Marketing Blog

2015.07.06

ターゲティングメールの基礎知識と配信方法

コンバージョンを上げる効果的なメルマガをうちたい企業は必読。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」メールから確実な「ターゲティングメール」へシフトしていきましょう。

ターゲティングメールとは

ターゲティングメールとは、メルマガ配信を許可しているユーザーのうち、そのユーザー属性をセグメント項目とし、対象者を絞って配信するメールのことです。
性別・年齢・居住地・興味ある事柄など、属性に沿った見込み客(ターゲット)のみに絞った商品・サービスの広告を、1通すべて自社情報のみで配信するメール広告手法です。配信承諾を得ているアドレスに、ユーザーの興味ある記事を広告として配信するオプトインメールよりも、よりターゲットを狙ったメール配信が可能です。
たとえば、「女性限定!働く女性の心とカラダ健康セミナー」を東京で開催するので集客したいと考えます。登録している会員ユーザーすべてに告知メールを配信しても、男性や東京近郊に住んでいない人は参加できませんし、会社員以外は興味がないかもしれません。この場合有効なターゲティングとしては、女性かつ東京近郊在住、会社員、さらに絞れば健康に興味がある、といった条件になるでしょう。
また、ターゲットの属性が明確でない場合は、ペルソナを設定するとよいでしょう。マーケティングでよく使われるペルソナとは、販促のためにある商品やサービスを利用する典型的なユーザーモデルを具体的に設定することです。例として、男性用虫除けスプレーが新発売されたとします。この商品のペルソナは、休日にゴルフやアウトドアを楽しみ、自分のために趣味のお金が使える、独身男性…といった具合です。
配信対象となる人物像を具体的にイメージし、それに合わせたセグメントで抽出するとよいでしょう。

ターゲティングメールにするメリット・デメリット

属性を絞ったターゲティングメールは、会員へ一括送信する全配信型メールと比較して、メリットとデメリットがありますので、それぞれ見ていきましょう。

【メリット】

  • 受け手にとって興味のあるメルマガが届くわけですから、全配信のメルマガに比べ、開封率・クリック率・コンバージョン(成果=お問い合わせ・購入完了)が格段に上がります。
  • 企業は読者のニーズに合うメルマガを配信し、読者は受信して満足できるメルマガが読めます。つまりwin-winの関係が築け、メルマガに対する信頼度も増し、メルマガ解除率が下がることが見込めます。
  • 企業が知らせたい情報、売りたい商品に絞って配信ができるので、受け取る側の質も上がります。見込み客の中から、そのサービスを本当に必要としているユーザーを獲得することができます。

【デメリット】

  • 一括送信メールは、配信リストもメルマガ原稿の準備も1つでよいのに比べ、ターゲティングメールは、抽出条件の設定やその作業と、バリエーションによって記事の制作が必要です。配信担当者には、相応の負担がかかってしまいます。
  • ターゲティングをすれば、配信対象者は減ります。いくら開封率や成果が上がっても、全体の母数が少なければ、得られる結果が微小である場合もあります。
  • 配信リストが複雑になると、リストの重複や配信リストと記事の組み合わせ誤りなどリスクが増します。

ターゲティングメールの考え方

効果的なターゲティングメールを設計するにあたり、どのような順番で企画していくかは重要です。通常、次の順番で企画をしていきます。

ターゲティングメールの企画 1.目的

はじめに、今回配信するターゲティングメールは何を目的に配信するのか、を明確にします。例えば前述の、東京で開催する「女性限定!働く女性の心とカラダ健康セミナー」であれば、「セミナー集客」が目的となります。ほかに、新製品を紹介するウェブサイトへの誘導、商品を購入、アプリのダウンロード、ブログへの誘導など様々なものが考えられます。ポイントは、配信したメールを見た方に「どうなってほしいか」を明確にしておくことです。必ずしもウェブサイトへ誘導する必要が無い場合もあるかもしれません。

ターゲティングメールの企画 2.ターゲット

次に、ターゲットを検討します。ペルソナといったターゲット像はもちろんですが、より具体的にどのような条件でリストを絞っていくかも検討します。先ほど例に挙げた、東京で開催する「女性限定!働く女性の心とカラダ健康セミナー」であれば、「東京都/埼玉県/千葉県/神奈川県に在住」「女性」「会社員」といった条件が考えられます。こうした絞り込み条件は、すでに取得済でリスト上に存在する情報である必要がありますが、もしそうした情報を取得していない場合はほかの情報から推測して絞っていくことになります。例えば、別の東京開催のイベントに参加された方、といった具合です。

ターゲティングメールの企画 3.クリエイティブ

目的とターゲットを明確にすると、クリエイティブの方向性も見えてきます。東京で開催する「女性限定!働く女性の心とカラダ健康セミナー」であれば、首都圏在住で、仕事をもっている女性が、「このセミナーに参加したい」と考え、お申し込みをしていただけるようなクリエイティブです。
件名やメインイメージに、セミナータイトルのほか興味をもっていただけそうなキーワードやイラストを配置したり、参加可否をすぐにイメージしていただけるよう場所や開始時刻を大きく配置するのは有効な方法といえます。また、「女性の心と体」ですので、女性のシルエットを入れるなどするのも有効でしょう。セミナー詳細・お申し込みのリンクやボタンは必ず目立つ位置に配置し、メールの末尾にたどり着くまでに何度かスクロールが必要な場合は、リンクやボタンを複数設置すると良いのではないでしょうか。

事例にみる、面白いターゲティングメール

あなたがついつい読んでしまう、買ってしまうメルマガは、まさにあなたがターゲティングの対象になっています。大手ECサイトではユーザーの属性だけではなく、サイトでの行動履歴を元にパーソナライズド化されたメルマガパターンを数多く配信しています。ターゲティングメールがうまくいっている企業メルマガを参考にして、そのノウハウから成功への鍵を見つけましょう。

【事例1:Amazon】

面白いターゲティングメールの事例(Amazon)

一社が提供するオンラインストアとしては最大規模のインターネット小売業です。その取り扱う種類、品数の多さから、細かなターゲティングがなされています。閲覧履歴を元に、類似したカテゴリーを販促するメールや、購入履歴を元に、その商品を購入した人が買っている他の商品を販促するメールなどです。

かつてチェックした商品と同じカテゴリーのものが、割引になっていたり、新商品が発売されたり、続編が出たタイミングでメールが送られてくるなど、しっかりとパーソナライズド化されているのが特徴です。

【事例2:ニッセン】

面白いターゲティングメールの事例(ニッセン)

服飾、雑貨、食品と幅広く取り扱う、カタログ通販大手です。閲覧履歴やお気に入り登録情報を元に、未購入の商品を再度プッシュするメールや、チェックした商品と同じカテゴリーの商品をピックアップするメールなど、ターゲティングされているのが特徴です。しばらく購入がないと、割引商品やプチプライスの商品を販促してくるのも、ぜひ真似をしたいポイントです。

いかがでしたでしょうか。ターゲティングメールがしっかりとできると、メルマガは企業からの一方的なメールではなく、たちまちコミュニケーションツールとしての要素が増してきます。読者に「このメールのおかげで情報をGETできた!」と思われるような、ターゲティングメールの配信を目指しましょう。

関連記事:SATORIを使ってターゲティングメールを行う~設定方法・事例~
関連記事:メールマーケティングとは?効果は?具体的な手法と流れ・コツを紹介

「MAツールではじめる顧客育成」ダウンロード

この記事が気になる方へ!おすすめの資料はこちら

MAツールではじめる顧客育成

見込み顧客の情報を、活かしきれていますか?
営業活動や展示会で集めた名刺情報や、広告やWebサイトで獲得した顧客情報が、なかなか受注につながらないのは、実は顧客育成に課題があるかもしれません。
マーケティングオートメーション(MA)を活用すれば、見込みの高い顧客を見つけ出し、購買意欲を高める適切なコミュニケーションが可能になります。

マーケティングオートメーションを使って、“一歩先の顧客育成”を実現してみませんか?