Marketing Blog

2017.04.26

お客様の成果に真摯に向き合うことがMAベンダーSATORIの挑戦 ~ B2Bハックカードとチャレンジャーセールスモデルに触れてみて~

お客様の成果に真摯に向き合うことがMAベンダーSATORIの挑戦

SATORIはこれからどうすべきか

SATORI(そして多くのMAベンダー)は、お客様の成果に真摯に向き合うべきだと思う。お客様のビジョン、潜在ニーズ、具体的なソリューションまで、お客様と作り上げ、提示し導き出す。そうしてお客様の成果につなげることでしか業績向上はもちろんのこと生き残ることすらできないと思う。

MA導入について失敗したという話題が多い

市場が拡大しているマーケティングオートメーション業界では、活用・成功事例以上に、解約・失敗の話題が多く聞かれる。統計的に信頼できる数字は表には出ていないが、SATORIも業界の中心に身をおき、同じような問題を抱えているため、強い危機感を持っている。

MA導入の最終責任は、導入した企業にあるわけだが、販売しているMAベンダー側にも課題がある。SATORI株式会社の本年度戦略的フォーカスポイントの一つに、顧客満足度/NPSの向上があるが、つまるところ「お客様の成果につながること」が大事なのであって、もっと言えば「MA導入の最終責任をお客様になすりつけない」「導入前に成果が想定できなければ、お客様には導入を勧めないこと」が我々にとって実現すべき必達項目である。

お客様の成果につなげるためには

B2Bハックカードイメージ

お客様の成果につながるMA導入にするために、MAベンダーは何をするべきだろうか。私は、「お客様にとってMAが本当に必要なのか」「お客様のビジョン、ビジネスモデル、顧客、体制の場合、MA導入による成果が見込めるのか?」をとことん一緒に考えることではないかと考えている。

そのためには、MA導入前に「お客様のゴール」とそのために「解決すべき課題」をお客様とともに共有する必要がある。セールスの段階で「自社のゴールは何なのか?(why ma?)」「そのためにどの課題をMAで解決したいのか(what/how?)」をお客様と議論し、はっきりと意識・共有する。その仮説なくしてMA導入を進めないということだ。
その仮説なくして、導入後の「検証」はできない。たとえばSATORIでは無料アカウントを開放しているが、こうした管理画面のトライアルにとどまらず、現場での運用イメージや、システム的なすり合わせなども、契約以前に可能な限り行えることが望ましい。

MAベンダーとしては、お客様のMA導入までのリードタイムは長くなり、短期的に新規導入数は減る可能性はあるが、結果的にお客様の成果に繋がる(=顧客満足度/NPS向上)ことで、有料契約の継続率/顧客からの紹介は増えることになる。

B2Bハックカードは顧客の「ゴール」と「そのための課題と解決策」をあぶりだす

顧客の「ゴール」と「そのための課題と解決策」をあぶりだすB2Bハックカードの開発者であるB2Bハッカーの飯室氏

B2Bハックカードは、B2Bハッカーの飯室氏が開発した、セールスマンが顧客とともに「顧客のゴール」「現状」「解決策(戦略)」を議論し、共有するためのフレームワークを、分かりやすいカード型にしたツールだ。飯室氏のこれまでの豊富な経験を元に「お客様の成果につなげる」ための手順を図式化したものである。飯室氏のウェブサイトはこちら

ソリューションセールスが、最終的には自社製品の売り込みに収束してしまうのに対して、「顧客成功セールス」とでも言うべきか、あくまで「お客様の成果は何か」に基づいて「ゴール」「現状」「ギャップと解決策」を共有し、ゴール達成のための解決策をセールスしていくモデルだ。実際に、飯室氏がGE Healthcare社で「お客様の成果のためには、他社の製品も扱った」というエピソードが、「自社製品ありきだったソリューションセールスとの違い」を明確に裏付けているだろう。

B2Bハックカードについてはこちらの動画をご覧いただきたい。

(補足)飯室氏から頂いた言葉で補足すると、「B2Bハックカードでは、課題よりも、ゴールが重要で、重みでいうと8割。ゴールを定義できれば、8割の仕事が終わっている。お客様の課題を聞いて、それだけを解決しても無意味。業界の困ったことや不満や悩みを解決したところで、ゴールを達成することにはならない。」ということだ。

チャレンジャーセールスモデルは顧客の「ゴール」と「そのための課題と解決策」を積極的に提示する

チャレンジャーセールスモデルイメージ

チャレンジャーセールスモデルは、世界有数のアドバイザリー会社CEBが提示する「成約に直結させる新たなセールスモデル」であり、私自身の解釈では、お客様ですら気づいていない業界そしてお客様のゴールを提示し、問題解決の新しい枠組み(ソリューション)を提示することで成約を獲得するという考え方である。

チャレンジャーセールスができる営業マンは、他のタイプの営業マンに比べて、「大型」「複雑」な営業でも、不況下でも常勝することができると言われている。なぜなら他のタイプの営業マンが「顧客ニーズ」をあくまで顧客側に存在するもの…として扱うのに対し、「チャレンジャータイプ」の営業マンはその「顧客ニーズ」を自ら啓蒙して作ることができるからだ。

チャレンジャーセールスモデルについてはこちらをご覧いただきたい。

私は、B2Bハックカードとチャレンジャーセールスモデルとは、「顧客の成果を売る」という点で本質的に同じことだと解釈している。チャレンジャーセールスモデルは、「売るためには」という視点で具体的な実践方法がまとめられている為、「すでにプロダクトやサービスがあり、売り方に困っている」という方には適している。しかし読むと分かるが「自社だけが持つ固有の強み」が無い企業にとってはチャレンジャーセールスモデルは実現できないため、その書籍を読めば読むほど辛くなるのもまた事実である。

※The End of Solution Sales – Transforming Sales and Marketing : https://www.slideshare.net/Salesforce/ceb-dreamforce-end-of-solution-sales-2012 より引用

お客様も気づいていないゴールを提示することがMAベンダーSATORIの挑戦

MA導入を検討する多くのお客様は、「自社のゴールは何なのか?(why ma?)」を定められていない。私たちSATORIでは月100社以上のお客様と対話をしているが、半数のお客様は実際問題「自社のゴールは何なのか?(why ma?)」を持っていなかったり、ゆえに「そのためにどの課題をMAで解決したいのか(what/how?)」を持っていなかったりする。

お客様の成果につなげるためには、”B2Bハックカード”しかり、”チャレンジャーセールス”しかり、お客様の「ゴール」と「課題と解決策」をMA導入前に議論し提案していかなければならない。SATORI含め多くのMAベンダー/MAソリューション企業は「MAツールの提供」「導入支援」にとどまっており、「お客様にゴールを提示し伴走するパートナー」はほとんど見当たらない。「いち早くMA導入しないと競合に負けますよ」という漠然とした恐怖セールスをしているMAベンダーがあるくらいだ。

お客様が「自社のゴール」に気づいていない場合には、我々が自ら積極的にお客様に働きかけ、「お客様のゴール」を導き出し、提示しなければいけない。「お客様のゴール」は一般的には「ビジョン」と言ってもよいかもしれないが、正直「すべての業界、ビジネスモデル、業態」に対して適用できるお客様のゴール(ビジョン)を提示するることは不可能なはずだ。逆に言えば「業界、ビジネスモデル、業態」を絞る、すなわち「ターゲット」を定めることでそれが実現可能だともいえる。ターゲットを定めることで、お客様のゴールと課題のデータベースが蓄積され、それがMAベンダーの資産となる。

自社のターゲットとするのお客様皆様の「ゴール」「課題と解決策」のデータベースをいち早く作れたMAベンダーが、生き残り、当該マーケティング業界を牽引することができる。SATORIもそれを目指している。

まとめ:SATORIはこれからどうすべきか

SATORI(そして多くのMAベンダー)は、お客様の成果に真摯に向き合うべきだと思う。お客様のビジョン、潜在ニーズ、具体的なソリューションまで、お客様と作り上げ、提示し、導き出すべきである。

SATORIは、お客様の成果こそ、自分たちの成果であり、ゴールであると定義し、業界の中で飛び出る存在になりたいと思う。

B2Bハックカードやチャレンジャーセールスモデルは、その本質的な課題を分かりやすく表現したフレームワークで、MA業界そしてSATORI社の課題を明朗快活に浮き彫りにしてくれた。

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