【わかりやすい】リードクオリフィケーションとは?効果的な手法を紹介!

丸の内とら

このエントリーをはてなブックマークに追加

リードクオリフィケーションはデマンドジェネレーションの一環として、獲得・育成した見込み顧客の中から有望な見込み顧客を絞り込むための施策です。当記事ではそんなリードクオリフィケーションについて、基礎から活用シーンまでを詳しくご紹介します。

リードクオリフィケーションとは

リードクオリフィケーションはBtoBマーケティング活動の中の一つで、見込み顧客(リード)の絞り込みを行うプロセスです。

一般的に、BtoBマーケティングにおいては以下のような流れでマーケティング活動が展開されます。

  1. リードジェネレーション:見込み顧客を獲得する
  2. リードナーチャリング:獲得した見込み顧客を育成する
  3. リードクオリフィケーション:育成した見込み顧客の絞り込みを行い、受注確度の高い見込み顧客を抽出する

こうした一連の活動は「デマンドジェネレーション(営業案件の創出)」と呼ばれます。見込み顧客を獲得し、獲得した見込み顧客を育成して絞り込みを行い、営業部門に受注確度の高い見込み顧客のリストを提供するのが、デマンドジェネレーションの主な目的です。

リードクオリフィケーションにおける「絞り込み」には、主にスコアリングという手法が使われます。詳しくは本記事の後半で具体的に説明しますが、スコアリングとは、簡単にいえば見込み顧客の属性や興味・関心、行動に応じて点数(スコア)を付与し、このスコアを基準として見込み顧客の成熟度(購買意欲)を判断するという手法です。

デマンドジェネレーションの一つであるリードクオリフィケーションの位置づけ

リードナーチャリングとの違い

前述のとおり、リードナーチャリングとリードクオリフィケーションは、それぞれデマンドジェネレーションという一連の活動の中のアクションです。リードナーチャリングでは獲得した見込み顧客を育成し、リードクオリフィケーションでは、育成した顧客の中から営業アプローチをかけられる段階に至っている見込み顧客を抽出します。

参考記事:【わかりやすい】リードナーチャリングとは?具体的に何をやるの?手法を事例で解説

なぜリードクオリフィケーションが必要なのか?

リードクオリフィケーションのプロセスを経て絞り込みを行うと、見込み顧客の件数は当初獲得した時点よりも大幅に減少します。では、なぜせっかく獲得した見込み顧客の件数を敢えて減らしてまで絞り込みを行うのでしょう?

それには、大きく分けて以下のような理由があります。

営業活動の効果・効率アップ

MAツールなどを用いて半自動的に進めることのできるマーケティング活動とは異なり、営業活動では基本的に人(営業担当者)が動きますが、インバウンドコールや訪問営業などで人が動くとどうしても時間とコストがかさみます。

このため、受注確度の低いリードリストを営業部門に渡してしまうと、成果に繋がらない営業活動によって、営業部門の時間とコストを無駄にしてしまうことにもなりかねません。

ある調査では(※出典1)、61%のB2Bマーケターが絞り込み前の全リードリストをそのまま営業部門に渡しているものの、その中で実際に受注に繋がる可能性が見込めるのはたった27%であるという結果が出ています。これは非常に効率の悪い話です。

適切なリードクオリフィケーションを行うことにより、結果として営業活動の効果と効率の向上に寄与することができます。

見込み顧客に利益のない営業活動を避ける

購買意欲が十分に高まっていない見込み顧客に対して営業アプローチをかけても、受注に繋がる可能性は高くありません。そればかりか、却って見込み顧客の不興を買い、せっかく育ててきた関係性を台無しにしてしまう恐れすらあります。実際、失注した案件のうち67%はリードクオリフィケーションが十分に行われていなかったことが原因であるという調査結果も出ています(※出典1)。
営業はアプローチする側にとってもコストの高い活動ですが、アプローチを受ける見込み顧客に対しても時間と手間を強いるものです。リードクオリフィケーションによって「今、まさに提案してほしい」と考えている「ホットな見込み顧客」を抽出し、そうした見込み顧客に対して営業活動をかけることで、見込み顧客に喜ばれ、同時に営業の成果もあがるという二重に嬉しい結果を出すことができるのです。

セールスファネルのイメージ

※出典1:15 Need-To-Know Lead Qualification Stats for B2B Marketers (with Takeaways) | Business 2 Community

リードクオリフィケーションの具体的な手法

それではここから、リードクオリフィケーションの具体的な進め方について解説していきます。

冒頭でも少し触れたように、リードクオリフィケーションは主に「スコアリング」という手法を用いて進めます。スコアリングとは、「カタログページを閲覧したら1点」「資料請求ページを閲覧したら3点」「問い合わせフォームを2回以上表示したら5点」…というように、見込み顧客の属性や行動に応じてスコアを付与していくという施策です。このようにして付与したスコアが一定の基準に達した見込み顧客を定期的に抽出し、営業部門に引き渡すというのが基本的な流れです。

スコアリングを行う際に何よりも重要なのは、見込み顧客が自社と初めてコンタクトしてから受注に至るまでの行動の流れを正しく理解することです。その上で、「検討を一歩先進んだと判断できるのは、どのような行動を取った時か」を明確にし、そのような行動に対してスコアを付与していくのです。

このため、リードクオリフィケーションは次のような流れで進めます。

<リードクオリフィケーションの流れ>

  1. セグメンテーション
  2. カスタマージャーニーマップを定義する
  3. シナリオ設計とスコアリング設計
  4. スコアリングの実施と営業部門への引き渡し
  5. シナリオのチューニング

それでは、リードクオリフィケーションの具体的な実施方法を順に見ていきましょう。

1)セグメンテーション

はじめに、スコアリング施策の対象となる見込み顧客のセグメンテーションを行います。
セグメンテーションとは「区分に分ける」という意味のマーケティング用語で、ターゲット顧客を何らかの基準を用いてグループに分割することを指します。そして、このように分割されたグループのことをセグメントと呼びます。

ここでは自社の見込み顧客を分析し、所属会社の業種・業態などの属性、ターゲットの興味・関心などに応じていくつかのセグメントに分割します。

2)カスタマージャー二ーマップを定義する

次に、定義したセグメントごとにカスタマージャーニーマップを定義します。

カスタマージャーニーマップは見込み顧客が自社とファーストコンタクトしてから受注に至るまでの流れを可視化した資料で、マーケティングにおける様々な施策の設計に用いられます。

スコアリングを行う際もまずは自社の見込み顧客の行動の流れを分析し、カスタマージャーニーマップを定義して可視化しましょう。

カスタマージャーニーマップについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

参考記事:【専門家解説】カスタマージャーニーマップの正しい作り方・手順(事例・雛形付き)

3)シナリオ設計とスコアリング設計

カスタマージャーニーマップを定義したら、続いてスコアリングのシナリオを設計します。

スコアリングのシナリオとは、ひとことで言えば、「どのような行動を取った時に何点スコアを付与するか」をカスタマージャーニーにそって整理したものです。

前述したカスタマージャーニーマップをもとに、「見込み顧客がどの行動を取ったら検討度合いが上がったと判断できるのか」という観点で分析を行い、スコア付与のポイントを見極めていきましょう。

なお、上記の判断は過去のマーケティングデータなどをもとに経験ベースで行えるとよいのですが、現時点で参考にできるデータがない場合、まずは仮説ベースで決めてしまっても構いません。というのは、このシナリオはスコアリングを継続的に進める中で、適時見直しをかけて改善していくものだからです。

シナリオのチューニングについては、この後で改めて説明します。

4)スコアリングの実施と営業部門への引き渡し

シナリオ設計が終わったら、いよいよスコアリングを開始します。

マーケティングオートメーションツール(MAツール)を導入している場合、定義したシナリオに沿ってツールを設定しておけば、あとはツールが一人ひとりの見込み顧客に対してシナリオ通りにスコアリングを行ってくれます。

このようにしてスコアリングを進め、一定のスコアに達した見込み顧客は定期的に抽出して営業部門に引き渡します。

見込み顧客の抽出と営業部門へのリストの引き渡しについては、実施頻度(週一回なのか、月一回なのか)や連携手段(Excelなどのデータで渡すのか、システム間でデータ連携の仕組みを作るのか)をある程度具体化しておくと、よりスムーズに進めることができるでしょう。

リードクオリフィケーションはデマンドジェネレーションの最終段階で行われる活動です。リードジェネレーションで獲得した見込み顧客に対してナーチャリングを行うかたわら、スコア付けを行い、その結果をもとに最終的に絞り込みを行うというのが一般的な流れとなります。

5)シナリオのチューニング

シナリオ設計のところで少し触れましたが、スコアリングのシナリオは、一度定義したらそれで完成するというものではありません。前述の例のように仮説ベースでシナリオを設計した場合はもちろん、過去のマーケティングデータを参考に定義したとしても、それが完全に正しいという保証はありません。

このため、定期的にスコアリングの成果を測定し、想定どおりの結果が出ていない場合は適時シナリオの見直しを行うのが鉄則です。

たとえば、「製品カタログをダウンロードした人は『アポイント獲得の見込み大』として高いスコアを付与していたものの、実際にデータを取って見たら、思ったほど営業成功率が高くなかった」…といった仮説の誤りはしばしば起こります。このような場合はシナリオを見直し、付与するスコアや付与のタイミングを調整しましょう。 また、場合によっては、1)セグメンテーションや2)カスタマージャーニーマップの段階まで戻って見直しを行う必要が出てくることもあり得ます。このようなチューニングを繰り返すことで、自社オリジナルの「成果の上がるシナリオ」を作り上げていくのです。

リードクオリフィケーションにツールは必要か?

リードクオリフィケーションという施策は、理論上では、特別なツールを用意することなく進めることも不可能ではありません。とはいえ、大勢の見込み顧客の行動を一人ひとり追跡し、しかるべきタイミングでスコアを付与するのは、実際には簡単なことではありません。

デマンドジェネレーションの自動化を手助けするマーケティングオートメーションツール(MAツール)には、スコアリングや顧客データの収集を始めとしたスコアリングを効率よく進めるための様々な仕組みが備わっています。

たとえば、MAツールによるスコアリングを行い、「ホットリード」として定義したユーザーの行動に注目し、リアルタイムで施策を打つことができます。

ほかにも、ホットリードがキラーコンテンツにアクセスしたことを検知して、営業担当者にアラートメールを送ったりすることもできます。

このような仕組みをうまく利用することで、リードクオリフィケーションの効果をより向上させることが可能です。

参考記事:「キラーコンテンツ」2つの意味、作り方と使い方

マーケティングオートメーションツールについては、以下のページで詳しくご説明しています。ぜひこちらも合わせてご覧ください。

参考記事:マーケティングオートメーション(MA)で何ができるの?基本と機能・導入をわかりやすく解説

リードクオリフィケーションのカギは「スコアリング」

以上、この記事ではリードクオリフィケーションの流れと具体的な進め方をご説明しました。

リードクオリフィケーションは、デマンドジェネレーションという一連の活動を締めくくる重要な施策です。そして、そのリードクオリフィケーションのカギを握るのが、前節でご紹介したスコアリングです。

これからリードクオリフィケーションに取組もうと考えている方は、スコアリングの意義・手法を正しく理解し、成果を上げる方法を知った上で着手いただければと思います。

なお、以下の資料にて、スコアリングで成果を上げるためのノウハウを詳しくご紹介しています。ぜひこちらもあわせてご一読ください。

「MAツール活用たった2つの鉄板法則」ダウンロード

PROFILE

丸の内とら

システムエンジニア/フリーライター/BtoBマーケターの3つの顔を持つワーキングマザー。
BtoB商材を扱うIT企業に在籍し、課題解決ブログの立ち上げ・SNS活用を始めとしたコンテンツマーケティングの導入に取り組んだ経験を持つ。
ライターとしては20年を超える経験を有し、『小さな会社のAccessデータベース作成・運用ガイド』(翔泳社)をはじめ、プログラミング関連の著書多数。
現在はIT企業にてシステム評価に携わりつつ、IT、マーケティング分野を中心に精力的に執筆活動を展開中。
このエントリーをはてなブックマークに追加