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LTVとは?マーケティング用語の簡単解説&計算方法

LTVとは?マーケティング用語の簡単解説&計算方法

LTVは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の頭文字を並べたもので、日本語では「顧客生涯価値」と言われます。ひとことでいうと「一定の取引期間中に顧客が企業に対してもたらす利益」を表すもので、化粧品・サプリのようなリピート商材、サブスクリプションモデルのように継続利用される商材・サービスでは特に重視される指標です。

この記事ではLTVの概念や算出方法を説明した上で、近年LTVが注目されている理由、LTVを向上させるためのポイントなどを分かりやすくご紹介します。

LTVとは?

LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)は一人の顧客が生涯を通じて企業側にもたらす価値を表す指標で、通常は10万円、100万円、といった金額で表されます。「一人の」と書きましたが、BtoBのビジネスでは「一社が」と読み替えてください。また、「Life Time(生涯)」といっても必ずしも人生の最初から最後までを指すわけではありません。通常はビジネスモデルに基づいて当該商材・サービスの標準的な利用期間を定義し、それをLife Timeとして捉えます。

LTVのイメージ

LTVはサブスクモデルやリピート商材で重視される指標

LTVは、繰り返し購入されるリピート商材、月額料金を支払って継続利用するようなサブスクリプション型の商材・サービスにおいて特に重視される指標です。BtoC商材では定期購入されやすい化粧品や健康食品、子供向けの学習教材など、BtoB商材ではASKULのようなオフィス用品販売サービスやSaaS型のシステムなどが該当します。

一方、一生のうちに何度も買い替えるわけではない商品、たとえば高額な不動産などではLTVはそれほど重視されない傾向があります。ただし、自動車のように何度も買い替えを行う商品では、たとえ高額ではあってもLTVが重要な指標となります。

また、一つのビジネスモデルの中に購入シーンの異なる複数の商材を組み込み、全体としてLTVを向上するという戦略をとるケースは少なくありません。たとえば、学習教材を販売する企業が幼児向け、小学生向け、中学生向け、高校生向けとライフステージごとの商品を組み合わせてビジネスモデルを設計したり、結婚式と葬儀、およびそれに付随する様々なサービスを一つの流れで捉えて考えたりといった具合です。

LTVの計算方法

基本的なLTVの値は、下記の計算式で求められます。

顧客単価×購買頻度×継続期間

【LTVの計算要素】

指標算出方法
顧客単価顧客が一回の購入で支払う金額
購買頻度単位期間中の購買回数
継続期間購買活動が継続する期間

単位期間と継続期間は一年単位で考えるのが一般的です。

たとえば、一回に10,000円ずつ年に3回購入する人が5年間継続して顧客であり続けた場合、その顧客のLTVは「5000円×3回×5年=150,000円」となります。

これから始めるビジネスにおいてLTVを試算する場合は、自社の類似商品の過去実績や競合他社の情報などを参考に平均的な顧客単価や購買頻度、購買期間を割り出すのが一般的です。

顧客獲得・維持コストを加味する場合

前述の式はごく基本的なLTVの計算方法を示したものですが、顧客獲得や維持にかかるコストを加味したい場合は、下記の計算式を使います。

顧客単価×購買頻度×継続期間-(新規獲得費用+顧客維持費用)

指標算出方法
新規顧客獲得費用顧客の獲得にかかるコスト
顧客維持費用対象期間中、顧客を維持するためのコスト

前項で例に出したLTV=150,000円の顧客を獲得するのにかかったコストが2万円、対象期間中の維持コストが3万円かかる場合、コストを加味したLTVは「150,000円-(2万円+3万円)=100,000円」となります。

なお、顧客の獲得コストは文字通りその顧客を獲得するためにかかる費用で、広告費やマーケティング費用、営業担当者に支払う歩合などが含まれます。維持コストは獲得した顧客を自社に繋ぎ止めておくために必要なコストで、リピーター向けのマーケティング活動にかかる費用が該当します。

商品の利益率を加味する場合

外部から商品を仕入れて販売するようなビジネスでは、顧客が購入した金額がそのまま自社の利益になるわけではありません。販売価格から仕入れ価格を差し引いた金額が自社の粗利となります。このようなケースでは、下記のような式を用いることでより正確なLTVを計算することができます。

(顧客単価×購買頻度×継続期間)×粗利率

指標算出方法
利益率顧客の獲得にかかるコスト

たとえば、顧客単価が10,000円、購買頻度が3回、継続期間が5年で商品の利益率が0.3の場合、LTVは「10,000円×3回×5年×0.3=45,000円」となります。

なお、前述した顧客獲得・維持コストと粗利率の双方を加味して計算することももちろん可能です。その場合には以下のような式を用います。

(顧客単価×購買頻度×継続期間)×利益率-(新規獲得費用+顧客維持費用)

LTVが注目される理由

LTVが広く注目され始めたのは比較的最近のことですが、その背景には市場環境が大きく変化してきた事情があると考えられます。

戦後の高度成長期のように市場が右肩上がりに成長していた時は、商品を量産して市場に投入しさえすれば利益が上がりました。一方、現在の日本のような成熟市場では、市場内にひしめくライバルとの苛烈な競争に打ち勝って生き抜いていかなくてはなりません。近年問題となっている少子化による人口の減少、グローバル化による競合企業の増加といった問題が、この状況に更に拍車をかけています。

こうした厳しい環境の中で利益を上げ続けるためには、より効果の出やすいところにコストとリソースを投入するという集中戦略が重要となってきます。この際に重要となるのが、新規顧客と既存顧客にかかるコストの問題です。

新規顧客の獲得コストと既存顧客の維持コスト

新規顧客の獲得には、既存顧客の維持に比べて高いコストがかかります。

あくまでも一般論ではありますが、マーケティング業界では、既存顧客の維持にかかるコストを1とすると、新規顧客の獲得にかかるコストはその5倍程度になると言われています(1:5の法則)。また、「既存顧客の離脱を5%改善すると利益率が25%改善される」ということも過去の経験から分かっています(5:25の法則)。

これらを踏まえて考えると、高いコストをかけて新規顧客の獲得にばかり励むより、獲得した顧客に丁寧に対応し、より長期に渡って多くの商品を買っていただけるような戦略で臨む方がコストパフォーマンスに優れていることが分かります。

この「より長期に渡って多くの商品を買っていただく」という事を可視化するための指標がLTVなのです。

LTVを改善するには

裏返して考えると、LTVを改善していくことで「より長期に渡って多くの商品を買っていただく」という目指す姿に近づくことができます。

加えて、LTVを向上することでマーケティング上の「打ち手」が増えるという利点もあります。購買単価が低く、かつ継続期間の短い顧客に対しては低コストで運用できるリスティング広告のような施策が中心となりがちですが、長期に渡って利益が見込めれば、じっくり腰を据えて顧客との関係を強化していくような施策に取り組むことができます。

LTVを改善するには

では、LTVを改善するためには具体的にどのような対策をとればよいのでしょう?ここで、改めてLTVの計算式を眺めてみましょう。

顧客単価×購買頻度×継続期間

ごらんの通り、LTVは「顧客単価」「購買頻度」「継続期間」の三つの要素で構成されています。LTVを向上させるには、これらの要素それぞれについて対策を打っていくことになります。以下、順に見ていきましょう。

1)顧客単価を上げる

関連商品を同時に進めるクロスセル、より上位の商品を進めるアップセルなどの手法を用いて1回に対する顧客単価を引き上げます。

2)購買頻度(リピート回数)を上げる

既存顧客向けのキャンペーンの開催、メルマガなどによる定期的なアプローチにより、購買頻度を引き上げます。

3)顧客維持率を上げる

顧客維持率を上げるためには、一定期間訪問・購入のない顧客にアプローチして呼び戻しを行うリテンション施策を展開します。

また、最近では顧客行動の分析に基づいて「離脱しそうな顧客」を予測し、先回りしてアプローチをかけるといった取り組みも一般化してきています(離脱予測)。SaaS型システムやサブスクリプション型商品のように継続利用を前提としたビジネスモデルでは、この離脱予測が特に重要な対策となります。

LTVは「お客様とのよい関係」を見える化する指標

指標とは「自分たちが目指す姿にどの程度近づけているか」(目標達成度合い)を可視化するための一つのツールといえますが、そのような観点で考えると、LTVは「お客様といかによい関係を築けているか」を見える化するものだと考えることができるでしょう。つまり、LTVの向上において何よりも重要なのはお客様としっかりつながり、関係性を強化していこうという姿勢なのです。

そして、不特定多数の顧客に対してこうした姿勢で対応する上で強力な武器となってくれるのが、CRMやMA(マーケティングオートメーション)といったツールです。

CRMでお客様とのコミュニケーションの履歴を管理しておけば、対応する担当者が変わっても途切れないコミュニケーションを実現できます。また、MAツールを活用することで、お客様の行動にもとづいて適切なタイミングで適切なアプローチをとることが可能となります。こうした工夫の積み重ねによって、顧客とのよりよい関係性が形作られていくのです。

もちろんCRMやMAのほかにも、お客様との関係性を改善するための工夫はたくさん考えられます。下記のマーケティングハンドブックで最新の施策アイデアを多数ご紹介していますので、ぜひあわせてご一読ください。

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