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2020.10.29

【初心者必読】マーケティング用語~BtoB編~

【初心者必読】マーケティング用語~BtoB編~

マーケティングには、無数の専門用語が存在します。
実務についていても、そのすべてを理解している方は稀なはずです。
近年のBtoBのマーケティングは、マーケティングオートメーション(MA)の登場もあり目覚ましい進歩を遂げています。それに伴い、複数の耳慣れない用語が登場しています。
この記事では、昨今のBtoBマーケティングの現場でよく出てくるマーケティング用語を厳選して解説します。さらに、注目度が高まっているマーケティング用語も解説していきます。

1. BtoB企業で扱うマーケティング用語【基本編】

まずは、BtoBのマーケティングで押さえておきたい用語についての解説です。関連してよく出る用語も交えて、11個を選んでいます。

1.1 リード

BtoBマーケティングの特に重要な言葉で、「見込み顧客」を意味します。
将来的な取引相手になり得る、自社の商品やサービスに関心を持つもののまだ取り引きにはいたっていない顧客です。なおリードの定義は、どういった状態のものを見込み顧客とするかという考え方が異なることがあるため企業やサービスによって多少の違いがあります。
リードは獲得経路により、「MQL」「SAL」「SQL」などに分類されます。

1.2 MQL

リードの中でマーケティング部門と関連性が高いのは、「MQL(Marketing Qualified Leads)」です。
「ホットリスト」や「ホットリード」とも呼ばれることがあり、これらは展示会やセミナー、メルマガ、Webの資料請求や問い合わせといったマーケティング活動を通して取得されたのち、育成された有望な見込み顧客を指します。MQLに該当するリードは、すでに自社のサービスに対してある一定の興味や関心を持っている状態であり、商談などの次のステップへ繋がりやすい状態になっているため、マーケティング部門からインサイドセールス部門やセールス部門へ引き継がれます。

1.3 SAL

「SAL(Sales Accepted Lead)」は、MQLから営業部門が受け入れた見込み顧客のことを言います。MQLから関心の度合いをさらに高め、営業可能と判断されたり、顧客の側から提案依頼を受けたリードがこれに該当します。

1.4 SQL

「MQL]と「SAL」と「SQL」のそれぞれの担当領域の違いのイメージ

実際に営業担当者がアサインされたり、客先に訪問できた見込み顧客を、「SQL(Sales Qualified Lead)」と呼びます。商談ができるという状態の顧客で、実際の商談開始後のリードは「Opportunity」と呼ばれます。

1.5 リードジェネレーション

自社のサービスに興味を持った見込み顧客の獲得をするための活動を指します。
これには新規獲得とともに、社内の既存情報の活用、掘り起こしも含みます。
新規の獲得方法には展示会などのオフライン、広告などを利用したオンラインでの獲得といった方法があります。

リードジェネレーションについて詳しくはこちら:【わかりやすい】リードジェネレーションとは?具体的な手法と事例も紹介

1.6 リードナーチャリング

見込み顧客を育成することです。
リードジェネレーションの段階では、自社に対する興味関心度が低いケースが多いです。そのため、優良な見込み顧客に引き上げるために、さまざまな育成コンテンツや施策を通して、興味関心度合いを高めていく取り組みが必要となります。
リードナーチャリングの方法としては、定期的なメール配信によるコミュニケーションや、お客様のステータスに合わせたWebページの出し分けといったものがあります。

リードナーチャリングについて詳しくはこちら:リードナーチャリングとは?基本の手法と成功事例

1.7 リードクオリフィケーション

見込み顧客の中から、購買意欲の高いユーザーを絞り込むことです。
この選別により、商品やサービスに対して確度が高い見込み顧客からアプローチができるため、効率の良い営業活動を行っていくことができます。
見込み顧客の行動(Webページ閲覧や資料ダウンロード等)に対し点数をつけて選別をしていくことから、「リードスコアリング」という呼び方もされます。
スコアリングによりつけられた点数は、リードナーチャリング時のアクションのきっかけに使われるとともに、優良な見込み顧客として営業にリストを渡す基準にもなります。

リードクオリフィケーションについて詳しくはこちら:【わかりやすい】リードクオリフィケーションとは?効果的な手法を紹介!

1.8 リードマネジメント

「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」の3つについて、運用管理をすることを指します。
デジタルマーケティングにおける運用管理ですので、見込み顧客の各種データをもとに運用や評価をしていくことが重要になります。
この運用や評価を効率よくおこなっていくためには、各指標を分析するために数値の見える化をすると良いでしょう。

1.9 アウトバウンドマーケティング

自分たちから見込み顧客へと売り込んでいく、古くからおこなわれてきたマーケティング活動を指します。
具体的なアプローチ方法としてはイベントやテレマーケティング、ダイレクトメールなどがこれにあたります。またオンライン、オフラインを問わず広告も、アウトバウンドのひとつとして捉えられています。
アウトバウンドマーケティングは「プッシュ型」の企業が主体となる方法です。近年では、顧客主体の傾向があるためアウトバウンドの効果が下がってきているといわれています。

1.10 インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングは、見込み顧客から自発的にサービスや商品、その企業に対して関心を持ってもらうマーケティング手法です。
具体的にはGoogle検索やメルマガ、ブログなどのコンテンツを用意して、そこから認知してもらったり、興味や関心を高めていってもらいます。
インバウンドマーケティングは顧客側に見つけてもらう方法なので、ネガティブな印象を持たれにくく、近年効果が高まっているとされています。
それだけではなく、オンライン上での取り組みが多いため、豊富なデータの取得も可能となります。こうして取得したデータにもとづく取り組みや分析が可能になる、といったメリットがあります。

インバウンドマーケティングについて詳しくはこちら:5分で理解!インバウンドマーケティングとは?手法を事例でわかりやすく解説

1.11 アンノウンマーケティング

まだ顧客の個人情報を認識できていない、未知の潜在顧客に対しておこなっていくマーケティング手法です。
顧客を特定はできませんがWebサイトの閲覧履歴といった匿名状態での行動データは残っています。
アンノウンマーケティングはこうしたデータを使い、コンテンツの出し分けやポップアップ表示、チャットボットでの会話などを行いリードに転換していきます。
一般的にマーケティングオートメーションツールは、見込み顧客を獲得した後のリードナーチャリングが主たる機能とされてきました。
しかし近年は、アンノウンという母数の大きな層をリードに変えていく必要性が多く唱えられるようになってきています。
そのため最近のマーケティングオートメーションツールには、アンノウンにアプローチするための機能が備わっているツールもあります。

2. BtoB企業で扱うマーケティング用語【注目トレンド編】

次に昨今、BtoBマーケティングの周辺で注目度が高まり、よく聞かれるようになった言葉を8個紹介していきます。

2.1 デジタルトランスフォーメーション(DX)

デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉の定義をシンプルにいうと、「データとデジタル技術を活用し、ビジネスにおける激しい変化への対応、業務や企業文化の変革、競争の優位性を持つこと」となります。
しかしDXに絶対的な定義はなく、実際のところは曖昧な形でこの言葉は使われています。
そのため実務でDXという言葉と出会った場合には、前後の文脈をとらえるなどして、何を意味しているのかをその場で解釈していく必要があります。

デジタルトランスフォーメーション(DX)について詳しくはこちら:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味や定義をわかりやすく解説

2.2 カンバセーションマーケティング

「会話型マーケティング」とも呼ばれます。
チャット(チャットボット)などを通して、企業と顧客が商品やサービスに関する対話をおこなっていくマーケティング手法です。
素早いレスポンスが見込めることや、実施が容易といった特徴があります。

2.3 マーケティングオートメーション(MA)

マーケティングオートメーション(MA)は、事業収益を高めていくための施策の自動化や、全体のプロセスを可視化して効果測定ができるツールです。
より具体的に言うと、リードの「獲得」「育成」「評価」「選別」をおこなうための機能を兼ね揃え、最適な「タイミング」「チャネル」「メッセージ」を自動で出し分けていくことができます。
マーケティングオートメーションを導入することで、One to Oneマーケティングの実現はもちろん、複数のPDCAをまわしていくことが可能となり、施策の実行と改善を高速化していくことができます。

マーケティングオートメーションについて詳しくはこちら:マーケティングオートメーション(MA)で何ができるの?基本と機能・導入をわかりやすく解説

2.4 顧客関係管理(CRM)

顧客の購買履歴やコミュニケーションを管理し、顧客満足度や顧客ロイヤリティの向上によるクロスセルを図ります。CRMツールでは既に自社と取引のある顧客を主な対象とし、顧客の属性情報や行動履歴などを管理し、一人ひとりの顧客のニーズに応じてきめ細かな対応を行います。

2.5 営業支援システム(SFA)

営業支援システム(SFA)は、営業部門がより効率よく営業活動を行うことを目的とした営業支援ツールの総称です。
既存顧客の情報を管理するだけでなく、営業担当が過去行った商談の履歴やステータスなどの案件進捗を記録、次の行動までのスケジュール管理などを一元的に管理することができます。
顧客情報管理に特化した顧客関係管理(CRM)よりも営業活動にフォーカスしています。

2.6 インサイドセールス

電話やEメールを活用した、内勤型営業を指す言葉
この反対の意味となる外勤営業のことを「フィールドセールス」と呼びますが、近年はインサイドセールスとフィールドセールスを役割を分けて取り組むことで、成果を出す企業も多くなっています。
インサイドセールスだけでも、成約の可能性が低い見込み顧客に対して継続的にアプローチを続けていき、見込みが高くなった時点で営業に渡すといった、効率の良いスタイルが広がってきています。
実務に取り入れる場合には、業務を標準化させることで属人化を防ぐことや、情報共有の仕組みをつくっておくといった準備をしておくと、よりスムーズな運用ができます。
参考記事:インサイドセールスとは?特徴やメリット、やるべきことをわかりやすく解説
インサイドセールスは面識のない新規の顧客に対し訪問のアポイントを取る「テレアポ」だけでなく、「テレマーケティング」も行います。いずれも電話を使ったコミュニケーションですが、テレマーケティングは、すでにリードとして獲得している顧客のサポートや営業部門のフォローなど顧客とより良い関係を築くことに重きを置いています。セールスだけでは対応できない顧客の育成などといった幅広い業務領域を担当しながら商談へつなげていく部門です。

インサイドセールスについて詳しくはこちら:インサイドセールスとは?特徴やメリット、やるべきことをわかりやすく解説

2.7 カスタマーサクセス

顧客からの要望に対して、素早く正確に問題の解決にあたるという受動的な対応ではなく、顧客の成功を目指して積極的なフォローをおこなっていくことを意味します。
場面ごとの問題を解決するだけではなく、それを通して顧客とのエンゲージメントを強化したり、生涯価値を高めるといったことに取り組むのが、従来からのカスタマーサポートとの違いです。また顧客だけでなく自社の事業収益の向上も同時に目指していく、という側面もあります。そのためビジネスの中で、目標を立てて計画的に進めていくことが必要になります。
BtoBの事例としては、カスタマーサクセスに取り組むことで解約率を下げたり、アップセルにより売上を高めるなどの成功事例が報告されています。
カスタマーサクセスについて詳しくはこちら:カスタマーサクセスとは?役割・仕事内容、CS(サポート)との違い

2.8 ウェビナー

「Web」+「Seminar」による造語です。インターネット上での、動画を使ったセミナーを指します。同じ意味を持つ言葉として、「オンラインセミナー」や「Webセミナー」がよく使われます。
動画を配信するだけでなく、チャットによる双方向のコミュニケーションなどがおこなわれています。
参加者にとってはどこからでも参加ができることや、スマホなどの身近な機器から利用できるといったメリットがあります。
主催者側にとってはコストや準備の手間を抑えられたり、今までアプローチできなかった顧客開拓ができるといった面で、注目が高まっています。


ウェビナーについて詳しくはこちら:ウェビナー(Webinar)とは?意味や開催手順、Zoomウェビナーの形式・使い方解説

3. まとめ

「BtoB企業で扱うマーケティング用語」の【基本編】と【注目トレンド編】をご紹介いたしました。【基本編】で解説した各語については、マーケティングの現場で実際に耳にされている方も多いでしょう。
【注目トレンド編】では、データ関連の用語とオンラインを活用した営業手法、そのためのツールを中心に解説しました。
この用語を知っていることで施策の理解や瞬間的な反応がよくなりますので、きちんと押さえておくようにしましょう。
今後もマーケティングに関連した、新しい用語が続々と誕生してくることでしょう。トレンドを逃さないよう、日々関心を持っておくようにしましょう。

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