5分で理解!GA4とは?違いや基本、導入まで

丸の内とら

2020年10月リリースされた「Googleアナリティクス4(GA4)」。旧バージョンGoogleアナリティクス(ユニバ―サルアナリティクス/UA)が2023年7月1日に終了されると告知されたことを受け、にわかに関心が高まってきています。

使い慣れたツールから新しいものへの乗り換えは勇気がいるものですが、変更点を把握して十分な準備をしておけば移行は難しくありません。この記事ではGA4における主な変更点を分かりやすく説明した上で、状況別のおすすめの導入タイミング、導入手順などを解説します。

Googleアナリティクス4(GA4)導入状況

GoogleがGA4をリリースしたのは2020年10月。リリースから1年半以上が経過しましたが、導入状況はあまり芳しくないようです。調査によれば、2022年3月時点の導入率は15%となっています。

GA4導入の推移

出典:(最新版はこちら)上場企業のGA4導入状況調査レポートSEM Technology調査

Googleはなぜ「GA4」へアップデートしたの?

そもそも、Googleはなぜ広く浸透していたUAを敢えてGA4にアップデートしたのでしょう?

細かい理由はいくつか考えられますが、その根底にあるのは「ユーザーの検索行動」の変化でしょうか。

GAがリリースされたのは2000年台の半ば、その後2013年にUAがリリースされ、2017年に大規模なアップデートが行われました。今回のアップデートは初期リリースから数えて4回目で、ここから「GA4」という名前が付いたと言われています。

この間、WebはPC主体から徐々にモバイルに軸足を移すとともに、ブラウザだけだったところにアプリなどの新たなチャネルが誕生しました。こうした背景のもと、多角化・複雑化するユーザー行動を的確に把握・可視化する上で、従来とは異なるコンセプトに基づくアクセス解析の仕組みが必要になってきたのです。

なぜ旧GA(ユニバーサルアナリティクス/UA)を停止にするの?

冒頭にも記載したとおり、UAは2023年7月1日で計測を終了します。データ閲覧については2024年1月1日までは保証されているものの、逆にいうとその後、どこかのタイミングで閲覧すらできなくなる可能性があります(※)

※上記は無償版のサービス停止スケジュール。有償版はそれぞれ6か月ずつ後ろ倒しとなり、2023年10月1日に計測終了、2024年4月1日までデータの閲覧が保証される

UAとGA4を並行提供しない理由についてGoogleから正式の見解は出ていませんが、類似の目的を持つツールを2つ提供するのは負荷が高い、という現実的な問題はおそらくあるでしょう。また、2020年のリリースからそろそろ1年半近く経過した現在でも、前述のとおり導入状況は思わしくありません。

そのような事情もあり、期限を切ってUAのサービスを終了させるという強硬策に踏み切ったのかもしれません。

いずれにしても、今後もGAでアクセス解析を行うつもりであれば、サービス終了時期を視野に入れて準備を進めていきたいところです。パターン別のおすすめ移行タイミングについては、本記事の後半でお話します。

Googleアナリティクス4(GA4)の大きな変化4つ

UAからGA4へのアップデートにより、画面構成はもとより、個々の機能にも様々な変化が生じています。ひとことで言うとメニューがシンプルになりましたが、一方で個々の機能における個別設定が従来よりもやや複雑になりました。逆に言うと、必要に応じてより柔軟にGAをカスタマイズして使えるようになったと考えることもできます。今後は自社の戦略にあわせて適切な形にGAをカスタマイズし、運用していくというスタイルが一般的になっていくでしょう。

 以下、GA4へのアップデートにおける代表的な変更点を5つご紹介します。

1)計測の軸が「ページ遷移」から「イベント」に

GA4における最大の変更点は、データ計測の軸が「ページ遷移」から「イベント」に変わったという点です。

GA4におけるイベントは、ひとことで言うと「ユーザー行動(アクション)の計測」です。従来のUAではWebサイト上でのページの移動(遷移)をトリガーとしてページビューや離脱率などを計測し、訪問者の行動を把握していました。しかし、スマホアプリの中には、Webサイトのような「ページ遷移」という概念を持たないものが少なくありません。 ブラウザ上で動くスクリプトベースのWebアプリも同様に、ページ遷移なしで表示させる仕組みが多く使われています。

このようなアプリ上でユーザーの行動を把握するため、「ボタンがクリック(タップ)された」「画面がスクロールされた」といったイベントを軸としてデータを計測する方式に変更されました。これを受け、GA上で管理される指標にも一部変化が生じています。指標の変更点については後述します。

2)機械学習モデル活用による予測が可能に

Googleの機械学習モデルを用いた予測機能を使用できるようになりました。これにより、従来のように過去のデータに基づく解析を行うだけでなく、ユーザーが近未来に商品を購入する可能性、アプリやサイトを利用しなくなる可能性、指定した期間内の収益額などを予測することができます。

この予測機能を活用すれば、購入可能性の高いユーザーに的を絞って広告を表示したり、離脱しそうなユーザーを対象にキャンペーン告知したりと、より効果・効率の高い施策を組み立てることが可能となります。

3)Web・アプリを横断して顧客軸の分析が可能に

従来は分離されていたブラウザで閲覧するWebとアプリのデータが「データストリーム」という形で統合され、一元管理できるようになりました。加えて、Googleシグナル(※)や企業独自のIDを設定しておくことで、ユーザーの行動を複数のチャネルにまたがって高精度に計測することも可能です。

※Googleシグナル:Googleアカウントへのログイン情報

この変更により、PC版のWebサイト、モバイルサイト、アプリといった複数のチャネルにまたがるユーザーの行動をよりリアルに把握できるようになりました。

4)メニューとレポートの変更

メニューは従来から大きく変わり、「レポート」「探索」「広告」「設定」の大きく4つのメニューから必要な機能・項目を選ぶ形になりました。また、データ計測の方式が変わったため、計測したデータを「見せる」場であるレポートにも変更が入っています。

 レポートについては基本的な構造に大きな変化はないものの、集計用レポートと分析用レポートに大きく分類され、それぞれ異なる役割を果たすようになっています。

集計用レポートは、従来のUAと同様に決まった項目を表示するもので、データを俯瞰して全体的な状況を捉えるのに適しています。一方、分析用レポートには「探索」用の機能が用意されており、計測したデータを深堀りしたり、データを元に新たな「気づき」を得たりするのに用います。データをどのような観点から見たいのかを考えた上で自ら項目を設定していく必要があり、従来のUAでいうところのカスタムレポートのイメージに近いと言えるかもしれません。レポート(集計用)の構成については、記事の後半で改めてご紹介します。

GA4とUAの違い

左のレポートメニューが大きく変わりました。閲覧できる指標が減ったように見えますが、指標がページ軸からユーザー軸に変わったためで、指標が大幅に減ったわけではありません。

5)一部の指標の変更

データ計測方法の変更にともなって、指標にも一部変化が生じています。具体的にいうと、UAのようにページ遷移の単位でデータを計測しなくなったため、直帰率や離脱率などの指標が廃止されました(2022年5月現在)。

一方、「エンゲージメント」という考え方が新たに追加されています。GA4におけるエンゲージメントとは、一言でいえば「チャネル上でなされたユーザーの有効な操作」です。どのような操作が「有効」かはWebサイトやアプリによって異なるため、「特定のページに30秒以上滞在した」「動画を視聴した」「ページを下方向に向かってスクロ―ルした」など、状況に応じて適切なものを個別に定義する必要があります。

 また、前述の通り機械学習モデルによる予測が可能となったため、購入の可能性や離脱の可能性、予測収益といった指標が新たに追加されています。

追加された指標 なくなった指標

・エンゲージメント
・購入の可能性
・離脱の可能性
・予測収益

・直帰率
・離脱率
など

おすすめの導入時期

Googleは現行のUAのデータ収集を2023年7月1日で停止するとアナウンスしています。その後6か月間、具体的には2024年1月1日まではデータの閲覧のみ行うことが可能ですが、いずれにしてもこのまま永久的にUAを使い続けるという選択肢はありません。これまで移行に踏み切れずにいた方も、覚悟を決めて腰を上げるしかない状況となりました。

 GAへの移行に向けた動き方としては、大きく以下の2つのパターンが考えられます。下記を参考に、自社の状況にマッチしたパターンで準備を進めていきましょう。

パターン1)昨年対比でレポートを作成・使用している場合

前述の通り、UAとGA4ではデータ計測の軸が根本的に異なります。このため、UAで計測したデータとGA4のデータを単純比較することはできません。この点を考慮し、昨年対比でレポートを作成・報告している場合はすぐにでもGA4に移行し、データ取得を開始することをお勧めします。

パターン2)昨年対比のレポートが不要の場合

昨年対比のレポートを作成する必要がない場合、パターン1)よりは多少時間的な余裕があります。ただし、2023年7月にはUAが使えなくなることが確定していますので、計画的に移行の準備を進めるとともに、ある程度運用に慣れておく必要があるでしょう。 

また、経営層向けの報告などを踏まえて考えると、自社の年度切り替わりのタイミングで正式に運用を切り替え、新年度から新しいレポートを提出するのも一つの手です。たとえば4月から新年度が始まる場合、2022年1月頃から移行の準備に着手し、3月には運用設計が終わっている…というイメージになります。

なお、これらはあくまでも一つの参考パターンにすぎません。実際には自社の状況を踏まえ、適切な移行計画を策定していただければと思います。

Googleアナリティクス4(GA4)導入と基本

それでは、実際にGA4に移行する際の流れを見ていきましょう。

Googleアナリティクス未導入の場合は、「新規プロパティの作成」からスタートになります。現在、すでにUAを使用している場合はUAログイン後の画面上にGA4への切り替えを促すメッセージが表示され、ここから移行のための設定を行うことができます。

UAからGA4への切り替えイメージ

1)プロパティの接続

はじめにプロパティの接続を行います。

画面中ほどの「新しい Google アナリティクス 4 プロパティを作成する」というセクションにある「はじめに」というボタンをクリックし、続いて表示されるポップアップウィンドウで「プロパティを作成」をクリックしてください。

GA4のプロパティ作成画面

ポップアップウィンドウが閉じ、「プロパティを接続しました。」というメッセージが表示されればプロパティの設定は完了です。これで既存のUAのプロパティに基づいてGA4の新しいプロパティが自動作成されます。

なお、この設定を行っても、元となるUAのプロパティには一切影響はありません。

2)トラッキングコードの埋め込み

GA4のトラッキングコードはUAとは異なるため、新たに埋め込み作業が必要となります。UAでgtag.jpを使っている場合は埋め込み作業は不要ですので、次のステップにお進みください。

埋め込み用のトラッキングコードは、下記の手順で取得できます。

①GA4にログインし、「管理」「データストリーム」を選択して対象のサイトを選択
②「タグ設定手順」にある「グローバルサイトタグ…」というリンクをクリック
③トラッキングコードが表示される

トラッキングコードの埋め込み方自体は、UAの場合と同様です。サイトのHTMLに直接書き込む場合は、上記で取得したトラッキングコードをCMS上から、またはHTMLファイルを開いて所定の場所に貼り付けます。

GTM(Google Tag Manager)を使用している場合は、GTM上でGA4のタグを選択することが可能です。GA4のタグは「GA4設定」と「GA4イベント」の二種類が表示されますが、「GA4設定」を選択してください。

GA4トラッキングコードの埋め込み手順

3)プロパティの設定

作成されたプロパティについて、必要であれば下記の設定を行いましょう。

Googleシグナルの利用開始

Googleシグナル(Google Signals)とは、ユーザーを一意に特定するIDを利用してユーザー行動を測定する技術です。具体的には、Googleアカウントを持つユーザーがGoogleにログインし、かつGA広告のパーソナライズをオンにしている場合に、当該ユーザーの行動をクロスデバイスで測定・分析できるようになります。

Googleシグナルの機能を利用するためには、GA側でGoogleシグナルを有効にする必要があります。設定手順を以下に示します。

①GA4にログインし、「管理」をクリック
②設定するアカウントを選択し、「プロパティ」列で「データ設定」「データ収集」を選択
③「Googleシグナルのデータ収集」で「有効にする」をクリック
④サイト上で行動データを取得していることについてユーザーの同意を得ている場合、「確認しました」をクリック

Googleシグナルのデータ収集開始方法

データ保持の設定

ユーザー単位のデータを保持する期間は、2か月または14か月から選択できます。選択したデータ保持期間が終了すると、月単位でデータが削除されます。データ保持期間の設定手順を以下に示します。

①GA4にログインし、「管理」をクリック
②設定するアカウントを選択し、「プロパティ」列で「データ設定」「データ保持」をクリック
③イベントデータを保持したい期間を選択
④「保存」をクリック

4)イベントの作成

前述のとおり、GA4ではユーザーの行動データを「イベント」という軸で収集します。イベントには「ページビュー」や「初回訪問」「スクロール」のように自動で収集されるものと、手動で独自に作成して使用するものに分かれます。

▼イベントの種類

イベントタイプ 説明 イベントの例
①自動収集イベント データ収集を設定すると自動的に収集されるイベント ページビュー、初回訪問
②測定機能の強化イベント 測定機能の強化を有効にしている場合に自動的に収集されるイベント スクロール、サイトからの離脱
③推奨イベント 自分で実装するが、事前に定義された名前とパラメータを持つイベント 購入完了、ログイン
④カスタムイベント 自分で名前を指定して実装するイベント。他のカテゴリのイベントがユースケースに当てはまらない場合にのみ作成する 独自に定義

新規にカスタムイベントを作成する手順は以下のとおりです。

①GA4にログインし、「設定」をクリック
②サイドバーの「イベント」をクリックし、「既存のイベント」の上部にある「イベントを作成」をクリック
③データストリームが複数ある場合はストリームを選択
④イベント名、パラメータを設定し、「作成」ボタンをクリック

GA4のイベント作成方法

「カスタムイベント名」には、このイベントを識別する名前を入力します。
また、「パラメータ」には、このイベントの発生条件を設定します。イベントの発生条件は、基本的には「何が」「どうなったか」という形で指定します。「パラメータが〇〇」かつ「アクセスしたページが〇〇」というように、複数の条件の組み合わせで指定することが可能です。メールソフトでメールの仕訳ルールを定義した事がある方は、同じようなイメージで捉えていただけると分かりやすいでしょう。

5)コンバージョンの設定

従来のUAでは、「到達ページ」「滞在時間」「ページビュー数/スクリーンビュー数」「イベント」の4種類のコンバージョン(目標設定)がありましたが、GA4ではすべてのコンバージョンをイベントとして計測します。

コンバージョンは一つのプロパティにつき30個まで設定可能です。コンバージョンを設定する手順を以下に示します。

①GA4にログインし、「設定」をクリック
②サイドバーの「イベント」をクリックし、「既存のイベント」からコンバージョンとして設定するものを選択
③「コンバージョンとしてマークを付ける」をオンにする

GA4のコンバージョン設定方法

カスタムイベントをコンバージョンに設定する際は、イベント計測が開始されていないとコンバージョンへの設定ができません。計測を待って設定ください。

6)基本レポートの閲覧

最後に、基本レポートの見方を簡単にご紹介しておきましょう。

よく見られているページの確認「ページとスクリーン」

よく見られているページを確認したい場合、「ページとスクリーン」というレポートが役立ちます。これは、UAでいうところの「行動>ページ」にあたるレポートです。

GA4の基本レポートであるページとスクリーン

流入元を確認する「トラフィック獲得」

流入元を確認したい場合は、「トラフィック獲得」を参照するのが便利です。これはUAでいうところの、「集客>概要,メディア」にあたるレポートです。

GA4の基本レポートトラフィックの獲得

デフォルトのチャネルグループから、「セッションソース」に変更することで、トラフィックのソース(流入元やメディア)を確認できます。

GA4の基本レポートトラフィックの獲得にてセッションソースごとに閲覧

まとめ

UAからGA4へのアップデートはコンセプトレベルの変更であり、使い勝手も大きく変わっています。それだけに、移行に二の足を踏んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

けれど、UAのサービス提供終了時期は着々と近づいてきています。移行作業に際してはタグの埋め込みやイベントの作成、レポートの設計など、様々な作業が発生し、時間も人手もそれなりに必要となりますので、ぜひ早めに覚悟を決めて移行準備に着手していただければと思います。

最近はGA4に関する情報サイトやセミナーも充実してきていますので、移行に際して不安な点があれば、そうしたものを積極的に活用されることをお勧めします。

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PROFILE

丸の内とら

システムエンジニア/フリーライター/BtoBマーケターの3つの顔を持つワーキングマザー。
BtoB商材を扱うIT企業に在籍し、課題解決ブログの立ち上げ・SNS活用を始めとしたコンテンツマーケティングの導入に取り組んだ経験を持つ。
ライターとしては20年を超える経験を有し、『小さな会社のAccessデータベース作成・運用ガイド』(翔泳社)をはじめ、プログラミング関連の著書多数。
現在はIT企業にてシステム評価に携わりつつ、IT、マーケティング分野を中心に精力的に執筆活動を展開中。
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