【標イベントレポート】超入門!Webマーケッター瞳が語るマーケティングとは

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2020年2月27日(木)、オンラインにて開催された「『標 -しるべ-』営業&マーケティングのちからを養う1日」。

「自社のプロダクトやサービスをもっと世の中に広めたい」「熱い想いを、多くの人に届けたい」そのために、目の前の壁をどう乗り越えればよいのだろうか?何に取り組めばよいのだろうか?プロダクトやサービスを一歩先へ進める、新たな「道標」を探す本イベント。

1つ目のセッション、「超入門!Webマーケッター瞳が語るマーケティングとは」では、過去・現在・未来のマーケティングの概観とマーケターに必要な心構えが語られた。

対談風景_村上氏_植山

株式会社シナプス/株式会社ウィンスリー
村上 佳代 氏(@murakami_kayo)
https://twitter.com/murakami_kayo

SATORI株式会社
植山 浩介(@kosukeueyama)
https://twitter.com/kosukeueyama

ADSLから5Gの時代へ。マーケターが時代に取り残されないために

植山:実はSATORIで村上さんが書かれた「Webマーケッター瞳の挑戦!」が公式バイブルになっています。マーケターの「芯」が書かれている素敵な書籍であること、村上さんご自身もマーケター目線で優しく語っていただけるキャラクターであることから、「イベントの入り口には村上さんしかいない! 」と思い、今回お声がけさせていただきました。

村上 佳代 氏(以下、敬称略):よろしくお願いいたします! 私自身は現在、3つのわらじを履いています。経営とマーケティングのコンサルタント、デジマ人材のコンサルタント、そして、講師も時々やらせていただいております。ちなみに好きな言葉は「KPI」です。

植山:そもそも「マーケティングとは」を考える上で、過去・未来・現在をおさらいすることで、少しでもインスピレーションを得たいなと思っています。20年前と比較して、マーケティングは何が変わったのでしょうか。

村上:「20年前はどういう時代だったけ?」と考えると、2000年前後はインターネットが商業化され、大企業がネットを活用し始めた時代です。1999年にi-modeが出て絵文字が送れるようになり、ADSLサービスが表れた2001年はブロードバンド元年と呼ばれ、「最新のもの」が溢れかえった時代でもあります。

植山:しかし今や5Gの時代です。

村上:そうなんです。2020年も、「最新のもの」が溢れかえっていますよね。それが20年後、下手をすれば5年後には陳腐化、コモディティ化しているでしょう。テクノロジーが私たちの制約を取り払っていった結果、「人間は何をするの? 」という問いを突き詰めていかなければ、私たちはどんどん取り残されていき、仕事を奪われていくと思いますね。

植山:「これをするとコンバージョンが上がる」とか「こんな画像がクリック率が高い」とか、よく手法を真似したがりますが、それだけで結果が出るマーケティングはもう後がない。機械やAIが勝手に最適化するようになります。だから、今日皆さんに求められるのは、いかにオリジナルのコンテンツを作れるのか、人間らしいものが作れるのかだと思っていますね。

対談風景_植山発言中_村上氏

植山:村上さんは変わり続けてきた時代の中で、どのように「自分」を作ってきましたか。

村上:「インプット✕アウトプット」をとにかく回してきました。良いインプットがないと良いアウトプットはできませんし、同じことを言ってるだけになります。逆にインプットだけ蓄積されても、知識は陳腐化、不良債権化されてしまいます。

植山:30歳前後のマーケターが、このマーケティング業界で生きていくためにはどのような姿勢でいるべきでしょうか?

村上:マーケティング業界で生きるためには、やはり「好奇心」が重要。「自分は何をやりたいか」という軸足を決めるといいですね。よくT字型という言い方をしますが、まず1本自分の軸足を決めて、その軸足をベースに横へ広げていくイメージです。 例えば私自身の経験だと、MBAを取得したことも横に広げるためでした。マーケティングは深いところまで自信があるのですが、それだけだとグラグラするので、会計や経営学、ファイナンスと横に広げていき、より自分を強固にしていきました。

「論理と情熱」を標に歩んできた村上氏のキャリア

対談風景_村上氏_植山

植山:村上さんはご縁を大事にされていらっしゃいますが、これまでのキャリアではどのような「標」で転職してきたのでしょうか。

村上:自分の中に取捨選択の基準、イベントのテーマである「標」と呼べるものがあります。それはまず、論理的、合理的であり納得がいくかという点です。どんな仕事であり、どんな会社で、何を扱っているかも重要な要素になるのですが、自分が「情熱」を持てるかどうかが、より重要な点です。 納得がいくかどうかは必要条件であり、十分条件として成り立つのが「情熱」の部分です。どんなに正しい事業を行っていて、どんなに素晴らしい会社だと思っても、そこに自身が「情熱」を持てないとだめですね。「論理と情熱」という表現になるでしょうか。

植山:本当に多彩なご経験をされていますよね。

村上:軸足はしっかり決めていたんです。今振り返ると、業界も業種も立場も、扱う商材もずっと変わり続けてきたのですが、マーケティングとデジタル、ITテクノロジーという軸足だけは絶対ずらさないようにしてきました。 今、30代のマーケターの皆さんにアドバイスをするのであれば、自分なりのルールを早く見つけて、そこに飛び込んでください。そのあとは結果にうまく繋がってくるはずです。

植山:ちなみにKPIが趣味とのことですが、数字はなぜ好きになったのでしょうか。

村上:単体で見ると数字は数字でしかありません。数字は「動き」と「比較」で見るべきなのです。 時系列の変化や他者との比較から様々な仮説や解釈ができ、そこからそのマーケティング施策がうまく行っているのかが読み取れます。つまり、数字の変化の後ろにはいっぱいストーリーがあるのです。それが数字を好きになった理由です。

予測できないマーケティングの未来。「世界観とブランド」がカギに?

SATORI_植山_発言中

植山:これから注目している、マーケティングの未来の話に移っていきたいと思います。

村上:今後の10、20年で何が当たり前になっていくのだろうか、しっかり見極めていきたいなと思っています。 というのも、20年前に「新しい!」と思っていたことが、ここまで当たり前に古くなるとは思っていなかったんですよね……。この20年でそんな体験をしたからこそ、色んなものが必ず当たり前になっていく中でどのようにサバイブしていこうかなと考えています。

植山:私が考えるこれからのトレンドなのですが、本や車といったリアルな「モノ」ではなく、実態のないサービスにお金と人が集まっていくと感じています。 世界の時価総額トップテンがほとんどICT産業になったことも、この20年で一番変わったショッキングなことだと思っています。ではデジタルでどう儲けるかと考えたとき、人が集まるような世界観やブランドをどう作るかが大事だと思っています。MAツールを提供する中で感じているのですが、これまで以上に世界観やブランド、つまり機能と価格以外の部分もお客様はよく見るようになりました。機能と価格を比較して終わりではなく、お客様は「この商品を使ってこうなりたい」というゴール地点を見て商品を買っているのです。

マーケティングとは「選ばれること」と「選ばれ続けること」

村上氏_発言中

植山:ここから視聴者からいただいた質問に答えていきたいと思います。 「コンテンツ、メール、ウェブサイト、マーケティングオートメーション……。マーケティングの業務は広く浅くすぎるため、蓄積がなくて悩んでいます」というコメントをいただいておりますが、いかがでしょうか?

村上:一旦、全部やってみるで良いと思うんです。逆に、これら全部を見ることができれば、マネジメントだったりとキャリアの可能性が広がりますよ。私自身も、何でも網羅的に取り組んできたので分かります。マーケティングを広く経験してマネジメントを行う立場になったとき、全部をわかっているので、誰も誤魔化すことができない状況に持ち込めます。現場を知っている管理職の方が絶対に強いですし、自信を持ってチームをまとめることができますから、積極的に様々なマーケティング業務に取り組んでいきましょう。

植山:では次の質問です。「現在、30歳で転職を考えています。インハウスでマーケティングをやりたいと思っていますが軸がぶれています。どう深掘りして、自分の軸を見つければ良いでしょうか?」

村上:難しいですね……。デジマ人材には似た悩みを持つ方がすごく多いのです。「今後何をやりたいか」「自分の得意なこと」「何をすべきか」という、「Will, Can, Must」のフレームワークに分解、言語化して「自分は何が出来る人間なんだろう」と、客観的に分析してみてはいかがでしょうか。

植山:では最後に、村上さんが考える「マーケティングとは」をお聞かせください。

村上:マーケティングの定義には本の中でも触れているのですが、現在の自分が考えるマーケティングとは、「『選ばれること』と『選ばれ続けること』」です。 「選ばれる」ということは、「最初に商品を買ってもらうこと」「初回の利用をしてもらうこと」であるのですが、それだと1回でおしまいです。現在のマーケティングでは選ばれ続けなければならないんですね。 現実的な言葉にすると、「選ばれること」は新規の獲得であり、「選ばれ続けること」は顧客の維持、つまりCRMやLTV最大化ということになります。「選ばれて、選ばれ続ける」という仕組みを作ること全体がマーケティングであり、そのための考え方や戦略、施策の全部がマーケティング活動になるでしょう。

植山:ありがとうございました!

登壇者がすすめる!はじめてのマーケティング関連書籍

新しい市場を切り拓いていくための思考に、読書で知恵や手段を得ることは欠かせない。 登壇者たちが影響を受けたという本を教えてもらった。

村上氏_おすすめ本

NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業
著者:ジーナ・キーティング 翻訳:牧野 洋 出版:新潮社

村上:経営戦略、競争戦略、マーケティング戦略がこの本で学べます。最近のトレンドであれば、「サブスクリプション」「動画配信」「ストリーミング」がこの本のエッセンスになっています。 いまやNetflixはアメリカで「FAANG」と呼ばれる、Facebook, Amazon, Apple, Netflix, Googleといった北米スター企業のひとつ。この本にはシリコンバレーの英雄たちが出てくるので、とにかく面白いです。

 

植山_おすすめ本

(写真右) マンガでわかるWebマーケティング 改訂版 Webマーケッター瞳の挑戦!
著者:村上 佳代 出版:インプレス

(写真左) 至高の営業
著者:杉山 大二郎 出版:幻冬舎

植山:村上さんが書かれた『マンガでわかるWebマーケティング 改訂版 Webマーケッター瞳の挑戦!』は、まさに「マーケターの心技体」を学べる、特にマーケティング初心者向けのバイブルです。 一方、営業の初心者向けで、「営業の心技体」を学べる『至高の営業』をご紹介します。ぜひ読んでみてください。

 

集合写真_村上氏_植山氏

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