事例から学ぶLINE活用のポイント

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利用者数が増え続ける「LINE」。ビジネスにおいて顧客とつながる機会として様々なソーシャルネットワークサービスが活用されています。今回はその中のひとつである「LINE」のビジネス活用について分かりやすくまとめました。


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LINEの魅力と企業が活用できるサービスまとめ

メールに代わるスマホ向けのコミュニケーションツールとして、日々利用者数を増やすLINEアプリ。
LINE株式会社(LINE2015年10月-2016年3月媒体資料)によると、月間アクティブユーザー数は全世界で2億1100万人におよび、日本国内のアプリ利用者数も5,800万人以上。これは日本の人口の実に45%以上が利用している計算となります。
ユーザーの属性は、男性より女性の方がやや多く、若年層の利用が圧倒的かと思いきや、どの年齢層にも幅広く利用されています。
LINEは個人が利用するアプリのように思われがちですが、事業のマーケティングでも取り入れられ、成功している企業が増えています。ビジネス向けには、「LINE公式アカウント」「スタンプ」「LINE@」などがあります。各サービスの内容と、どのようにマーケティング展開ができるのかをご説明いたします。

LINE公式アカウント

企業が持つことのできる、公式アカウントです。アカウントを友だち登録したユーザーに対し、メッセージのプッシュ配信、タイムラインへの投稿ができます。
友だちならともかく、企業からのメッセージなんて見られるの?と思われるかもしれませんが、今やコミュニケーションツールとして、なくてはならないものになっているLINEは、友だちと同様、企業アカウントがトーク一覧として並ぶことに抵抗がないと言われています。またメルマガと違ってLINE登録は携帯電話番号と紐づくため、使っていないアカウントに送られてしまうということが非常に少ないのです。
ここで、LINEの「公式」ボタンを押してみてください。コカ・コーラ、キリン、西友、ファミリーマート、三菱東京UFJ銀行…カテゴリごとに有名企業がずらっと並んでいますね。公式アカウントの開設には、初期費用800万円~、月額メッセージ配信運用費が250万円~と、利用料が高額なため中小企業だとなかなか手が出しずらいと思われるかもしれません。しかし、この後ご紹介するお手軽なプランもありますので、「高額だし、自社ではLINEは使えないな」と思わず、最後までお付き合いください。

プロモーションスタンプ

プロモーションスタンプは、公式アカウントに「友だち」追加したユーザーに無料で(期間制限あり)提供するスタンプのことです。友だち数を大きく増やすことができる他、ユーザーが友だち同士でそのスタンプを使うことによって、友だち登録していないユーザーへも自動的に企業の宣伝をしてくれるというメリットがあります。
費用はスタンプ8種類で2,000万円~と、高額にも関わらず、日本コカ・コーラ、カルビー、ハウス食品、リクルート、DHC、など多くの企業が活用しています。
また、各社の商品(ペットボトル等)に貼られているシールをめくると、シリアルナンバーが記載されていて、それを指定フォームに入力すればスタンプが貰えるというキャンペーンを見たことはありませんか?スタンプのプロモーションにはこうした自社商品の購入を促す、マストバイのタイプもあります。

LINE@

先に述べた公式アカウントは、比較的宣伝費を多くかけられる大企業向けだとご紹介しました。一方、もっと手軽に利用できるプランがLINE@です。
無料で開設が可能で、メッセージ配信、1対1のトークができます。メッセージ通数月1,000通を超える場合は、月額5,400円の有料プランがあり、月50,000通を超えると1通あたり1.08円の従量料金制をとっています。
LINE公式ホームページによると、飲食店、テレビ番組をアカウント名にするテレビ局、アパレルブランド、スポーツなどの協会、政党なども活用しています。

まとめ

LINEの企業向けサービスには他にも、LINEの機能をAPIで提供し企業側でカスタマイズができるLINEビジネスコネクトや、友だち数が多いアカウントを通して、自社の販促メッセ―ジやクーポンを配信することのできるLINEコラボアカウントなどがあります。

LINE公式アカウントとLINE@の違いは?

提供される機能の大きな違いとして配信通数制限の他、以下2つの限定機能があります。

  • LINE公式アカウントの限定機能:「LINEビジネスコネクト」
     従来50万円の月額費用が必要だった「LINEビジネスコネクト」機能を無料で利用できる。
  • LINE@の限定機能:「LINE ショップカード」
     飲食・小売店舗などのアカウントの所有者がデジタルポイントカードを発行・管理できる「LINE ショップカード」機能を無料で利用できる。ポイントカードのデジタル化により、顧客の再訪を促進するO2Oツールとしての活用が期待できます。

その他の違いとしては、その強力な集客力です。
LINE公式アカウントは、LINEのプラットフォームに表示され、スタンプ施策と連動することで1度に多くの友だちを獲得することができます。
一方LINE@の集客は、LINEからの検索機能はあるものの、露出の階層は深いため、そのままではお友だち数を増やすことができません。そのため、上述でご紹介した「LINE ショップカード」機能等をうまく活用し、企業側は積極的にプロモーション活動を行う必要があります。

おさえておきたいLINE活用の事例

企業による、スタンプ・LINE@・タイムライン・メッセージを使った事例を見ていきましょう。

楽天市場×公式アカウント(スタンプ)

rakuten

LINEと聞いてすぐ思いつくのがスタンプではないでしょうか。
文章を入力しなくても、スタンプだけで会話が成り立ち、スマートフォンとの相性が抜群。LINEの利用者がここまで広がった要因といっても過言ではありません。
このスタンプを使ったマーケティングとして成功した事例のひとつに、楽天市場(お買い物パンダ)をご紹介しましょう。
楽天は、オリジナルキャラクター「お買い物パンダ」でスタンプを作成。ダウンロードしたユーザーが、プライベートでのトークで「お買い物パンダ」スタンプを使うことで話題が広がり、短期間でお友だち数を増やすことに成功しています。スタンプが有効に働くこととして、スタンプ自体に広告の意味合いがあるということ。スタンプには企業名やロゴをいれることがNGですが、企業サイトにキャラクターを登場させ、お買い物パンダ=楽天を印象付けることができました。
また、集めた友だちに向けて、トークやタイムラインにて割引きやセール情報など、限定情報を投稿することで、ECサイトへの流入を促進することができました。

肉フェス×LINE@

手軽にアカウント開設できるLINE@は、期間限定のフェスティバルにもってこいです。「肉フェス」での事例を見てみましょう。
2015年4月に開催された、全国の肉料理を集めたフードイベント「Food Nations 肉フェスTOKYO 2015 春」(肉フェス)では、LINE@の活用がカギとなりました。
LINE@公式ブログのレポートによると、会場で使える食券のプレゼントや、肉フェスギフトセットが当たる抽選クーポンの発行を実施し、短期間で約4万5000人という友だちを獲得しました。さらに、友だちの人数が一定数に達したら抽選クーポンを発行し、当選すると景品がもらえる仕組みを展開。友だちを増やせばお得が増えるわけで、拡散を狙ったうまい施策といえるでしょう。また、前日の混雑状況から、当日の待ち時間予想をメッセージで配信し、来場者が効率よく会場を回れるようにサポートしました。まさにLINEの即時性がマッチした活用例のひとつです。

ドクターシーラボ×公式アカウント(タイムライン・メッセージ)

ドクターシーラボ

個人的なLINEの使用方法と同様、友だち登録してくれたユーザーには、企業からメッセージ(LINEトーク)やタイムラインの投稿ができます。メッセージはプッシュ通知が届くため、高い開封率が期待できます。
ドクターシーラボでは、LINEの即時性を利用して、24時間フラッシュセールを開催。LINE限定だからできる、大幅値引き商品を出しています。また、スキンケアに関係するアンケートをタイムラインで実施して、自社商品をアピール。アンケートは自社スタンプを利用して、簡単に回答可能にしました。コンテンツを読ませることで、商品知識を高め、自社商品に興味を持ってもらうことができます。

ローソン×公式アカウント(クーポン・メッセージ)

LAWSON

クーポンをメッセージ配信することで、高いコンバージョンを得ている事例として、ローソンの戦略をご紹介していきます。
獲得した友だちをどのように売り上げに結びつけていくのか?ローソンでは来店数を増やすため、商品に使えるクーポンを定期的にメッセージ配信しています。「マーケティングテクノロジーフェア2015」によると、2014年秋の時点で友だち数1,000万人、そのうち累計50万人がクーポンを発券機で発行しています。つまり50万人が来店し、LINEでのコンバージョンは5%ということになります。
このような高いコンバージョンが可能なのは、LINEの特性にあります。たとえば、昼食後の時間帯にスイーツのクーポンが配信されれば、ユーザーにとって魅力的ですよね。メールは午後に配信しても、開封されるのが数時間後かもしれませんが、LINEのメッセージだと、プッシュ通知ですぐ見られるので、狙った時間に見せることができます。
このようにクーポンを配信することで、ユーザーとの接点を継続して持ち、売上にも直結させることが可能です。

LINEビジネスコネクトの活用事例

LINEビジネスコネクトは、企業がユーザーに合わせたコミュニケーションをとることができる、企業側にとって魅力的な仕組みのひとつですが、提供されるAPIに合わせて自社のシステムを開発するのにハードルがありました。
このたび、LINEとセールスフォース・ドットコムの両社が提携し、セールスフォースが持つクラウドサービスとLINEビジネスコネクトが連携したサービスを企業が利用できるようになりました。
実際にLINEビジネスコネクトを活用している企業をご紹介していきましょう。

物件の入居斡旋・管理サポートの事業を展開している大東建託は、LINEスタンプのプロモーションなどで、友だち数は約1,000万人。ひとりひとりの部屋探しに対応すべく、LINEビジネスコネクトを活用した「お部屋お探しサポートサービス」を行っています。「LINE トーク」を通じて気軽に部屋探しに関する相談がオペレーターにできて、問い合わせ数は1日平均1,500件にのぼるそうです。(MarkeZineより)
マツモトキヨシでは、アカウント宛てに自分の位置情報を送信すると、近くの店舗情報が送信されてきます。知らない土地で店舗に行きたいときとても便利な機能ですね。
ZOZOTOWNでは公式アカウントと自社IDを連携させることで「お気に入りアイテム」からのセール情報など、ユーザー個別のお知らせをLINEで配信しています。今までメルマガで行っていたことを、スマホに特化したLINEというプラットフォームで実現しようとしているわけです。
キリンでは、アルコールの情報を20歳以上のターゲットに絞ってメッセージを届けるためビジネスコネクトを活用しています。まずはプレゼントキャンペーンでユーザー情報を獲得し、アルコール情報を受け取る了承をした友だちのみにメッセージを配信。さらにプレゼントキャンペーンを実施し、住まいや帰宅時間の情報を獲得。これにより、地域限定の商品案内や帰宅時間に合わせたおすすめ商品のメッセージを配信しています。他のLINEサービスに比べ、自社の顧客データベースや独自のマーケティングデータを活用して、ユーザーとの間で戦略的なコミュニケーションを実現できることが、LINEビジネスコネクト活用の利点といえるでしょう。

中小企業におすすめの LINE@活用術

LINEはスタンプと連動することで、爆発的に友だち数を増やせることを述べました。オリジナルスタンプをスタンプショップ経由でユーザーに無料提供できる広告商品は金額が高く中小企業向けではありませんが、「LINEクリエイターズスタンプ」を使うと、手軽にこのアプローチをとることができます。「LINEクリエイターズスタンプ」は個人・企業で利用することができ、ユーザーへの販売のみになりますが申請費は無料です。
各店舗でLINE@をスタートしたオートバックスセブンでは、キャンペーン情報の配信とともに、クリエイターズスタンプで企業キャラクター「タイヤくん」スタンプを販売。タイヤくんはLINEをはじめ、自社サイトやSNSで露出し、ユーザーとのコミュニケーションを図る方法として、企業の知名度をアップさせるプロモーション効果を得ています。

とりあえず導入はNG

このように、すでに多くの人が利用者し、高いリーチを見込めるLINEですが、導入しただけで思い描く効果が見込めるわけではありません。どこにKPIを置くのかを必ず決めておきましょう。とりあえず導入した結果、友だち集めに奔走し、運用がままならず、多くの友だちからブロックを受けるという事態になりかねません。
最終的な目標は、自社商品の販売促進なのか、来店数を増やしたいのか、知名度アップなのか、ECサイトへの流入なのか、潜在顧客の育成なのか…自社の戦略に合ったアプローチをとるべきでしょう。企業規模、かけられる予算は企業それぞれですので、しっかりとしたマーケティング戦略を考えたうえで導入するようにしましょう。

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