Marketing Blog

営業戦略の立て方・使えるフレームワーク5つと具体例

営業戦略の立て方・使えるフレームワーク5つと具体例

営業戦略は、営業活動を成果に導くための指針であり、チーム全体が同じ目標に向かって効率的に動くための重要な設計図です。戦略を立てることで、属人化を防ぎながら、売上や契約数の目標を効率的に達成できるようになります。

本記事では、営業戦略の立て方を7ステップで解説し、営業戦略に使えるフレームワーク5選と、具体的な立案例についてもわかりやすく解説します。

営業戦略とは

営業戦略とは、企業が中長期的に売上や顧客獲得を伸ばしていくために、どの市場を狙い、どんなターゲットに対して、どのような価値を提供していくかを定める計画を指します。単なる営業手法やアプローチの話ではなく、「誰に」「何を」「どうやって売るか」を軸に、組織としての方向性を明確にすることが目的です。

営業戦術との違い

ここで混同されやすいのが「戦術」です。戦略が目的達成のための全体設計図だとすれば、戦術はその設計図に基づいて日々実行するアクションプランを意味します。たとえば、「中小企業向けに自社ツールを販売する」という戦略に対して、「ウェビナーで見込み顧客を獲得する」「インサイドセールスでアポを取る」といった具体的手段が戦術にあたります。

営業戦略を立案する最大のメリットは、営業活動の属人化を防ぎ、再現性を高められることです。個人の勘や経験に頼るのではなく、チームとして成果を出すための共通の指針を持つことで、成果にばらつきが出にくくなります。また、戦略があることで、市場や競合環境の変化にも柔軟に対応しやすくなります。

営業戦略の立て方7ステップ

具体的な営業戦略の立て方を、7つのステップに分けて解説します。順を追って進めることで、自社の現状に即した、実行可能で再現性の高い戦略を構築できるでしょう。

ステップ1)中長期的な目標を設定する

営業戦略の起点となるのが、目指すべきゴールの明確化です。漠然と「売上を上げたい」と思っていても、数値に落とし込まれていなければ、戦略も戦術もあいまいになります。

まずは、売上や契約件数、利益率、シェア獲得などの数値目標を設定しましょう。たとえば、「来年度の売上1億円を目指す」「年間100件の契約を獲得する」など、明確なゴールがあれば、そこから逆算して必要なリソースや施策が見えてきます。

目標は、実現可能でありながらチャレンジングであることが理想です。達成できる見込みがゼロではモチベーションが続きませんし、簡単すぎると戦略が形骸化してしまいます。自社の成長フェーズや過去実績を踏まえつつ、現実と挑戦のバランスを取りましょう。

ステップ2)自社の現状を分析する

目標に向かうには、まず自社の立ち位置を把握する必要があります。そのために、自社を取り巻く外部環境と内部環境の両面から分析を行い、強み・弱み・機会・脅威を整理しましょう

  • 外部環境(機会・脅威):業界の成長性、競合の動向、顧客ニーズの変化、規制やテクノロジーの進化など
  • 内部環境(強み・弱み):営業組織の体制、商品やサービスの特長、実績や信頼性、マーケティング力など

こうした情報を基に、「今、自社はどのような営業戦略を取るべきか?」を考える土台ができます。たとえば「知名度は低いがサポートが強い」「競合が値下げしているが、うちは高付加価値で勝負できる」など、自社ならではの立ち位置が見えてくるはずです。

なお、後述するSWOT分析などのフレームワークを使えば、情報を整理しやすく、チーム内でも共有しやすくなります。後の戦略設計にも直結する重要なステップなので、丁寧に取り組みましょう。

ステップ3)ターゲット・ペルソナを明確にする

営業戦略において「誰に売るか」は、最も重要な要素の1つです。ここがあいまいなままでは、どれほど優れた商品やサービスであっても、成果につながりにくくなってしまいます。

まずは、対象となる顧客層を年齢や性別といった属性で絞り込み、「ターゲット」を定義します。そして、このターゲットに具体的な人格を与え、実在する1人の顧客のように仕立てたものが「ペルソナ」です。

ペルソナを設定する際には、属性情報に加えて、業種・企業規模・役職・抱えている課題なども盛り込みましょう。そうすることで、どのような言葉が響きやすいか、どのような課題に共感を得られるかが明確になります。

ターゲットとペルソナの違いを比較する図。ターゲットは「属性で分類された複数のユーザー」として複数の人物イラストで示されているのに対し、ペルソナは「ひとりのユーザー」として具体的な情報(例:山田花子、32歳、マーケティング部)と共に単一人物のイラストで示されており、ターゲットに具体的な人格を与え、実在する1人の顧客のように仕立ててある。

さらに、ペルソナを基にしてカスタマージャーニーマップを作成すると、顧客の行動プロセス(認知→比較検討→購入→利用)ごとに、どんな情報やサポートが必要なのかが視覚的に把握できます。たとえば「検討段階では導入事例が欲しい」「比較段階では価格表が必要」といったように、営業アプローチも段階に応じて最適化しやすくなります。

「マーケティング施策で顧客獲得を目指すマーケター」をペルソナとした場合のカスタマージャーニーマップの例。認知から継続・再購入までの5段階と、各段階での行動、タッチポイント、意識/感情、理想の体験をまとめた表。

関連記事:ビジネスでの「ペルソナ」とは?具体例と作り方・無料テンプレート
わかりやすい「カスタマージャーニーとは」概念・必要性・事例

ステップ4)顧客への提案価値を明確にする

自社が顧客に対してどんな価値を提供できるのかを言語化できていないと、顧客に選ばれる理由が伝わらず、競合他社に流れてしまうリスクが高まります。

ここで意識すべきなのは、自社ならではの価値、すなわちUSP(Unique Selling Proposition)を明確にすることです。「高品質」や「サポート充実」といった一般的な特徴ではなく、「なぜそれが自社でなければならないのか?」という問いに答えられる差別化ポイントを具体的に表現する必要があります。

たとえば、同じマーケティングツールを提供していても、

  • A社は「匿名ユーザーにもアプローチできる機能」
  • B社は「ITリテラシーが低くても導入・運用がしやすいUI」

というように、価値の打ち出し方が違えば、刺さる顧客層も変わってきます。提案価値を明確にすることで、営業トークや資料、Webコンテンツなどすべてのコミュニケーションに一貫性が生まれ、顧客にも伝わりやすくなります。また、ターゲットやペルソナに応じて、どの価値を強調するかの調整も可能になります。

ステップ5)アプローチ方法を設計する

顧客との接点をつくるためのアプローチ方法には、次のような手段があります。

  • インサイドセールス(電話やメールによる非対面営業)
  • フィールドセールス(対面での訪問営業)
  • パートナー営業、紹介
  • 展示会、セミナー、ウェビナー
  • Webマーケティング

どの方法が最適かは、顧客の検討段階や業種、企業規模などによって異なります。そこで活用したいのが、「カスタマージャーニー視点」です。

たとえば、まだ認知段階にある見込み顧客には、ブログ記事やSNS投稿といった情報発信が有効です。一方、比較検討段階の顧客には、導入事例や詳細な資料を用いた提案が求められます。また、意思決定者が複数いるようなBtoB企業との商談では、段階的に情報を提供し、社内の稟議プロセスを後押しするアプローチが効果的です。

重要なのは、ペルソナの行動パターンに合わせてチャネルやタイミングを最適化することです。「とりあえず営業する」のではなく、「今、この顧客に対して、どんな情報を、どの手段で届けるべきか」を設計することが、営業効率と成果を大きく左右します。

関連記事:インサイドセールスとは?特徴やメリット、やるべきことをわかりやすく解説

ステップ6)KPI・行動計画を策定する

目標達成に向けた中間指標であるKPI(重要業績評価指標)や、具体的な行動計画を策定します。ここでは「どのくらい売りたいか」だけでなく、「どうやってそこに到達するか」を数値ベースで落とし込みましょう。

たとえば、年間契約100件を目指す場合、月に約8~9件の契約が必要です。そこから逆算して、アポイント数や商談数など、各プロセスの数値目標を設定します。

  • アポ獲得数:月40件
  • 商談数:月20件
  • 成約率:45%
  • 契約件数:月9件

このように、営業プロセスの各段階にKPIを設定することで、ボトルネックの発見と改善がしやすくなります

さらに、KPIを達成するための具体的な行動計画(誰が・いつまでに・何をするか)を明文化しておくことも重要です。たとえば、「今月中に過去の取引先にメールを配信する」「新規リストに対して週3回の架電を行う」など、日々の行動が戦略と連動している状態をつくることで、営業の精度とスピードが高まります。

関連記事:KPIとは?指標の設定例や方法

ステップ7)PDCAサイクルの設計

営業戦略は一度立てて終わりではありません。市場の変化や顧客ニーズ、競合環境に応じて柔軟に見直しを行い、継続的に成果を高めていく必要があります。そのためには、PDCAサイクルを戦略の中に組み込んでおくことが不可欠です。

たとえば、月次や四半期ごとに、以下のような流れで振り返りを行う仕組みを設けましょう。

  • Plan(計画):戦略と行動計画に基づく施策を立案
  • Do(実行):KPIに沿って営業活動を実施
  • Check(評価):実績を基にKPI達成度や課題を確認
  • Action(改善):ボトルネックや成功要因を整理し、次回施策に反映

このサイクルを定期的に回すことで、行き当たりばったりの営業から脱却し、データに基づく戦略的な改善ができるようになります。特に重要なのは「Check」と「Action」のフェーズです。数字の変化だけでなく、現場の声や顧客の反応といった定性的な情報も合わせて振り返ることで、より現実に即した修正が可能になります。

営業戦略の立案に活用できるフレームワーク5選

いざ戦略を立てようとしても、「情報をどう整理すればよいのかわからない」と悩む方は多いのではないでしょうか。そんなときに役立つのが、フレームワークです。フレームワークを活用すれば、自社の現状を把握しやすくなり、課題の発見もスムーズに行えるため、効率的に営業戦略を立案できるようになります。

ここからは、営業戦略の立案に活用できる代表的なフレームワークを5つご紹介します。

1)PEST分析

PEST分析の図。外部環境を分析するための4つの視点、政治的要因(Politics)、経済的要因(Economy)、社会的要因(Society)、技術的要因(Technology)と、それぞれの具体的な要素(法律、経済状況、流行、インフラなど)を示す。

PEST分析は、自社を取り巻く外部環境を「政治的要因(Politics)」「経済的要因(Economy)」「社会的要因(Society)」「技術的要因(Technology)」の4つの視点から分析するフレームワークです。

  • 政治的要因:政府の政策や規制の変化が市場に与える影響
  • 経済的要因:経済成長率や消費者購買力の変化が市場の需要と供給に与える影響
  • 社会的要因:人口動態や消費者のライフスタイルの変化が市場のニーズに与える影響
  • 技術的要因:技術革新が市場の競争環境や製品開発の方向性に与える影響

営業戦略においては、自社がコントロールできない外部環境の変化を把握することで、「今、どのような市場の動きが起きているのか」「どの領域にチャンスやリスクがあるのか」を見極める判断材料となります。

PEST分析を取り入れることで、外部環境の変化に対して先手を打った戦略設計が可能になります。特にBtoB領域では、法規制や業界構造の変化が営業成果に直結しやすいため、定期的なチェックが不可欠です。

関連記事:わかりやすい「PEST分析」とは?具体例・やり方を解説(テンプレート付き)

2)3C分析

3C分析の図。市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3要素から外部・内部環境を分析するフレームワーク。各要素に含まれる具体的な分析項目が記載されている。

3C分析は、「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点から、市場動向や顧客ニーズ、そして自社と競合の強み・弱みを分析するフレームワークです。

  • 市場・顧客:市場の規模や成長性、ターゲット顧客のニーズや消費行動など
  • 競合:競合他社の商品やサービス特性、業界内での位置づけなど
  • 自社:他社と差別化できる自社の強み、保有する社内リソースなど

3C分析の大きなメリットは、「市場のなかで自社がどのようなポジションにあるか」「何を強みに勝負すべきか」が明確になる点にあります。

営業戦略においては、自社がどこで勝負するのか、誰にどのように価値を届けるのかを整理するうえで非常に有効な手法です。営業戦略の方向性に迷いが生じたときは、まず3Cの視点から振り返ってみることをおすすめします。

関連記事:マーケティングの3C分析とは?目的・やり方と実践例(テンプレート付き)

3)SWOT分析

SWOT分析の図。内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)という4つの要素から自社の現状を分析するフレームワークの構造。各要素には目標達成に貢献/障害となる組織・外部の特徴が記載されている。

SWOT分析は、自社の内部環境における「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」、外部環境における「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」を分析し評価するのに有効なフレームワークです。

  • 強み:競合他社と比べて優れている点、自社の得意分野
  • 弱み:課題や改善すべきポイント、競合他社に劣る部分
  • 機会:市場の伸び、法改正、顧客ニーズの変化といった追い風となる要因
  • 脅威:競合の増加、価格競争の激化、業界の衰退といった逆風となる要因

これら4つの視点を整理することで、自社が置かれている状況を客観的かつ俯瞰的に把握できるようになります。こうした情報を基に営業戦略を立てることで、強みを活かし、弱みを補い、機会を捉え、脅威に備える具体的なアクションが明確になります。

3-1)クロスSWOT分析

クロスSWOT分析の図。SWOT分析で洗い出した強み/弱みと、機会/脅威を掛け合わせ(例:強み×機会、弱み×脅威)、具体的な戦略を導き出すための表。

SWOT分析で洗い出した4つの要素をさらに深掘りし、戦略として活用できる形に落とし込むのがクロスSWOT分析です。具体的には、上図のように要素を掛け合わせて、今取るべき戦略を導き出します。

たとえば、「弱み × 機会」の戦略を考える場合、営業リソースが不足しているという「弱み」がある一方で、副業やフリーランス人材が増えているという「機会」があるとします。このような状況では、副業人材を営業に活用することで、弱みを補いながら機会を活かす戦略が検討できます。

クロスSWOT分析は、単なる現状整理で終わらず、そこから「今、何をすべきか」という具体的な戦略に落とし込める点が最大の魅力です。そのため、実践的な営業戦略を立案するうえで非常に有効な手法といえるでしょう。

関連記事:わかりやすい「SWOT分析」とは?基本とやり方・具体例(テンプレート付き)

4)STP分析

STP分析の図。市場を細分化するセグメンテーション(S)、狙う市場を決めるターゲティング(T)、市場での立ち位置を決めるポジショニング(P)という3ステップの流れを示す。

STP分析は、市場を「セグメンテーション(Segmentation)」により細分化し、「ターゲティング(Targeting)」で狙うべき市場を定め、「ポジショニング(Positioning)」によって競合との差別化を図ることで、効果的な戦略を策定するためのフレームワークです。

STP分析を行うことで、どのようなターゲットにアプローチすべきかが明確になり、ペルソナの設定や自社の立ち位置を踏まえた競合優位性のある営業戦略の立案に役立ちます。

関連記事:STP分析とは?わかること・やり方とマーケティングでの活用事例

5)4P・4C分析

4P・4C分析の図。売り手側の視点である4P(Product、Price、Promotion、Place)と、買い手側の視点である4C(Customer Value、Customer Cost、Communication、Convenience)を対応させて比較する表。

4P分析は、企業視点から「製品(Product)」「価格(Price)」「プロモーション(Promotion)」「流通(Place)」の4つの要素を分析するフレームワークです。自社の商品・サービスを軸に、競合他社と比較しながら「どのように販売すべきか」を具体的に検討する際に役立ちます。

一方、4C分析は4Pの企業視点に対して、顧客視点から捉え直すためのフレームワークです。「顧客価値(Customer Value)」「顧客が負担するコスト(Customer Cost)」「顧客とのコミュニケーション(Communication)」「顧客の利便性(Convenience)」の4つの観点から分析を行うことで、顧客のニーズや購買プロセスをより深く理解し、ターゲットに対して最適なアプローチを導き出すことができます。

先述の3C分析は「市場における自社の立ち位置」を把握するための手法、4P分析は「どう売るか」を企業視点で設計するための整理手法、そして4C分析は「顧客がどう感じるか」を基に最適なアプローチを導くための顧客視点の手法として活用されます。

関連記事:マーケティング の4P・4Cとは?戦略を事例でわかりやすく解説します

フレームワークを活用した営業戦略の立案例

マーケティングオートメーション(MA)ツール「SATORI」を例に、実際の営業戦略をフレームワークを用いてどのように立案するかをご紹介します。市場環境や自社の強み・弱みを踏まえ、具体的な営業活動に落とし込むプロセスが理解できる内容です。

ステップ1)現状分析

まずは、SWOT分析を使って4つの要素を分析します。

<強み>
国産ならではの安心感と使いやすさ、匿名の見込み顧客の獲得に強い
<弱み>
IT業界以外の市場におけるマーケティングオートメーションの認知度がまだ低い
<機会>
企業のDX推進、業務効率化ニーズの高まりによる市場の成長
<脅威>
SFAやCRMなどの代替サービスの普及、低価格帯ツールの参入、プライバシー規制の強化とユーザー意識

ステップ2)課題抽出

SWOT分析の結果から、自社の課題を抽出します。「SATORI」の場合、次のような課題が挙げられます。

  • はじめて使う人でも理解しやすく活用できるツールだが、マーケティングオートメーションを知らない業界も多く、認知の獲得が必要。特に、SFAやCRMと比較すると認知度が低い。
  • SFAやCRMなどの代替サービスが市場に溢れており、顧客は自社の課題や課題に適したツールがどれかわからない。

ステップ3)ターゲット設定

ターゲットを設定するために、STP分析を行います。

セグメンテーション対象市場をITや製造業などの業種別でセグメント化し、提供サービスに最もマッチしそうな注力業種を定義
ターゲティング・マーケティング施策を実施する企業自社のサービスを効率的に販売
・拡大したい企業人手が多くない状況下で業務改善を目指す企業
ポジショニング・日本企業に最適化された国産MAツールを提供
・機能豊富で活用方法がたくさんあるうえ、初心者でも使いやすい顧客の育成や獲得に強みを持つ

この分析結果を基に、メインターゲットは「デジタルマーケティングの必要性を感じつつも、MAツールの導入・運用にハードルを感じている、中小~中堅企業のマーケティング担当者及び経営者」と設定します。

ステップ4)営業戦略の立案

これまでの分析結果を基に、クロスSWOT分析などを活用して次のような戦略を構築します。

営業戦略

『国産ならではの信頼性と扱いやすさ・匿名見込み顧客へのアプローチ』などの「SATORI」が持つ独自価値を訴求軸とし、MAツール未導入企業に対する市場創造と、具体的な成功事例の蓄積と展開を加速する。これにより、他ツールとの棲み分けを明確にし、環境変化にも強いソリューションとしての地位を確立する。

ステップ5)具体的な営業活動の策定

4P・4C分析により営業戦略の輪郭を整理します。

4P分析

  • 製品:初心者でも使いやすく、匿名ユーザーの獲得ができるMAツール
  • 価格:中小企業でも導入しやすい価格帯
  • プロモーション:導入事例、活用ガイド、ホワイトペーパーなどで安心感を訴求
  • 流通:オンラインセミナーやオウンドメディアなど非対面チャネルを活用

4C分析

  • 顧客価値:即効性よりも継続運用による成果と習熟に魅力
  • 顧客が負担するコスト:学習や設定にかかる初期負担をサポート体制で軽減
  • 顧客とのコミュニケーション:ウェビナー、オンラインサポート、ユーザー会などで継続的な接点を構築
  • 顧客の利便性:トライアル環境やセミナー参加により、導入前の不安を解消

これらを踏まえた具体的な営業活動の例は以下のとおりです。

  • ターゲット向けウェビナー、セミナーの開催
  • 業種別の導入事例コンテンツの制作
  • オウンドメディアでの悩み解決コンテンツの展開
  • 業界イベントへの出展、登壇
  • ユーザー同士が情報交換できるユーザー会を定期開催

このように、フレームワークを活用すれば、単なる思いつきではなく「根拠のある営業戦略」が立案できます。営業体制や施策に一貫性が生まれ、成果にもつながりやすくなります。

戦略的な営業活動で成果を最大化しよう

営業戦略とは、単に行動量を増やすための計画ではありません。自社の状況、市場の動向、顧客のニーズを的確に捉えたうえで、「誰に・何を・どう売るか」を明確にすることで、限られたリソースでも成果につながる効率的な営業活動が実現します。

今回ご紹介したように、営業戦略の立案では7つのステップを踏むことで、行き当たりばったりの営業から脱却し、組織全体で共有できる「売れる仕組み」を構築することが可能です。さらに、各種フレームワークを活用すれば、現状分析からアプローチ手法の選定までを論理的かつ再現性のある形で設計できます。

ぜひ、今回ご紹介した戦略立案のヒントを、自社の営業活動に取り入れてみてください。なお、営業戦略の立案方法や顧客管理の手法をまとめた資料もご用意しています。以下よりダウンロードのうえ、ご活用ください。

この記事が気になる方へ!おすすめの資料はこちら

マーケティングの教科書~営業戦略・顧客管理編~

マーケティングの教科書~営業戦略・顧客管理編~

SATORIマーケティングブログの記事から、営業戦略・顧客管理にまつわる情報を一冊にまとめました。。
必要な時に、必要な箇所だけを読んですぐにご活用いただけます。