About Client
社名 | 株式会社ジェイアール東日本企画 |
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業種 | 広告・マーケティング |
業態 | BtoB |
事業規模 | 1001人以上 |
課題 | リード獲得, 営業強化 |
取材にご協力いただいた方
営業統括局 jekiオンライン営業局編集部 渡部 ひとみ 氏
企業プロフィール
- 会社名:株式会社ジェイアール東日本企画 https://www.jeki.co.jp/
- 創立:1988年5月9日
- 資本金:15億5,000万円
- 社員数:1,094人
本事例の内容は、取材日(2022年3月)時点の情報です。
課題と効果
- 導入前の課題
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- コロナ禍で営業機会が激減し、新規リードを開拓する必要が生まれた
- 導入後の効果
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- 100社以上のオンライン相談と、2.5倍のリード件数を獲得。実際の受注にも貢献
- 見込み顧客の関心や検討度合いを可視化
インバウンドマーケティングにjekiが取り組んだワケ
JR東日本のハウスエージェンシーとしてスタートし、広告会社と媒体社が一体となったユニークな特色を持つ、株式会社ジェイアール東日本企画(以下、jeki)。JR東日本グループの企業として、駅や電車、駅ビルといった公共性の高いコミュニケーションゾーンを活用するだけでなく、Webやマス広告といった各種媒体を駆使し、広告主が抱えるマーケティングの課題解決に向き合っている。
1988年に創業した同社では、2021年1月に新規部署として営業統括局にオンライン営業局編集部を新設し、自社のインバウンドマーケティングを展開している。同部署の渡部ひとみ氏に、新設の背景と業務内容についてお伺いした。
「1番のきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大で、対面の営業機会が激減したことです。
特に広告会社は、お客様のご相談を受け、課題ごとに最適なソリューションをご提案するというビジネスモデルである以上、対面で課題を伺う機会が減るということはビジネスチャンスの減少にもつながりました。
そこでWeb上の顧客接点を増やし、新規リードの獲得を行うことをミッションに発足した新規部署が『オンライン営業局編集部』です」(渡部 氏)
インバウンドマーケティングを目的に立ち上げられたWebサイト「ジェイアール東日本企画オンライン相談室 キクコト」
オンライン営業局編集部ではWebを起点にリードの獲得を行うものの、営業活動も同じ部署で行っていることが特徴だという。広告会社には明確な「商品」がなく、マーケティング課題にあわせて企画されたソリューションそのものが売り物になるためだ。そのため、部署メンバーの全員が、営業経験者の構成となっている。
そしてもう1つの特徴が、インバウンドマーケティングを目的にした無料オンライン相談サービス「キクコト」を2021年5月に立ち上げている点だ。以前より「恵比寿発、」といったコンテンツサイトを運営していたものの、リード獲得を目的としてサイトは開設していなかった。
「どのようなプラットフォームで、どのように見込み顧客のリード情報を獲得していくのか。そして、プラットフォーム上で私たちが提供できる価値は何か。これらの問いを掘り下げた結果として、無料オンライン相談サービスサイトのローンチに至りました。
『キクコト』では、広告施策における様々な課題やお悩みに合わせて、総合広告会社の知見をもとにしたコンテンツを閲覧し、無料のオンライン相談やメールでのお問い合わせができます。
実際に“相談パートナー”として弊社の社員が顔出ししており、閲覧された方に親近感を持ってもらえるよう工夫しました。サイト専属の相談パートナーを設けることで、予約をいただいてからすぐに相談できる、スピード感のある体制を敷いています」(渡部 氏)
リードを0から蓄積、管理するため、アンノウンマーケティングが決め手に
「キクコト」によってリードを獲得していくに際し、アンノウンマーケティングが「SATORI」に決めた理由と、渡部氏は振り返る。
「今回『キクコト』は新規で作ったプラットフォームということもあり、新しく立ち上げたキクコトにアプローチいただくほとんどの方が匿名状態になる可能性がありました。そこで『SATORI』なら、匿名の来訪者にもアプローチし、その後のリード獲得につなげていくことができると考えたのです。
『SATORI』は、プッシュ通知やポップアップなど、匿名顧客に対するコミュニケーション機能が豊富で、そこが一番の決め手になりましたね」(渡部氏)
MAツールの導入にあたっては、4社のツールを比較したという。顧客管理のプラットフォームとしての機能はどのツールにも備わっていたため、いかにイニシャルコストを抑えることができるか、使いやすいツールであるかどうか、といったポイントが重視された。インバウンドマーケティングを担当する同部署の5名にとって初めてのMAツールであったため、UIに馴染みやすい国産ツールであることによる導入ハードルの低さは魅力であったことから比較検討の結果、「SATORI」の導入に至った。
「導入までのフローも非常にスムーズでした。3月末に契約して、「キクコト」がオープンする5月中旬には問題なく運用を開始することができました」(渡部 氏)
お問い合わせフォームとポップアップを活用し、マーケティング施策の仮説と検証を繰り返す
「SATORI」の導入は3月末に決定、契約し、およそ1.5ヶ月の導入期間を経て5月中旬頃「キクコト」のローンチ時には運用がスタートしている。導入にあたっては、「SATORI」内の活用支援サイトを参考にしつつ、業務に余裕があるタイミングでウェビナー動画を視聴しているという。
「『SATORI』の活用で疑問に感じたことは、これまですべて『サポートサイト』で解決しています。自分たちで設定を進める中でつまずいた箇所についても、遅くとも1, 2営業日ほどで回答いただいています。やはり『SATORI』にしてよかったと感じましたね」(渡部 氏)
同社の「SATORI」導入にあたって、大きく以下の2つの機能が活用されたという。
・お問い合わせフォームの設置
・ポップアップの出し分け
それぞれの機能におけるご感想について、渡部氏にお聞きした。
・お問い合わせフォームの設置
今回の施策では、新規のリード獲得を第一の目的としていたため、お問い合わせフォームの設計には特に力を入れていたという。
「資料請求フォームや無料のオンライン相談予約の申込フォームを『SATORI』で構築しました。資料請求フォームについては、入力いただいたあとに送付される資料ダウンロードURL付きのメールが開封されているかを計測しています。また、請求されたサービス資料ごとにタグを使い分けることで、リードごとに適切なご提案ができるよう工夫しました。
『SATORI』ではノーコードでフォームを作成でき、HTMLのコードを『キクコト』のCMSに貼り付けるだけでフォームの設置が完了します。営業出身のメンバーで、専門的な知識がなくてもフォームを簡単に作成できることは嬉しいですね」(渡部 氏)
・ポップアップの出し分け
「広告会社の場合、お客様の課題ごとにご提案を行うため、提供しているサービスは多岐に渡ります。そのため、すべてのユーザーに一律で同じポップアップを配信することはしていません。
私たちのチームでは、ユーザーのカスタマージャーニーと勝ち筋を分析し、ニーズとタイミングに合った適切な情報をポップアップで届けるよう心がけています。例えば、交通広告の記事を閲覧しているユーザー限定で、交通広告の特価情報をご案内したり、『利用方法』を閲覧しているユーザーはオンライン相談の内容に不安を持っている可能性があるため、オンライン相談の様子をご紹介する記事を配信したりと、仮説と検証を日々繰り返しています。
また、ポップアップのクリエイティブについても試行錯誤を続けています。フォントの級数を変えたり、写真を差し替えたりとA/Bテストを繰り返すことで、ポップアップからのクリック率が少しずつ向上していきました」(渡部 氏)
営業提案の準備にも「SATORI」を活用し、マーケティング課題を事前に予測
インサイドセールスを担う部署が存在せず、インバウンドマーケティングから営業までをカバーするオンライン営業局編集部。サービス資料の請求や無料オンライン相談の予約などをトリガーに、営業と提案を行っているという。実際の営業活動のシーンでは、「SATORI」はどのように活用しているのだろうか。
「『キクコト』への問い合わせからオンライン相談まで、短い時では翌日、長い時では約1週間ほど時間が空きます。その間に、『キクコト』でどのような記事を閲覧しているか、どの施策に関心がありそうかを必ず確認しています。
また、『恵比寿発、』や自社サイトにもタグを埋め込んでいますので、『キクコト』以外の閲覧履歴も把握できています。結果として、お客様が興味のあることを中心に商談でお話することができるようになり、『すでに知っていることを話される』というお客様のストレスを軽減することができているはずと感じます。
また、テレアポのお電話は、一度資料がダウンロードされただけでは架電していません。というのも、資料ダウンロード直後は、まだ検討フェーズであることが多いのです。資料ダウンロード後に、例えば『よくあるご質問』のページを閲覧しているような二段階のホット通知が入ったリードに架電することで、商談化率を上げていこうと考えています」(渡部 氏)
0からのスタートで100社以上のオンライン相談と、2.5倍のリード獲得を実現!
「キクコト」のリリース、そして「SATORI」の導入後、同社ではどのような変化が起き、どのような成果が得られたのか。引き続き、渡部 氏にお話を伺った。
「『キクコト』のリリースから約1年で、100社以上のオンライン相談の実績、そして2.5倍のリード件数(オンライン相談、資料請求、メール相談、セミナー等)を獲得しています。『100社以上のオンライン相談実績』という数字は、同部署の5人の営業が1年間かけても絶対に新規開拓できない数字ですので、社内からは高く評価されました。
その一方で、大きなバジェットの商談化には課題が残っています。オンライン相談から受注まで繋がった案件がいくつかありましたが、コロナ禍による損失を補填するほどまでには至っていません。
そうした中で『SATORI』を導入してよかったと感じていることは、見込み顧客が今何に関心があり、現在の検討度合いを可視化してくれることです。これまで、Web上の顧客情報と営業している対面のお客様の動向がまったく紐付けられていなかったため、提案内容は営業担当の経験に頼っていました。
また、以前の営業フローであれば、ファーストコンタクトから受注までもっと時間が掛かっていたので、『SATORI』を活用することでスピーディに案件化できたことも、評価されていると思います」(渡部 氏)
「『SATORI』はお客様の見えないニーズを探るための『秘密兵器』」
コロナ禍をきっかけに、総合広告会社としては珍しく自社のインバウンドマーケティングを立ち上げた同社のオンライン営業局編集部では、どのような施策に取り組んでいくのだろうか。また、どのように「SATORI」を活用していく予定なのか。今後の展望について伺った。
「広い視野では、『SATORI』で見えてきた顧客のニーズを起点に、新しいサービスや商品の開発を検討していきたいと考えています。
一方、目先の展望として、メールマガジンやウェビナー施策を定期的に実施し、より顧客に応じたマーケティング活動を展開していきたいですね。せっかく弊社のWebサイトに訪問してくださったので、より有益な情報発信をしていきたいと考えています。
今回の施策を振り返ると、『SATORI』はお客様の見えないニーズを探るための『秘密兵器』のような存在です。業界的にも、Web上で顧客と接点を持ちリードを獲得するという取り組みが少ない中、最初の一歩目を踏み出すために役立ったツールでした。
コロナ禍で同じような悩みを抱えるBtoB事業さんにこそ、『SATORI』はおすすめできると思います」(渡部 氏)