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2016.02.01

Twitterマーケティング導入ガイド

Twitterマーケティング導入ガイド

Twitterは製品やサービスのPR活動だけでなく、アクティブサポートなどユーザーとのコミュニケーションにも向いているツールです。しかし、成功している事例は限られており、特に中小企業は苦戦している話をよく聞きます。これからソーシャルメディアマーケティングに注力したい方のために簡単な導入ガイドを作りました。

Twitterの特徴と活用方法まとめ

Twitterは140字以内の短文をツイート(投稿)したり、リツイート(シェア)することで、興味のあるヒトやモノと気軽につながることができるSNSツールです。世界中で3億200万人以上が利用していますが(米Twitter社 2015年第1四半期の決算発表による)、伸び率はかなり鈍化しているともいわれます。日本におけるユーザー数はどのくらいなのでしょうか?

Twitterは国内SNSトップスリーのひとつ

ICT総研のレポートでは、日本国内のSNS利用者は2015年末には6,451万人に達し、2017年末までに6,912万人に拡大すると予測されており、SNS利用率は第1位がLINEの57.5%、2位がTwitterの36.6%、3位はFacebookの34.7%というアンケート結果が出ています(ICT総研 2015年7月29日発表のレポートによる)。Twitterは依然として国内SNSトップスリーに数えられ、2015年時点で国内ユーザーは2千万人超えとみられます。
Twitterの特徴は、匿名性が高いためユーザーの本音が表れやすいことと、公開ツイートはフォロワー(読者)と共有され、さらにリツイートされてフォロワーのフォロワーへ…と、情報がはてしなく拡散していくことにあります。企業にとっては顧客の声をリアルタイムで拾うことができるうえ、製品のマーケティングやPRに威力を発揮するツールといえますが、ときにはネガティブなツイートと向き合うことも必要となります。
実際のTwitter活用方法と事例をいくつか見てみましょう。

キャンペーン(拡散・応募受付)

Twitter上で、製品やサービスを買った・利用したことや、応募したことなどをツイートしてもらえるようなキャンペーンを企画すれば、自社に対する興味や関心を高めることができます。代表的なのは、製品やサービスにまつわるクイズやお題を投げかけて、ツイートを集める方法です。
日本コカ・コーラ(株)の飲料水「い・ろ・は・す」公式アカウント(@ILOHAS)は、「い・ろ・は・す新製品予想!」と題し、新製品のフルーツフレーバーを4種類から選んで投票するという企画を実施しました(2015年8月)。正解者には抽選で新商品が発売前に届き、不正解でも結果発表をリツイートすると再び当選のチャンスがあるなど、“あなただけ”、“いまだけ”という拡散に効果的な要素をうまく取り入れ、話題性を持続させる工夫をしています。

ニュース配信

プレスリリースやメールマガジンを配信する感覚、もしくは企業広報の一環としてTwitterを活用しようと考える企業も少なくないと思いますが、淡々とツイートするだけではフォロワーを増やすことも情報拡散もままならないのが現実です。Twitterでは個性を出して、フォロワーとのコミュニケーションを活性化することが大切です。
その手本になりそうなのが、文具メーカーの株式会社キングジムの公式アカウント(@kingjim)です。日々のほのぼのとしたツイートや他企業との軽妙な掛け合いが魅力で、コアなファンやフォロワーを獲得しています。ぜひ一度チェックしてみてください。
商品情報の発信も活発で、ある日のツイート「…フォロワーさんから特に要望が多かった、A4サイズとA5サイズが加わりました。…」からは、顧客の声を商品開発に反映する姿勢もうかがえます。また、過去に話題を呼んだツイートとして、2014年末の「\ 私、今年の社長賞受賞しました!/」があります。公式アカウントの“中の人”が社内的に評価されたことや、ツイートに添えられた通達書の画像に賞金50万円と書かれていたことも注目され、リツイートやお祝いコメントが相次ぎました。Twitterでは、このような企業の舞台裏ネタもニュースとして歓迎されます。

アクティブサポート

アクティブサポートとは、Twitter上で自社や製品についてツイートしている人を見つけ出し、企業側から積極的にアプローチする手法です。「製品を買ってよかった」といった好意的なツイートにお礼のメッセージを送れば、新たなファンやフォロワーになってもらえる可能性が高く、また「製品に不具合があった」といったネガティブなツイートに迅速に対処すれば、顧客の不満解消や「2度と買ってもらえない」などのリスクを予防につながります。
アクティブサポートに積極的な企業としては、ソフトバンクや、驚安の殿堂 ドン・キホーテなどが筆頭にあげられるようです(参照記事:http://gaiax-socialmedialab.jp/twitter/333)。後者のTwitterアカウント@donki_donkiを見ると、「ドンキ公式アカウントです。ときに軟式。」と紹介文にある通り、ツイート内容に応じて柔軟な対応をしている様子でした。たとえば「今日初めてドン・キホーテ行ったの!!…」という何気ないツイートに 「(´Θ`)/マタキテネ~」と絵文字入りで返信し、予想していなかったユーザーは「リプ嬉しい〜♫また行くね❤❤」と喜びをツイートしていました。同アカウントでは、良きにつけ悪しきにつけ対面時のコミュニケーションを彷彿とさせる丁寧な対応をしていて、それがリスク回避や新たな評価を生むことにつながっているものと推察できます。

Twitter公式アカウントを開設したらすべきこと

自社アカウントの開設が済んだら、まずは何から始めたらよいでしょうか? 実は、分析ツールの導入を最初に行うことがおすすめです。Twitterをどのように活用していくべきか、効果測定を始めることで運営上の目標も課題もより明確になっていきます。
そして始めは「何をツイートしたらいいの?」という疑問や不安を抱くことと思います。やみくもにツイートする前に、自社と共通点のある企業のアカウントを探してフォロワーとなり、その成功例や失敗例を参考にしてみましょう。

Twitter公式の分析ツールの導入方法・アクセス解析の設定

Twitterには公式の分析ツールがあることをご存知でしょうか? 導入設定は簡単で、Twitterアナリティクスにログインするだけです。 「ツイート」メニューからは、ツイートが見られた回数(インプレッション)やクリックなどの反応数(エンゲージメント)など、ツイートごとの効果測定ができます。人気のツイートや関連するツイートがあったかどうかを知ることで、より効果的なツイート方法を考察することができるでしょう。「フォロワー」メニューからは、フォロワー数の増減だけでなく、そのフォロワーが何に興味を持っているのかを調べることもできます。
なお、“一部のチャートは、表示するのに最小ユーザー数が必要です”とあるため、実際に運用をすすめていくことで、より詳細な分析データが得られる仕組みとなっているようです。
Twitterの無料分析ツールは他にもいろいろとあり、ベンチャー企業のユーザーローカルが提供するtwitraqは、日本のTwitter上の口コミ分析に有効で、特定のキーワードに関する発言数の推移や、発言者の居る地域などをグラフ化してくれます。
また、ソーシャルマーケティングの効果測定は、企業サイトやブログなどのオウンドメディアとも連携させて行うべきです。Googleアナリティクスも忘れずに導入して、Twitterからのトラフィック(流入)がどのくらいあるか確認しましょう。

ユーザーとのコミュニケーションを開始しよう

分析ツールの導入や効果目標の設定が終わったら、いよいよユーザーとのコミュニケーションをスタート。自社や製品に対する好意的なツイートを検索して返信するというアクティブサポートから始めるのも一つの手です。 ちなみに、search.twitter.comにアクセスすると、演算子の例が紹介されています。たとえば「ラーメン near:新宿駅」で検索すれば、新宿駅周辺で送信されたラーメンのツイートを抽出できますし、「:)」を付加するとポジティブなツイートを、「:(」ならネガティブなツイートに絞ることもできます。

フォロワー獲得のための施策を行おう

フォロワーが増えない場合、その最大の理由として公式アカウントの存在が知られていないことが考えられます。名刺やホームページに公式アカウントのURLを表示したり、メールマガジンの顧客に案内を送ったり、既存のあらゆるメディアを通じてアピールができているかどうか、見直してみることをおすすめします。

フォロワーが増えたらTwitterキャンペーンをしよう

キャンペーンを企画する際は、他社の豊富な事例からアイディアを拾うことも可能ですが、自社の目的に応じてプランをよく練り、実施期間やタイミングなどを決めることが重要です。
たとえば、リユース事業を行うブックオフコーポレーション(株)では、2010年秋の店舗連動型キャンペーン「1億円分還元 BOOKOFF20周年大感謝祭」の実施にあたって、その1か月前にTwitterアカウントを開設しました。そして既存のモバイル会員にメルマガを送ってフォロワーの核となってもらい、事前に「本や音楽・映画にまつわるツイート」を募集するプレキャンペーンを行うことで、本番キャンペーンが始まるまでに1万人のフォロワーを集めることに成功しています(参照URL: http://argyle.jp/twitter.html)。

BtoBでもTwitter活用は活発に

TwitterマーケティングはBtoCだけ…と思われがちですが、BtoBのTwitter活用も今注目を浴びています。コンンテンツマーケティングに力を入れているBtoB企業なら、ホームページやブログに蓄積された優良なコンテンツを元手に、Twitterでも質の高い情報発信を行うことができます。Twitterのユーザーには、自分のフォロワーにとっても価値があると判断したツイートをリツイートする傾向があると言われているので、コンテンツマーケティングとTwitterの相性の良さを利用しましょう。しかし、そのコンテンツやツイートに「価値がある」と気付いてもらうためには、見せ方にも工夫が必要です。

Twitterカード×コンテンツマーケティングのコンボ技

Twitterカードとは、ツイートにリンクが張られている場合に、そのリンク先の写真や記事の概要、動画などを添付して目立たせることができる機能です。普通のツイートより面積も大きくなるので、たくさんのツイートが時系列でどんどん流れ去って行くTwitterにおいて、より多くのユーザーの興味をひきやすくなります。TwitterカードにはデフォルトのSummaryカードのほかに、写真を大きく強調できるカードや、動画視聴できるPlayerカードなどの種類があり、コンテンツに最適なものを選択できます。
コンテンツマーケティングとTwitterを絡めるメリットは、新たな流入源が得られること、リツイートによる情報拡散ができること、リツイート内容から記事に対する感想などがリアルタイムで収集できることなどです。新しいコンテンツを作成し発信するときはもちろんのこと、時間が経つと埋もれてしまいがちなコンテンツの掘り起こしにも、Twitterカードが大いに役立ちそうです。
Twitterカードを利用するには、metaタグをリンク先のウェブページに加筆し、それからCard validatorからURLなどを入力し利用申請します。また、Twitterカードを使ったことでエンゲージメントがどのくらい増えたか? といった効果測定も、前述したTwitterアナリティクスで行うことができます。

Twitterカード×コンテンツマーケティングの事例(イノーバ)

他の施策との連携も大切、「ソーシャルCRM」の考え方

Twitterマーケティングだけでなく、ソーシャルマーケティング全般は「顧客との関係づくり」を目的にしていて、それをなぜ行うのかといえば、企業の認知度や顧客ロイヤリティーを高め、収益を上げるという最終的なゴールを達成するためです。しかし、ソーシャルマーケティング活動は直接コンバージョンに結びつかず、成果が分かりにくいために、その方向性を見失ってしまったり、顧客が欲しいと思っている情報と、企業が提供する情報にズレが生じてしまうことがあります。
そうしたソーシャルマーケティングの行き詰まりを回避するために、「ソーシャルCRM」の発想で取り組むことの重要性が注目されています。ソーシャルCRMの第一歩は、企業が保有する従来型のCRM(顧客情報管理)データに、ソーシャルマーケティング活動を通じて得た顧客情報を統合して管理することです。それによって、ぼんやりとしていたソーシャルメディア上の顧客の姿が可視化され、顧客との関係性やマーケティングの次の一手を最適化していくことが可能となります。ソーシャルメディア特有のリアルタイムかつ忌憚なき顧客の声を、他の施策に活かすアイディアも生まれてくることでしょう。

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