About Client
社名 | ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 |
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業種 | IT・情報ソフトウェア |
業態 | BtoB, BtoC |
事業規模 | 501~1000人以下 |
課題 | リード育成, 休眠顧客の掘り起こし |
取材にご協力いただいた方
法人サービス事業部 事業推進部 マーケティング課 小林 佳生 氏(写真:右)
法人サービス事業部 事業推進部 マーケティング課 宮野 隼 氏(写真:左)
企業プロフィール
・会社名:ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 https://www.sonynetwork.co.jp/
・設立:1995年11月1日
・事業概要: 通信、IoT、新規事業
・利用目的:リード情報の一元管理/実名リードに対する掘り起こしと育成
本事例の内容は、取材日(2021年2月)時点の情報となります
ヒトとヒト、ヒトとモノをつなぐ通信事業をコアに、IoTや新規事業といった新たな挑戦を続けるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社。
同社では「NURO 光」といった個人向けサービスだけでなく、法人向けの分野においても多様なニーズに応えるサービスを幅広く提供している。提供するサービス内容は多岐にわたり、ICTソリューションの開発・導入支援やインターネット接続サービス、テニスやゴルフのレッスン支援サービス、最近ではAIサービスの提供も開始した。
そうした法人サービス全体の認知拡大、マーケティング活動を横軸組織として担っているのが、今回お話を伺った事業推進部マーケティング課だ。同課は2020年4月に立ち上げられたばかりのチームであり、現在は少数精鋭の6名でマーケティング業務を担っている。
「弊社が提供している法人向けサービスそれぞれのターゲットに共通項が多く、横軸でマーケティングを行なうことで相乗効果を生み、より事業をスケールさせることができるのではと考えました。そこで新しく生まれたのがマーケティング課です。各サービスの集客やリード獲得施策の立案と実行、ブランド軸では認知獲得施策も行っています」(小林氏)
マーケティング組織の立ち上げとともに最優先で進められたMAツールの導入
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 小林様
以前まではマーケティングを専業で担当するチームは組織されておらず、各事業部の営業担当者がマーケティング業務の一部を兼任していたという。これまでマーケティングに注力できていなかったという課題の背景について、小林氏は営業中心の組織であったことを要因に挙げた。
「もともとはソリューションサービスが中心の事業部であり、課題をお客様から聞いてご提案するという、オーダーメイド型の営業活動がほとんどでした。
この営業活動はサービス検討のフェーズが進んでいるお客様には有効ですが、もっと新規の売り上げを上げていこうとすると、より多くの引き合い(見込み顧客)の獲得が必要になります。そこから『我々もマーケティング活動をすべきだ』という声が現場から上がってきました。
また、新規事業であるAIサービスはソリューションサービスではなく、プロダクト型のサービスであるため、『面』で売っていく方法が良いのではと考えたことも背景にあります」(小林氏)
MAツールの導入は、マーケティング課の立ち上げとほぼ同時に検討が始まった。立ち上げ当時は2名の組織という、少人数の限られたリソースで効率的にマーケティング活動を行なっていく上ではMAツールが必要不可欠と判断されたという。立ち上げ当時を小林氏が振り返る。
「MAツール導入の優先度はすごく高かったと思います。ランディングさせるサービスサイトやセールスツールである営業資料、過去に営業が集めた膨大な名刺データも『Sansan』に格納されていました。あとは、見込み顧客とコミュニケーションができるMAツールさえあれば、という状況だったのです」(小林氏)
マーケティング未経験でも扱いやすい操作性とUIが高評価
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 小林様
MAツールの導入にあたって、まずはツールの比較検討が行われた。すでにソニーグループ内の他社で導入されていた外資系のMAツールや「SATORI」など、複数サービスで比較されたという。その上で重視されたのが、未経験者でも扱いやすい操作性とUIであった。
「我々のチームで求めていた機能を備えていることがまず必須条件でした。その上で、今までマーケティング関連のツールを扱ったことがない営業部門の担当者でも扱いやすいこと、継続的に活用することができ、結果が出せることを選定条件としました。形だけの導入で終わらせるようなことには絶対したくなかったのです。
また、ソニーグループの場合、クラウドサービスを利用する際はセキュリティ要件がクリアされているかどうかを審査する必要があります。事前にセキュリティ要件がクリアされていると確認できていた外資系ツールのほうが話は早かったのですが、それでも我々が扱いやすいと感じた『SATORI』を導入することになりました」(小林氏)
より円滑に「SATORI」を導入する上で、マネージメント層と現場の理解をしっかり得ることも欠かせなかった。特にこれまでMAツールを実際に扱ったことがなかった営業担当に向けては、MA導入のメリットや活用方法を資料やマニュアルにまとめて丁寧に説明したという。
「導入時にはフォローアップセミナーに参加したり、担当営業の方にサポートいただきました。また、特にわからないことがあればサポートページを調べれば、大体のことがすべて掲載されていたので、すごく助かりましたね」(小林氏)
MAツール運用担当者が 実感する、日本人向けの快適な操作性と充実した機能
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 小林様、宮野様
「SATORI」の運用を担当する宮野氏は、前職で2年ほど外資系MAツールのコンサルタントを経験していた。「SATORI」を扱うのは初めてであったが、MAとしての使用イメージに大きな違いはなかったことから、スムーズに設定を進めることができたという。
「使い勝手の良い、直感的に操作できるUIが好印象でした。ツールで使われている言葉が、日本人に分かりやすい表現となっていたこともよかったですね。海外のツールは、機能ごとの名称をまず覚えることが大変でした。
また、特にコーディングの知識がなくとも、ExcelやPowerPointと同じような操作性でメルマガやフォームを作成することができます。プレビュー画面で確認しながら設定できる点も便利です」(宮野氏)
導入から数ヶ月が経ち、ツールの費用対効果についても満足のいく結果であると小林氏は語る。
「手の届きやすい価格帯にもかかわらず、基本的な機能はすべて網羅されていると思います。
また、高価格なツールは、導入してもオーバースペックすぎて全然使いこなせないというケースが多々ありますが、『SATORI』の価格帯であれば気軽にチャレンジできるのではないでしょうか」(小林氏)
1ページあたりのPV数は最大1.5〜2倍に増加。認知拡大や顧客満足度の向上も実感
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 宮野様
「SATORI」の導入後、同社のマーケティングは4つのステージごとに組み立てられ、それぞれのアクションが決められた。
① リードジェネレーション
イベント・セミナーなどで得られた名刺の取り込み、オンライン接点(Webフォーム、ポップアップなど)によるリードの獲得
② リードナーチャリング
ホワイトペーパーDLフォームやシナリオ設定、DL促進のメルマガ配信、ポップアップ
③ リードクオリフィケーション
営業対象のリードを評価・選別し、リード毎にタグを付与
(※)タグ:資料ダウンロードやセミナー参加など、行動の目印のようなもの
④ セールス
アプローチ対象と判断したリードにSQLタグを付与し、フィールドセールス部門やインサイドセールス部門へつなげる
「具体的な事例として、弊社が開催したウェビナーでの『SATORI』活用が挙げられます。開催予定のあるウェビナーテーマにマッチした記事を閲覧した方の画面に下記のようなポップアップを表示し、関連資料のDL案内が出るように設定しました。こういった具体的な活用方法は、SATORIさんのウェブサイトの手法を真似ています」(宮野氏)
「サービスサイトに関してはまだまだ流入数が稼げていないため、匿名リードよりはメールアドレスや氏名が把握できている実名リードへのナーチャリングに力を入れています。
また、サイト内の回遊性を高めるためにポップアップを活用し、閲覧している人が興味を持ちそうなコンテンツへ誘導するようにも設計しています。その結果、ユニークユーザ数に対して、1ページあたりのPV数は最大1.5〜2倍くらいに増加しています。
具体的な数字は出せませんが、前職でも経験がないくらいメルマガの開封率やクリック数、掘り起こせている既存顧客の数が高い傾向にあります。マーケティングで顧客と接点を保つという観点から考えると、これまでの営業部門が積み上げてきた顧客との関係性が、MAツールによる顧客との関係性にも結びついているのではと感じています。
まだ計測できる数字には出ていませんが、サービスの認知拡大や顧客満足度にも最終的にはつながってくる手応えを感じています」(宮野氏)
「『SATORI』は我々にとって『潤滑油』のような存在です」
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 小林様、宮野様
同社のマーケティング組織が立ち上がっておよそ10ヶ月。「SATORI」の導入をはじめ、マーケティングチームのメンバーも増えてきており、取り組むことができる施策の幅も広がりつつあるという。
「現在の環境で、3つのサービスのリード情報を管理しています。現在はスポーツサービスの設定も進めているので、最終的には5つほどのサービスのリードを『SATORI』に統合し、それらを活用してクロスセルも狙っていきたいですね。
弊社のサービスは、ITソリューションからAI技術、CRM、スポーツなど、個性的なサービスが揃っており、ターゲット層も近いため、それぞれのリードの親和性は高いはず。私たちマーケティング課が横軸組織であることを活かしていき、成功事例を創っていきたいですね」(小林氏)
取材の最後に、宮野氏から今回のお取り組みを振り返っての感想を伺った。
「『SATORI』は社内でも常に話題の中心です。どんな施策やキャンペーンを打つにしても、メルマガ配信や施策ページの作成が必要になってきます。営業部門とマーケチームの接点、弊社と顧客の接点、施策と施策の接点に『SATORI』があり、それらをスムーズにつなげているため、我々にとっての『潤滑油』のような存在です」(宮野氏)