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MAとCRMの違いとは?2つを連携させるメリットとMAの選び方

MAとCRMの違いとは?2つを連携させるメリットとMAの選び方

マーケティングツールとして近年注目されているのが「MA」と「CRM」です。しかし、その役割や使い方の違いについて、正確に把握している人は少ないのではないでしょうか。

この記事では、MAとCRMそれぞれの役割や使い方の違い、両者を連携させるメリットや注意点、MAを選ぶ際のポイント、成果を生み出した具体例などについて解説します。

MAとCRMの違いとは?

まず、MAとCRMの違いについて確認しておきましょう。

■MAとCRMの違い

ツールMACRM
内容見込み顧客にアプローチし、獲得したり育成したりする機能が含まれているツール顧客関係管理ツール
使うシーン顧客化する前顧客になった後

MAとはMarketing Automation(マーケティング・オートメーション)の略称で、見込み顧客にアプローチし、獲得したり育成したりする機能が含まれているツールです。

一方CRMはCustomer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の略称で、日本語でいうと顧客関係管理ツールです。MAを使って受注につなげ、正式に顧客化した後にCRMで管理する、という流れで使用します。MAは「顧客化する前」、CRMは「顧客になった後」に活用する、と捉えるとわかりやすいでしょう。

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MAとCRMの役割と使い方

MAもCRMも、見込みも含めた顧客情報を管理する点は共通しています。そのため現在のマーケティングにおいては、MAとCRMを連携させながら進める形が主流となっています。MAとCRM、それぞれの役割や使い方について、細かく見ていきましょう。

■MAとCRMの役割

ツールMACRM
役割見込み顧客の「獲得」「育成」「管理」「顧客情報管理および分析」「キャンペーン・プロモーション管理」「問い合わせ・カスタマーサービス管理」

MAの役割と使い方

MAの役割は、見込み顧客の「獲得」「育成」「管理」の3つです。見込み顧客には、イベントやセミナーに参加して獲得した名刺や、自社サイトを見た見込み顧客からの問い合わせなどの情報が必要です。MAの中には、個人情報がわからない「匿名の見込み顧客」を獲得する機能が備わっているツールもあります。

見込み顧客を獲得したら、育成のフェーズに入ります。具体的には、見込み顧客の行動や属性を分析しながら、メルマガ配信や資料提供などにより接点を強化します。適切なコンテンツを提供することで、自社の商品・サービスに興味を持ってもらい、見込み顧客を育てていくのです。

最後に、見込み顧客の状況を把握しながら管理します。興味・関心の度合いを可視化するスコアリング機能を使って、数値の高い見込み顧客に対して個別にアプローチすれば、効率的な営業活動につながるでしょう。

CRMの役割と使い方

CRMの役割は「顧客情報管理および分析」「キャンペーン・プロモーション管理」「問い合わせ・カスタマーサービス管理」の3つです。

CRMを活用するには、まず顧客の個人情報や商品・サービスの購入日時、品目、金額などを管理・分析します。適切な営業活動を行うには、「どれくらいの頻度で」「どんな商品・サービスを購入したのか」などの情報を抽出し、グループに分けて分析することが必要です。

また、多くのCRMには、キャンペーンやプロモーションを管理する機能が搭載されています。具体的には、期間限定の割引セールを案内したり、特定の顧客に対してクーポンを送付したりする施策です。対象となる顧客を選び出し、メールを送信したりアンケートを実施し結果を集計したりすることで、継続的に顧客を管理することができます。

さらにCRMは、顧客がメールでWebサイトに送るご意見・ご要望の管理だけでなく、問い合わせ・カスタマーサービス管理も可能です。CRMによって顧客の声を細かく管理できれば、顧客満足度の向上や新たな商品・サービスの開発にもつながるでしょう。

MAとCRMを連携させるメリット

MAとCRMは異なる機能を持つツールですが、両者を連携させることで高いマーケティング効果を発揮できます。MAとCRMを連携させるメリットをご紹介します。

顧客を営業部門へスムーズに引き渡しする

MAとCRMを連携させるメリットは、MAによって獲得・育成した顧客情報を営業部門へスムーズに引き渡せることです。もし営業部門への引き渡しがうまくいかなければ、競合他社に顧客が流れていってしまうかもしれません。MAとCRMを連携させれば、マーケティング施策の精度が高くなり、顧客の増加や売上アップという目的が果たせます。

見込み顧客の購買行動や商談をフォローする

MAとCRMを連携させることで、見込み顧客の属性に応じたアプローチが可能になり、効率的に商談へ導けるというメリットがあります。自社への流入経路や商品・サービスを購買するまでのプロセスは、顧客によってまちまちですが、それぞれにあったフォロー体制を構築できます。

機会損失を減らせる

MAとCRMツールを連携することで、顧客の獲得機会損失が減らせるというメリットもあります。MAのデータから、一定期間接点がない顧客や、既存顧客の掘り起こしが可能になるでしょう。もし自社から離れてしまった顧客がいたとしても、商品・サービスやタイミングを変えてアプローチすれば、再び接点を持てる可能性は十分にあります。

部署を横断したマーケティング施策を講じられる

MAとCRMを連携させれば、部署の垣根を越えて顧客の情報や行動を把握でき、一貫したマーケティング施策を講じられるようになるというメリットもあります。企業によっては、「MAの管理はマーケティング部」「CRMの管理は営業部」など、組織のなかで顧客情報の管理や施策が分断されているケースがあります。顧客情報の共有が可能になれば、分断がなくなり、結果として業績アップにつながるかもしれません。

MAとCRMを連携させるときに注意すべきポイント

MAとCRMを連携させることでより効果的な使い方ができますが、うまく連携できないと効果が半減してしまうことにもなりかねません。よくある失敗例をもとに、注意すべきポイントを確認しておきましょう。

MAとCRMのデータ連携が可能か

MAとCRMを連携させるときに注意すべきポイントは、MAとCRMのデータを連携できるかどうかを確認することです。

MAやCRMの導入時に失敗しやすいのが、すでにツールを使っており、後から別のツールを導入するケースです。その場合、どのように顧客情報を連携するのか確認した上でツールを導入しなければなりません。もし両者のデータが紐付けできないと、片方の情報が更新されないまま動いてしまう可能性があるからです。

MAとCRMに親和性があるか、シームレスにデータを連携できるか、導入前に必ず確認しておきましょう。もしMAもCRMも使っていない場合は、データ連携を踏まえた上で同時に導入することをおすすめします。

重複した顧客情報を削除する機能が備わっているか

MAとCRMを連携させるときには、重複した顧客情報を削除する機能が備わっているかについても注意しなければなりません。MAとCRMで顧客情報が重複していると、正しい分析ができず、マーケティング施策の効果が半減してしまいます。重複しているデータを削除する「データクレンジング機能」があるか、導入前にチェックしましょう。

社内のデータ統合や管理の手順を統一できているか

MAとCRMが連携した後でも、受注後の顧客連携ができていないケースがないか、注意が必要です。例えば、CRM上ではすでに受注ユーザーなのにMAと連携できていなければ、「見込み顧客」の状態のままアプローチしてしまう、といったミスが起こります。データ連携やクレンジング機能があったとしても、社内のデータ統合や管理の手順は統一しておきましょう。

MAの選び方のポイント

現在さまざまなMAが存在しています。はじめて導入する場合、どのような観点で選べばいいか、迷ってしまうかもしれません。MAを選ぶときに着目すべきポイントを押さえておきましょう。

顧客獲得に強い機能を備えているか

MAの選び方の大きなポイントは、顧客獲得に強い機能を備えているかです。一般的なMAは、セミナーや問い合わせなどで入手した個人情報をもとにアプローチします。ただし、MAの中には、それ以外に問い合わせ前の「匿名客」に働きかける機能を備えているものがあります。MAを比較、検討する中で、自社の顧客獲得に強みとなる機能に着目しましょう。

導入や操作性がシンプルか

MAの選び方のポイントとして、導入方法や操作性がシンプルかを事前に確認しておくことが大切です。はじめてMAを導入する場合は、「すぐに運用できるのか?」「初心者でも使いこなせるのか?」と不安に思うこともあるでしょう。導入までの手間がかからないか、初心者のマーケターでも簡単に操作できるのか、を事前にチェックしてください。

サポート体制が充実しているか

MAを導入しても、いきなりすべての機能を使いこなすことは難しいかもしれません。「専門のスタッフが使い方や設定方法をサポートしてくれるか?」「セミナー動画やユーザー会などの運用支援があるか?」など、サポート体制の充実度もMAを選び方のポイントのひとつです。

同じ業界の企業の導入事例があるか

MAを選ぶ際には、自社と同じ業界の企業の導入事例を確認する、ということもポイントとなります。「どんな企業がMAを導入しているのか?」「どんな成果があったのか?」など、導入事例の紹介ページを確認しましょう。特に、同じ業界の企業の導入事例があれば、導入後の自社のマーケティング活動がイメージでき、あてはめて考えやすいでしょう。

目的・予算と機能が釣り合っているか

MA導入にどれくらい費用がかかるのか、予算と釣り合っているかも、MAの選び方の重要なポイントです。MAの機能がいくら豊富でも、自社が目指すものと合致していなければ意味がありません。自社での導入の承認をスムーズに進めるためにも、目的・予算と合致したMAの機能の有無については最初に確認しておきましょう。

自社の取引形態に合った機能を搭載しているか

MAの選び方のポイントには、選定する際に、自社の取引形態に合った機能を搭載しているか、ということも重要です。特に、BtoBとBtoCでは求められる機能が異なる点に注意が必要です。

BtoBのビジネスは、顧客が商品・サービスを購入するまでに時間がかかるため、プロセスが長くなります。BtoCと比べると顧客数は少なく、商談によるアプローチが主流です。そのためMAには、顧客との関係構築を重視した機能が求められます。

一方、BtoCのビジネスは、「顧客数が多い」「デジタルメディアを通じてアプローチする機会が多い」「BtoBと比べると購入までのプロセスが短い」などの特徴があります。そのためMAには、多数の顧客数を管理できる機能や、複数のチャネルでアプローチできる機能が必要です。

MAを使用した企業の具体例

ここからは、MAを活用することで成果を挙げた、2つの成功事例を紹介します。MAの導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

文具メーカー・ジョインテックスカンパニーの事例

文具・事務用品やオフィス家具などを提供している「ジョインテックスカンパニー」は、コロナ禍で対面営業が難しくなったことで、商談機会が減ってしまいました。またテレワークの浸透により、オフィス向け商品の需要が大幅に減少。そこで、MAを活用したデジタルマーケティングに取り組みました。

メールマガジンの配信やウェビナーの開催案内、サイトアクセスの分析など、MAを活用することで有効な施策を実行。その結果、コンバージョンやウェブサイトのPV数が飛躍的にアップしました。

詳しくは、こちらの導入事例記事をご覧ください。

手厚い導入サポートで、未経験でもデジタルマーケティングを実現!アフターコロナを見据えた事業変革の裏側

システム開発企業・株式会社ネオシステムの事例

「株式会社ネオシステム」では、エンジニアが個人で案件を管理していたため、ほかの部署から進捗状況を把握できないという課題がありました。またコロナ禍を受けて、新規顧客の獲得にも力を入れたいと考えていました。

そこでMAを導入したところ、ウェブサイト経由の商談獲得により、数千万円規模の案件を受注することに成功。さらに、顧客情報の「見える化」により、異なる部署間でのクロスセルを実現しました。

詳しくは、こちらの導入事例記事をご覧ください。

問い合わせ件数は約3倍に。顧客情報の見える化を実現し、数千万円規模の案件獲得も。老舗システム会社が実現した営業改革とは

SFAとは?

MA、CRMに関連するツールとして、SFAがあります。SFAとはSales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の略称で、日本語でいうと「営業支援システム」です。具体的には、顧客の属性や過去の営業活動履歴、顧客の反応、次のアクションなど、営業活動全体をデータベース化して分析します。

関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違い、ツールの選び方、活用のポイント

MA、CRMとSFAの違い

SFAは、MAやCRMとは異なる役割や使い方があります。MAは顧客獲得と育成に特化していますが、SFAやCRMは案件や商談内容など顧客に紐づく情報を管理するツールです。SFAは主に受注前の管理、CRMは受注後の管理に特化している、と捉えるとわかりやすいでしょう。活用の流れとしてはMA、SFA、CRMの順で、それぞれのカバーする領域が少し重なるようなイメージです。

■MA、SFA、CRMの違い

ツールMASFACRM
特徴顧客獲得と育成受注前の案件や商談内容など顧客に紐づく情報を管理受注後の案件や商談内容など顧客に紐づく情報を管理

MA、CRMとSFAを連携するポイント

MA、CRM、SFAはそれぞれ異なる役割があるため、3つのシステムを連携させながら管理している企業も少なくありません。SFA、CRMとMAの情報をスムーズに連携できるかどうかが、マーケティング活動を成功に導く大きなポイントです。

近年は、SFAとCRMの機能を兼ね備えたツールが多くなってきました。はじめから2つの機能を併せ持っているツールなら、連携を考慮する必要がないため、スムーズに運用できるでしょう。

ただしSFAやCRMは、見込み顧客を増やす機能がありません。そのため「見込み顧客との接点を増やしたい」「もっとメールマーケティングを充実させたい」と考え、後からMAを導入するケースが多いようです。

MAとCRMの違いを踏まえて自社に合ったツールを選ぼう

MA、CRMは現在数多くのベンダーから提供されており、役割や使い方、価格、サポート体制などさまざまなので、どれを選べばいいのか迷ってしまうかもしれません。しかし、MAとCRMを上手く連携・活用すれば、現在抱いている自社の課題の解決に役立ちます。この記事で紹介したポイントや注意点を踏まえて、自社にとって解決すべき課題や目的に合致したツールを選びましょう。

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