「マーケティングオートメーション(MA)」は見込み顧客や顧客の興味関心に合わせて効果的かつ効率的にマーケティング活動を展開することができるため、近年導入が進んでいます。
ここでは、MAでできること、導入するメリット、マーケティングオートメーションツール(MAツール)選びのポイント、SFAやCRMとの関係性、導入の手順、成功事例を紹介します。

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マーケティングオートメーション(MA)とは
「マーケティングオートメーション(MA)」とは、一連のマーケティング活動(リード獲得・育成・分類など)を仕組み化すること、及びそのために使われるソフトウエア(ツール)を指す言葉です。

「オートメーション=自動化」という言葉から、「マーケティングオートメーションツール(以下、「MAツール」)を導入すれば自動的に顧客が増えるのでは?」と思われた方もいるかもしれませんが、そうではありません。
MAツールは、たとえていうなら顧客開拓の仕組みづくりを支援する助っ人のようなものです。マーケティング担当者が行うべきさまざまな活動を効率化し、仕組化する手助けをしてくれます。
導入には担当者による設定や管理作業が必要ですが、日々繰り返し発生する煩雑な作業を自動化することで、マーケティング活動の大幅な効率化が可能になります。
2026年最新 日本のマーケティングオートメーション市場動向
日本のマーケティングオートメーション市場は、企業のDX推進やデジタルマーケティングの高度化を背景に拡大が続いています。2025年の市場規模は442.8百万米ドルと推定され、2034年には890.6百万米ドルへ拡大する見込みです(注1)。また、2026~2034年の年平均成長率(CAGR)は8.08%と予測されています。
AIや機械学習を活用した顧客分析、見込み顧客(リード)の育成、パーソナライズ施策への需要拡大に加え、MAツールの普及やデータドリブンマーケティングへの移行が、市場の成長を後押ししています。
(注1)「日本のマーケティングオートメーション市場概要 2026-2034」IMARC Group
https://www.imarcgroup.com/report/ja/japan-marketing-automation-market
MAツールの機能・できること
MAツールは、見込み顧客(リード)の獲得・育成・選別といったプロセスを効率化するために活用されます。この一連の流れは「デマンドジェネレーション」と呼ばれており、各プロセスを通じて見込み顧客の受注確度を高められることから、特にBtoBマーケティングで広く活用されています。

MAツールには、これらのプロセスを支援する以下の機能が備わっています。ここでは、それぞれの機能について順に解説します。
- リードを獲得する機能(リードジェネレーション)
- リードを管理する機能(リード管理)
- リードを育成する機能(リードナーチャリング)
- リードの絞り込みを行う機能(リードクオリフィケーション)
- マーケティング業務を自動化する機能(オートメーション)
1)リードを獲得する機能(リードジェネレーション)
見込み顧客(リード)を獲得するための機能です。
デジタル広告やSEO、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディア活用などの施策でWebサイトへ誘導したユーザーに対して、個人情報を開示してもらうようアプローチすることでリードを獲得します。
具体的な機能としては以下の5つが挙げられます。
- ポップアップ
- リコメンド
- プッシュ通知
- ランディングページ/フォーム設置
- リターゲティング広告
| 【活用イメージ】 ・Webサイトへ訪問したユーザーを、遷移元ページに応じて適切なページへ誘導する ・自社Webサイトを訪問したことのあるユーザーに対し、プッシュ通知を送信して再訪問を促す |
関連記事: リードジェネレーションとは?具体的な手法と事例も紹介
2)リードを管理する機能(リード管理)
リードジェネレーションのプロセスで獲得したリードを管理する機能です。
具体的には、獲得したリードの情報をMAツールに内蔵されたデータベースに登録して管理します。登録したリードの情報は必要に応じて更新するほか、セグメントやタグの付与、削除も可能です。
| 【活用イメージ】 ・Webサイト上の資料請求フォームから送信されたリード情報を、自動的にデータベースに登録する ・メールマガジンの送付に際し、データベースに登録されたリードのなかから適切な送信先を抽出して送信リストを作成する |
3)リードを育成する機能(リードナーチャリング)
リードナーチャリングは、獲得したリードに対して、メールや電話、ポップアップ、プッシュ通知、リターゲティング広告などを活用して購買意欲を高めていく活動です。
リードナーチャリングを効果的に行うためには、顧客の属性や嗜好、検討度合いなどの情報を把握しておくことが大切です。MAツールを活用することで、こうした情報を統合的に管理し、顧客の状況に応じた適切なタイミングでアプローチできるようになります。
| 【活用イメージ】 ・MAツールで管理しているリード情報を基にリストを作成し、メールマガジンを送信する ・自社を訪問したことのあるリードにプッシュ通知を送信し、再訪問を促す。そして、リードの属性や行動履歴に応じて、最適なセミナーを紹介する |
4)リードの絞り込みを行う機能(リードクオリフィケーション)
リードクオリフィケーションは、大量のリードのなかから受注確度の高いリード(ホットリード)を選び出し、営業部門に引き渡すためのリストを作る活動です。
MAツールには、リードの属性やオンライン・オフラインにおける行動履歴などを基に、受注確度を数値化する「スコアリング」という機能が搭載されています。また、抽出したホットリードリストを効率よく営業部門に引き渡すために、SFA(営業支援システム)との連携機能が搭載されているツールもあります。
| 【活用イメージ】 ・機能一覧、価格表ページを2回以上閲覧したリードは、受注確度が高いと判断する ・スコアリングの結果を基にホットリードのリストを作成し、営業部門のSFAに定期的に連携する |
関連記事: リードクオリフィケーションとは?効果的な手法を紹介!
5)マーケティング業務を自動化する機能(オートメーション)
あらかじめ決められたルールにしたがって、リードへのアプローチやマーケティング業務を自動化するための機能です。
ある意味、「マーケティングオートメーション(MA)」という名前から想像するイメージに最も近い機能だといえるかもしれません。オートメーション機能を活用することで、マーケティング担当者がリード一人ひとりに対して行うべき施策を効率よく実施することが可能となります。
| 【活用イメージ】 ・Webサイト上で資料請求フォームを表示したものの、請求に至らず離脱したリードに対して、ダウンロード資料の魅力を伝える案内メールを自動送信する ・検討度合いの進んだリードが2日続けて価格表ページを閲覧した場合、インバウンドコール担当者に通知する |
MAツールを導入するメリット
MAツールを導入する主なメリットは、以下の4つです。
- マーケティング業務を効率化できる
- 見込み顧客(リード)を育成できる
- 営業の成約率向上につながる
- データに基づいたマーケティングができる
MAツールを導入すると、メール配信や顧客管理、Webサイトの行動履歴の収集といった業務を自動化できるため、担当者の負担を大幅に軽減できます。また、リード一人ひとりの属性や興味・関心、検討状況に応じて最適な情報を継続的に提供することで、購買意欲を高めながら、効率よくリードを育成することが可能です。
こうして購買意欲が高まったホットリードを営業部門へ引き渡せるため、商談の質や受注率の向上も期待できます。さらに、メールの開封率やクリック率、顧客の行動データなどを可視化し、施策ごとの効果を分析・検証できることも大きなメリットです。データに基づいて改善点を把握し、PDCAサイクルを継続的に回すことで、マーケティング施策の精度を着実に高められます。
関連記事:パーソナライズとは?仕組み・具体例やメリット、活用方法と事例
MAとSFAやCRMの関係性
マーケティング・営業活動の一連の流れとしては、MAで獲得した受注確度の高い見込み顧客を営業部門に引き渡し、SFA(営業支援システム)を活用して案件や商談などの管理を効率的に行いながら受注へつなげていきます。
そして、受注後はCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント/顧客関係管理)で顧客データを管理・活用し、顧客との関係性を維持・向上させながら、サービス利用の継続やアップセル・クロスセルにつなげていきます。

MA、SFA、CRMは独立して機能するツールでもありますが、相互に連携することもできます。連携には、ソフトウエアやプログラム、Webサービス同士をつなぐためのインターフェースである「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」が必要です。

ツール同士を連携させることで、MAで獲得した見込み顧客の情報がSFAとCRMに自動的に転送されるため、より効果的なマーケティング・営業・顧客管理が行えるようになります。
昨今では、これらのツールを連携して活用するのが主流となってきています。
関連記事:MAとCRMの違いとは?2つを連携させるメリットとMAの選び方
【機能比較表あり】SFAとCRMの違いとは? 選び方のポイントは?
MAツールの選び方・比較ポイント
どのMAツールにも先述のすべての機能が備わっているわけではありません。重要なのは、自社のマーケティング活動に最適な機能が搭載されているMAツールを導入することです。
「導入したものの、思ったような成果が出せなかった」とならないためにも、以下のポイントを参考にしながらMAツールを選ぶようにしましょう。
1)注力したい施策に適した機能が備わっているか
デマンドジェネレーションのどのプロセスに注力したいかで施策内容は変わるため、自社の目的に適した機能を持つMAツールを比較・選定することが重要です。たとえば、リード獲得に注力する場合は、見込み顧客を自社サイトに誘導し、個人情報を取得するための機能を備えたMAツールを選ぶ必要があります。
どのプロセスに注力すべきかを明確にするためにも、自社の改善ポイントや現在の施策内容、成果などを事前に把握しておくことをおすすめします。
関連記事:MAツール10社比較・選び方<目的別>
2)BtoB・BtoCなど自社のビジネスモデルに適しているか
MAツールは製品ごとに得意とする業種やビジネスモデルが異なるため、自社の事業形態に合ったものを選ぶことが重要です。
たとえば、BtoB向けのMAツールは、商談化までの期間が長いことを前提に設計されているものが多く、リードの獲得や育成、スコアリング、CRM・SFAとの連携など、営業活動を支援する機能が充実している傾向があります。
一方、BtoC向けのMAツールでは、メールやLINEを活用したキャンペーン配信、Web接客、レコメンド配信、ECサイトとの連携など、多数のリードに対して最適なタイミングでアプローチするための機能が重視されています。
3)自社のマーケティングシナリオを設計・運用しやすいか
シナリオ機能とは、顧客の行動や属性に応じてメール配信やフォロー施策を自動化する機能です。ツールによって操作性や設定できる内容が異なるため、事前に使いやすさを確認しておきましょう。
たとえば、ドラッグ&ドロップで直感的にシナリオを作成できるか、条件分岐やスコアリング、自動メール配信などを柔軟に設定できるかを比較することが大切です。
また、MAツールは導入して終わりではなく、効果検証を繰り返しながら継続的に改善していくことが重要です。そのため、分析結果を基にシナリオを見直しやすい設計になっているかも重要なチェックポイントといえるでしょう。
4)既存システムや使用したいシステムと連携できるか
MAツールは、SFAやCRMをはじめとする他のシステムと連携することで効果を最大化できます。そのため、自社で利用中、または今後導入予定のシステムと連携可能かどうかを、事前に確認しておくようにしましょう。
また、これらのポイントを踏まえたMAツールの選び方について、以下の資料にまとめています。選定時の参考になる情報を整理していますので、ぜひご活用ください。
5)導入・運用コストに見合う費用対効果が期待できるか
MAツールは価格だけで判断するのではなく、自社の予算や運用体制、期待する成果を踏まえ、導入・運用コストと得られる効果のバランスを比較して選ぶことが大切です。
比較する際は、初期費用や月額料金だけでなく、利用ユーザー数や保有リード数によって料金が変動するか、導入支援や問い合わせ対応などのサポートが充実しているかも確認しましょう。
たとえば、月額料金が安くても運用工数が多かったり、追加オプションが必要だったりすると、想定以上の費用が発生する可能性があります。一方で、導入費用が高くても、業務効率化や商談数・売上の向上につながれば、長期的には高い費用対効果が期待できます。
MAツールを活用した成功事例
実際にMAツールを導入し、成果が出た事例を2つご紹介します。
「本当に成果が出るのか」「運用のイメージが湧かない」「未経験でも活用できるのか」と不安を抱いている方の参考になれば幸いです。
1)マーケティング未経験の「ひとりマーケター」が、年間の新規問い合わせ件数約100件を350件超に!

金型制作や量産成型を行う株式会社関東製作所では、事業拡大にともない、既存顧客との取り引きを大事にしつつも新規開拓も進めるという経営判断から、マーケティング課を立ち上げることになりました。
マーケティング未経験かつ1人マーケターであった担当者が初めて導入した海外製のMAツールは、日本仕様ではない管理画面や、英語のガイドラインなどが要因となり、上手く使いこなせていない状況でした。
そこで、その反省を活かして導入したのが、「新規のリードを創出できる機能」「日本語によるサポート体制」が備わっているMAツール「SATORI」です。
具体的には、カスタマージャーニーマップに沿ったポップアップ施策を行うことでサイト内回遊と問い合わせを創出し、「SATORI」の導入から約1年7か月で新規問い合わせ件数が年間100件から350件へ増加しました。
さらには、自社サイトの月間セッション数も、約3,500セッションから10,000セッション超に増加しています。
関連記事:ポップアップ機能をフル活用!マーケティング未経験の「1人マーケター」が、年間の新規問い合わせ件数約100件を350件超に増加させるまで
2)初めてのMAとメルマガ施策でリードと問い合わせ件数が1.5倍に!

染物商品の製造・販売を手掛ける株式会社水野染工場では、Webサイトは運営していたものの、見込み顧客の把握やメルマガ配信などのマーケティング施策を十分に実施できていないことが課題でした。
そこで、マーケティング支援会社のサポートを受けながら、MAツール「SATORI」を導入。約2万件のリード情報を移行した後、メルマガ配信やセグメント配信を開始し、リードの興味・関心に応じた情報を届けられる体制を構築しました。さらに、ポップアップ機能や資料ダウンロード施策も活用することで、リードとの接点を拡大しています。
その結果、リード数と問い合わせ件数はいずれも導入前の約1.5倍に増加し、「待ち」の営業から顧客へ積極的にアプローチする「攻め」のマーケティングへの転換に成功しました。
関連記事:初めてのMAとメルマガ施策でリードとお問い合わせ件数が1.5倍に!パートナー企業と進めたMA活用の裏側
MAツール導入の手順
MAツールの導入は、一般的に以下の7つのステップで進めます。
- ツール選定
- 導入・インストール
- 初期設定
- 見込み顧客データ・セグメントの登録
- シナリオ設計
- コンテンツ制作
- 運用
まずは、自社の目的や課題に適したMAツールを選定し、契約・導入後に初期設定や他システムとの連携を行います。その後、既存の見込み顧客データを取り込み、属性や行動履歴に応じたセグメントを作成します。
次に、カスタマージャーニーに基づいて、見込み顧客を顧客へと育成するためのシナリオを設計し、ノウハウ記事や製品カタログ、ホワイトペーパーなどのコンテンツを準備します。最後に、営業部門を含めた運用体制を整え、効果測定と改善を継続することで、MAツールの効果を最大限に高めることができます。
関連記事:
MAのシナリオとは?設計方法と具体例【テンプレート付き】
カスタマージャーニーマップとは?基本と正しい作り方(事例・テンプレート付き)
コンテンツマーケティングとは手法・強み・成功事例をわかりやすく解説
【保存版】失敗しないMA導入の流れ&やるべきことリスト
自社に合ったMAツールの導入を検討しよう
MAツールは、見込み顧客の獲得・育成から営業への引き渡しまでを効率化し、マーケティング成果の向上を支援するツールです。ただし、導入効果を最大限に引き出すには、自社の課題や目的、運用体制に適した製品を選ぶことが重要です。本記事でご紹介した選定ポイントを参考に、自社に最適なMAツールを比較・検討してみてください。
なお、「SATORI」は見込み顧客の獲得から育成、シナリオ配信、分析まで幅広く対応できる国産MAツールです。機能や導入事例、活用方法を詳しく知りたい方は、ぜひ以下の製品資料をダウンロードして導入検討にお役立てください。
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東京大学情報理工学系研究科修士課程修了後、トライアックス株式会社を設立。
デジタルマーケティング業界にて23年。エンジニアリング・営業・マーケティング・会社経営に従事。
2014年にトライアックスの社内ベンチャーとしてSATORIをスタートし、2015年9月新会社SATORIを設立。
SATORIを通して、「現場マーケターの成果」にこだわった事業を行っている。
MAツール「SATORI」のご紹介

匿名の見込み顧客へもアプローチできるMAツールです。
「SATORI」は、“名前のわかる見込み顧客”だけでなく、“匿名の見込み顧客”にも接点を創出することができる国産のマーケティングオートメーションツールです。Webサイト内の行動履歴を把握、興味関心の高い見込み顧客を発見し、アプローチすべき最適なタイミングをご担当者さまへお伝えいたします。
