プライベートDMPの導入・コミュニケーション設計を行うことで、マーケティング活動の効率化に成功した事例をまとめました。まず導入する前に、どのように設計するかがポイントになります。設計のアイデアになる事例を集めました。
CVR8倍に!ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)×Rtoaster Adsの事例
ゴルフダイジェストオンライン(GDO)は、インターネット専業のゴルフ関連オンラインサービスです。
ゴルフ場予約から、メディアの運営、ゴルフ関連商品の販売やオリジナルアイテムの企画など、リテール、ゴルフ場、メディアの3つのビジネスを軸に事業展開をしています。
【事例】
GDOではプライベートDMPの導入により、自社サイト内でのレコメンデーションやLPOの実施、サイト外での統一化されたメッセージによる広告施策により、新規顧客から優良顧客まで「顧客ステージ」にあわせて、パーソナライズ化されたマーケティング施策を行っています。
リテールビジネス、ゴルフ場ビジネス、メディアビジネスなど複数のビジネスを持つGDOは、プライベートDMP「Rtoaster」を導入し、顧客の属性データや自社サイト閲覧やゴルフ場の予約実績といった行動データなどを活用し、自社サイト内でのコミュニケーション施策を改善しました。
合わせて、「Rtoaster Ads」を導入し、潜在顧客か優良顧客かといった「顧客ステージ」による分類、顧客データとウェブ上の行動データとの集約により、サイト外でのリターゲティング広告施策の改善にも着手しました。
これら二つの改善活動により、広告配信から広告クリック後にランディングした先の自社コンテンツまで、自社サイト外でのコミュニケーションもパーソナライズ化し、一貫したマーケティングシナリオ設計を実施しています。
- Rtoasterの活用法
自社WEBサイト内の顧客データや行動データを元にレコメンデーションやLPO施策などを実施 - Rtoaster Adsの活用法
自社保有の顧客データやウェブ上の行動データを統合し、リターゲティング広告配信に活用することで、自社サイト外においても顧客ごとにパーソナライズされたマーケティング施策を実施
このようにGDOは、プライベートDMPを活用して顧客ステージ毎に顧客の属性やタイミングに合わせたコミュニケーションシナリオを設計しました。
これにより顧客の状況に合わせたリターゲティング広告配信施策において、顧客に全て同じ広告を配信より、コンバージョン率を約8倍アップさせることに成功しています。
こちらの事例からは、自社サイト内のみならず、サイト外でのウェブ広告施策にまでDMPを活用し、「チャネルをまたいで顧客とのコミュニケーション設計をおこなう」という、GDOの積極的かつ先進的なマーケティング活動の成功が読み取れます。
クロスブランドの新規獲得!カネボウ化粧品×プライベートDMP「MOTHER」の事例
カネボウ化粧品は女性用コスメ、ヘアケア、男性用コスメなどの有名ブランドを多く持つ日本の化粧品メーカーです。
【事例】
多くのブランドを持つカネボウは、保有する20ブランドの顧客情報を共有化するために、プライベートDMP「MOTHER」と、オウンメディアに来訪しているユーザーにオーディエンスデータを特徴づけて広告配信ができるオープンDMP「AudienceSearch」という、2つのDMPによるデータ基盤を構築したことで、各ブランドを横断したコミュニケーションと外部オーディエンスへのアプローチを実現しました。
引用:ユーザーデータの活用は、全社的に行ったほうがメリットは最大化できる。
DMP導入前のカネボウ化粧品ではブランドごとにWebサイトを保有し、ブランドごとに広告施策も企画されていました。
確かに消費者が化粧品を買うときには、メーカー名よりも商品特性や対象年齢、価格など自身に適したブランドを選ぶ、といった「ブランド視点」がほとんどでしょう。
よってブランドごとの施策は正しい考え方である一方で、各ブランドで個別にユーザー情報を保持しているため、ブランドをまたいだ相互送客など、複数ブランドを持つメーカーだからこそ可能なマーケティング施策が打てていないことが課題でした。
そこでDMPを活用することによって、メイク系ブランドAが好きなユーザーは実はメイク系ブランドBも好きな傾向が強い…などの今まで見えてこなかったユーザーニーズを発見し、ブランドを横断するクロスブランドでのマーケティング施策に成功しました。
ただし、DMP活用の取り組みは簡単ではなく、成功の大きな要因の1つとして、このプロジェクトの導入を推進し、強いリーダーシップをとれる人材が確保できたことが挙げられるでしょう。
【プライベートDMPの役割】
保有する20種類のブランドサイトの行動履歴を共通のユーザーIDでトラッキング、興味関心を横断的にデータ化し、クラスタ分け。
【オープンDMPの役割】
オウンドメディア来訪のユーザーと外部のオーディエンスデータとを紐づけて広告を配信。
このように、オープンDMPとプライベートDMPを組み合わせて使用することで、ブランドを横断してユーザーをクラスタ分けしたり、外部のオーディエンスデータを利用して自社メディアだけでは把握できないユーザーの特徴を認識したりすることで、新たなマーケティング施策を実施しています。
こちらの事例からは、「ブランド」ではなく「メーカー」としてDMPを活用し、クロスブランド&外部オーディエンスデータ活用という、カネボウ化粧品の先進的な取り組みが読み取れます。
定量的な成果はこれから出てくることを期待しています。
前年同月比500%の売上!カラコンECLuvlit(ラブリット)×cosmiの事例
カラコンEC Luvlitは、T-Garden が運営し、若い女性に人気のカラコン・コスメの公式通販ショップです。
また、読者モデルとのコラボ商品や、このサイトにしかない限定品の企画販売も行っています。
【事例】
Luvlitはユーザーのアクセス経路が複雑化し、それに伴い膨れ上がってしまうデータを最大限に活用するため「cosmi Relationships」を導入しました。
「cosmi Relationships」はスマートフォンのプッシュ通知に対応しているのも特徴の1つです。
引用:「コンタクトを使い切るタイミングの会員に、送料無料のクーポンで次回リピートを訴求したい」という意向があった。
現在では膨大な数の通販サイトが存在し、顧客である若い世代のほとんどが商品の購入にツールとしてスマートフォンを利用する傾向にあります。
いってみれば、手元に何百、何千といった店舗の情報があるという状態です。
その中から自社サイトを見つけて、訪れてもらい、リピートしてもらうためには、全てのユーザーに同じコミュニケーションをするような漠然としたマーケティング施策では非常に難しいというのが現状です。
LuvlitではDMPを活用し、会員データや購買データを集約して、非会員や会員セグメントごとのマーケティング施策を成功させました。
このDMPはスマートフォンのプッシュ通知に対応していたため、スマートフォンを日ごろから利用している若年層のニーズにマッチしたコミュニケーションができたことも大きな成功要因の1つだと言えます。
サイトへの来訪経路も、「スマートフォンで閲覧→その後PCで決済」というようにデバイスもまたがるなど複雑化し、その情報は膨大になってきています。
しかしLuvlitでは、DMPの活用により行動履歴を統合することで、異なるデバイスを利用してもリターゲティングを行なうことを可能にしました。
その結果、既存顧客には、商品を使いきるベストなタイミングで「送料無料クーポン」というオファーを出すことでリピート購入へとつなげることが可能になりました。
一方、新規顧客には、まずは顧客になってもらうために売れ筋商品を紹介するなど、顧客の状態とタイミングを把握した上でのコミュニケーションによって成果をあげています。
こちらの事例からは、スマートフォンやPCなどデバイスを横断してユーザーを把握すること、これまでのメールやWEBサイトといった従来のチャネルだけでなくユーザーに適したチャネルを活用したコミュニケーション施策が成功の要因であることが読み取れるでしょう。
プライベートDMP導入のハードル
事例を見れば見るほど魅力的に見えるプライベートDMPですが、関わる部署の多さやコストなど実際には導入からシナリオ設計・実施までのハードルが高い、という側面が見えてきます。
そのため、なかなか導入に踏み切れないというケースや、導入しても活用できる体制や人材が十分整っていないといったケースが散見されるのも事実です。
まずは目的を決め、小さく始めることがプライベートDMP構築のための第一歩です。
顧客の属性データや行動データを用いて、それらに合わせてコミュニケーションができる、マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
クラウド型で提供されているものも多く、導入にかかる時間は比較的短くすることができるでしょう。
中にはオープンDMPと連携してターゲティングできたり、プライベートDMP内蔵で各種データを活かしたマーケティング施策が展開できたりするものあります。
SATORIもDMP内蔵型のマーケティングオートメーションツール。
顧客属性に合わせることはもちろんのこと、外部での行動履歴を元に広告配信を行うことが可能です。
ご興味がある方はぜひ資料をダウンロードしてご確認ください。