を切り分けて集客に取り組んだ方効果が出ます。
専用の告知ページを準備する
どのような集客手法を用いるにせよ、セミナーの開催概要をユーザーに伝え、申し込みを受け付けるための告知ページを作成しておきましょう。自社ホームページ内に特設ページを設ける方法もありますし、別途専用のLP(ランディング・ページ)を作成する方法もあります。 なお、告知ページは公開するタイミングが重要です。あまり早くに公開すると忘れられてしまう恐れがありますし、開催日直前の公開では集客活動に支障が出ます。開催日の1か月前~遅くとも2週間前くらいを目途に公開し、公開から開催までの間、複数回に渡ってDMやインバウンドコールなどの施策を行うのがおすすめです。
開催後のフォローを忘れない
セミナーが終了したら、参加者に対してお礼メールを送るのを忘れないようにしましょう。これは一見、「集客」とはあまり関係のない話に聞こえるかもしれませんが、このような気遣いの有無が次回のセミナー集客に少なからず影響を与えます。 お礼メールでは顧客の興味・関心を喚起する有益な情報を提供するなどして、顧客の興味が覚めないうちに良好な関係構築を行いましょう。
2.おすすめセミナー集客手法 7選
続いて、セミナー集客の主な手法、および手法別のおすすめ媒体を、新規顧客向け・既存顧客向けそれぞれについてご紹介します。
新規顧客向けセミナー集客手法
新規顧客向けセミナーの主な目的は、その時点ではまだ顧客になっていない人=見込み顧客に自社の製品・サービスを知ってもらうことです。したがって、そうした人にアピールできる手法を選ぶ必要があります。
①Web広告
比較的広い範囲にリーチ可能なリスティング広告、SNS広告、ポータルサイトへの広告掲載は、新規顧客へのアピールにおいて有効な手法です。
リスティング広告はGoogleやYahoo! Japanなどの検索エンジンに掲載する広告で、ユーザーの検索キーワードに連動して広告を出稿できるため、見込み度の高いターゲットにアプローチできるのが特徴です。
リスティング広告は検索結果一覧にテキスト情報として表示されますが、ディスプレイ広告を併用すれば、画像や動画を使用した視覚的なアプローチも可能です。また、リターゲティング広告という手法を併用すれば、過去に自社のWebサイトを訪問したことのある、自社サービスに関心の高いターゲットに対して広告を出すことも可能です。
SNS広告を活用する場合も、それぞれの特徴を踏まえて使い分けることが重要です。たとえばFacebookが提供するリード獲得型広告は、Facebookに登録されたユーザー情報を用いて広告表示先の絞り込みを行えるため、確度の高いターゲットにリーチできる可能性があります。Twitter広告は前述の投稿と同様、リツイートやハッシュタグ等による拡散効果が期待できるのがメリットです。 なお、特定の業界のニッチな層を対象としたセミナーの集客を行う場合は、業界ポータルサイトへの広告掲載も有効です。
②DM / FAX DM
展示会や過去のセミナー、資料請求などを通じて獲得したリードに対して、DMやFAX DMを使ってアプローチする方法です。
この手法のメリットは、比較的安価に、かつ大勢のターゲットに対してアプローチできるという点です。また、紙のメディアとして物理的にターゲットの手元に届くため、Web情報やメールに比べて「埋もれにくい」のもメリットの一つだと言えるでしょう。 DM場合はセミナーへの無料招待券や簡単なノベルティなどを同封し、「特別感」を演出するといった手法を併用することもできます。
既存顧客向けセミナー集客手法
既存顧客向けのセミナーは、多くの場合、既に自社と取引のあるターゲットに対して新たな商品・サービスを紹介する、いわゆるクロスセルやアップセルを目的として行われます。既にある程度関係性が構築できている層へのアプローチとなるため、手紙や電話での連絡といった「密度の濃い」手法を取れるのが特徴です。
①自社顧客リストへのメール告知
こちらは自社の顧客に向けて、メールでセミナー告知を行う方法です。
この方法を用いる場合は、集客用メールの設計が重要なポイントとなります。集客メール作成のコツについては、この後の項で改めてご説明します。
②インサイドセールスによるコール集客
手紙やメール、FAXではなく、電話を使って顧客にアプローチする方法です。
リアルタイムなやりとりでセミナーを紹介することができ、相手の温度感をその場である程度推し量れるのがメリットです。 既にインサイドセールスの仕組みが構築されている場合は、その仕組みにのせて案内を出しますが、そうでない場合は営業担当者から担当顧客にあてて電話連絡を入れてもらうような形となるでしょう。
新規顧客・既存顧客共通向けセミナー集客手法
①SNS集客
TwitterやFacebookなどのSNSを活用して集客する手法です。
SNSの活用方法は大きく分けて2つあり、一つはSNS上にメッセージを投稿するというもの、もう一つはSNSメディアが提供する広告を利用するというものです。
SNS上にメッセージを投稿する方法は、広告費などをかけることなく手軽に行えるのがメリットです。
この手法を用いる場合、メディアごとの特徴を理解して活用することが大切です。たとえばFacebookでは専用のイベントページを作成できるため、集客の間口を広げることができます。また、Twitterではリツイートやハッシュタグによる拡散効果で、今まで接点のなかったユーザーにリーチできる可能性があります。なお、個人アカウントからの投稿でない場合は、発信した情報が“会社の見解”ととられます。閲覧者の誤解を招くことのないよう、発信するメッセージの内容にも気を付けたいところです。
②セミナー集客媒体への掲載
こちらは、PeatixやTECH PLAYといったセミナー情報紹介サイトに、自社セミナーの情報を掲載する方法です。「有益な情報やセミナーがないか探している人」と考えている人が集まるサイトですから、高い集客効果を見込めます。
告知文の中にターゲット層に繋がるキーワードを埋め込むことで、「来てほしい人を集める」ことが可能です。
<セミナーポータルサイトの一例>
■Peatix | https://peatix.com/
Peatixは460万人以上が利用するイベント管理&グループ運営サービスです。
簡単な操作で告知用ページを作成でき、申し込みの受付け、参加者とのやり取りなども管理画面上で行えます。
■TECH PLAY | https://techplay.jp/
Techplayは、テクノロジーに関するさまざまなイベントやセミナーなどの情報を集約・掲載しているサービスです。こちらも簡単に告知ページを作成し、管理画面上から申し込み状況の確認などを確認することができます。
なお、上記の2つのサイトの他にも、さまざまなセミナー情報紹介サービスが存在します。セミナーの内容やターゲット層に応じて、適切なサービスを選択するようにしましょう。
③マーケティングオートメーションのポップアップやプッシュ通知
MA(マーケティングオートメーション)に備わる機能を活用して、セミナー集客を行うことも可能です。MAとは、Webなどの行動履歴にあわせてコミュニケーションをはかったり、顧客情報を管理したりするためのツールで、たとえばポップアップやプッシュ通知といった機能がセミナー集客に役立ちます。
ポップアップは、Webサイトを訪問したユーザーに対してフォームやバナーなどをポップアップ表示し、特定のページへのWeb遷移を誘導する手法です。セミナーを紹介するメッセージや申し込みページへのリンクをポップアップ表示することで、セミナーへの誘致を図れます。
プッシュ通知は自社サイトを閲覧していないターゲットを、自社サイトへ誘導する手法です。過去にセミナーページを閲覧したユーザーが外部の提携サイトを訪問している際に、リターゲティング広告のような形でメッセージを表示します。
いずれの手法もうまく使えば高い効果が見込めますが過度のアプローチは逆効果となります。
3.【重要】集客メール・告知ページの作成において注意すべきこと・例文
ターゲットにセミナーの魅力を感じてもらう上で、集客メールや告知ページの文言は非常に重要な要素となります。ここでは、セミナー集客に用いるメールや告知ページの作成において注意すべき点を、具体的な例文をあわせてご紹介します。
基本事項
集客メールや告知ページの作成において何よりも重要なのは、集客対象に応じてタイトルや本文を工夫するという点です。したがって、まずは集客しようとしているターゲット層の特性を具体化し、抱えている課題や興味を引くキーワードなどを明らかにしましょう。 また、一つのメール・告知ページに複数の内容を掲載するのはNGです。たとえば、セミナー集客メールに新商品の紹介を載せる、一つの告知ページに複数のセミナーの情報を掲載するようなことは避け、対象となるセミナーの情報のみに絞った内容としましょう。
タイトル(Subject/件名)
集客メールや告知ページのタイトル(Subject/件名)は、ターゲットの関心を引く上で重要なポイントとなります。ターゲットが抱えている課題、課題に対する解決策などをキーワードとして、ターゲットが興味を抱くようなタイトルとしましょう。
メールの場合、タイトルの文字数は20文字程度、多くとも30字以内を目安としてください。また、告知ページのタイトルもSNSへの投稿時などにインライン表示される場合があるため、一目で概要を把握できるよう簡潔な表現を心がけてください。
<集客メール・告知ページタイトル例>
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本文
集客メールの本文は、短い文章で簡潔に、かつ分かりやすく伝えることが重要です。30秒くらいで全文を読み終えられる程度のボリュームにまとめた上で、告知ページへ誘導するような構造とするのがベストです。
告知ページも、重要事項をページの上部にまとめ、セミナーの概要がファーストビューで把握できるような構造とします。画像や動画をうまく取り入れて、ターゲットの関心を惹きつけるよう工夫をこらしてください。
また、これは言うまでもない事ですが、セミナー参加者が必要とする情報は過不足なく記載する必要があります。記載すべき情報については、前述の「1-1)セミナーの開催要項を明確にする」も参照にしてください。
<集客メール文案>
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[メール署名]
なお、メール文案の作成については、以下の記事が参考になります。ぜひあわせてご覧ください。
4.セミナー集客がうまくいかないときは?
以上、この記事ではセミナー集客に取り組む上でおさえておくべきポイントをご紹介しました。
なお、以下の資料にて、セミナーを活用した成果を最大化するための集客方法をはじめ、セミナー開催に欠かせない事前準備・その後のフォローについて詳しく解説しています。
セミナー集客にお悩みの方、セミナーの効果アップに取り組んでおられる方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
この記事が気になる方へ!おすすめの資料はこちら
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システムエンジニア/フリーライター/BtoBマーケターの3つの顔を持つワーキングマザー。
BtoB商材を扱うIT企業に在籍し、課題解決ブログの立ち上げ・SNS活用を始めとしたコンテンツマーケティングの導入に取り組んだ経験を持つ。
ライターとしては20年を超える経験を有し、『小さな会社のAccessデータベース作成・運用ガイド』(翔泳社)をはじめ、プログラミング関連の著書多数。
現在はIT企業にてシステム評価に携わりつつ、IT、マーケティング分野を中心に精力的に執筆活動を展開中。