インサイドセールスとは、マーケティング活動で得られた多くのリード(見込み顧客)から成約の可能性を見極め、その可能性ごとにリードとの関係性を強化、商談のアポイントを獲得し、営業(フィールドセールス)につなげていくという販売促進活動のことを指します。
インサイドセールスについては以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:インサイドセールスとは?基礎知識と特徴やメリットを解説します!
インサイドセールスにはツール導入が必須!その理由とは?
ツールの導入は、インサイドセールスでKPIを達成するための必須ポイントです。「リストの上からひたすら営業電話をかけるだけでしょ?」という、「インサイドセールス=テレアポ部隊」だと捉えていませんか?人力作業ではありますが、確かにその方法でも一定の成果は出ますし、いくつかの商談もとれるでしょう。しかしツールを導入せずに闇雲な方法で進めても、いずれ成果は頭打ちになるでしょう。インサイドセールスにツール導入が必須であることには、3つ理由があります。
1.顧客リストに優先順位をつけ、効率的にアプローチするため
アプローチをするリストには必ず優先順位をつけましょう。ただ闇雲に上から順にかけていくという方法は効率的とは言えません。リストが数十件のうちは問題がありませんが、例えばリードが数百件、数千件あった場合は、電話をかけ続けたインサイドセールスが疲弊してしまいます。ここにツールを導入してリストをデータベース化すると、配信したメールを開封したか、自社サイトに滞在したかどうかなどを可視化できます。そこから数百件のリストの中でも特に商談化しやすい顧客を自動的に抽出し、優先的に架電することで、効率的な商談獲得を実現することができるのです。
2.コールの質を高めるため
ツールを活用することで売上につながった架電と繋がらなかった架電を分析し、インサイドセールスの中でPDCAを回すことができれば、より多くの商談を獲得することができます。業界・業種ごとの成果を比較分析したり、最近ではコールでのトーク内容を分析するツールもでています。
3.リード不足を解消するため
営業活動では、そもそもアプローチするリードが手元にないことが課題になることも。通常であれば名刺交換やマーケティング施策によってリードを獲得していくのですが、事業が立ち上がったばかりの場合やマーケティング施策に手が回ってない場合は、アプローチするリードがない状態に陥ってしまいます。そのため、ツールを導入・活用し、リードを獲得してリード不足を解消していきましょう。
インサイドセールスに必要な6つのツールと導入すべき理由を解説
少し前置きが長くなりましたが、ここからはインサイドセールスの業務を効率化し、成果を最大化するために導入すべきツールの説明と必要である理由を合わせてご紹介していきます。
1.SFA(営業支援ツール):営業進捗管理で案件の進捗状況を可視化する
SFAは一般的に営業支援ツール(営業支援システム)と呼ばれ、見込み顧客や案件のデータを自動で蓄積、一括で管理し、インサイドセールスや営業の業務を効率化することができます。
もしSFAを導入していない場合のインサイドセールスは、「営業が訪問した/していない」「受注した/失注した」という0か1でしかデータ上で管理できず、その案件の具体的な情報は各担当者に聞かなければ分からないという、属人化した状態になってしまいます。そうなるとこれまでの実績は数字で残っていても、将来の受注(売上)が予測できませんし、KPIの達成も困難でしょう。特にSFAはインサイドセールスと営業をつなぐ、最も重要なポジションを担うツールだと考えています。
<SATORIがおすすめするSFA>
Senses:株式会社マツリカ
URL:https://product-senses.mazrica.com/
営業案件に関する情報(行動実績・Next Action・目標・リスクなど)を一元管理できるツールです。ツール内に蓄積したナレッジをチームメンバーにサジェストすることで、チーム全体の組織力強化も可能になっています。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違い、ツールの選び方、活用のポイント
2.MAツール(マーケティングオートメーションツール):リードを管理、見込み度合いを判断し、ナーチャリング(育成)する
MAツールはマーケティングオートメーションツールと呼ばれ、リードの属性情報を一元管理し、自社サイトへの訪問履歴や広告のクリック、営業メールの開封数をベースに見込み顧客の確度を判断、その後のリードナーチャリング(顧客育成)まで行うことができます。
インサイドセールスでMAを導入することのメリットは、見込み客の確度が可視化されること、ここに尽きます。ツール導入すべき理由でも言及しましたが、インサイドセールスにおける「見込み顧客にアプローチする優先順位がわからない」という課題は、MAツールを導入することによって解決することができるのです。
<SATORIがおすすめするMAツール>
「SATORI」:SATORI株式会社
URL:https://satori.marketing/
手前味噌になりますが、弊社の「SATORI」では見込み顧客を管理(リード管理)し、それぞれの確度を可視化させるだけでなく、個人情報を開示していない匿名状態のWebサイト訪問者も把握、アプローチすることでリード(見込み顧客)を獲得することができます。
企業名と担当者名、メールアドレスなどの顧客情報が手元になければ、インサイドセールスができることは非常に限られてしまいます。「SATORI」上ではWebサイトに訪れた匿名顧客へアプローチして態度変容を促すことで、メールアドレスや電話番号、氏名といった情報を取得し、実名顧客を増やすことができます(匿名ナーチャリング)。これによって、「リードが不足している」というインサイドセールスの課題も解決することができます。
関連記事:マーケティングオートメーション(MA)で何ができるの?基本と機能・導入をわかりやすく解説
3.CTI(コンピューター電話統合):MAツールのデータベースと電話を連携する
MAツールと、FAXも含む電話機のシステムをつなげることで、データベース上から顧客情報と電話番号を検索し、PCから直接架電することができます。コールセンターやサポートセンターでも導入されています。これを導入しないと、毎回電話番号をかける場合、PCで番号を確認して、手動で番号を入力するという手間が発生します。PCからシームレスに架電することができるので、かなり便利です。SATORIでもCTIツールと連携することができるため、確度の高い見込み顧客にPCからヘッドセットを通じて架電することが可能です。
通話内容の録音機能がある場合、見込み顧客とのコミュニケーションをテキスト化、分析することで、マーケティングや営業への活用だけでなく、インサイドセールスチームの育成とノウハウの蓄積にも貢献します。
また、会社の電話から架電する必要がなくなり、自宅からでもPCさえあれば架電できるため、昨今の感染症対策でテレワーク(リモートワーク)導入を進めている企業から今まさに注目を集めています。
<SATORIがおすすめするCTI>
BIZTEL(ビズテル):株式会社リンク
URL:https://biztel.jp/
オフィスの電話環境やコールセンターシステム・テレワーク環境・スマートフォンの内線化など、豊富な機能をクラウドで提供しています。
4.ABM:優先度の高い顧客に合わせた最適なアプローチをする
ABMはアカウント・ベースド・マーケティングの略で、企業側が自社にとって優先度の高い顧客ターゲットを絞り、集中的にリソースを投下するというものです。企業側から積極的なアプローチを行う点や、社員個人に対するアプローチではなく、組織全体(アカウント)を対象にしていることが、MAとの大きな違いです。インサイドセールスにおいては、リードの確保という視点で必要となるツールだと思いますが、ある程度インサイドセールスとして組織が立ち上がった後に導入するのがよいでしょう。
<SATORIがおすすめするABM>
「FORCAS(フォーカス)」:株式会社FORCAS
URL:https://www.forcas.com/
データ分析に基づいて成約確度の高いアカウントを予測し、マーケティングと営業のリソースをそのターゲットアカウントに集中するABMの実践を強力にサポートしています。
関連記事:【入門】ABMとは?概要とツールをわかりやすく解説
5.名刺管理ツール:名刺をデータベース化しリードを確保する
名刺管理ツールを活用することでスマートフォンのカメラやスキャナーで名刺を撮影、データ化し、社内で共有管理することができます。インサイドセールスにおける「リードの不足」を解決することができ、外部ツールと連携させることで名刺情報を起点としたマーケティング施策を実施することも可能に。また、昨今の感染症対策でオンラインでの名刺交換ができる点にも注目が集まっています。
<SATORIがおすすめする名刺管理ツール>
「Sansan」:Sansan株式会社
URL:https://jp.sansan.com/
社内の名刺を一括管理することで、企業の成長を後押しする名刺管理サービスです。名刺をはじめとしたあらゆる「顧客データ」を連携することができます。
6.Web(テレビ)会議ツール:非対面での商談を実現する
インターネットや電話回線を使い、非対面のビデオ通話によるコミュニケーションを行うことができます。手元のPC画面を共有しての商品説明やチャットの送信機能がついていることが多いです。一般的にはフィールドセールス(営業)でも広く使われていますが、商材の単価と営業難易度が低い場合は、インサイドセールスでもオンライン商談を実施することもあります。とにかく手軽に在宅勤務でも営業できますし、移動時間を減らし、限られたリソースを最大限活用してインサイドセールスの行動量を増やすことができます。
<SATORIがおすすめするWeb(テレビ)会議ツール>
「Zoom」:Zoomビデオコミュニケーションズ
URL:https://zoom.us/jp-jp/meetings.html
Zoomとは、様々な端末から利用でき、複数人での同時参加が可能な「ビデオ・Web会議アプリケーション」です。SATORIではZoom以外にも、SkypeやGoogle Meetを顧客のインターネット環境に合わせて使い分けています。
ツール検討前に注意すべきポイントとは
インサイドセールスに限らず、「導入しても使いこなせないこと」がツール導入で発生しがちなトラブルです。せっかく予算を割いて導入したけれども現場が使いこなせない、売り上げに貢献できていないと、ただコストが増えるだけです。
・導入前にしっかり目的と利用シーンを決めておく
・社内のデータが連携できるか確認しておく
・導入体制を整え、運用責任者を決めておく
特に、ツール導入前に専任で運用責任者を決めておくことをおすすめします。「導入したからには絶対に成果を出す」という当事者意識を運用責任者が持つことで、ツール導入とその成果にコミットするようになります。ツール運用を任されることで誰よりもツールを触り、活用法に詳しくなることでチームから頼られ、その社員の育成に繋がるという副次的な効果もあります。
ツール導入で比較検討すべきポイントとは
昨今、多くの企業から多種多様のツールがリリースされており、比較検討するにも選択肢が多くて迷ってしまうと思います。自社の課題や環境に合わせて重視するポイントは変わりますが、比較する軸と優先順位を決めて評価項目に落とし、ツールごとに数値化すれば客観的な比較検討を行うことができます。SATORIでツールを導入する場合、特に以下の3項目で比較しています。
① ツールの使いやすさ
② 導入のコスト
③ ツールとして成長しているか
①と②は当然として、特に③を重視しています。クラウド系のツール(SaaS)で、1年以上も機能のアップデートやリリースがないと、導入には不安を感じます。最初は少し使いにくいことがあっても、後々改善されるケースもSaaSでは珍しいことではありません。
また、ツールとその提供会社が成長している場合、カスタマーサクセスも充実している場合がほとんど。お客様の声をしっかりフィードバックとして回収し、それを開発に反映しているからなのです。ただの顧客としてツール導入するのではなく、顧客とベンダーが一緒にそのツールを成長させているという関係が理想だと思っています。
今回おすすめしたツールは実際にSATORIのインサイドセールスでも導入しており、効率的な商談化や事業の利益貢献、そしてインサイドセールスチーム全体のモチベーション向上にも効果がでています。導入前に一度、自社のインサイドセールスにおける課題を洗い出した上で比較検討を行い、最適なツール選択を行っていきましょう。