Marketing Blog

2022.06.02

ブランディングとは何をすること?目的や考え方をわかりやすく解説

企業戦略において、よく耳にする「ブランディング」という言葉。ブランディングとはブランド、つまり「他と区別できるもの」を作り、それに対する信頼や共感によって他とは違う価値を生み出すことを意味します。ブランドを通じて自社の価値向上、あるいは他社との差別化などにも影響を与える、マーケティング戦略の一つです。ここではブランディングについて、その意味や実践するうえでのポイントを、事例と共に詳しく解説します。

ブランディングとは

ブランディングとは独自のブランドを作り、これに対する信頼や共感を通じて自社の価値向上や他社との差別化などを目指すマーケティング戦略の一つです。ブランドとは「他と区別できるもの」という意味で、ブランディングはブランドを作り、世間に浸透させる活動すべてを言います。

マーケティングにおけるブランディングの位置づけ

例えば、SATORI株式会社はマーケティングオートメーションツール「SATORI」というSaas系サービスを開発・提供しています。広告やテレビCMなども打ち出し、ターゲットとなる多くの企業にそのブランドの認知を広げています。例えば「日本企業の提供する国産マーケティングオートメーションと言えば『SATORI』」「あのタレントが宣伝しているサービス」など、連想しやすいイメージから独自の立ち位置を作り出しているのです。

ブランドを形成する要素

ブランドを形成する要素には、例えば以下のようなものがあります。

要素
ブランド名 SATORI
ブランドカラー  
ブランドロゴ MAツール「SATORI」
ミッション あなたのマーケティング活動を一歩先へ
開発国 日本(純国産)
特徴 匿名ナーチャリングに強い

このほか、例えば宣伝などに起用されるキャラクターやパッケージのデザインなども含まれます。

ブランティングの目的

ブランドを通じて自社の考えや思いなどのメッセージが伝わり、顧客のみならず社内においても安心感が生まれます。社会的な信頼性が向上し、発信情報の影響力も高まるでしょう。すると周囲の目を惹きやすくなり、マーケティング活動全般においても継続して大きな効果が期待できるようになります。
また、もう一つブランディングの目的に挙げられるのが、利益率の向上です。ブランドによって他社との差別化を行い、ブランドイメージが認知されれば、マーケティング活動を通じて選ばれる確度が高まります。その結果、価格とは異なる価値で勝負できるようになり、安定して高い利益率を維持できるようになるでしょう。

ブランディングの分類

ブランディングには、大きく以下のように3つの分類が存在します。

  • インナーブランディング:企業文化づくり
  • 商品・事業ブランディング:事業づくり
  • 採用・育成ブランディング:人・組織づくり
ブランディングの分類

インナーブランディング:企業文化づくり

インナーブランディングとは社内に対して行われ、社内報やSNS、社内イベントなどが具体的な内容例です。これを通じ、ブランドの価値や企業理念などを浸透させます。

商品・事業ブランディング:事業づくり

商品・事業の魅力や価値をWebサイトや、動画、SNSなどデジタル媒体に加え、パンフレット、DM、セミナー・イベントなどオフライン媒体を用いて社内外へ発信することで、事業成長へと繋げます。

採用・育成ブランディング:人・組織づくり

独自の魅力や差別化に関わるポイントを伝えることで、就職・転職において自社を選択する動機づけを行います。具体的な手法に挙げられるホームページや外部サイト、SNSなどです。

ブランディングの成功のポイント

ブランディングを成功させるには、ターゲット側の目線に立って戦略を検討することが重要です。また、独自性を保つためには、他社との違いを踏まえたブランドコンセプトを明確にしましょう。

手順

ブランディングの手順

環境分析

3C分析、PEST分析、SWOT分析などのフレームワークを用いて、客観的に自社の状況や置かれている環境などを把握します。

関連記事:【重要】マーケティングの分析手法・フレームワーク

構築・設定

独自の価値につながるブランドコンセプトを明確化し、中心となるターゲットなどを決定します。

実施・実現

ブランドコンセプトからブランドアイデンティティを設定し、ブランドの特徴について情報を発信(提供)。ターゲットの反応など分析し、状況に応じて軌道修正しながらブランディングを継続的に実施します。

注意点

ブランドを作る際には、以下のような点に注意しましょう。

  • 自己満足にならない
  • ブランドコンセプトを言葉として発信する
  • コストと時間を覚悟する

ブランディングにおいては、ブランドイメージやその特徴などがターゲットに正しく伝わらなければ意味がありません。あくまでターゲット側の視点から考え、明文化して情報を発信しましょう。また、ブランディングはすぐに浸透するものではありません。コストも時間もかかることを覚悟の上で実施しましょう。

事例で学ぶブランディングの基本

実際のブランディングにおける施策や活動の事例を3つ取り上げてご紹介します。

SATORI株式会社

SATORIではマーケティングオートメーションツールの提供会社というイメージから、「あなたのマーケティング活動を一歩先へ」と言うミッションを叶えるべく「標-しるべ-」というイベントを定期開催しています。マーケティングオートメーションに限らず、世の中にマーケティングの可能性を認識・理解してもらうことが組織発展にも貢献するという考えに基づき、ブランディングを主な目的とした取り組みです。

SATORI株式会社のセミナーイメージ

土屋鞄製造所

製品の魅力だけではなく、その背景やシーンまで盛り込んだ写真をSNSで発信。共感を得るブランディングを行い、FacebookやInstagramで多くのファンを生み出しています。

土屋鞄製造所のfacebook
土屋鞄製造所のInstagram

参考:簡単に言うと…コンテンツマーケティングとは何か?これから始める方へ

ライフネット生命保険株式会社

「保険料を半分にして、若い人たちが安心して赤ちゃんを産み育てられる社会を創りたい」という考え(創業理念)からスタートした会社。テレビCMを通じて「安い」「安心」「簡単」という特徴を発信し、主要ターゲット層に対してそのイメージを強く印象付けています。

ライフネット生命保険株式会社

参考:マーケティング戦略とは?立案の手順・わかりやすい事例解説

フレームワークを活用して分析・戦略をたてブランディングを成功させよう

フレームワークを活用して現状分析を行い、自社の状況や置かれた環境などを明確化。これをもとにターゲット側の目線から効果的な戦略を立てて実行し、ブランディングを成功させましょう。

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