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2022.08.04

ホワイトペーパーとは?概念と作り方・事例まで解説

ホワイトペーパーとは?概念と作り方・事例まで解説

BtoB(法人向け)ビジネスにおいてよく耳にする「ホワイトペーパー」という言葉。元々は定期的な報告書などを意味していましたが、現在は冊子など読み物コンテンツの総称として用いられています。ここで、ホワイトペーパーの概念や作り方、実際の成功事例などをご紹介しましょう。

ホワイトペーパーとは

元々、ホワイトペーパーは政府が発行する白書からきた言葉です。しかし、現在はBtoBビジネスにおいて用いられる、冊子をはじめとした読み物コンテンツを示すことが多くなっています。マーケティング施策の一つで、製品・サービスに関する説明、技術などに関する分析情報などをまとめた資料に加えて、施策によっては課題解決型や基礎知識など幅広いホワイトペーパーが活用されています。主に、見込み顧客の獲得やリードナーチャリングを目的に活用され、BtoBビジネスではぜひ取り入れたい戦略の一つと言えるでしょう。

SATORIでも多くのホワイトペーパーを配信しています。

Web上からホワイトペーパーをダウンロードする際に入力される個人情報の収集、そしてダウンロード履歴から相手の興味・関心を把握することが可能です。もちろん、ホワイトペーパーを通じて獲得したリードに適切な営業およびマーケティング活動を行えば、具体的な商談へと繋げられます。

ターゲットのフェーズとマーケティング施策の種類

ホワイトペーパーの目的とメリット

ホワイトペーパーの主な目的は、以下の2点です。 

  • リード獲得(リードジェネレーション)
  • リード育成(リードナーチャリング)

 例えば、広告用LPやコンテンツのコンバージョンポイントに置くことで、新規リードの獲得が期待できるでしょう。また、リード育成はMAツールを用いて行われることが多いですが、ホワイトペーパーを通じて得られた個人および企業に関する情報、あるいはWeb上での動向といった情報を用いることで、メール配信などより適したマーケティング活動が行えるようになります。継続してホワイトペーパーを通じた情報提供を行えば、やがて興味関心が高まり、売上へと繋がっていくはずです。

そのほか、商談時には営業ツールとしても活用できるでしょう。ホワイトペーパーに有益な情報があれば、相手からの信用度が上がって関係が深まります。

<参考記事>

リードナーチャリングを目的としたMAの運用

ホワイトペーパーの活用法

では、具体的にどうすれば上手くホワイトペーパーを活用できるのでしょうか。まず、オウンドメディアなどの関連する記事コンテンツに、ポップアップやバナー、入力フォームの埋め込みなどでダウンロードへのオファーを表示する方法が考えられます。その記事に興味が合って流入している方が多いため、ホワイトペーパーに対しても同様に「読みたい」と考えてもらえる可能性は高いでしょう。

また、広告運用のリード獲得のために用いることもできます。例えば、広告用LPのコンバージョンポイントとして、ホワイトペーパーのダウンロードを設置するのです。そのほか、プレスリリースやメルマガで配信するのも一つの方法です。

あるいはイベントやセミナーなどの参加者に対し、プレゼントとして提供するのも良いでしょう。この際、ただ提供するだけでなくアンケート回答を条件にすれば、以後のマーケティング活動に役立つ情報も収集できます。なお、このときMAツールを活用すれば、一連の作業が自動化・効率化できます。

ホワイトペーパーを使った成功事例

実際にホワイトペーパーを使った成功事例を、2つご紹介します。

「ホワイトペーパーを増やしてリード獲得」株式会社ギブリー

育成対象となる顧客増加を目指し、インバウンド施策を強化するためにMAツールを導入。既存リストを対象としてメルマガを配信し、サービスサイトに訪問してくれたユーザーのサイト内動向を分析しました。そして、その結果から大きくサイト改善を行い、中間コンバージョンのためにホワイトペーパーを増やしたり、ダウンロードページを作ったりという施策を実施。ホワイトペーパーは、きちんと表紙も作り込みました。その結果、1ヵ月ほどでリード獲得が約4倍になり、さらに翌月にはセミナー実施の効果も重なって約14倍にまで増加しています。

事例記事はこちら>>https://satori.marketing/usecase/givery/

「関連ホワイトペーパー・記事への誘導ポップアップ施策で回遊数を大幅UP」ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社

MAツールを導入後、マーケティングを「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」「セールス」4ステージで組み立て、リードナーチャリングに向けたアクションの一部としてホワイトペーパーを活用。ダウンロードフォームやシナリオ設定、ダウンロード促進に向けたメルマガ配信、ポップアップなどを行いました。こうした戦略によって1ページあたりのPV数が最大1.5~2倍に増加し、認知拡大や顧客満足度の向上へと繋がっています。

このように、ホワイトペーパーは多くの企業が活用しています。リードジェネレーションやリードナーチャリングに課題をお持ちであれば、ぜひ検討してみると良いでしょう。

事例記事はこちら>>https://satori.marketing/usecase/sonynetwork/

ホワイトペーパーの作り方

ホワイトペーパーの目的がわかったら、次は作り方を確認していきましょう。

ホワイトペーパーの種類と施策のフェーズ

ホワイトペーパーは、ターゲットのフェーズに応じて種類が変わります。まず認知のフェーズでは、課題解決に役立つ業務ノウハウや調査リサーチ情報、あるいは市場に関するニュースなどを提供すると良いでしょう。有益な情報提供によって、信頼性を高められます。課題解決策として自社の商品・サービスに関する内容も盛り込むことで、興味・関心を引き起こします。

ターゲットが興味・関心を持ったら、商品・サービスの導入に向けた入門ガイドや、実際に導入した事例集などを提供します。事例集については導入企業にヒアリングし、具体的なストーリーや成果を盛り込んでください。そうすれば、商品・サービス導入後のイメージを持ち、より強い興味を持ってもらえるはずです。

比較検討の段階に入れば、商品・サービスを選ぶうえで役立つ選び方ガイドや口コミのまとめ情報を用意しましょう。導入障壁を下げると共に、競合他社と比較した自社商品・サービスのメリットを伝えて購入へと誘導します。

そして、購入フェーズになったら自社のビジョン、導入の流れや導入後のサポートなどを提供しましょう。共感や安心感を与え、購入に向けた最後の一押しとなります。

ターゲットのフェーズ
ターゲットのフェーズ ホワイトペーパーの内容
認知 業務ノウハウ
調査リサーチ
市場ニュース
興味・関心 入門ガイド
事例集
比較検討 選び方ガイド
口コミまとめ
導入 ビジョン
導入サポート
導入の流れ

ホワイトペーパー作成の流れ

ホワイトペーパーを作成する際は、まずフェーズ毎にターゲットとそのターゲットが知りたいことを洗い出します。そのうえで、読んだ後どうなって欲しいのかを明確にし、これを軸として作成していきましょう。

ホワイトペーパー作成の流れ

1)ターゲット設定 

誰に向けて作るのか、どんなステータスの人に向けたホワイトペーパーなのか、ターゲットを明確にします。相手の役職や年齢など、できるだけ詳細な人物像を設定することが大切です。

2)テーマ設定 

設定したターゲットに対し、適切なテーマ(どんな情報を提供するのか)を設定します。

3)目標設定 

ホワイトペーパーを読んだあと、読者にどうなってほしいのか、どんなアクションを起こしてほしいのか目標を設定します。

4)構成作成 

ホワイトペーパーの構成を作成しましょう。構成の作り方は詳しくは後ほど解説します。

5)ライティング・レイアウト

実際にホワイトペーパーの中身を制作(ライティング)し、レイアウトを決定しましょう。

ホワイトペーパーの構成

目的達成に向けて、適切な構成を検討します。具体的には、以下のような内容を盛り込みましょう。

1)表紙

ターゲットが最初に見る表紙は、「読むことでどんな情報を得られるのか」「自分にとってどんなメリットがあるのか」が分かるように作成しましょう。

2)この資料の目的

なぜこの資料が存在するのか、読むことでどんな課題改善に繋げて欲しいのかなど、目的を明確に記します。

3)内容(価値ある情報)

具体的な内容部分です。興味・関心を引き出すためには、ターゲットにとって価値ある情報の提供が欠かせません。ターゲット側の目線に立ち、十分に検討のうえ作成してください。文章だけの内容では読みづらいと感じる場合もあるので、図やグラフなどで読みたくなるような装飾を行うことも重要です。

4)宣伝(製品概要・会社概要・問い合わせ先など)

最後に自社の商品・サービスなどへ誘導する情報を記載します。具体的にはホワイトペーパーの内容に関わる(実際の課題解決に活用できる)製品の情報、あるいは企業概要や問い合わせ先などを盛り込みましょう。ここから、興味・関心の高まったターゲットとの商談機会が生まれます。

ダウンロードされやすいホワイトペーパーをつくるコツ

ホワイトペーパーは内容もさることながら、ターゲットがダウンロードしたくなる仕掛けが大切です。そのためには、まずタイトルと表紙を工夫しましょう。一目見て「自分にとって読むメリットがある」と感じられなければ、ダウンロードしてもらうことはできません。また、内容構成やページ数などを事前に表記するのも良いでしょう。

わかりやすく、流行に沿った内容にすることも大切です。イラストや図解を用いてわかりやすく構成されていることが分かれば、テキスト情報が苦手な人、あるいはあまり時間を掛けたくないという人でもダウンロードしやすくなります。
ページ数も少な過ぎれば内容が薄いと思われてしまいますし、逆に多過ぎれば読む気が削がれてしまうでしょう。ターゲットに適した構成を考え、必要に応じてダウンロード前に伝えておきます。

そして、ダウンロードへの誘導文も大切です。メルマガや記事コンテンツで、自然な流れからダウンロードしてもらえるよう意識しましょう。リードの獲得や育成に課題をお持ちであれば、ホワイトペーパーの活用は有効な手段の一つとなるでしょう。すでに広告やオウンドメディア、メルマガなどの施策を行っているなら、組み合わせることで大きな効果も期待できます。より効率的な見込み顧客の獲得を目指すなら、以下の資料もぜひ参考にご覧ください。

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