Case

ポップアップ機能をフル活用!マーケティング未経験の「1人マーケター」が、年間の新規問い合わせ件数約100件を350件超に増加させるまで

株式会社関東製作所様

About Client

社名 株式会社関東製作所
業種
業態
事業規模
課題 , ,

取材にご協力いただいた方

株式会社関東製作所 マーケティング課 課長代理 吉井 健 氏

企業プロフィール

  • 会社名:株式会社関東製作所
  • 設立:1948年7月
  • 資本金:6,985万円
  • 社員数:202名(2023年1月)
  • 事業内容:量産成形、金型制作(射出成型・ブロー成型)など
  • コーポレートサイト: https://kanto-seisakusyo.jp/

本事例の内容は、取材日(2023年2月)時点の情報です。

課題と成果

導入前の課題
  • マーケティング未経験にもかかわらず、マーケティングを立ち上げなければならなかった
  • 以前導入していた海外製のMAツールを上手く使いこなせなかった
導入後の成果
  • 約1年7か月で新規問い合わせ件数が年間約100件から350件超へ増加。自社サイトの月間セッション数も、約3,500セッションから10,000セッション超に
  • 社長や営業担当など社内から「ここまで一気に伸びるとは思っていなかった」との声が

社長直下でスタートしたマーケティング部門の新規顧客開拓に挑む「1人マーケター」

金型製造業からスタートし、メカトロ事業やプラスチックの射出成形事業、そして海外展開など、設立75年を迎えた2023年現在も事業拡大を続ける株式会社関東製作所(以下、関東製作所)。東京都江東区の本社をはじめ、海外を含む11の拠点を置いており、その中で今回お話を伺った名古屋支店は、東海地区の営業拠点としての役割を担っている。

自動車産業に代表されるように、ものづくり企業の拠点が多い東海地区で営業活動を行っている名古屋支店では、3年前の2020年にマーケティング課を立ち上げることになった。同課の「1人マーケター」として活躍する吉井 健 氏に、立ち上げの背景について伺った。

「事業拡大に伴い、既存のお客様との取引きを大事にしつつも新規開拓も進めていこうという経営判断から、社長直下でマーケティング課を立ち上げることになりました。もともとは営業職として入社しており、マーケティングの実務経験はほとんどなかったのですが、入社すぐに社長からマーケティング担当に任命されたのです。

マーケティング課へ配属後、主にWebマーケティングに取り組むことになったのですが、製品開発の業界は古くからの得意先との関係性を重視する傾向にあるため、他社と同じようなマーケティングをするだけでは受注につながりません。

そこで製品開発の上流部分、つまり「製品開発をしたいのだけど、そもそもどうすればよいか分からない」という悩みを抱えたお客様をターゲットとすることになりました。弊社の強みでもあるプラスチックの射出成形やブロー成形など、技術的な知識を持っていないけれども製品開発をしなければならない、という顧客を対象にWebマーケティングでコンテンツを発信し、新規のお問い合わせをいただくという流れを構築することになったのです」(吉井氏)

吉井氏のマーケティング課におけるミッションは新規顧客の獲得だ。Webマーケティング施策を主に担当しており、コーポレートサイトのリニューアルや広告運用、社内システムの維持・管理、そしてMAツールの導入、日々の運用を手掛けている。

アンノウンマーケティング、日本語でのサポート、そして営業のフォローが導入の決め手に

吉井氏いわく「新規の問い合わせは年間3件あればよいほう」という状況からスタートしたマーケティング課。外部の協力会社からDXコンサルティングを受けつつ、Webサイトのリニューアルとメールマーケティング(メルマガ)から着手することになり、そのタイミングで初めてMAツールを導入することになったという。

「『SATORI』の1つ前に導入したMAツールは海外の企業が開発・運営しているサービスだったのですが、日本には支社がなく、代理店もほとんどありませんでした。問い合わせ先は海外のサービスデスクであり、かつ外部の協力会社経由の問い合わせになるため、どうしても返答に時間がかかっていたのです。

また、海外で開発されたため、管理画面が日本仕様ではないことも悩みでした。さまざまな機能は実装されていたものの、使いにくさを感じたり、ほしい機能が実装されていなかったりしました。そしてすべての機能を知ろうにも、英語のガイドラインしかなかったため、これは使いこなせないなと思いました。

ただ、リードを管理し、マーケティング施策を実行、検証していくにはMAツールは必須です。そこで使いやすいツールを新たに探すことになりました」(吉井氏)

MAツールを比較検討するにあたり、まず重視されたのがマーケティング施策の基礎となる機能が実装されていることだった。ユーザーに対して最適なコンテンツを提案するポップアップ機能を始めとする新規のリードを創出するためのアンノウンマーケティングができること、お客様の情報を可視化できること(アクセス履歴・アクション履歴など)がポイントだったそうだ。その他に費用対効果や日本語によるサポート体制といった軸でツールを選定する中で出会ったのが「SATORI」だった。

『SATORI』を知ったきっかけはインターネット上での検索とセミナーへの参加です。マーケティング実務はほとんど未経験、かつ教えてくれる先輩社員もいなかったため、マーケティング課に配属されてからしばらくは情報収集をしていました。マーケティングの基礎を調べていく中で初心者向けのセミナーに参加し、そこで『SATORI』と出会いました。

『SATORI』の営業の方はマーケティングの知識が豊富で、ツールの機能以外の初歩的なマーケティング知識についても教えていただけたのです。たとえば、コーポレートサイトとソリューションサイトの違いと、その構成の仕方は参考になりましたし、実際の『SATORI』の管理画面をご紹介いただいたことで、導入後の成功イメージが掴めました。

最終的に2社のツールで比較検討し、『SATORI』の導入を決定しています」(吉井氏)

カスタマージャーニーマップに沿ったポップアップ施策で、サイト内回遊と問い合わせ創出を実現

「SATORI」の導入決定後、およそ6ヶ月かけて運用体制を構築することになった。導入ステップでは、以下の項目をご対応いただいている。

  • 以前に導入していたMAツールから約6,000件のリード情報をCSVとして書き出し、一括して「SATORI」に登録
  • SATORIご利用ガイド」を参考にメルマガのビジュアルを整え、発信するコンテンツを選定
  • マーケティングブログ」を参考にしながら、オンボーディングサポート内でカスタマージャーニーマップを作成し、オウンドメディアのコンテンツ制作に活用

初期設定を進めていく中で、特にご注力いただいたのが、ポップアップ機能とエンベッド機能だ。それぞれの設定について、吉井氏に設定当時を振り返っていただいた。

「『SATORI』の導入と同時に、当時オウンドメディアの立ち上げも並行して進めていました。オウンドメディアに掲載する記事を、工場現場で勤務している技術者の協力を得ながら制作し、マーケティング側で記事ごとにポップアップを設置しています。

当初はポップアップのつくり込みは大変だと思っていたのですが、SATORIのサポートデスク(オンラインマニュアル)上のテンプレートを活用したことでスムーズに進めることができています。ポップアップで出し分けるコンテンツはその都度プランニングをしていまして、たとえば新卒採用シーズンの2月現在は、Webサイトのトップページに採用ページにつながるポップアップを設置しています。

弊社独自のポップアップ活用の工夫としては、オウンドメディア内の記事に設置しているポップアップから、その記事の内容と関連性の強い他のオウンドメディア記事に回遊させ、問い合わせにつなげるという、カスタマージャーニーマップに忠実な設計にしていることです。

実は弊社では複数のオウンドメディアを立ち上げていまして、オンボーディングサポート内で担当者の方からご共有いただいた内容や、『マーケティングブログ』の内容を参考に作成したカスタマージャーニーマップをベースに、より間口が広いコンテンツを掲載するオウンドメディアと、『射出成形』といった専門的なコンテンツだけを掲載するオウンドメディアを作り分けています。間口が広いオウンドメディアの記事の中で『射出成形』と関連する記事には、『射出成形ラボ』の記事へ誘導するポップアップを設置し、その先の記事にはホワイトペーパーダウンロードのポップアップを設置して問い合わせにつなげる、といった流れです。

エンベッド機能もよく活用している機能の1つです。Webサイトを整えるだけでは、どのHTMLパーツやフォームがよく見られているのか分からず、Webサイトの改善につなげることができません。すべてのWebサイトにエンベッドを設置し、そこで顧客データを取得、オウンドメディア制作に協力いただいているパートナー企業にも共有し、今後のマーケティング施策に活用していく予定です」(吉井氏)

その他の施策例として、展示会で名刺を交換したお客さま宛に、「SATORI」からお礼メールを送信していることに加えて、シナリオ機能を活用したメール送信をしていることが挙げられる。タグ機能を活用することで、実際に引き合いがきた際にいつ接点を持ったお客さまなのかを追えるようになり、営業活動のしやすさにつながっているとのことだ。

3年間で年間3件から350件へ!1年かかっていた新規問い合わせ数が、今では1日で達成することも

もともと、「SATORI」導入前の2020年では、新規問い合わせは年間3件だった状況から、2021年の「SATORI」導入直後の時点では、年間の新規問い合わせ件数は約100件に増加している。2022年には、ポップアップ施策やメルマガ施策に注力したことでどのような成果が得られたのだろうか。

「定量的な成果として、まず自社サイトの月間セッション数が2020年時点では約3,500セッションだったところが、2022年には10,000セッションを超すところまで伸長させることができました。また、ポップアップ施策により、平均セッション時間は、2020年時点では49秒だったところ、2022年では1分25秒まで改善されています。

その結果として、年間3件の新規問い合わせ数が2022年には350件超まで増加させることに成功しました」(吉井氏)

こうした成果の背景には、「SATORI」のオンボーディングサポート内でカスタマージャーニーマップを設計したこと、それによって最初の入り口となるコンテンツがないことに気が付き、オウンドメディアを立ち上げたこと、そして実際に自社サイトへ訪問したお客さまの動きを可視化できたことが挙げられる。以前のMAではコンバージョンこそ把握できていたものの、そこに至るまでの動きが可視化できていなかったため、施策の改善まで踏み込むことができていなかったという。

こうしたマーケティング施策の改善に対して、社内からも喜びの声が聞こえるようになったと、吉井氏は笑顔で話す。

営業担当からは『ここまで一気に伸びるとは思っていなかった』と驚きの声をいただきました。以前は1年かけて獲得していた3件の新規問い合わせが、いまでは1日だけで獲得できています。営業が足を運んで獲得したものではなく、お客様の方から訪れていただけるようになったのです。

コンテンツ制作に協力いただいた製造部門の技術者にも、この成果を定期的に共有することで、『一緒にコンテンツをつくらせてほしい!』というありがたい相談をいただけるようになりました」(吉井氏)

社内からの評価が後押しになり、「1人マーケター」から「マーケティングチーム」へ

いわゆる『1人マーケター』としてこれまで施策に取り組んできましたが、社内からの評価が後押しになり、2023年4月に新しく2名がマーケティング課に配属されることになりました。他にもクラウドワーカーさんとの取り組みも始めており、人手が増えたことで新しい挑戦も仕掛けていきたいですね。

これまで試せていなかったマーケティング施策や、まだ使いこなせていない『SATORI』のシナリオ機能でリードナーチャリングに力を入れたり、月1回の頻度でしか確認できていないレポートをもっと活用してPDCAサイクルを速く回したりと、やりたい施策は山積みです。マーケティング課設立当初の目的であった新規の開拓に、今後も取り組んでいきます」(吉井氏)

取材の最後に今回の取り組みを振り返り、マーケティング施策に課題を感じている企業へのメッセージをいただいた。

『SATORI』は間違いなく、弊社のマーケティング施策の中心になっています。しかし、『SATORI』を導入しただけで成果が得られた訳ではなく、重要なのは導入後、つまりどのように活用していくかです。企業や業界によってもマーケティングの戦略は変わってきますので、自分たちで正解を見つけるために何度も何度も試すこと、そのためにツールを活用していくという姿勢こそが大事なのだと思います」(吉井氏)

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