ディスプレイ、アドネットワークなど、これからバナー(画像)広告出稿を考える方に、バナー作成で失敗しないための制作マニュアルをお送りします。外注する時の注意点や、社内で作る際のデザイン参考例・ソフトなど、必要な情報を集めました。
バナー制作の手順【外注編】
社内に制作チームがない・・・など、社内でバナーを制作する環境がない場合は、外部の制作会社にバナー作成を依頼する必要があります。バナー制作を外注する際、制作会社に要件を伝えずに『丸投げ』してしまい、イメージしていたものと全く違うバナーを納品された・・・というケースも珍しくありません。外部に依頼するからこそ、整理された情報を正確に伝え、こちらの希望に沿うバナーを作成してもらいましょう。
バナー制作を外注する場合の手順を以下にまとめましたので、参考にしてみてください。
(1) シナリオ・目的を考える
まずは、バナー広告を出稿するシナリオと目的を決めます。
バナー広告を出す目的は何でしょうか?
代表的なバナー広告の目的は、「認知型」「ブランディング型」「コンバージョン型」「集客型」などが挙げられます。「どういう場面で」「どういうターゲットユーザーに見せたい」のかを、具体的に考えてみましょう。
シナリオや目的の決め方がよく分からない場合は、『バナーを見たユーザーにどういうアクションを起こして欲しいのか』を考えれば、具体的なシナリオや目的が見えてくるでしょう。
(2) 構成要素を作成する
次に、バナーの「構成要素」を決めます。バナーを作る際は、必ず「構成要素」を作りましょう。主な「構成要素」は、キャッチコピーや掲載すべき情報、イメージ画像、アクションボタンなどです。
バナーの「どこに」「どのような」情報を配置するかは、「成果目的に合わせて考えるバナーデザイン集」を参考にしてみてください。
(3) 必要なシナリオ×バナーサイズをまとめる
そして、バナーを見たユーザーに「どういう行動をして欲しいのか」、「そのためにはどのサイズが必要か」を決めます。
必要なシナリオ
ユーザーに取って欲しいアクションをもとに、訴求ポイントをまとめます。
例えば、バナー広告の目的を「30代以上のスキンケアお試しセット(500円)の申し込み件数を増やす」とします。
このキャンペーンのターゲットユーザーは「30代以上の女性」です。バナーという限られた面積で、ターゲットユーザーの興味・関心を引きそうな要素を考えます。ここでは、加齢による影響を連想させる「シワやたるみ」、また、お得感を連想させる「お試し」や「500円(具体的な価格)」が訴求ポイントとして挙げられます。
バナーサイズ
様々なバナーサイズがあるため、どれが良いのか判断に迷う場合もあるでしょう。その時は、「作っておくと便利なバナーサイズ一覧(ネットワーク広告対応)」を参考にしてみてください。
(4) 制作会社を探す、オーダーする
上記工程を行った後、制作会社を探し、制作の依頼を行います。
知り合いに紹介してもらう場合もあれば、複数の制作会社に同時に見積を取り、比較検討する場合もあるでしょう。
制作会社に必要な情報を正確に伝えることで、作業内容を明確に提示できるため、見積を取りやすくなります。依頼内容を明確にすることで、作業効率が改善され、納期短縮に繋がるケースもあるでしょう。
実際は、上記(4)からいきなり行うケースが多く見られ、制作会社に任せっきりになっている場合も少なくありません。そのような場合、工数がかさみ見積金額も上がり、成果が出ない・・・という結果になる場合もあります。そうならないためにも、上記(1)〜(4)の手順をしっかり行い、戦略的にバナー広告を出稿することが重要です。
バナー作成の手順【社内編】
社内でバナー制作を行う場合も、外部の制作会社に依頼する流れと基本的には変わりません。必要な情報を整理し、それを構成からデザインまで落とし込んでいきます。
外注と大きく異なる点は、バナーに必要な素材をすべて自分で用意しなければいけないということです。すべて自分で用意するため、自由度が高い分、どうしたら良いのか分からず、作業が進まないこともあるかもしれません。
以下に社内でバナー制作をする際の手順をまとめましたので、参考にしてみてください。
(1) シナリオ・目的を考える
(2) 構成要素を作成する
(3) 必要なシナリオ×バナーサイズをまとめる
上記『バナー制作の手順【外注編】』を参照。自分で制作する場合も、外部に制作を依頼する場合も、ここまでは同じです。キャンペーン実施の目的やシナリオを策定し、構成要素を作りましょう。
(4) 出稿先の広告掲載ガイドラインを確認する
上記手順(3)で必要なバナーサイズをまとめた後に、広告出稿を予定している媒体の広告掲載ガイドラインを確認しましょう。ガイドラインは媒体ごとに異なるため、制作前にしっかり調べておく必要があります。
以下にYahoo! JAPAN Display Ad Network(YDN)ガイドライン違反の代表的な例を挙げているサイトを紹介します。参考にしてみてください。
※出典:YDNバナーで審査落ち急増中!8つの典型事例と対処方法【2015年版】(LISKULより)
(5) 素材の収集
メインビジュアルやライン・囲みなど、すべてを作成すると時間と手間がかかります。商用利用可能な素材を使えば、制作を効率化することができます。「ぱくたそ」のようなロイヤリティフリーの無料写真素材サイトも多数あるので、複数サイトを比較し、気に入ったサイトを見つけましょう。
(6) デザイン決定と制作
素材集めの後は、画像処理ソフトを用いてバナーのデザインと作成を行います。画像加工ソフトとしてよく挙げられるのがPhotoShop(フォトショップ)です。初歩的な加工から高度な編集まで、幅広く対応できるオールインワンツールとして広く認知されています。
無料で簡単!バナー作成ソフト・バナー作成サイト
しかし、PhotoShopのような有償画像加工ソフトを持っていない場合もあるでしょう。その場合は、無償で提供されているツールを利用すれば、バナー制作を進めることができます。
以下に無償ツールを2つ紹介します。参考にしてみてください。
(1)バナー工房
「バナー工房」は、Webサイト・ブラウザベースの画像処理ソフトです。インストールする必要がないため、すぐにバナー作成に取りかかることができます。また、無料とは思えないほどのスタンプや枠、フォントが充実しています。
ただし、好きな場所に素材を配置できないというデメリットもあります。
試しに、SATORIのバナーを作ってみました。
(2)GIMP
「GIMP」はインストール型の画像編集ソフトです。インストールの手間はかかりますが、Photoshopにも引けを取らない高機能さと使いやすさから、手順書が出版されるほどメジャーになっています。
しかし、対応OSがWindowsのみとなっているため、利用環境が限られます。
いかがでしたか?バナー制作は、手間とコストがかかるからこそ、制作手順をマニュアル化し、一定以上の品質のバナーを制作できるようにしたいですね。ルール化することで、最小限の工数で制作でき、時間・コスト効率化が進み、PDCAサイクルも迅速に回すことができるでしょう。
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