「Webhook機能」で見込み顧客のアクションを「Slack」へ自動通知!デジタルによる営業効率化を目指す“ぴあ社”の挑戦

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市川 雅仁 氏(写真:左)

廣瀬 仁 氏(写真:右)

企業プロフィール

・会社名:ぴあ株式会社https://corporate.pia.jp/
・創業:1972年7月10日 (月刊『ぴあ』創刊)
・設立:1974年12月20日
・資本金:49億24百万円 (2021年3月31日現在)
・正社員数:332人 (2021年3月31日現在・連結)

記事インデックス
  1. 「ぴあ」が手掛けるデータマーケティングプラットフォーム「PIA DMP」
  2. 営業のブラックボックス化。アナログな営業体制に課題感
  3. とにかく「分かりやすさ」「使いやすさ」を重視してMAを比較検討
  4. 「Webhook機能」でフォーム入力を通知し、営業活動の透明化を実現
  5. 営業の業務スピードが向上!さらには提案の精度にも変化が
  6. デジタルとアナログ、社内と社外、それぞれの真ん中にある『ハブ』の役割

「ぴあ」が手掛けるデータマーケティングプラットフォーム「PIA DMP」


年間で7,500万枚超ものチケットを発券し、国内最大規模のチケット販売サービス「チケットぴあ」を提供するぴあ株式会社は、1,750万人を超える会員組織を抱え、チケット販売市場にてトップシェアを誇る。映画・演劇・コンサートなどのエンタテインメント情報を網羅した月刊情報誌「ぴあ」の創刊からスタートした同社では、チケット販売を軸にさまざまな事業を展開している。

興行主催者向けにサポートを行う「ソリューションビジネス」、出版物やWebメディアを手掛ける「メディア&プロモーションビジネス」、そして興行イベントの主催やオリジナル商品の開発などを行う「コンテンツビジネス」、1万人を収容する音楽専用ホール「ぴあアリーナMM」の会場運営を行う「ホール・劇場ビジネス」と、大きく5事業に分かれている。

5事業それぞれで得られるデータを蓄積、統合、活用するための中核を担っているのが、統合データマーケティングプラットフォーム「PIA DMP」だ。会員データ、チケット購買データ、メディア、パートナーデータなどを組み合わせた豊富なデータを武器に、「PIA DSP」「PIA Segments」「PIA DMP Caleido」「PIA DMP SNS Ads」などのサービスを消費財メーカーやエンタメ事業者を中心とした広告主や広告代理店向けに販売している。

こうしたデータマーケティングソリューションを提供するデジタルメディア・サービス事業局の市川 雅仁 氏と廣瀬 仁 氏にお話を伺った。

「データマーケティング&ソリューション推進部では、主に商品開発を担当しています。全社のデータ構築からその活用法までを企画し、お客様のマーケティング施策に効果のある商品作りに力を入れています」(市川 氏)

「私のミッションは、デジタルメディアやデータソリューションの広告商品を販売し、売り上げを伸ばしていくことです。また、『ウレぴあ総研』を始めとしたメディアの広告収益を伸ばすため、営業推進部としてマーケティングから営業も行なっています」(廣瀬 氏)

営業のブラックボックス化。アナログな営業体制に課題感


これまでエンタテインメント業界といったBtoCに近い企業への営業が中心であった同社では、BtoB企業へのアプローチは試行錯誤の連続だったという。展示会やセミナーで名刺を交換し、メールや対面での営業が中心で、見込み顧客の獲得、フォロー共に効率的に行われているとは言えない状態だった。お客様へのアプローチ管理は営業個人がそれぞれ管理しており、社内ルールも一部しか整っていなかった。

「初めてのお付き合いかと思って接していたら、実はほかの部署がもうリードを持っているというケースが意外と多かったのです。また、局長や役員同士ではすでにつながっていることもあり、余計なコミュニケーションが発生している状態でした」(廣瀬 氏)

「見込み顧客との初回接触からクロージング、案件の獲得から運用、レポーティングまで、ほとんど1人で対応を完結させることが当たり前になっていました。しかしデジタル広告という商品であれば、獲得と運用は別の人が担当しても問題ありません。むしろ別々にして効率化しないと、今後人を増やして事業を伸ばしていくときにボトルネックになると危機感を感じていました」(市川 氏)

こうした営業現場の課題を感じていたものの、当初はツールによる効率化は行えていなかった。これまでの営業では、既存の顧客や販売代理店で充分な売上が見込めたため、新しいリードを獲得し、マーケティングと営業をツールによって効率化する必要性がなかったからだ。

さすがに情報を共有できる環境は整えるべきだということで、以前SFA(営業支援ツール)の導入を進めたことがありました。しかし結局、うまくいかなかったのです。

大きな要因は、ツールを使いこなす人とまったく使わない人に分かれてしまったこと。他にも、当時フィールドセールス一辺倒で、ツールを導入できる体制になっていなかったことも原因だったと思います」(市川 氏)

とにかく「分かりやすさ」「使いやすさ」を重視してMAを比較検討


営業・マーケティングの効率化がなかなか進まない中、約3年前に大きな転機が訪れた。当時のデータ事業チームが、子会社に出向することになったのだ。市川氏が当時を振り返る。

「ある意味でスタートアップのような状態になったことで、デジタルを活用した営業効率化に関しては、今思えば、決裁からアクションまで非常にスピーディーだったと思います。当時のメンバーが広告代理店出身者やアドテク系に強い人材が多かったことも大きく影響し、MAツールを導入しようと意見がまとまったのです。

その後、MAツールの導入は優先度が高い施策として進められました。コロナが足音を忍ばせてきた2020年に入ってからは、『コロナで対面営業ができなくなるかもしれない』という危機感もあり、より一層スピードが上がりました」(市川 氏)

MAツールの導入にあたり、いくつかのツールと比較検討が行われた。すでに導入されていた名刺管理ツール「Sansan」との連携や費用対効果が検討の軸であったが、その中でも「ツールの使いやすさ」がとりわけ重視されていたという。

以前にSFAの導入で失敗したこともあり、デジタルに弱い営業担当が見ても分かりやすく、使いこなせることは必須条件でした。実際に『SATORI』を見てみると、管理画面の操作性も分かりやすく、ヘルプページ(活用支援サイト)も充実しており好印象でした。

また、多くのメンバーが触れることになるので、アカウントの権限管理や個人情報管理も確認しています」(市川 氏)

「Webhook機能」でフォーム入力を通知し、営業活動の透明化を実現

2ヶ月弱の運用テスト後、2020年4月に「SATORI」の本格的な運用がスタート。「Sansan」に蓄積していた見込み顧客情報のCSVデータを移行したほか、各種機能の実装やメルマガ施策は市川氏が主に担当した。

現在、特に活用されている機能の1つが「Webhook機能」だ。これは「SATORI」フォームに登録された情報を、APIを通じて即時に外部ツールへ連携させる機能で、同社ではビジネスチャット「Slack」と連携させている。

「フォームからのお問い合わせは共通のメールアドレスに届くようにしていたのですが、誰が担当し、その後の進捗はどうなっているか、それらを把握するフローが整っていなかったことが課題でした。コロナ禍でちょうど社内コミュニケーションを『Slack』に移行していたタイミングで『Webhook機能』のリリースがあり、リリース当日には実装しました。

資料ダウンロードでリードを獲得したら、すぐに『Slack』へ通知があり、その通知へのスレッドに「私が担当します」と挙手制で担当者が決まるようにしました。もし誰も答えていなかったら、それは誰も対応していないことなので、対応の抜け漏れがなくなりましたね」(市川 氏)

営業の業務スピードが向上!さらには提案の精度にも変化が

「SATORI」の導入から1年が経った現在、さまざまなシーンで定性的な成果がみられたと市川氏は語る。

『SATORI』導入後の成果として、まず『Webhook機能』で業務スピードが上がったことが上げられます。営業担当の割り振りで起きるお見合いエラーもなくなり、営業部門内における対応ステータスの透明性も向上しました。

その他に、営業担当からは提案の精度が上がったとのフィードバックもありました。『SATORI』でリード情報を確認し、どのページをどのくらい閲覧し、どんなサービスに興味があるのかを事前に確認することで、提案の内容に工夫を行なっているそうです。

また、通常業務ではダウンロード資料(サービス資料、ホワイトペーパー)の制作も私が担当していまして、実際の数字としてダウンロード数が分かるのはモチベーションに繋がりますね。『Webhook機能』でSlackに通知がくるたび、嬉しくなっています。お客様がどのような情報に関心があり、どこを改善すればよいのかを、定量的なデータで掴むことができるようになったことも、成果の1つです。

『Webhook機能』だけでなく、メルマガ施策や年度末のキャンペーン施策など、『SATORI』でできるようになったことばかりです。その他にも、今までは『売上』の指標しか追えていませんでしたが、『SATORI』の導入で『問い合わせ/ダウンロード件数』『商談数』『受注数』をリアルタイムでモニタリングできるようになりました。現在は営業の指標として追いかけており、目標達成のためにどこのフェーズに改善を加えるべきか、仮説を立てて検証できています」(市川 氏)

デジタルとアナログ、社内と社外、それぞれの真ん中にある『ハブ』の役割


数年前まで「PIA DMP」の社内知名度は低い状態だったという。しかし、3年ほど前からようやくデジタル広告やアドテクへの理解が進み、「まさにこれからが本番なんです」と市川氏は意気込む。「PIA DMP」は今後、どのような展望を描いているのだろうか。

「弊社の中長期データ戦略も形になり、まだまだ小さいながらも事業の柱の1つに位置付けられるようになりました。より多くの顧客を獲得し、受注を増やして事業を成長させるためにも、『SATORI』の機能をもっと活用していきたいですね」(市川 氏)

取材の最後に、同社のマーケティング、営業にとって「SATORI」はどのような役割を果たしているのか、伺った。

デジタル慣れしている人と慣れていない人、デジタルとアナログ、社内と社外、さまざまなところで『ハブ』のような役割を担っていると思います」(廣瀬 氏)

「私の中では、MAツールも『PIA DMP』もいろいろな事業の真ん中に位置付けられると思います。今は私たちの事業局が中心ですが、ゆくゆくは他部署に埋もれているリードを掘り起こして活用していき、会社全体にMA活用を広げていきたいですね」(市川 氏)

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