ステップメールとは、あらかじめ準備しておいたシナリオに沿って、複数のメールを自動配信できるマーケティング手法の1つです。
ここではステップメールのメリットやデメリット、作成・配信の手順、効果的な活用のポイントなどをわかりやすくご説明します。

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ステップメールとは?
ステップメールとは、資料請求や会員登録など特定のアクションを行ったユーザーに対し、あらかじめ準備しておいたシナリオに従って、メールを順次配信する仕組みのことです。一度設定してしまえば、各ユーザーのタイミングに合わせて最適な情報を自動で届けられます。
ステップメールの目的は、ユーザーに役立つ情報を提供することで徐々に興味・関心を高めてもらい、商品やサービスの購入・契約へ導くことです。
具体例としては、以下のような流れが挙げられます。
<例:サプリメントのお試しセットを購入した顧客>
- 1通目:サンクスメールと正しい飲み方の解説(安心感の形成、期待感の向上)
- 2通目:開発秘話、成分のこだわり(商品への信頼度向上)
- 3通目:愛用者の声、よくあるQ&A(不安や疑問の解消)
- 4通目:期間限定など特別割引の案内(継続購入に向けた後押し)
メルマガとの違い
メルマガは、すべてのユーザー(読者)に対して同じ内容が送られます。配信時点で伝えたい内容を届ける、新聞やニュースレターのようなものです。一通ごとに完結する「点」でのコミュニケーションとなり、たとえば新商品の告知や期間限定のお知らせなどに向いています。
一方、ステップメールでは複数のメールを段階的に配信する流れを設定しておき、ユーザーの状況に合わせて順番に届けます。シナリオの設計が可能で、内容が次へとつながっていく「線」のコミュニケーションのため、商品の深い理解から最終的な購入へ導くのに適しています。

どちらの手法が効果的かは、目的や用途によって異なります。たとえば、「スイーツショップの新作紹介」「週末限定のセール情報」ならメルマガが適していますが、マーケティングツールやグループウェアのような製品について「時間をかけて良さを理解してもらったうえで購入に導きたい」なら、ステップメールが有効です。
関連記事:メルマガとは?配信の基礎知識・効果的な作り方と成功事例
ステップメールのメリット・デメリット
ステップメールには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・ 見込み顧客の育成(顧客化) ・ 売れる仕組みの自動化 ・ 適切なタイミングでのアプローチ運用 ・ コストの削減 ・ 配信内容の分析・改善が容易 | ・ 専用のツールが必要 ・ シナリオ設計に手間がかかる ・ 定期的なメンテナンスが必要 ・ すぐ知らせたい告知等には不向き |
ステップメールのメリットは、見込み顧客の検討段階に合わせて情報を段階的に届けることで、商品やサービスへの理解と信頼を高め、購入や契約につなげやすくなる点です。あらかじめシナリオを設定しておけば自動でメールが配信されるため、営業活動を効率的な仕組みとして運用できます。また、ユーザーの行動に応じて適切なタイミングでアプローチでき、開封率やクリック率などのデータを基に改善を重ねることも可能です。
一方で、ステップメールの運用には基本的に専用のツールが必要です。GmailやOutlookなどの無料のツールでも配信は可能ですが、シナリオ設計や運用の手間を考えると専用ツールを使った方が効率的です。専用ツールには導入・運用コストがかかるものの、通常のメルマガ配信にも活用できるため、費用対効果は高いといえます。また、即時性が求められる告知には向かない点も理解しておく必要があります。
ステップメールの作り方と配信手順
ここまで解説した内容を踏まえ、ステップメールを実際に作成・配信する手順を見ていきましょう。
1. 施策目的(コンバージョン)の明確化
見込み顧客がメールを読み終えた後に、どのような行動を取ってほしいのかという目的を定めます。たとえば、「商品やサービスの定期購入」「無料セミナーへの申し込み」「有料プランへのアップグレード」などです。 目的を明確にすることでメッセージに一貫性が生まれます。
2. ターゲットの選定
メールを誰に送るのかを明確にします。ここで重要になるのが、ペルソナ(具体的な人物像)とセグメンテーション(顧客の分類)です。
ペルソナは、顧客の属性や悩み、ライフスタイル、価値観などを基に、具体的な人物像として設定します。一方、セグメンテーションは、居住地や業種、過去の行動履歴などを基準に見込み顧客をグループ分けし、それぞれのターゲットが最も関心を持つ情報を届けられるように設計します。
関連記事:
ビジネスでの「ペルソナ」とは?具体例と作り方・無料テンプレート
セグメンテーションとは?やり方と活用事例、ターゲティングとの違い
3. カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップとは、ターゲットが商品やサービスを知ってから、比較・検討を経て購入に至るまでの感情や行動のプロセスを可視化したものです。見込み顧客がどのタイミングでどのような不安を抱き、どんな情報を求めているのかを把握できるため、より顧客に適したメールを配信できるようになります。
関連記事:カスタマージャーニーマップとは?基本と正しい作り方(事例・テンプレート付き)
4. シナリオの作成
カスタマージャーニーマップに基づき、どのタイミングで、どのような内容のメールを送るかというシナリオを設計します。具体的には、以下のような内容です。
- 1通目(直後):挨拶/お礼と役立つ資料の送付
- 2通目(2日後):悩み解決のヒント(ノウハウ提供)
- 3通目(4日後):他社との違い、導入事例の紹介
- 4通目(7日後):限定特典付きの購入案内
なお、ステップメールの配信回数に明確なルールはありません。シナリオの目的に応じて、配信時期と併せて最適化していくことが重要です。
5.メール文案の作成
各ステップに応じたメールを作成します。開封率を高めるには、見込み顧客にメール内容を「自分ごと」として捉えてもらう工夫が重要です。One to One(1対1)を意識した文章にするために、件名に名前を入れたり、相手の課題に共感する言葉を用いたりすると効果的です。ターゲットの属性やニーズを踏まえ、ペルソナに語りかけるイメージで作成しましょう。
以下に文例を1つ挙げますので、参考にしてください。
<文例(1通目)>
| 件名: 【〇〇様】資料をご請求いただきありがとうございます 本文: 〇〇様はじめまして、株式会社△△の××です。 このたびは「~を成功に導くための秘訣」の資料をダウンロードいただき、誠にありがとうございました。 本資料が、〇〇様の課題解決の一助となれば幸いです。 まずは資料のなかで特に重要な「3つのポイント」について、本日から数回に分けて詳しくお伝えさせていただきます…… |
関連記事:きちんと開封される魅力的なOne to Oneメールの作り方
6. 配信設定
シナリオとメール文案が完成したら、メール配信ツールの設定を行います。具体的な設定方法はツールによって異なりますが、基本的には以下の流れで進めます。
- 配信先リストの登録
選定したターゲットのリストを設定 - メールの登録
作成したメール文案を1通ずつ登録 - 配信タイミングの設定
各メールを送信するタイミングを設定
設定を終えてシナリオを有効化すれば、あとはツールが自動的にステップメールを配信します。
なお、運用を効率化したい場合は、CRM(顧客管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)などとの連携が有効です。これらを活用すれば、獲得した見込み顧客に対し、リスト登録からメールの配信開始までを自動化できます。
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7. 分析と改善
ステップメールは「配信して終わり」ではなく、データを基に効果を測定・分析し、継続的にブラッシュアップしていくことが重要です。その際は、以下のようなKPI(重要業績評価指標)を確認しましょう。
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
ステップメールは1回で完結するメルマガとは異なり、シナリオ全体の流れで成果が決まります。そのため、単発の数値だけでなく、シナリオ全体を検証したうえで改善していくことがポイントです。各メール文案の調整に加え、配信のタイミングや順序を見直しながら、より成約につながりやすいパターンを構築していきましょう。
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【入門】メールマーケティング効果測定のやり方~指標と分析ステップ~
ステップメールで成果を出すためのポイント
続いて、ステップメールの成果を最大化するためのポイントをご紹介します。
セールスライティングのスキルを磨く
ステップメールの成果は、メールの文章そのものに大きく左右されます。単に情報をわかりやすく伝えるだけでなく、ターゲットに「この商品を購入したい」「このサービスを使ってみたい」と思わせる感情を引き出すことが重要です。そのために欠かせないのが、セールスライティングのスキルです。
セールスライティングとは、ユーザーの欲求や悩み、課題に訴えかけながら、具体的な行動を促すための文章スキルを指します。ステップメールを読んだユーザーが「この商品・サービスを使うことで自分の未来がどう変わるのか」をイメージできるようになると、コンバージョン率(成果)は大きく向上します。
MAツールを活用する
MAツールは、メールの作成・配信・効果検証までの一連のサイクルを自動化できるツールです。活用することで、ユーザーの属性だけでなくオンライン上の行動履歴とも連動させ、より関心に刺さるシナリオを設計できます。
また、メールに対する各ユーザーの反応や開封率・クリック率といった指標に加え、コンバージョンに至るまでの顧客データを紐づけて分析できるため、その結果を基にステップメールの改善を継続的に行えます。
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MAツールとメール配信ツールの違い・機能比較表と選び方
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継続的な効果検証および改善
先にも触れたとおり、ステップメールは「配信して終わり」ではありません。効果測定によって現状を把握し、仮説検証と改善を繰り返すPDCAを回し続けながら、市場環境やユーザーニーズの変化に合わせて最適化していくことが重要です。
KPIに基づいて定期的に数値を確認し、仮説を立てたうえで文章や配信のタイミング、順序などを調整していくことで、常に最新の状態にアップデートされ、成果を維持しやすくなります。
成功事例
ステップメールで段階的にユーザーをサポートし、課金率5%向上を実現 | 株式会社ペライチ

株式会社ペライチは、「誰でも・カンタンに・素早く」集客力の高いスマホ対応ホームページを作成できるサービス『ペライチ』を開発・運営している企業です。事業の最終目的は有料サービスへの加入ですが、それ以上に登録ユーザーの満足度を重視しています。ユーザーに満足してもらい、その評判を基に利用者数を増やしていくアプローチを取っています。
ユーザーへのアプローチ方法として、以前はメール配信ツールなどを活用していましたが、運用が煩雑化・属人化しやすく、チーム全体で効果的な施策を継続することが難しいという課題を抱えていました。そこで、属人性を排除し、ユーザーの行動に基づいたグロースハック(数値分析によるサービス改善)をチームで継続的に実施するため、MAツール「SATORI」を導入しました。
ユーザーの行動が可視化されたことで、最適なタイミングや内容でメールを配信できるようになったといいます。グロースハックチームが追っている指標は「課金率」「再ログイン率」「解約率」の3つですが、「SATORI」の導入により、最重要指標である課金率が全体で約5%向上したとのことです。
リンク:ステップメールで段階的にユーザーをサポートし、課金率5%向上を実現
ステップメールで見込み顧客の育成を効果的に
ステップメールの概要から作成・配信の手順、効果的に運用するためのポイントまでを解説しました。ステップメールの基本を正しく理解したうえで、貴社にとって有効な手法だと感じられる場合は、新たなマーケティング施策として取り組んでみてはいかがでしょうか。
なお、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)において効果的な施策は、ステップメール以外にも数多くあります。目的に合わせて複数の手法を組み合わせることで、より大きな効果が期待できます。
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ナレッジ・リンクス(株)代表、NPO法人HASHIRU理事。大学在学中に人材ベンチャーでRA/CAとして勤務し、新卒で医療系人材会社に就職。RAとして主に医薬品業界を担当し、トップセールスを達成した後に営業企画職を兼務。Webマーケティングに従事し、その後はITサービスの新規事業にも携わる。IT系企業に営業企画職として転職し、数値分析および戦略立案を担う。その後にナレッジ・リンクスとして独立し、約3年後に事業を法人化。多くのフリーライターとパートナーシップを構築し、幅広いコンテンツ制作を担う。個人でもライターや編集者として、主にスポーツ・ビジネス関連の分野で活動する。その他、ランニングクラブ運営やメディア編集長など。趣味はマラソン、4人の子を持つ大家族フリーランス。
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