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リードナーチャリングとは?注目すべき戦略事例と今すぐ実践できる手法を解説します

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リードナーチャリングとは、直訳すると「見込み顧客の育成」になり、主にBtoB(法人向け)営業のプロセスで使われる手法になります。リード=見込み顧客は、名刺を交換しただけ、またはサービスを知っただけの顧客。契約に至るまで、フェーズに合ったコミュニケーションを取ることが大切になります。リードナーチャリングの意味から、戦略までをわかりやすく解説します。

リードナーチャリングの重要性

著名な経営学者であるP.F.ドラッガーも「企業の目的は顧客の創造である[1]」といっているように、顧客を創造、獲得していくことは企業にとって至上命題といっても過言ではないでしょう。
顧客獲得を効率的に進めるためには、見込み顧客に対して業務に関連する有用な情報を提供しながら、購買意欲を高めていく、すなわち見込み顧客の育成(リードナーチャリング)が重要といえます。

リードナーチャリングを行うことで契約に至る可能性が高くなる

展示会やセミナーなどの参加者や自社のウェブサイトへの訪問者は、自社の商品・サービスに関連する情報に関心を持っているという点では、良質な見込み顧客であることが期待されます。こうした顧客に対して継続して有益な情報を提供し、育て(リードナーチャリングし)ていくなかで、見込み顧客が自社の課題をより重要なものと認識したり、当初の想定よりも課題のフォーカスを拡げたりすることもあるでしょう。実際に、Aberdeen Groupによる調査では、リードナーチャリングを行った場合、リードナーチャリングなしで契約に至るケースに比べ、購入額が47%も高い傾向にあることが明らかにされています[2]
適切なリードナーチャリングには、このように単に見込み顧客の購買意欲を高めるだけでなく、取引金額を高める効果もあるといえそうです。

リードの75%は「今すぐ客」ではない

展示会やセミナーなどで得た名刺情報や、ホワイトペーパーのダウンロード時に獲得する顧客情報は、良質な見込み顧客の情報であることには間違いありません。ですがこれらの顧客の多くは、競合商品・サービスを含めて幅広く情報を集め、知識を得ることを目的としているため、すぐに商談できる状態にはありません。
展示会やセミナーなどで獲得したリードのうち、すぐにでも商談に移れる見込み顧客は2割程度に留まることが多く、概ね75%の見込み顧客は「今すぐ客」ではありません[3]。それでもSirius Decisions社の調査によれば「望み薄」と判断された見込み顧客の多くが、2年以内に購買行動を起こしている[4]ことを勘案すれば、短期的に商談につながらない場合でもリードへのフォローを外すべきではないのです。定期的にフォローし、育成していくことが肝要といえるのではないでしょうか。

専門知識が必要なサービスほど、検討期間が長くなる

Webマーケティング研究会が、2009年に実施した「BtoBに関する購買行動調査[5]」によれば、BtoBの購買行動では、全般に「メーカーのWebサイト」は「サーチエンジン」などのWeb情報源、および「メーカーの担当者」や「同業者・社内スタッフ」などの人的な情報源が多用される傾向にあるようです。また同調査によれば、“メンテナンスが必要で高額な商品”では、人的な情報源を活用する傾向がより強いといえます。最終的な購入までの購買プロセスは「課題認識」、「比較検討」、「検証」、「承認」の4つのプロセスがあります。より高度な専門知識を要する“メンテナンスが必要で高額な商品”ほど、これら4つのプロセスすべてにおいて、検討期間が長くなっているということが明らかになっています。
このことなどから、情報提供を重ねても商談が進まないと感じる場合、見込み顧客側に十分な知識がないなどで、慎重に検討を進めざるを得ないということがわかります。課題認識を明確にする上で、見込み顧客にとって有益な参考情報や、比較検討に必要な視点などを提供し続けなければ、具体的な提案に向けて機が熟すタイミングを逃すことになりかねないといえるでしょう。

リード=見込み顧客の多くは、すぐに商談につながることがないため、ともすれば「見込み薄」と判断してフォローを途切れさせがちです。
様々な情報提供を通じて購買に向けて育てていくリードナーチャリングは、このような見込み顧客についても、契約につながる可能性を高めます。さらには取引金額を高める効果も期待できる、営業プロセスにおける重要な手法といえるでしょう。


LeadNurturing

注目すべきリードナーチャリングの成功事例

これまで記してきたように、リードナーチャリングは、営業プロセスの効率を高めて利益につなげていく上で、重要なマーケティング手法のひとつといえます。ここでは、リードナーチャリングへの取り組みを成果につなげる上で参考にすべき事例をご紹介します。

事例1:様々なリードナーチャリングの手法を通じて大きな成果を生み出しているOktopost社

B2Bソーシャルメディア管理プラットフォームの”Oktopost”を提供するOktopost Technologies社では、同社のブログ記事”B2B Lead Nurturing For Dummies[6]“のなかで、同社が実施している様々なナーチャリングの手法について紹介しています。

Eメール

最も代表的な手法であり、同社では同社製品のトライアル版の試用状況に応じて、試用前・試用中・試用後(未購買)の3種類のセグメントにリードを分類しています。またマーケティングオートメーションのツールを用いて、隔週で使用上のヒントやベストプラクティス、関連するブログ記事へのリンクやホワイトペーパー、ウェビナーの紹介など個々に異なるメッセージを送付するようにしているようです。

直接の電話やEメール

マーケティングオートメーションの機能を用いたコミュニケーションは、便利である反面、メッセージが機械的なものになりがちです。ですが、個々のリードにあてて直接記したEメールや、電話でのコミュニケーションは、所要時間にみあったエンゲージメントを築く効果が期待できます。実際に、ホワイトペーパーのダウンロードやコンタクトフォームへの入力などのリードのアクションから、5分以内の架電は、リードとの接触確率が100倍高いという研究成果[7]もあるようです。
ただしこうした手法を使う場合でも、マーケティングオートメーションやCRMのツールを用いた接客履歴の管理は、営業効率や接客の質の向上の面で不可欠なものとなっているようです。

ソーシャルメディア(特にTwitterやLinkedIn)の活用

B2Bのマーケティングにおいても、ソーシャルメディアの活用は極めて重要なものとなりつつあるようです。特にビジネス関連の目的ではFacebookやInstagramよりもTwitterやLinkedInの方が適しています。例えばトライアル版に登録したリードには、すぐに歓迎のツイートを送るだけでなく、その後も継続して商品紹介などを行います。自社ブランドに関するコメントやテクニカルサポートなどをツイートして、リードとのコミュニケーションを図るなどの取組みが有益であるとのことです。

チャットやインスタントメッセージ

Skypeなどのインスタントメッセージには、他のナーチャリング手法に比べ「つながりやすい」印象をあたえる効果が期待されます。売り手側の立場にとってもリードと直接コンタクトを取ることで、自社商品・サービスに関する質問にその場で回答できます。このように、リアルタイムでコミュニケーションを取れることは、極めて大きな利点といえるでしょう。

リターゲティング広告

一般的なリードナーチャリングの手法とは異なりますが、リードの購入意欲が高まるまで購買候補の中心に位置し続けるため、重要なナーチャリングの手法のひとつといえます。

Oktopost社では、これらの手法をリードナーチャリングに活用しています。例えばEメールについては、具体的な商談など個別のコミュニケーションを介さず、リードをOktopostの顧客とする確率は2.3倍、売上換算でも230%もの拡大につながっていることを明らかにしています。また、リターゲティング広告では、それぞれのセグメントのニーズにあわせた広告を提示することで、試用前のリードが顧客になるまでの期間が、125%低減したことも明らかになったと述べています。

事例2:ウェビナー、ウェブキャストを通じたナーチャリングを10億ドル以上の売上につなげるSAP HANA Customer Spotlight Program

B2Bのソフトウェア市場におけるマーケットリーダーであるSAP社では、2010年に上梓した同社のテクノロジープラットフォーム製品であるSAP HANAの売上拡大を目指して、2012年より”SAP HANA Customer Spotlight Program[8]“を開始しています。このプログラムは、SAP HANAの導入により、顧客企業が事業を拡大した事例を一般に共有するものです。既存顧客へのインタビューを通して、顧客企業の事業に対するSAP HANA導入の貢献度合いを、1時間のウェブキャストに詳述します。これに加え、双方向のチャットにより、参加者からの質問も受け付けるイベントを隔週で行っています。これらのイベントはすべて録画されており、SAP HANAのウェブサイト上のアーカイブから、オンデマンドで閲覧することもできるようになっています。
“SAP HANA Customer Spotlight Program”ではこのように、既存顧客の体験談の閲覧に加え直接質問することで、HANAの導入によるベネフィットを具体的にイメージできるなど、リードの購買意欲を高める効果的なナーチャリングプログラムになっているといえるでしょう。

実際に、同社でこのプログラムを導入したことで、2,600以上の登録者および700以上のウェビナー参加者を獲得しており、その結果、10億ドル以上の売上をも実現するまでに至っています。
これらの事例からも明らかなように、リードナーチャリングで重要なことは、実際に購買意欲が高まり、顧客化できるまでリードとの関係を維持することにあります。そのためには、事例としてあげたような様々な手法やツールを用いつつ、リードが不快にならない程度の頻度や距離感を保ちながら、リードの購買意欲の程度を注意深く観察し続ける必要があるといえます。実際に、事例1のOktopost社における直接の電話やEメールは、一般的なセールスプロセスにおいても用いられる手法ですし、事例2のSAP社のウェビナー、ウェブキャストによる導入事例の紹介は、セミナー営業などにおいても用いられています。このように、リードとの関係を維持し続ける上で有益な手法は、いずれもリードナーチャリングの文脈に添うものと理解できるのではないでしょうか。

今から実践できるリードナーチャリングの導入と手法

これまでご紹介してきたように、リードナーチャリングには顧客ファネルを拡大するとともに、見込み顧客の購買意欲を育て、具体的な商談につなげる効果が期待されます。
ここではリードナーチャリングの導入について、順を追って解説します。

ステップ1:バイヤージャーニーの定義とコミュニケーション設計

リードナーチャリングでは、リード(見込み顧客)に対して、様々な機会を狙って適切な情報を提供していくことが求められます。そのためにはまず、リード(見込み顧客)が商談の場につくまでの間に、どのような検討過程を経ているか、またそのなかでどのようなチャネル(媒体)に接しているかといった、バイヤージャーニーを整理し、定義づけておく必要があります。同時に、そのなかでどのようなコミュニケーションを通じて購買意欲を育てていくかを決めなければなりません。
ただし個々のリードが辿るバイヤージャーニーは、行程そのものも、個々のプロセスに要する時間もそれぞれに異なります。またB2Bでは特にそれぞれのプロセスにおいても多くの時間を要します。
バイヤージャーニーの定義にあたっては、個々に異なるプロセスを、リードの購買意欲や商談・成約の確度に応じて整理しておきます。さらに最適なタイミングでのコミュニケーションを実現するため、それらのプロセスについて平均的な検討期間を見積もっておくことも必要といえるでしょう。

ステップ2:セグメント設計

バイヤージャーニーの定義とコミュニケーション設計のあとは、コンタクトしていくべきリードを定める、すなわち、セグメントの設計を行う必要があります。
個々のリードは、流入元(展示会で名刺交換した参加者、資料請求者リストなど)の違いにより、それぞれ関心事も異なる可能性があります。また実際のバイヤージャーニーも定義したとおりに進んでいるわけではありません。こうしたリード間の差異に目をつぶり、彼らが関心のないコンテンツでコミュニケーションを試みてしまえば、却って離反を招きかねません。
それぞれのタイミングにおけるリードの関心事や過去の行動履歴、自社との取引履歴などを用いて、予めセグメントを設計しておくが重要です。これは個々のセグメントに向けて最適なコンテンツを作成する上で、不可欠のステップといえるでしょう。

ステップ3:実施

バイヤージャーニーのプロセスに沿ったセグメント別のコンテンツを作成したら、あとは実際のコミュニケーションを通じてリードの育成を進めていくことになります。
先に紹介した事例にもあるように、リードナーチャリングには様々なコミュニケーションチャネルの活用が可能です。一般的なビジネスにおいて、展示会などで名刺交換した場合、まず礼状などのメールでコミュニケーションを始めていくように、獲得したばかりのリードに対しても、ターゲティングメールから始めてはいかがでしょうか。

マーケティングオートメーションでできること

様々な機会を通じて獲得したリードに対して、個々のセグメントごとに適切なタイミングを逃さず、コミュニケーションを取っていくのは、容易なことではありません。よりきめ細かな対応を目指してセグメントを細分化していくほど複雑さが増していくことになるため、リードナーチャリングの実践には何らかのマーケティングツールの利用が不可欠です。
マーケティングオートメーションのツールは、行動トラッキングやセグメント管理、OnetoOneメール配信のほか、過去の行動履歴に基づくスコアリングなど、リードナーチャリングにおいて求められる様々な機能を有しています。リードナーチャリングを円滑に運用していく上で、マーケティングオートメーションは有用なツールといえるのではないでしょうか。

Unknownリードの育成は今後の課題

多くのマーケティングオートメーションのツールでは、リードに対するアクションはメールマガジンが中心となっています。しかし、B2Bであってもリードの元にはメール、DMなど、日々様々な先から情報が寄せられています。単にメールマガジンを送付するだけでは、リードとの関係を強化し、購買意欲を高める効果には限界があります。また、一般的なマーケティングオートメーションでは、メールアドレスがわかるリードについてしか管理できません。閲覧履歴しかわからない、より多くの自社サイトの訪問者や、外部サイトでの情報収集に留まっている潜在ユーザに対するアクションを管理することはできないのです。このようにメールによりアプローチできない潜在ユーザ(Unknownリード)も、既存のリードと同様に関心を寄せていることは間違いありません。彼らUnknownリードとの関係を構築し、継続的なコミュニケーションにつなげていくことができれば、マーケティングファネルは大きく拡大するといえます。
多くのマーケティングオートメーションツールでは、こうしたUnknownリードに対するナーチャリングは、今後の課題といえます。SATORIでは、自社cookieデータしかない場合でも、外部の比較サイトや口コミサイト、コンテンツ・マーケティングサイトなどの外部データを活用して、検討中のユーザに絞った広告出稿を行うことができます。それにより、多くのリードの集客を実現できます。また、メールアドレスが不明のままでも、cookieデータを用いた自社サイトをパーソナライズするなど、潜在ユーザの集客(リードジェネレーション)からリードナーチャリングまで対応しています。

まとめ

いかがだったでしょうか。リードナーチャリングは、マーケティングファネルの入り口から具体的な商談へとリードを効率的につなげていく、必須の手法といえます。
営業プロセスの効率化に向けて、リードナーチャリングに取り組んでみてはいかがでしょうか。

[1] P.F. ドラッガー著、上田 惇生訳(1996)「新訳 現代の経営(上)」

[2]Ian Michiels (2008)”Lead Nurturing: The Secret to Successful Lead Generation”, Aberdeen Group

[3]https://www.act-on.com/whitepaper/lead-nurturing-5-and-10/

[4]https://www.siriusdecisions.com/Blog/2012/Jun/Making-the-Case-for-Teleprospecting.aspx

[5]出典:Webマーケティング研究会(2009)「BtoBに関する購買行動調査」(http://www.webdbm.jp/wordpress/files/research_091210.pdf

[6] P.F. ドラッガー著、上田 惇生訳(1996)「新訳 現代の経営(上)」

[7] P.F. ドラッガー著、上田 惇生訳(1996)「新訳 現代の経営(上)」

[8] P.F. ドラッガー著、上田 惇生訳(1996)「新訳 現代の経営(上)」

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