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2023.11.16

マーケティングオートメーション(MA)で何ができるの?基本と機能・導入をわかりやすく解説

マーケティングオートメーション(MA)で何ができるの?基本と機能・導入をわかりやすく解説

「マーケティングオートメーション(MA)」とは、マーケティング活動を仕組み化すること及びそのために使われるソフトウェア(ツール)を指して使われる言葉です。
見込み顧客や顧客の興味関心にあわせて効果的かつ効率的にマーケティング活動を展開することができるため、近年導入が進んでいます。
この記事では、MAでできること、SFAやCRMとの関係性、マーケティングオートメーションツール(MAツール)選びのポイント、導入にあたって事前にやっておくべきこと、成功事例を紹介します。

マーケティングオートメーション(MA)とは

マーケティングオートメーションという言葉は「マーケティング=売るための活動」と「オートメーション=仕組み化」に分解することができます。
つまり、マーケティングオートメーション(MA)とは、ひとことで言えば「売るための活動を仕組化すること」です。
また、そうした仕組化をより効率的に行うためのツール自体も「マーケティングオートメーション」と呼ばれます。

受注までの推移のイメージ

「オートメーション=自動化」という言葉から、「マーケティングオートメーションツール(以下、「MAツール」)を導入すれば自動的に顧客が増えるのでは?」と思われた方もいるかもしれませんが、そうではありません。
MAツールは、例えていうなら顧客開拓の仕組み作りを支援する助っ人のようなもので、マーケティング担当者が行うべきさまざまな活動を効率化し、仕組化する手助けをしてくれるものです。

担当者による設定や管理作業が必要ではありますが、日々繰り返し発生する煩雑な作業を自動化することで、マーケティング活動を大幅に効率化することができます。

MAとSFAやCRMの関係性

マーケティング活動におけるMAの位置付けを理解するために、マーケティングオートメーション(以下、「MA」)とSFA(セールス・フォース・オートメーション)・CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の関係性について見ていきましょう。

MA・SFA・CRMの関係性

MAは見込み顧客(リード)の獲得・育成・選別を行います。
MAで獲得した商談や受注確度の高い見込み顧客を営業部門に受け渡し、案件や商談等の管理をSFAで効率的に行いながら受注へつなげていきます。
受注後もCRMで顧客データを管理・活用し、顧客との関係性を維持・向上させながらサービス利用の継続や、アップセル・クロスセルにつなげていくのがマーケティング・営業活動の一連の流れです。

MAとSFA・CRMの役割

MAやSFA、CRMは独立して機能するツールでもありますが、連携することもできます。
連携には、ソフトウェアやプログラム、Webサービス同士をつなぐためのインターフェースであるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が必要です。

連携すれば、MAで獲得した見込み顧客の情報がSFAとCRMに自動的に転送されるため、より効果的なマーケティング・セールス・顧客管理が可能となります。
昨今では、連携して使うことが主流となってきています。

何ができるの?MAツールの具体的な機能

先ほど軽く触れましたが、MAツールでは見込み顧客(リード)の獲得・育成・選別を行うことができます。

この一連のプロセスはデマンドジェネレーションと呼ばれており、①リードジェネレーション(獲得)②リードナーチャリング(育成)③リードクオリフィケーション(選別)の3つのプロセスを経て、見込み顧客の受注確度を高めていく手法です。
この手法は、一般的にBtoBマーケティングにおいて活用されています。

デマンドジェネレーションのイメージ

MAツールにはこれらのプロセスを支援するために下記の機能が備わっています。
各機能について順に解説します。

  1. リードを獲得する機能(リードジェネレーション
  2. リードを管理する機能(リード管理
  3. リードを育成する機能(リードナーチャリング
  4. リードの絞り込みを行う機能(リードクオリフィケーション
  5. マーケティング業務を自動化する機能(オートメーション

1)リードを獲得する機能(リードジェネレーション)

見込み顧客(リード)を獲得するための機能です。
デジタル広告やSEO、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディア活用などの施策でWebサイトへ誘導したユーザーに対して、個人情報を開示してもらうようアプローチすることでリードを獲得します。

具体的な機能としては以下の5つが挙げられます。

  1. ポップアップ
  2. リコメンド
  3. プッシュ通知
  4. ランディングページ/フォーム設置
  5. リターゲティング広告
【活用イメージ】
・Webサイトへ訪問したユーザーを、遷移元ページに応じて適切なページへ誘導する
・自社Webサイトを訪問したことのあるユーザーに対し、プッシュ通知を送信して再訪問を促す

関連記事>> リードジェネレーションとは?具体的な手法と事例も紹介

2)リードを管理する機能(リード管理)

リードジェネレーションのプロセスで獲得したリードを管理する機能です。
具体的には、獲得したリードの情報をツールに内蔵されたデータベースに登録して管理します。
登録したリードの情報は必要に応じて更新したり、セグメントやタグをつけたり、削除したりすることも可能です。

【活用イメージ】
・Webサイト上の資料請求フォームから送信された顧客情報を、自動的にデータベースに登録する
・メールマガジンの送付に際し、データベースに登録されたリードの中から適切な送信先を抽出して送信リストを作成する

関連記事>> リード管理とは?概念と始め方・ツールの選び方

3)リードを育成する機能(リードナーチャリング)

リードナーチャリングは、獲得したリードに対して、メールや電話、ポップアップやプッシュ通知、リターゲティング広告等を活用して購買意欲を高めていく活動です。

リードナーチャリングを効果的に行うためには、顧客の属性や嗜好、検討度合い等の情報を把握しておくことが大切です。
MAツールを活用することでこうした情報を統合的に管理し、必要なタイミングで活用することが可能となります。

【活用イメージ】
・MAツールで管理している顧客情報をもとにリストを作成し、メールマガジンを送信する
・自社を訪問したことのあるリードにプッシュ通知を送信し、再訪問を促す
・リードの属性や行動履歴に応じて、最適なセミナーを紹介する

関連記事>> リードナーチャリングとは?具体的に何をやるの?手法を事例で解説

4)リードの絞り込みを行う機能(リードクオリフィケーション)

リードクオリフィケーションは、大量のリードの中から成約確度の高いリード(ホットリード)を選び出し、営業部門に引き渡すためのリストを作る活動です。
MAツールには、個々のリードの属性やオンライン・オフラインの行動履歴等をもとに成約確度を推測するためのスコアリングという機能が搭載されています。
また、抽出したホットリードリストを効率よく営業部門に引き渡す、SFA連携機能が搭載されているツールもあります。

【活用イメージ】
・機能一覧、価格表ページを2回以上閲覧したリードは、成約確度が高いと判断する
・スコアリングの結果をもとにホットリードリストを作成し、営業部門のSFAに定期的に連携する

関連記事>> リードクオリフィケーションとは?効果的な手法を紹介!

5)マーケティング業務を自動化する機能(オートメーション)

あらかじめ決められたルールに従って、リードへのアプローチやマーケティング業務を自動化するための機能です。
ある意味、「マーケティングオートメーション(MA)」という名前から想像するイメージに最も近い機能だといえるかもしれません。

オートメーション機能を活用することで、マーケティング担当者がリード一人ひとりに対して行うべき施策を効率よく実施することが可能となります。

【活用イメージ】
・Webサイト上で資料請求フォームを表示したものの、請求に至らず離脱したリードに対して、ダウンロード資料の魅力を伝える案内メールを自動送信する
・検討度合いの進んだリードが2日続けて価格表ページを閲覧した場合、インバウンドコール担当者に通知する

MAツール選びの重要ポイント

どのMAツールにも先述のすべての機能が備わっているわけではありません。
重要なのは、自社のマーケティング活動に最適な機能が搭載されているMAツールを導入することです。

「導入してみたけど思ったような成果が出せなかった」とならないためにも、以下のポイントを参考にしながらMAツールを選ぶようにしましょう。

1)注力したい施策に適した機能が備わっているか

実際のマーケティング活動においては、先述したデマンドジェネレーションのどのプロセスに注力したいかで施策内容が変わります。
そのため、注力したい施策に適した機能を備えたMAツールを比較及び選定するのが大切です。

例えばリードジェネレーションに注力したい場合は、自社サイトに見込み顧客を誘導し、個人情報を取得するための施策が必要です。
この場合、「1)リードを獲得する機能(リードジェネレーション)」で紹介した機能が備えられているMAツールを選ぶ必要があるでしょう。

どのプロセスに注力したいのかを明確にするためにも、自社の改善すべきポイントや現在の施策内容と成果等を、事前に把握しておくのがおすすめです。

関連記事>>MAツール10社比較・選び方<目的別>

2)既存システムや使用したいシステムと連携できるか

MAツールはAPIを利用してSFAやCRMと連携できると先述しましたが、他のツールやシステムと連携することも可能です。
MAツールを選ぶ際は、自社の既存ツールやシステム、今後使用したいと考えているツールやシステム等と連携できるかも確認しておく必要があります。

他のツールやシステムと連携することではじめて、マーケティング活動をより高度に自動化できるようになるため、連携の可否について事前にMAツールの提供会社に確認しておくことをおすすめします。

以上を踏まえて、自社に最適なMAツールを選びましょう。こちらに選び方の参考になる情報をまとめました。

レビューから考える「自社に最適なMAツールの選び方」

MAの重要性

DMP及びMAの国内市場は2014年に米国Oracle社が「Oracle Cross-Channel Marketing(旧Eloqua)」の日本でのサービス提供を開始して以来、拡大の一途をたどっており、拡大傾向が続いています。

DMP/MA市場規模推移・予測

DMP/MAの市場規模は、2020年に543億円でしたが、2026年には865億円(注1)にまで成長すると予測されています。

その最大の理由の一つが、情報収集のオンライン化です。
インターネットの普及により、私たちはあらゆる情報をオンラインから入手できるようになりました。
消費者庁の調査によれば、BtoCでは89.5%(注2)の消費者が、買い物をする前にインターネットで情報収集をしています。
さらに、Webマーケティング企業の調査によると、BtoB企業の56.6%(注3)が製品やサービスを購入する前にインターネットで情報収集しており、インターネットサイトを見た後は57.9%(注3)が企業の資料をダウンロードしています。

買い物・契約をする前にネットで事前調査をする

昨今の企業担当者は、必要な情報を事前にオンラインで収集したうえで、製品やサービス提供企業にコンタクトするようになってきています。
つまり、営業が導入検討段階のリードに会うこと自体が昔に比べると格段に難しくなっており、ようやくリードにコンタクトできた時にはほぼ選定が終わってしまっている、といった状況になりつつあるのです。
つまり、企業側からすると「会ってくれない」「ニーズを教えてくれない」「競合の情報も知っている」ようなリードに「非対面でいかにコミュニケーションをとり成約に繋げるか」が、マーケティング上での非常に大きな課題となっています。

だからこそ、「非対面での顧客開拓を仕組化する」ことを目的としたMAが注目され、導入が進んでいるのでしょう。
日本は長い間「マーケティング後進国」として欧米に遅れを取ってきましたが、こうした変化を背景に、日本企業におけるマーケティングに対する意識の高まりがみられるようになってきています。

(注1)株式会社矢野経済研究所「DMP/MA市場に関する調査(2021年)」(2021年11月10日発表)
(注2)消費者庁「令和3年版消費者白書」
(注3)株式会社グリーゼ「BtoB製品購入プロセスにおけるWebマーケティングの重要性(2023年版)」

MAツールを導入するためにやっておくべきこと

先述したとおり、MAツールはあくまでもマーケティング活動を手助けするものであり、それを生かすも殺すも使う側次第なのです。
これからMAツールを活用しようと考えている方は、まずは自社が抱えるマーケティング上の課題を整理したうえで、ツールによって解決したいことを整理しておきましょう。
また、可能であれば事前に以下のような作業を行っておくと、よりスムーズに導入を進めることができるはずです。

1シナリオを設計する

マーケティング活動におけるシナリオとは、ターゲットとなる見込み顧客を実際の顧客に変えていくための流れのことです。
シナリオの作成はカスタマージャーニー(バイヤーズジャーニー)に基づいて行います。

特にBtoBの場合は契約に至るまでの期間が長いため、顧客が取り得る行動をいくつかのフェーズに分ける等して、細かくシナリオを設計する必要があるでしょう。

関連記事>> 【初級】マーケティングオートメーションのシナリオ設計法&設計例
関連記事>> 【専門家解説】カスタマージャーニーマップの正しい作り方・手順(事例・雛形付き)

2セグメントの基礎設計を行う

顧客を属性や行動履歴等によってグループ分けすることをセグメンテーションといい、セグメンテーションによって分割されたグループをセグメントと呼びます。
MAツールでは、セグメントごとに実施する施策を設定できるため、あらかじめどのようなセグメントに分割するのかを検討しておくとよいでしょう。

3コンテンツを準備する

Webサイト上に掲載するノウハウ記事やブログ、製品カタログ、ダウンロード用ホワイトペーパー等のコンテンツを準備しておきましょう。
はじめからたくさんのコンテンツを用意するのが難しい場合、ニーズの高いコンテンツさえ用意できれば、本数は少なくても問題ありません

関連記事>> コンテンツマーケティングとは

4運用体制を決める

MAツールの導入後、誰がどのような役割分担で運用するのか、可能な範囲で明確にしておきましょう。
運用体制について検討しないまま導入してしまうと、「運用要員が確保できず、せっかく導入したツールを活用しきれない」という事態を招きかねません。

なお、運用体制を決めるにあたっては、関連する部署との連携も大切です。
特に、営業部門との連携は重要なポイントとなるため、あらかじめ運用イメージのすり合わせを行っておくとよいでしょう。

関連記事>> 【保存版】失敗しないMA導入の流れ&やるべきことリスト

MAツールを活用した成功事例

実際にMAツールを導入し、成果が出た事例を2つご紹介します。
「本当に成果がでるのか」「運用のイメージが湧かない」「未経験でも活用できるのか」と不安を抱いている方の参考になれば幸いです。

1)マーケティング未経験の「1人マーケター」が、年間の新規問い合わせ件数約100件を350件超に!

株式会社関東製作所様

金型制作や量産成型を行う株式会社関東製作所では、事業拡大に伴い、既存顧客との取り引きを大事にしつつも新規開拓も進めるという経営判断からマーケティング課を立ち上げることになりました。
マーケティング未経験かつ一人マーケターであった担当者が、初めて導入した海外製のMAツールは日本仕様ではない管理画面や、英語のガイドラインなどによって上手く使いこなせていない状況でした。
そこで、その反省を活かして導入したのが、「新規のリードを創出できる機能」「日本語によるサポート体制」が備わっているMAツール「SATORI」です。

具体的には、カスタマージャーニーマップに沿ったポップアップ施策を行うことでサイト内回遊と問い合わせを創出し、「SATORI」の導入から約1年7ヶ月で新規問い合わせ件数が年間100件から350件へ増加しました。
さらには、自社サイトの月間セッション数も、約3,500セッションから10,000セッション超に増加しています。

リンク>>ポップアップ機能をフル活用!マーケティング未経験の「1人マーケター」が、年間の新規問い合わせ件数約100件を350件超に増加させるまで

2)Webサイトへのアクセス数が昨年比2倍、資料DL数も3倍に増加!

ITAGE田辺様中村様

製造業・物流業向けのソフト開発・システム運用を行う株式会社 ITAGEでは、手作業によるマーケティング業務を効率化すべく無料のMAツールを導入していましたが、セキュリティ面や顧客管理の方法に不安を抱いていました。

そこでMAツールを比較するなかで、「セキュリティ管理基準を満たしている」「サポートの手厚さ」「メールマーケティング機能の充実」「CRMと連携できる」という点で「SATORI」の導入を決定しました。

Webサイトへのアクセス数2倍、資料ダウンロード数3倍になっただけでなく、コンテンツ内容に沿ったポップアップ施策によりウェビナー申込数が2倍以上増加、見込み顧客との定期的なコニュニケーションにより認知から検討、契約までのリードタイムの短縮等を実現しています。

リンク>>Webサイトへのアクセス数が昨年比2倍、資料DL数も3倍に増加!MA、サイト、CRMの改修で成果につながるマーケティングを実現

これらの成功事例として紹介している企業は、何度もPDCAサイクルを回し、成果を出している点が共通しています。
MAツールを運用していくのは難しいとお考えの方も多いですが、目の前の施策を1つずつ実践すれば成果はついてきます。
これから導入を検討している方は、ぜひ「SATORI」の資料をダウンロードして機能をご確認ください。

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