【解説】YMYLとは?Google検索品質ガイドラインと対象ジャンル、対策法

篠原 誠

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YMYL(Your Money or Your Life)とはお金や人生(健康や安全など)に大きく影響するものとGoogleが位置付ける対象を示す用語です。YMYLの意味や対象ジャンル、対策法をまとめました。

YMYLが何の略か説明

YMYLの意味と対象ジャンル

YMYLはYour Money or Your Life の頭文字を取った略称で、お金や健康などのジャンルを示すGoogleの検索品質評価ガイドラインに登場する言葉です。お金や健康などに関する情報は、人の生活や人生に大きく影響するジャンルのため、Googleはコンテンツの評価基準を厳格にし、より検索結果の品質を高めようとしています。

例えば重篤な病気にかかってしまい病状の回復方法がないかユーザーが検索した際、信憑性の欠ける情報が掲載されているサイトや、詐欺のような商材が販売されているサイトが上位表示されてしまうと大きな問題を引き起こす可能性があるのはイメージしやすいでしょう。そのようなことが起こらないようにYMYL領域では通常の評価基準よりも、より厳しい基準で評価を行っています。

YMYLの対象ジャンル

対象ジャンル

2020年5月の段階でGoogle検索品質評価ガイドラインのYMYLの項目には以下のカテゴリが記載されています。(品質評価ガイドライン「2.3 Your Money or Your Life (YMYL) Pages」より)

ジャンル
ニュース・時事問題 国際問題や政治など重要な問題を扱うサイトなど(エンタメやスポーツなどは含まれない)
公共サービス・法律など 一般的な市民生活を維持するために必要な情報を扱うサイトなど
金融 投資や保険などを扱うサイトなど
ショッピング オンライン上で商品購入などを行うECサイトなど
健康・安全 医療・病院関連・緊急時に使用するサイトなど
人のグループ 人種や宗教、性別などについて扱うサイトなど
その他 フィットネスや栄養、大学、就職などに関する人生の局面に関連するサイトなど

必ずしも「品質評価ガイドラインに掲載されている=実際の検索にYMYLジャンルとして反映されている」というわけではありませんが、上記カテゴリのようなジャンルをYMYLとしてイメージしておく良いでしょう。

Googleが求める品質に沿わないコンテンツはどうなるの?

Googleとしては検索ユーザーをより高品質なサイト(ユーザーの満足度の高いサイト)にいち早くたどり着かせたいという考えがあります。YMYL領域に限ったことではないですが、特に評価を厳しくしているYMYL領域では品質がGoogleの求めるものに沿っていないような場合、検索結果に表示されにくくなります。

YMYLアップデートの歴史(2020年5月現在)

コアアルゴリズムのアップデートが実施されるたびにYMYLジャンルの動きが囁かれますが、公式に発表されているものは2017年12月の日本語検索における「医療や健康に関連する検索結果の改善」のみ。2018年8月に実施されたアップデートが海外で「Medic Update」(医療アップデート)と名付けられましたがGoogleは「YMYLにターゲットにしたわけではない」と言及しており非公式の情報です。

一般的に、年に数回実施されるアルゴリズムアップデートの際にYMYLジャンルが特に大きく順位を動かすことが確認されているため、上記アップデートの情報(2017年12月、2018年8月)と2019年以降のアルゴリズムアップデートの情報を時系列でまとめます。

年月 内容
2017年12月 医療や健康に関連する検索結果の改善(日本語検索のみ)
2018年8月 Medic Update(名称とターゲットについては非公式)
2019年3月 March 2019 Core Update
2019年6月 June 2019 Core Update
2019年9月 September 2019 Core Update
2020年1月 January 2020 Core Update
2020年5月 May 2020 Core Update

2019年以降はおおよそ3〜4ヶ月に1回の頻度でアップデートが起こっています。

この中でも2019年の3月「March 2019 Core Update」では、直前に「Medic Update」があったためか、健康ジャンルのサイトが大きく順位を動かした事例が海外のフォーラムで報告されました。(参照:Speculation Around The Google March 2019 Core Update

ただし、「Medic Update」同様に公式の発表ではなく、その後のアップデートでもYMYLジャンルは大きく変動していることが確認されています。

「品質が不足している」と見られた場合、サイト全体で大きく順位を落とすことになりますし、逆に高品質と判断されれば順位が上がる可能性が高いです。これはYMYLのジャンルに限ったことではありませんが、YMYLジャンルの場合は特に顕著に変動する傾向にあるためアップデートのタイミングは注視しておくと良いでしょう。
(順位の動きには様々な要因が含まれており、必ずしも「順位を落とす=品質が低い」というわけではないことに注意が必要です)

YMYLへの対策

YMYLそのものをスコア化するアルゴリズムは存在しないため(※)、具体的に「この対策をすれば大丈夫」といった対策は存在しません。
※「Pubcon Pro Las Vegas 2019」でGoogle・Gary Illyes氏がコメント

一方で「信頼性の高い、ユーザーにとって安心できる情報を提供する」という考え方に基づくと実際にどういうことをすればいいのか見えてくるでしょう。

これをすれば大丈夫といったものではありませんが、信頼性を高める情報の作り方の例をいくつかピックアップしました。(またE-A-Tという概念もYMYLとは密接に関わってくるので、「5分で理解「E-A-T」とは?SEOで重要視されるGoogle品質評価基準を解説」も参考にしてみてください。)

1) 良いサービスを作り、良い評判を得る

良いサービスを作ることは、もっとも基本的で大切な部分です。
以前は良くないサービスや情報でも、Googleの裏をかくようなテクニックを使って検索結果に表示しやすくすることが可能でした。
最近ではGoogleの精度が上がり、現実に評判が悪いのに検索結果上位に表示させることは難しくなっています。
検索ユーザーの人生に関わってくるYMYL領域の話であればなおさらです。

2)責任者情報を明記する

サイトの信頼性という部分につながってきますが、責任者情報・連絡先・サポート情報を明記しましょう。
誰が運営しているのか全くわからない、困った時に連絡先がわからない、サポートがあるのかわからない…といったサイトに対して自分の人生を左右する選択をしようとは思わないですよね。

3)情報の裏付けをできるだけわかりやすく明示する

サイトに掲載されている情報がなぜ安全・安心なのかなどの裏付けを明示しましょう。
「専門家が監修している」(※)、「裏付けになる論文がある」など信用できる情報なのかどうかを第三者観点でわかりやすく明記します。

※「専門家監修」のようなテキストだけではなく、本当に監修していることが重要です。どのような人物が監修しているのか、人物として信頼できるのかどうかも明示できていること、また実際に監修してもらっているのであればその監修者のサイトからリンクがある、なども関わりのある証明の一つにはなるでしょう。

4)定期的にコンテンツを整備する

サイトに訪問したユーザーが「その時点で」サイトを確認して問題のない状態にしておくことも重要です。
そのためにサイト内のコンテンツを定期的に確認して「現時点でユーザーが見ても問題がないかどうか」「誤解を与えないかどうか」の観点を持ち、問題があるようであれば修正を随時行う必要があります。

 

YMYLと聞くと難しい対策をしなくてはいけないと思われがちですが、「信頼できる高品質な情報をわかりやすく提示する」といった原則的な考え方を知っておくと自分のサイトの改善点も見えやすくなります。新規の検索ユーザーになったつもりで自分のサイトを見てみて、信用できるかどうかの視点で確認してみると良いでしょう。

PROFILE

篠原 誠


2007年10月にSEOディレクターとしてSEO事業者に入社。企業サイトを中心にコンサルティングを行う。 2015年4月に独立。 メディア運営とSEOコンサルティングを中心に活動中。 個人活動として2008年にSEOの勉強と情報発信のために「バカに毛が生えたブログ」開設し、現在もSEO関連の情報を発信している。
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