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2020.01.29

ユーザーに評価されるコンテンツSEOの進め方とは

コンテンツマーケティングはコンテンツを使って集客すること、つまりコンテンツ自体がお金をかけずに集客できる=SEOとお考えの方もいらっしゃいますが、コンテンツマーケティングはもっと広い意味があり、コンテンツSEOとは全く違うものです。確かにSEOにコンテンツ力が重視されるようになっていることは間違いないのですが、混同して間違った理解をしてしまうことはよくありません。マーケティング初心者の方にもスッキリわかるよう解説します。

コンテンツSEOとは

コンテンツSEOとは検索エンジン最適化に関する対策方法の一種
コンテンツSEOとは、検索エンジン最適化に関する対策方法の一種です。ユーザーにとって価値のある良質なコンテンツを発信し積み上げることで、検索エンジンからユーザーをWebサイトに集客することができます。

以前は、数行しかコンテンツが記載されていないサイトやサイトと関係ないリンクが多数貼られているようなサイトでもリンク(人工的な外部リンク)をたくさん貼ってもらえば検索結果で上位表示を狙うことができました。しかし一方で、内容の薄いページが上位表示され、ユーザーが求めている検索結果が表示されないという現象も一部で発生していました。その状態を危惧したGoogleは、ペンギンアップデートやパンダアップデートと呼ばれる2つの大きなアップデートを実施。ペンギンアップデートでは、人工的な外部リンクに対してペナルティを与え、パンダアップデートではユーザーにとって価値のない低品質なコンテンツを排除しました。これらのアップデートにより不正に検索順位を上昇させるブラックハットSEOの排除が行われました。
このような経緯から現在では、「いかにユーザーにとって有益な情報を提供するか」を模索することが重要となっています。そのため検索エンジンからの流入を増やすためには、いかにユーザーに評価されるコンテンツを設計・作成するかを検討しなければなりません。
また、現在もGoogleのアップデートは定期的に行われており、2019年10月には「BERTアップデート」が行われました。Googleの自然言語処理能力は日々向上しており、今回のアップデートによってGoogleは検索クエリのニュアンスや文脈にまで踏み込んで理解をするようになったことから、よりコンテンツの重要性が増しています。

>>関連記事:【専門家解説】コンテンツマーケティングとSEOの違い&正しい手順で施策を行う方法

コンテンツSEOの効果・メリット

コンテンツSEOでユーザーにとって価値のあるコンテンツを増やせば、オーガニック経由(検索エンジンからの自然流入)の集客数を向上できるというメリットがあります。特定のキーワードを検索しているユーザーのサイト来訪数を増やすことで、広告出稿による短期的なアクセスに頼ることなく、安定した集客と売り上げのアップを実現できます。そして、価値のあるコンテンツであれば他のユーザーにもおすすめしたいという心理が働き、良質な被リンクの獲得(流入経路の拡大)にも繋がります。その積み重ねがユーザーやGoogleからの評価となり、検索結果に表示される機会がさらに増えるという好循環を生んでいきます。
また、コンテンツSEOによって検索順位が上昇し、ユーザーの目に触れる機会が増加すれば、その業界の専門家としての立ち位置を確立し、自社の商品やサービスをブランディングすることができます。
他にも、良質なコンテンツを継続的に投稿することができれば、ユーザーとの信頼関係が自然と構築されるというメリットもあります。「どのようなアプローチがユーザーに有効なのかわからない」という課題を抱えていたとしても、コンテンツSEOのようにユーザーが能動的に情報収集できる環境を用意すれば、継続的にコミュニケーションを図ることが可能となり、コンテンツSEOがリードナーチャリング施策としても活きていくでしょう。

コンテンツSEOの注意点・デメリット

コンテンツSEOは、リスティング広告のように効果に即効性がありません。むしろ、売り上げに繋がる収益性の高いキーワードや検索ボリュームの多いキーワードほど競合も多く上位表示に時間がかかるため、効果が出るまでに長期的な戦略が必要となります。
そして、良質なコンテンツを作るには、キーワード選定やマーケットのリサーチ、ライティングなどの様々な作業を担当できる人材が必要となるため一定のコストが発生します。社内にマーケティング担当者が在籍していない場合は、人材の育成や業務の外注を検討しなければならないため、費用と時間のバランスを考慮する必要があるでしょう。
仮に、検索結果で上位表示できてもGoogleのアルゴリズムによって、特定の記事やWebサイト自体の順位が大きく変動することがあるため、一定のリスクを常に想定しておくことをおすすめします。

コンテンツSEOの進め方

コンテンツSEOの進め方は大きく4ステップ。キーワードの選定、記事の制作、効果検証、記事の修正
コンテンツSEOは、主に下記の4ステップで進めていきます。

  • STEP1:キーワード選定
  • STEP2:記事の作成
  • STEP3:効果検証
  • STEP4:記事の修正

それぞれのステップについて、ひとつずつ確認していきます。

【STEP1:キーワード選定】

コンテンツSEOの第1ステップは、キーワード選定です。Webサイトで集客し、売り上げを伸ばしていくには、検索結果で上位表示したい特定のキーワードを選ぶ必要があります。その際、どのキーワードを選ぶのかによって集客可能なアクセス数が決まり、将来的には商品やサービスの売り上げに影響があります。
キーワード選定では、市場調査と競合調査、自社分析の3つを行うことが一般的です。市場において需要(検索ボリューム)があるかどうか、競合がどのようなキーワードで上位表示しているか、自社がどのキーワードで上位表示できていないか、などを分析しキーワードを絞り込んでいきます。検索ボリュームはGoogleキーワードプランナーなどを使用することで調査が可能です。
もし、月間検索ボリュームが100~1,000回あれば、上位表示を目指す価値は十分にあります。それ以上の検索ボリュームがある場合には競合調査によってライバルサイトよりも上位を目指すことは可能なのかを検討しましょう。

【STEP2:記事の作成】

コンテンツSEOの第2ステップは、記事の作成です。対策するキーワードが固まったら次のそのキーワードを検索するユーザーの分析を行います。ユーザー分析では、ユーザーはどのようなことに興味や関心があるのかを分析していきます。
最初に行う分析がSERP分析です。SERPとは、検索結果に表示されるサイト一覧のことです。SERP分析では、ユーザーがどのような悩みを抱えているのか、検索結果を通して検索の意図をイメージしていきます。その他にもQ&AサイトやSNSなども参考にしても良いでしょう。ユーザーの検索意図が明確になり、そのキーワードに対して記載すべき項目が固まった段階で、ライターに記事の作成を依頼します。

【STEP3:効果検証】

コンテンツSEOの第3ステップは、効果検証です。記事を作成し、Webサイト上で公開したら順位に変動があるか、流入は増えているか、どのようなキーワードで流入しているかなどの効果検証を行います。その際、各指標のチェックにGoogleサーチコンソールを活用すると便利です。
Googleアナリティクスを利用すれば、ユーザーのアクセス数や滞在時間、離脱率などの情報を確認できます。離脱率が高く、滞在時間も短いようであれば、ユーザーのニーズにマッチしていない可能性もあるため、記事の修正対象と考えることができます。

【STEP4:記事の修正】

コンテンツSEOの第4ステップは、記事の修正です。もし、効果検証の結果、記事の修正が必要と判断した場合、ステップ2の分析を再度行い、加筆や修正を行いましょう。
また、一時期良い評価をされていても、Googleのアルゴリズム変更や競合の動きなどによって評価がされなくなっていく可能性があります。新規コンテンツの追加や既存のコンテンツの改善によって記事の内容を常に最適な状態に保ちましょう。

良いコンテンツとは?チェックしたい5つのポイント

コンテンツSEOの進め方について解説いたしましたが、中には文字数を増やし、とにかく詰め込んだ長文記事を作成してしまうというケースがあります。しかし冒頭お伝えしたようにGoogleはユーザーの検索意図をくみ取り、求める「解」を提供できている記事を「良いコンテンツ」と判断しているため、「長い文章=良いコンテンツ」というわけではありません。「量」ではなく「質」を高めるために次のポイントを意識すると良いでしょう。
下記ポイントを意識しながら作成することで、より質の高いコンテンツを作成することができるでしょう。
□検索クエリに含まれる意図を理解し、「解」が明示されている
コンテンツSEO対策を行う際に最も重要なポイントです。
情報を探しているのか、ノウハウを求めているのかなど、ユーザーの求める「解」を明示することが重要です。同じキーワードを検索していても人によって目的は異なります。しかし、ユーザーの意図を的確に判断することは難しく、より多くの人のニーズを満たすためにさまざまなカットでコンテンツを制作を行う必要があります。
□網羅性がある
キーワードの掛け合わせで検索しているユーザーは一部しかおらず、単体キーワードで検索しているユーザーもいることを忘れてはいけません。そこで単体キーワードをベースにし、そこから想定されるニーズを推測し、文章に落とし込む必要があります。そのようにして作り出されたコンテンツは必然的に網羅性のあるコンテンツとなり、多くのユーザーに刺さるコンテンツとなるでしょう。
□EAT(Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)
Googleの「検索品質評価ガイドライン」で示されている評価基準の一つでExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)の3つを指します。サイトのカテゴリを特化する(専門性)、サイト内の記事数を多くする(権威性)、ライター情報を記載する(信頼性)などの対策が有効です。
□オリジナリティ
その他の要件を満たしていても他サイトからの引用では評価されません。独自の調査や分析によってコンテンツが作られているかが重要です。
□分かりやすい言葉で書かれている
学術的なキーワードでない限りはユーザーにとって分かりやすい言葉で書くことが重要です。特に最近では音声による検索が増加傾向にあるため、日常で使われない言葉は避けましょう。

まとめ

コンテンツSEOによって特定のキーワードでユーザーを集客するには、良質なコンテンツを作り続ける必要があります。そして、検索エンジンからの自然流入でアクセスアップを実現できれば、短期的なアクセスに頼ることなく、効率良く見込み客を育成し商談へと繋げていくことができます。
しかし、コンテンツSEOはGoogleからの評価に依存するため、「こうすれば絶対に結果が出る」という方法があるわけではありません。結果が出るまでキーワード選定や記事の作成、効果検証などを粘り強く続けていくことが重要です。今後も主軸となる集客方法であることは間違いないため、本記事を参考に是非取り組んでみてはいかがでしょうか。

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