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2022.09.14

THE MODEL(ザ・モデル)とは?要約と概要、導入事例を解説

THE MODEL(ザ・モデル)とは?要約と概要、導入事例を解説

マーケティングからセールス、そしてカスタマーサクセスまで。「THE MODEL(ザ・モデル)」は、営業活動におけるすべてのプロセス改善に繋がる必読書です。ここではTHE MODELを要約し、概要をわかりやすく解説します。実践事例も取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。

THE MODEL(ザ・モデル)とは

THE MODEL(ザ・モデル)は2019年に翔泳社より出版された、福田康隆氏の著書で、米セールスフォース・ドットコム社での営業活動における分業体制をまとめたBtoBビジネスのバイブルです。昨今はテレワークなど働き方の変化や多様なITツールの誕生などを背景に、多くの企業で営業活動が見直されています。そんな中、THE MODELは抜本的な営業プロセスの改善に繋がるノウハウが得られるものとして、人気を集めています。

THE MODEL SaaS時代の成長戦略とオペレーションの全体像が分かる究極のプレイブック

【おすすめ本】インサイドセールスを基礎から学べる書籍9選」でも紹介しました

THE MODELの要約と概念

THE MODELとは、セールスフォース社で実践されているBtoBマーケティングや営業活動プロセスに関する分業体制です。プロセスはマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、そして顧客化してからのカスタマーサクセスにわかれていて、各プロセスごとの権限とKPIを設計し、部門の枠を越えて連携することによって営業効率の向上や売上増大に繋げます

THE MODELが注目される理由

これまではリード獲得から商談、クロージング、さらにはアフターサポートまで、1名の担当者が担ってきました。しかし、これでは業務が属人化してしまうかもしれません。そこで、マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールス、さらにカスタマーサクセスまでを分業化し、ITツールによって情報共有しながら営業活動を進めるTHE MODELが注目されています。昨今はテレワークを導入する企業も多く、この営業プロセスは新たな働き方に則したものとも言えるでしょう。

デジタルツール導入前、豪乳後の営業プロセスの変化

THE MODELの仕組み

THE MODELの仕組みを理解するために重要な、レベニューモデルと営業活動における4つの役割について解説します。

レベニューモデルとは?

THE MODELでは認知拡大からリードの獲得及び育成、アポイントの取得、訪問、商談、さらにカスタマーサポートまでを分業化して考えられており、この仕組みを「レベニューモデル」と呼んでいます。

こちらの図はTHE MODELの著者である福田康隆氏が10数年をかけて改善しつづけてきた、発展版のレベニューモデル図です。

レベルニューモデルの図 参考:THE MODELより

従来は1名の担当者が全プロセスを担当することも多く、マーケティングや営業活動が属人化しがちでした。THE MODELでは営業プロセスを「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」に段階分けし、それぞれにKPIを設定します。業務全体が可視化されることで、問題点もすぐに発見可能です。

ターゲット市場における認知拡大から始まり、個人情報を獲得した「リード」に対しリード育成が行われます。ここでは、すべてのリードをフォローせず、見込みが低いリードを「育成対象外」として取り除くこともポイントです。

育成に成功したリードは「ホットリード(有望リード)」として識別し、アポイントを獲得したら、フィールドセールスにて商談を行うというのが、このモデルにおける営業のプロセスです。その後顧客化してからは、カスタマーサクセスやコンサルなどが一体となって顧客満足度を上げていく施策を行います。その中からアップセル・クロスセルが発生していくという仕組みです。

各部門の役割

営業プロセスの中にある、上記で提示した4つの部門はそれぞれ違う役割を持っています。

ザ・モデルの各部門ごとの役割
部門役割目的
マーケティング集客・潜在顧客獲得見込み顧客化
インサイドセールス見込み顧客の育成商談化
フィールドセールス商談・課題解決契約・受注
カスタマーサクセス活用支援継続・アップ/クロスセル

各部門が役割を果たしながら次のステージへ顧客を引き継いでいくようになっています。

実践方法

前出の分業体制に合わせた、具体的な実践方法と流れを解説します。

マーケティング担当

マーケティング担当

従来の日本型の営業活動では「商談を作るまで」とされていたマーケティング活動ですが、THE MODELでは商談が発生中のリードに対してもメルマガなどでフォローを行うという考え方です。

WebサイトやSNS、メルマガ、広告などで見込み顧客との接点を作り、新たなリード獲得やMA(マーケティングオートメーション)を用いたナーチャリングを行います。リードの中から、サービスへの興味関心が高まった「ホットリード」を抽出し、インサイドセールスにメールや電話などの非対面営業を依頼します。

インサイドセールス

インサイドセールス

インサイドセールスはホットリード(有望リード)に対して個別に営業活動を行います。MAのリードスコアリングを活用して営業活動内容を決定し、メールや電話など、非対面でのコミュニケーションを行っていきます。マーケティングから引き継いだリードの行動履歴などの事前情報を元に会話を進めるので、効率的なヒアリングが行えます。商談化するタイミングでフィールドセールスに引き継ぎます。予算やタイミングの問題などで、商談化するフェーズではないリードは定期的にフォローを行っていきます。

フィールドセールス

営業・フィールドセールス

フィールドセールスは顧客先へ訪問したりオンラインで商談を行い、クロージングまでを担います。見込み顧客を顧客に変える、契約を目的としたすべての活動が対象です。インサイドセールスから引き継いだリードの課題を把握した状態で、自社サービスを活用した解決案を提案します。最終交渉から稟議、契約に至るまで丁寧にフォローしていきます。

契約が完了して、顧客化したタイミングでカスタマーサクセスに引き継ぎます。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセス

近年、カスタマーサクセスが注目されている背景に、サブスクモデルやSaaSモデルの流行がうかがえます。売って終わりではなく、継続が売上のカギとなるのです。

カスタマーサクセスはリードが顧客になった後の活動を担います。顧客満足の維持向上、また契約の維持などに向けてサポートやトレーニング、あるいは新たな課題に対するプロダクトの提案などを行います。コミュニティの運営でファンを育てることも、カスタマーサクセスの仕事です。既存顧客へのクロスセル・アップセルを担当することもあり、フィールドセールスとの連携が必須になります。

運用する上での注意点

THE MODELを運用する際には、まず目標を明確にしましょう。4つの役割毎にKPIを設定しますが、数値化する際には部署の分断を避け、全体での最適化が必要です。そうしなければ、何か課題が生じた際に本質的な原因が分からなくなります。

そして体制を整えますが、例えばインサイドセールスなどが現時点で設けられていなければ、新たに導入することが求められます。KPIの評価や適切なリード管理のために、MAやSFA、CRMなどのツールを活用すると良いでしょう。

なお、成果を最大化させるためには各部門の連携が欠かせません。分業化されているとはいえ1つの組織であることを、各個人が理解できるよう周知することが大切です。これが徹底されていないと、特定部門に問題が生じて成果が得られなかった場合、他部門からの不満が溢れかねません。そうした問題についても全体で考え、改善していく姿勢が重要になります。

新しい営業プロセスで成功した事例

従来の営業組織に課題があり、そこから変化して成功を収めた事例をご紹介します。

営業フローのデジタル化!リード獲得~ナーチャリングの改革で商談獲得UP(パナソニック株式会社)

パナソニック様事例

顧客リストが属人的に管理されていて顧客情報を全体として把握できておらず、リードナーチャリングまで手が回っていませんでした。営業フローのデジタル化が遅れ、今後の営業活動に課題を感じたためMAツールを導入。匿名客を顕在化できるアンノウンマーケティングを活用し、結果的にリード獲得数が4倍、商談獲得率も向上した事例です。

事例記事はこちら>>0からのマーケ立ち上げ、3ヶ月でリード獲得4倍に!「SATORI」を起爆剤にマーケ・営業の意識改革へ

THE MODEL型の営業プロセスを運用するなら幅広いマーケティングの知識を

昨今、多くの企業が課題として抱えている営業活動の変革。そのためにTHE MODEL型の営業プロセスを運用するのであれば、コンテンツマーケティングやMAの活用はとても有効な手段と言えるでしょう。リード獲得から育成まで、さまざまなマーケティング手法を組み合わせて実施していきます。まずはBtoBマーケティングの基本を学んでみてはいかがでしょうか?

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SATORIマーケティングブログ記事の中から、“BtoBマーケティングの戦略”を考えるうえで必要なマーケティングの基礎やデマンドジェネレーション、インサイドセールス、BtoBマーケティング施策、CRM・カスタマーサクセスにまつわる情報を一冊にまとめました。(全194ページ)