アドネットワークの進化系、Ad Exchange(アドエクスチェンジ)は広告枠を、1インプレッション単位で売買するプラットフォームのことです。仕組みを解説していきます。
Ad Exchange(アドエクスチェンジ)の基礎知識
Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは、「各媒体やアドネットワークが持つ広告掲載枠を交換できる仕組み」のことです。Ad Exchange(アドエクスチェンジ)がアドネットワークをまとめ・整理し、莫大な”広告掲載面”ネットワークを構成したことで、アドネットワークよりもさらに膨大なトラフィックを確保できるようになりました。
Ad Exchange(アドエクスチェンジ)は、アドネットワーク登場後、ほどなくして登場しました。Ad Exchange(アドエクスチェンジ)登場により、バナーサイズや容量などの広告配信フォーマットから課金形態まで、今まで各媒体やネットワークごとに異なっていた広告配信の仕組みが統一化されていきました。これらの統一化は、今後のアドテクノロジーに大きな影響を与えることになります。
Ad Exchange(アドエクスチェンジ)登場前アドネットワークの課金形態は、「CPC課金」や「インプレッション課金」など、事業者ごとに異なりました。しかし、Ad Exchange(アドエクスチェンジ)導入で、「入札型インプレッション課金」への統一化が一気に進んだのです。これにより、公平性を保ちつつ、よりリーズナブルな広告配信が可能となりました。
このように、広告配信の仕組みが統一化されたことで、各媒体やネットワーク内の「広告枠」開放が進み、まるで株式市場のように、広告掲載面が「広告枠」市場として取り引きされるようになったのです。
Ad Exchange(アドエクスチェンジ)では、広告出稿数(需要)と広告枠(供給)のバランスにより、リアルタイムで広告枠の入札単価が変動します。このリアルタイムで入札単価が変動する取引方式を、RTBと呼びます。RTBとは、Real Time Biddingの略で、リアルタイム入札とも呼ばれます。RTBは、「広告枠でインプレッションが発生するごとに、都度入札が行われ、その時に最も高い掲載枠価格を入札した広告が表示される」という仕組みです。その際、最も高値を付けた入札者が、入札金額をそのまま支払うことはなく、「2番目の入札者の金額+1円」で課金されることがほとんどです。このような入札単価の無駄な高騰を防ぐ仕組みは、「セカンドプライスビッディング」と呼ばれています。
アドネットワークとの大きな違いは、このRTBという入札方式と、入札対象にあります。アドネットワークは”ネットワーク全体への配信入札”であることに対して、Ad Exchange(アドエクスチェンジ)は”各広告枠への配信入札”である点が、大きく異なるのです。
Ad Exchange(アドエクスチェンジ)はプラットフォームによって効果が変わる?
Ad Exchange(アドエクスチェンジ)にはさまざまなプラットフォーム(プレイヤー)があります。ここでは、どのようなプラットフォームがあるのかを紹介していきます。
Double Click AdExchange
Googleが運営する世界最大のアドエクスチェンジ。2009年からアメリカでサービスを開始、2011年7月に国内展開を開始した。GDN(Google Display Network)などの巨大な掲載面をネットワーク化し、いち早く市場化させることに成功しました。
Open X Market Japan
Open X Japanがcciと提携し、運営しているアドエクスチェンジ・プラットフォーム。2009年にアメリカでサービスを開始し、2010年末に国内への展開を開始している。プレミアム枠からニッチ枠まで、幅広いアプローチが可能となっています。
Microsoft Advertising Exchange
Microsoftが運用するアドエクスチェンジ。2013年9月に国内へのサービス提供を開始しました。配信枠は、MSNとSkype、MSNパートナーメディアで構成されているが、主な配信枠はMSNとSkypeです。特徴として、信頼性の高いプレミアム媒体の在庫確保が挙げられます。
Facebook AdExchange
Facebookが運営するアドエクスチェンジ。配信枠は、Facebook内の右側スペースとニュースフィード(2015年3月現在)です。全世界で10億人を超えると言われるFacebookのアクティブユーザーにアプローチすることができます。
Yield One
プラットフォーム・ワンが運営するSSP(Supply Side Platform)プラットフォーム。SSPのためAd Exchange(アドエクスチェンジ)とは異なりますが、RTBやアドネットワークの取りまとめなど、Ad Exchange(アドエクスチェンジ)として利用することが可能なプラットフォームです。2011年6月からサービス提供を開始。国内プラットフォームとしては、広告配信数・提携パートナー数は国内最大となっています。
ここで挙げたAd Exchange(アドエクスチェンジ)以外にも、さまざまなプラットフォームがあります。中には、独自のDSPやSSP機能を持つAd Exchange(アドエクスチェンジ)も登場しており、各プラットフォームの機能が重複する場合も多くなっています。そのため、カオスと呼ばれるほど複雑な業界図が形成されています。目的や用途に応じて、適切なAd Exchange(アドエクスチェンジ)を選ぶとよいでしょう。
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