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2023.05.11

リードナーチャリングに有効なコンテンツとは?制作のコツと施策事例

リードナーチャリングに有効なコンテンツとは?制作のコツと施策事例

マーケティング施策のひとつとして注目されているのが、リードナーチャリングです。ただし、リードナーチャリングがなぜ必要なのか、どういうコンテンツを作成すれば効果が出るのか、正確に把握できている人は多くないかもしれません。

この記事では、リードナーチャリングが必要な理由やメリット、コンテンツの種類や制作の流れ、成功に導くコツについて解説します。

そもそも「リードナーチャリング」とは?

「リード」とは、自社の商品やサービスを購入する可能性がある顧客、つまり「見込み顧客」を意味します。またナーチャリングは「育成」「養育」と訳されます。まとめると、リードナーチャリングとは「見込み顧客の育成」であり、適切なコンテンツを提供することで自社の商品・サービスに対する見込み顧客の購買意欲を高めるマーケティング活動です。

自社の商品・サービスを購入してもらうまでのプロセスは、見込み顧客の「獲得(リードジェネレーション)」「育成(リードナーチャリング)」「管理(リードクオリフィケーション)」の3つに分けられます。中でも、リードナーチャリングは特に重要です。なぜなら、見込み顧客の購買意欲を高められるかどうかが、売上に大きく影響するからです。

関連記事:リードナーチャリングとは?基本の手法と成功事例

リードナーチャリングが必要な理由

かつての営業手法は、担当者が顧客の会社へ訪問し、打ち合わせを重ねながら自社の商品・サービスを紹介する形が主流でした。現在は、さまざまな営業ツールやサービスが登場し、顧客へのアプローチ方法が多様化しています。マーケティング活動においてリードナーチャリングが必要な理由について、顧客の購買行動の変化も踏まえて、細かく見ていきましょう。

顧客みずから情報収集する

リードナーチャリングが必要な理由は、情報収集する顧客にアプローチをするためです。昨今は、顧客がみずから情報収集し、購買するかどうかを決めるケースが増えています。もし一度接点を持ったとしても、期間が空いてしまうと顧客がその間に、他社に流れていってしまうかもしれません。

顧客へのアプローチ方法が多様化している

リードナーチャリングは、顧客へのアプローチ方法の多様化によって必要性を増しています。対面営業や電話、メール、セミナー、展示会などアプローチ方法が増え、従来よりも見込み顧客を集めやすい環境になりました。しかし、「セミナーで名刺交換し、リストに入れて終わり」では意味がありません。定期的にオンライン上で見込み顧客とコミュニケーションを取るなど、効果的なアプローチを考える必要があります。

休眠顧客への対応

休眠顧客へ対応しなければならない点も、リードナーチャリングが必要な理由です。初回の商談でいったん取引保留となり、その後半年~1年など期間が空いてしまっている顧客が「休眠顧客」です。もし休眠顧客に対してメールを送るなど、リードナーチャリングによって再度アプローチすれば、購入・契約につながるかもしれません。

関連記事:休眠顧客とは?効果的な掘り起こし方法と成功事例

リードナーチャリングの3つのメリット

リードナーチャリングでは、見込み顧客に対してさまざまなコンテンツを提供する必要があり、制作するコストや時間も必要です。しかし、リードナーチャリングには、それを行うだけのメリットがあります。以下で、主なメリットを3つ紹介します。

見込み顧客の流出を防げる

リードナーチャリングのメリットは、見込み顧客の流出を防げることです。リードと接点を持ったとしても、その後に何もアプローチしなければ、競合他社の商品・サービスを購入してしまうかもしれません。リードナーチャリングによって適切なコンテンツを提供すれば、見込み顧客との関係を深めることができるため、競合他社への流出を防げます。

長期にわたる営業活動に合わせることができる

営業活動において長期的なフォローができることも、リードナーチャリングのメリットです。BtoBビジネスの場合、顧客は組織単位で商品・サービスを購入することになるため、何度も検討を重ねたり長期間にわたって情報収集したりする可能性が高くなります。コンテンツの送付やウェビナーの開催など、定期的にナーチャリングすれば、長期にわたる営業活動にも対応できるでしょう。うまくいけば、受注までの時間を短縮できるかもしれません。

コンテンツが資産になる

リードナーチャリングのために制作したコンテンツは、一度制作すれば何度でも使えるというメリットがあります。セミナーを開催する場合、動画で撮影しておけば「実開催の後にオンラインで動画配信」といった活用もできるでしょう。いわば、コンテンツが自社の資産となるのです。

リードナーチャリングにおけるコンテンツの種類

リードナーチャリングでよく使われるコンテンツとしては、下記の6つが挙げられます。自社でコンテンツを制作する際の参考にしてください。

ブログ記事

自社の商品・サービスに対する興味や関心を持ってもらうためのコンテンツが、ブログ記事です。ブログ記事でSEO施策を実施すれば、集客につなげられるかもしれません。あるいは、ソーシャルメディアでの拡散によって認知度アップも期待できます。

メールマガジン

メールマガジンは、見込み顧客に対し、商品・サービスに関する情報を案内するメールで、リードナーチャリングでは今でも広く使われています。新商品の紹介やセミナーの告知など、メルマガを定期的に配信することでリードとの関係を維持できるでしょう。

関連記事:メルマガとは?配信の基礎知識・効果的な作り方と成功事例

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーは、市場調査の結果や商品・サービスの使い方、詳しい解説などをまとめた資料です。見込み顧客は、企業や個人の情報を入力することと引き換えにホワイトペーパーなどの資料をダウンロードすることが多く、見込み顧客の育成だけでなく、企業や個人の情報を入手できるというメリットもあります。

関連記事:ホワイトペーパーとは?概念と作り方・事例まで解説

イベント・セミナー

イベントやセミナーを定期的に開催することで、見込み顧客の商品・サービスの購入を後押しします。自社開催だけでなく、共催型のセミナーやフォーラムへの登壇、展示会への出展なども含まれます。

ウェビナーの動画やレポート記事

コロナ禍以降は、ウェビナー(オンラインセミナー)を開催する企業が増えました。顧客に参加してもらって終わりではなく、ウェビナーで録画した動画やレポート記事をコンテンツとして活用しましょう。そうすれば当日参加できなかった顧客にも、アプローチする手段となります。

関連記事:ウェビナー(Webinar)とは?意味や開催手順、Zoomウェビナーの形式・使い方解説

導入事例、ユーザーからの声の記事

見込み顧客は、実際に商品・サービスを購入した人たちの意見や感想(口コミ)を信頼する傾向があります。そのため、BtoBでは導入企業へのインタビュー、BtoCではユーザーから寄せられた意見や感想が有効なコンテンツとなります。

コンテンツをうまく活用したリードナーチャリング事例

リードナーチャリングにおいてコンテンツをうまく活用した成功事例を2つ紹介します。リードナーチャリングのコンテンツを制作したい方は、ぜひ参考にしてください。

動画制作・配信サービス企業・株式会社NewsTV

記者発表会やPRイベント、展示会、新商品情報などを動画化し、配信するサービスを展開している株式会社NewsTV。右肩上がりで成長していたものの、リードの管理やプロモーション活動の効率化といった土台づくりが後回しになっていました。

そこで、MA(マーケティング・オートメーション)を導入し、顧客獲得の見込み度合いに応じたメールマガジンを配信することで、案件化率は約4倍まで向上。リードナーチャリングによって実際の売上につながった総額は約6,000万円と、大きな成果が出ました。

詳しくは、こちらの導入事例記事をご覧ください。

マーケティング組織の本格立ち上げと同時に「SATORI」を導入。顧客ナーチャリングで案件化率は約4倍に!

広告代理業、イベント企画制作・株式会社ビッグビート

BtoB企業のマーケティングにおけるコミュニケーション支援事業を行っている株式会社ビッグビート。業界に向けた情報を発信するオウンドメディアを分析ツールで調査したところ、デジタルマーケティングをさらに強化していく必要性を感じたそうです。

そこでMAを導入。収集したデータを分析して顧客をセグメントし、顧客の興味に沿った内容のメルマガを配信しました。その結果、メルマガ経由での特設サイトへの訪問件数は1.5倍以上になりました。

詳しくは、こちらの導入事例記事をご覧ください。

セグメントごとにメール内容を最適化した結果、 メルマガ経由でのサイト訪問件数が 1.5倍以上増加!

リードナーチャリングのコンテンツを作る流れ

リードナーチャリングで成果を出すには、自社が集めたいのはどういう顧客なのかを考え、顧客の視点に立ったコンテンツを作ることが大切です。コンテンツを作成する流れについて、確認しておきましょう。

1. ペルソナを設定する

ペルソナとは、自社の商品・サービスを購入する象徴的な人物像です。例えば「43歳男性、人材紹介会社勤務、既婚、趣味は映画観賞、決裁者だがITリテラシーは低い」「34歳女性、メーカー勤務、未婚、趣味は飲み歩き、営業企画部に所属し、熱意はあるタイプ」といった、細かい人物像まで設定します。

ペルソナを策定する際は、自社の顧客リストや分析ツールのデータ、顧客アンケートの集計結果などにもとづいて、人物像を膨らまし、リアルなペルソナを設定していきましょう。

関連記事:【入門編】マーケティングの「ペルソナ」とは?作り方と例・無料テンプレート

2. ペルソナが解決したい課題を整理する

ペルソナを設定したら、その人物が抱えている課題を整理します。例えば、「ウェブサイトの問い合わせ件数を増やしたい」「情報収集をしているが、量が多すぎてどのように探せばいいのかわからない」といった課題が挙げられます。コンテンツ制作の前に、顧客の視点に立った課題や不安、疑問を考えておいてください。

3. 課題解決につながるコンテンツを制作する

ペルソナと課題を整理したら、解決につながるコンテンツを制作しましょう。ブログ記事やメルマガなど文字情報はもちろん、印象に残りやすい動画コンテンツもおすすめです。

コンテンツによってリードナーチャリングを成功に導くコツ

リードナーチャリングを成功に導くには、見込み顧客が「これが欲しかった」と思うようなコンテンツを提供しなければなりません。適切なコンテンツを制作し、提供するためのコツを2つ紹介します。

「業界別」「課題別」のコンテンツを制作する

「製造業向け」「サービス業向け」など自社が属する業界別の事例コンテンツや資料を用意します。「これは自社の業界に向けた資料だ」と思う資料が用意できれば、興味や関心、理解が深まるはずです。

また、業界や業種に関係なく、共通した課題もあります。「メールマーケティングがうまくいかない」「リード獲得に悩みがある」など、よくある課題をピックアップし、見込み顧客が欲しいと思うようなコンテンツを制作することが重要です。

MAを活用する

リードナーチャリングでは、顧客情報の管理や分析が極めて重要です。しかし顧客数が多くなると、手動で行うには限界があるでしょう。そこで活躍するのがMAです。

多くのMAには、セグメントごとのメール配信やメルマガの効果測定、顧客の興味・関心度合いの数値化など、リードナーチャリングに有効な機能が搭載されているので、うまく活用してください。

リードナーチャリングにおけるコンテンツ制作には情報分析が必要

リードナーチャリングにおけるコンテンツ制作は、「顧客にとって有益な情報かどうか」を最優先で考えなければなりません。そのためにも、自社の顧客に関する情報を集め、細かく分析する必要があります。

顧客分析ツールやMAなどを活用しながら効率的にコンテンツを制作し、リードナーチャリングを成功に導きましょう。

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