取材にご協力いただいた方
ジョインテックスカンパニー セールス&マーケティング本部 営業推進部 広域営業推進課 角矢 昌寛 氏
企業プロフィール
- 会社名:プラス株式会社 https://www.plus.co.jp/
- 創業:1948年(昭和43年)2月16日
- 資本金等:9,867百万円(資本金、資本剰余金の合計額)
- 従業員数:1,426名(単体)5,299名(連結)/2021年12月期
- 事業内容
- オフィス家具、オフィスインテリア用品の製造・販売
- 文具、事務用品、OA・PC関連商品、事務機器の製造・販売
- オフィス環境のデザイン・施工・内装工事・電気工事・管工事
- 電子光学機器、教育機器の製造・販売
- 日用雑貨品、食料品、ソフトウェア、書籍の販売
- インターネットを利用した上記商品の販売
- 上記商品を対象とした海外事業
本事例の内容は、取材日(2022年2月)時点の情報です。
全国7,000の販売店様を武器に事業を手掛けるジョインテックスカンパニー
消しゴムやハサミといった文具・事務用品メーカーとして一般消費者に有名なプラス株式会社。カンパニー制を導入している同社では、ステーショナリーカンパニー、ファニチャーカンパニーそしてジョインテックスカンパニー(以下、ジョインテックス)の3つの事業カンパニーに分かれており、ジョインテックスはオフィス用品の中間流通事業を展開している。
*プラス株式会社 ジョインテックスカンパニー:https://www.jointexcompany.jp/
ジョインテックスのセールス&マーケティング本部で、全国展開している広域販売店とのやり取りや、デジタルを活用した営業効率化施策の企画を担当している角矢 氏にお話を伺った。
「企業や官公庁、工場、介護施設、学校など、さまざまな業種のお客様お客様に文具・事務用品やオフィス家具、その他オフィスで必要な様々な商品やサービスをご提供するため、全国の販売店の皆様とサプライヤーの方々、そして私たちジョインテックスの三者が協力するビジネスモデルを構築しています。
私たちは、業種別のECサイトや物流サービスをご提供しているだけでなく、販売パートナーである、全国7,000店舗以上の販売店様とお取引させていただいていることが大きな強みです。それによって、各エリアの実情や課題に即した商品をご提案することが可能になっています。
例えば最近では、お客様からのご要望にお応えし、感染症対策用品や防災・防犯用品といった『危機対策』商材の販売にも力を入れています」(角矢 氏)
アフターコロナを見据えた事業変革。デジタルマーケティングに注力するワケ
角矢 氏が同社に入社したのは2020年9月頃、ちょうどその頃よりデジタルマーケティング(営業活動のデジタルシフト)に取り組み、アフターコロナに向けた営業生産性の向上を目指すことになったという。その背景には、以前から進んでいたエンドユーザーのデジタル化と新型コロナウイルスの感染拡大があったという。
「コロナ禍以前からお客様(エンドユーザー)のデジタル化は進んでおり、販売店や弊社の営業担当が商談に伺う前にWebサイト上で発注先を絞り込んでいるというケースが増え始めていました。つまり、そもそも商談の土俵に上がれなくなりつつあったのです。
その状況に加え、コロナ禍で対面営業が難しくなったことで、お客様への商談機会がさらに減ってしまう事態になったのです。
また、追い打ちとなったのが、テレワークの浸透によるオフィス用品の大幅な需要減です。オフィス用品の需要が減ったことで、新たな発想でお客様との接点を作っていく必要があったのですが、販売店様まで巻き込んだ新しい文化作りは簡単ではありません」(角矢 氏)
これらの課題を解決するため、角矢氏が所属する営業推進部では、デジタルマーケティング施策によってお客様へジョインテックスが直接情報を届けるチャネル構築と、既存の販売店を活性化させるためのアクションを模索することになった。
「ジョインテックス→ 販売店 → お客様」という既存の情報発信経路のみに依存してしまうと、お客様に十分な商品情報が伝わらない、いわゆる「情報の先細り」が発生していた。そこでジョインテックスから情報を直接お客様に届けることで、需要を喚起することができるのではと考えたという。また、販売店へもデジタルを活用して効率的に情報を届け、販売店の営業活性化をサポートすることも目指した。
「その他に社内の課題として、取り扱いしている商材の裾野が広いがゆえ、商材別に縦割りのプロモーション施策となってしまっていたことが挙げられます。必要なタイミングで、必要なお客様に、効果的に情報をお届けできていなかったのです」(角矢 氏)
マーケティング未経験だったことから、充実したサポート体制の「SATORI」を選択
お客様に直接情報を届けるためのプラットフォームの構築に加え、デジタルを活用した新たな営業推進策を実行していくため、情報を掲載するWebサイト制作ツールとマーケティングオートメーション(MA)ツールの導入を検討することとなった。
「ツールの検討にあたっては、当時お世話になっていたBtoBマーケティング支援をされているパートナー企業からご紹介いただきました。
検討した要素としては、登録した顧客情報を整理し、ウェビナー参加やメルマガの開封といったタグ管理ができる機能や、リード向けに資料の送付ができる機能などです。
その他には、新しく構築しているサイトと連携し、リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)からリードナーチャリング(見込み顧客の育成)までを仕組み化できることも重視しました。
最終的に『SATORI』導入の決め手となった要素が、マーケティング初心者にも分かりやすい純国産ツールであったことです。私自身がマーケティング未経験者ですので、サポートサイトに活用方法が豊富に掲載されていたり、サポート体制もしっかりしていたりと、弊社の現状にあっていると感じました」(角矢 氏)
経営層からも今回のプロジェクトは、アフターコロナを見据えた新しい文化づくりという認識だったことや、まずはスモールスタートで始めてみようということで「SATORI」導入の社内合意はスムーズに得られたという。
「ちょっと難しそう」から「SATORI」なら「自分にもできそう」へ
初めてITツールを使う側になって、「SATORI」を操作する前の感想は「ちょっと難しそう」だったと角矢氏は振り返る。プロジェクトではWebサイトの構築と並行して「SATORI」の導入が進められ、5,000件の既存リードを取り込み、およそ1ヶ月で運用を軌道に乗せることができた。
「SATORI」導入後に始めた施策は、メルマガとウェビナーの大きく2つ。2週間に1回の頻度でイチオシ商材紹介を始め販促お役立ちコンテンツに関するメルマガを配信しており、ウェビナーの案内もメルマガで実施している。
導入初期のサポート内容について、お話を伺った。
「『SATORI』のカスタマーサクセスのご担当者には、オンボーディングの際にカスタマージャーニーマップをもとにコンテンツの作り方やシナリオの組み方を丁寧にご説明いただきました。
そこでコラム記事を作成していくことになり、現在はオフィス用品や防災備蓄品の購入業務を効率化するサービスそれぞれに付随する内容の記事を作成しています。記事内にはポップアップをいれており、コラム記事一つひとつに特定のサービス紹介を結びつけて出し分けています。現在では、35〜40記事がWebサイトに掲載されている状態です。
『SATORI』からのサポートで一番ありがたいと感じた瞬間は、ミーティングの中で、ウェビナーLPのイメージをすぐに作成していただいたことですね。目の前でサクッと作成いただいてはじめて『自分にもデジタルマーケティングができるんだ』という実感が得られました。その時のフォーマットは、手を加えながら現在も活用しています」(角矢 氏)
メルマガとウェビナーで、販売店の営業活性化を実現!
「SATORI」の導入からおよそ6ヶ月。デジタル化とコロナ禍という市場の変化を乗り越えていくためにスタートしたデジタルマーケティング施策によって、どのような成果が得られたのだろうか。引き続き、角矢氏に伺った。
「メルマガの配信は、送信時間やタイトルなど、ターゲットにあわせて試行錯誤しています。現在は既存の販売店様向けに配信していることもあって、20〜30%と高い開封率となっています。特に開封率が高かったコンテンツが防災商材をお客様に提案する際のターゲット市場や提案の切り口を添えたメルマガでして、これもカスタマージャーニーマップに沿ったキラーコンテンツでした。
ウェビナーについては現在3回ほど実施しており、こちらも手探りながらも防災に関する販促フォローウェビナーや新サービスのご紹介をしています。累計で360名ほどにウェビナーへ参加していただき、弊社の防災専用カタログの導入を新たに検討したいといったコンバージョンが31件ほど獲得できました。この施策に関しても、期待していた一定の成果を得られています。
昨年9月にリリースした新サイトについても、地道ではありますが、販売店様を中心に閲覧数が伸びており、、2カ月半で3万近くのPVを獲得しています。
こうした成果に対して、上長を含め経営層からの期待を感じています。まずは土台を整えることができたので、どのような新しい情報を発信していくかが、今後の課題になってきます」(角矢 氏)
事業変革の一翼を担うデジタルマーケティング施策と「SATORI」
「オフィス用品の販売から、お客様が抱えるお困りごとの解決へ」を掲げ、事業の変革を進めているジョインテックスカンパニー。小規模からスタートしたデジタルマーケティング施策も、事業変革の一翼を担う重要なプロジェクトであることは間違いない。今後、いかに販売店やお客様を巻き込んでいくのか、今後の展望を角矢氏に語っていただいた。
「私自身、まったくのマーケティング素人の状態から『SATORI』の活用とマーケティング知識をインプットすることで成長することができました。今後は新しい施策の実施とあわせて、学んだことを活かしてマーケティングチームの体制作りにも注力していきたいですね。
デジタルマーケティングにおいて、メールマガジンの配信やサイトアクセスの分析などの施策を一元的に実施できるMAツールは、私たちのチームの肝であり、例えるなら『心臓』のようになくてはならない存在です。
Webサイトのコンテンツが充実していくにつれ、『SATORI』でアプローチできるマーケティング施策の幅も広がっていくでしょう。今後がますます楽しみです」(角矢 氏)