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2019.02.12

【初心者向け】Facebook広告の種類と使い分け

Facebook広告の特徴の一つとして、広告フォーマットやランディングページフォーマットの種類の豊富さが挙げられます。ただし、豊富すぎるがゆえに、結局なにを使ったら良いのかわからない。そんな声も多く聞きます。当記事では、Facebook広告の種類と使い分けについてまとめました。「いつも画像広告しか使っていない」という方にはピッタリの内容ですので、ぜひご覧ください。

1. 「広告」と「ランディングページ」で選択できるフォーマット

Facebook広告ではまず広告フォーマットを選び、次にランディングページのフォーマットを選んで使うという流れです。全体像をご紹介します。

1-1. 「広告」のフォーマットは主に5種類

ザックリ言うと、画像を使うか、動画を使うかだけです。各フォーマットによって見せ方がそれぞれ異なります。商材に合わせて選択しましょう。
Facebook広告のフォーマットの種類
・ シングル画像(画像広告)
・ カルーセル(画像・動画広告)
・ 1件の動画(動画広告)
・ スライドショー(動画広告)
・ コレクション広告(画像・動画広告)

1-2. 「ランディングページ」のフォーマットは主に3種類

GoogleやYahoo!などの広告媒体ではURLを指定することが一般的です。しかし、Facebook広告ではFacebook内にランディングページを作って指定することができます。うまく使えばURL指定よりも成果を出すことが出来るので、必ずおさえておきましょう。
ランディングページのフォーマット

▽Facebook外を指定するタイプ
・ 通常のランディングページ
▽Facebook内を指定するタイプ
・ リード獲得広告
・ インスタンスエクスペリエンス(旧称:キャンバス広告)

2. 広告フォーマットの種類

2-1. シングル画像広告(1枚の画像広告)

シングル画像広告は、画像1枚を使用した広告フォーマットです。
Facebook広告フォーマットのシングル広告イメージ画像

【メリット】
・ 画像1枚と広告文だけで作れる手軽さ(画像も無料画像が使用できる)
【デメリット】
・ 画像1枚だけなので、表現の幅が狭い

2-2. カルーセル広告(2枚以上の画像・動画広告)

カルーセル広告は、2つ以上の画像・動画を使用した広告フォーマットになります。
Facebook広告フォーマットのカルーセル広告イメージ画像

【メリット】
・ 最大10個の画像もしくは動画を見せられるため、複数製品の訴求に向いている
・ 1つの製品の様々な面を紹介できる
【デメリット】
・ 最大10個の画像、動画を見せられるがそれぞれ画像、テキスト、リンクを選定する必要があり工数がかさみやすい
・ 広告らしさが強いため、ユーザーに嫌われやすい。嫌われないようにテキストを短くする、訴求しすぎないなどの工夫をすると成果が出やすい

2-3. 1件の動画

動画広告は、動画を使用した広告フォーマット。「2-1」で説明しているスライドショー広告や動画作成キットなどの画像を使って動画化するものも含まれます。
Facebook広告フォーマットの動画広告イメージ画像

【メリット】
・ 目に付きやすく、画面をスクロールする指を止めて見てもらいやすい
・ 画像に比べて伝達できる情報量が多い
【デメリット】
・ 制作方法によるが、撮影などを行う場合は費用も工数もかかりやすい

2-4. スライドショー広告(動画広告)

画像数枚を繋ぎ合わせ、テロップ(テキスト)を付けて動画化させる紙芝居のような広告フォーマットになります。
Facebook広告フォーマットのスライドショー広告(動画広告)イメージ画像

【メリット】
・ 画像数枚で作成できるため、撮影を伴うような動画広告よりは費用、工数を抑えやすい
・ 紙芝居のような形式でストーリー性を持った表現が可能
【デメリット】
・ ストーリー構成の検討、画像数枚の選定、テロップ作成が必要なため、シングル画像広告よりは工数がかかる
・ 動画ではあるが紙芝居のような形式なので、通常の動画広告よりは目を引きにくい

※参考
・動画作成キット
スライドショー同様、画像数枚を設定してテロップ(テキスト)を付けて動画化させる広告フォーマット。テンプレートが複数用意されており、スライドショーとは違った表現が可能。下記の例ではロゴ画像1枚、メイン画像1枚、テロップ(詳しくはこちら)で作っています。楽に作れるフォーマットも用意されています。
動画作成キットのイメージ画像

【メリット】
・ 画像数枚で作成できるため、撮影を伴うような動画広告より費用工数を抑えられる
・ 必要な素材はスライドショーと変わらないが、スライドショーより動画らしい表現が可能
・ ほぼ画像1枚で作成できるテンプレートもあり導入ハードルは低め
【デメリット】
・ スライドショーも同様だが、日本語フォントが用意されていないなど微調整がききにくい
・ テンプレートの種類に限りがあるため表現の幅は限られている

2-5. コレクション広告

複数の画像や動画を組み合わせて設定する広告フォーマット。2018年11月現在、広告フォーマットの中では最も多彩な表現が可能です。
Facebook広告フォーマットのコレクション広告のイメージ画像

【メリット】
・ 動画、画像だけといった広告フォーマットより盛り込める情報量が多く興味を引きやすい
・ 画面の占有領域が広いため、ユーザーの目にとまりやすい
・ テンプレートが多く用意されているため様々な業種に対応できる
【デメリット】
・ スマートフォン向けにしか配信できない
・ 制作に工数がかかるため、しっかりと戦略を練って実施しないと費用対効果が合いにくい
・ 情報量が多いというメリットは裏を返せば、不要なユーザーにとっては嫌われやすい可能性がある。使う場合は嫌われにくい広告を目指す

3. ランディングページフォーマットの種類

3-1. 通常のランディングページ

自社サイトなどのFacebook外のURLを指定するタイプのランディングページです。GoogleやYahoo!などの広告媒体もこの形式に慣れている方が大半です。

3-2. リード獲得広告

Facebook内で入力フォームを作り、それをランディングページとして設定した広告をリード獲得広告と呼びます。特徴は入力フォームを作れる点。広告クリック後、Facebook上に登録された情報がフォームに自動入力されてフォームが立ち上がります。名前の通りリードを獲得することに適した機能。キャンペーンで「リード獲得」を選択した場合に設定できます。
ランディングページのフォーマットのリード獲得広告のイメージ画像

【メリット】
・ Facebookに登録されている情報からフォームが自動入力された状態で立ち上がる
・ ランディングページの読み込み速度が速いため離脱率を抑えやすい
・ 自社の問い合わせページに遷移させる必要がない
【デメリット】
・ スマートフォン向けにしか配信できない
・ フォーム入力完了したユーザーはFacebookページからしか確認できない(※1)
・ サンクスメールが送れない(※1)
・ 入力フォームを作る工数やリード情報の定期的なダウンロード(※1)などの工数がかかる

※1 デメリットへの対処方法を下記リンクでご紹介します
Facebookリード獲得広告でZapierを使ってサンクスメールを送る方法
https://ayudante.jp/column/2017-12-19/18-50/

3-3. インスタンスエクスペリエンス(旧称:キャンバス広告)

Facebook内にランディングページを作り、それを設定した広告をインスタントエクスペリエンス(旧称:キャンバス広告)と呼びます。なお、広告フォーマットでコレクション広告を選択した場合は、インスタントエクスペリエンスを必須で作る必要があります。ランディングページを作るというと大変だと思うかもしれませんが、基本的にはテンプレートを選んで素材をはめ込んでテキストを入れるだけで作れるので簡単です。
ランディングページのフォーマットのインスタンスエクスペリエンス(旧称:キャンバス広告)のイメージ画像
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=fvUODDyrfag&feature=youtu.be

【メリット】
・ 動画、画像、カルーセル、ボタン、テキスト、フィード、入力フォームなどを組み合わせてランディングページを作ることができ、豊富な表現が可能
・ 簡単に作れるようになっており、画像や動画などを用意するだけで作成することができる
・ ランディングページの読み込み速度が速く、離脱率を抑えやすい
【デメリット】
・ スマートフォン向けにしか配信できない
・多彩な表現が可能である反面、その分だけ制作工数がかかる傾向にある

4. Facebook広告において意識すべきことと各フォーマットの使用例

4-1. 各フォーマットにかかる工数負担を意識する

作り方、進め方、慣れなどによってかかる工数は異なります。それを理解した上で、初級者向けに筆者の主観レベルで工数負荷を低~高で表しました。組み合わせて使う際の参考にしてみてください。

広告フォーマット工数負担ランディングページフォーマット工数負担
シングル画像通常のランディングページ
カルーセル低~中リード獲得広告中~高
動画広告中~高インスタンスエクスペリエンス
スライドショー低~中  
動画作成キット低~中  
コレクション中~高  

4-2. 広告フォーマットをどう使うか

1) シングル画像広告はターゲットに響くクリエイティブの傾向把握に使う

広告フォーマット工数負担ランディングページフォーマット工数負担
シングル画像通常のランディングページ

シングル画像広告だけでも成果が十分に上げられるケースはあるので、その場合は他の広告フォーマットを無理に使う必要はありません。ただ今後、他の広告フォーマットを使っていく場合、どういった傾向の画像を使えば成果が上がりやすいのか把握するために使うと効率が良いです。例えば、動画広告、コレクション広告は作るのに工数がかかります。工数をかけて作ったのに全く成果が出ないという悲劇を避けるために、前もって工数負荷の低いシングル画像広告でテストを行い、あたりをつけてから作ると成果を上げやすくなります。シングル画像広告は実施するのに工数負荷が低いため、テストに向いています。
例:コミュニケーションスキル向上を目指す20代~40代のビジネスパーソン向けに話し方セミナーの募集をしていて、シングル画像広告で集客する場合
フォーマットの使い分けシングル広告の場合のイメージ
ターゲットユーザーに対して、影響度の高そうな2軸を設定して4象限に分けてテストすることで影響のあった要素を特定しやすくなります。

【よく使われる選定軸】
・ イラスト/実写
・ 文字あり/なし
・ 男性/女性
・ 色あい

2) カルーセル広告・コレクション広告はEC(総合通販系)、旅行/不動産などで使う

広告フォーマット工数負担ランディングページフォーマット工数負担
カルーセル低~中通常のランディングページ
コレクション中~高インスタンスエクスペリエンス

カルーセル広告やコレクション広告に見られる、複数の製品を見せられるフォーマットは、EC(総合通販系)、旅行/不動産などの製品数の多い業種に向いています。自社の商材がこれに該当している場合、試してみる価値はあるでしょう。また、Basic(WebメディアのFerret)ではブログ記事を使用してコンバージョン率を伸ばしているケースもあり、ユーザーにとって複数見せる価値のあるものを載せると良好な結果を得られやすいと言えます。
・ EC(総合通販系)
フォーマットの使い分けカルーセル広告・コレクション広告の場合(EC)
引用元:https://news.mynavi.jp/article/facebook_marketing-6/

・ 旅行/不動産
フォーマットの使い分けカルーセル広告・コレクション広告の場合(旅行/不動産)
引用元:https://blog.feedmatic.net/entry/2017/10/13/101914

・ ITメディア(ブログ記事)
フォーマットの使い分けカルーセル広告・コレクション広告の場合(ITメディア/ブログ記事)
引用元:https://ferret-plus.com/2715

【カルーセル広告のポイント】
・ 製品数が多すぎる場合、製品のカテゴリ(例ではバック、靴、服など)毎に設定する
・ 広告らしさを軽減するため、CTA(詳細はこちら、購入するなどのボタン)のON/OFFのテストを行う
・ 画像に注目してもらうため、テキスト部分は短めにする

3) スライドショー(動画作成キット含む)広告は、通常の動画広告を制作する前のテストマーケティングとして使う

広告フォーマット工数負担ランディングページフォーマット工数負担
スライドショー低~中通常のランディングページ
動画作成キット低~中  

スライドショー広告(動画作成キット含む)は、通常の動画広告制作時のリソース、コスト面に課題がある場合にテストマーケティングとして使用することが多いです。使用目的はシングル画像広告と似ており、動画広告制作を見据えてどういったストーリー構成で訴求すると成果が上がりやすいのか把握するために使うと良いでしょう。ストーリー構成案として、筆者がよく使う2パターンをご紹介します。
・課題解決型
Facebookスライドショー広告課題解決型のストーリー構成案

・メリット訴求型
Facebookスライドショー広告のメリット訴求のストーリー構成案

【スライドショー広告のポイント】
・ 動画広告は最初が肝心なので、1枚目でターゲットをひきつけられる設計にする
・ 動画を見て終わりにならないように、最後に次のアクションを促す
・ 構成や説明をシンプルにして、簡単に理解できる内容を意識する

4) 動画広告はシングル画像広告で傾向把握をした上で制作する

広告フォーマット工数負担ランディングページフォーマット工数負担
動画広告中~高通常のランディングページ

まずは4―2の1)でご紹介したシングル画像広告の4象限テストで良いクリエイティブの傾向を把握します。イラストが良い、青系が良い、女性が映っている方が良いなど傾向をまとめましょう。次に、4-2の3)で紹介したスライドショー広告で反応の良いストーリーをまとめます。この2つの傾向から導き出される良い要素を組み合わせて動画広告を制作することで、リソース、コストがかさみやすい動画広告を効率的に制作することができます。
画像のテスト結果とストーリー構成のテスト結果の例

【動画広告のポイント】
・ 基本的に音声OFFで見られる想定でテロップ(字幕)を必ずいれる
・ アスペクト比(縦横比)はFacebook、Instgaramのニュースフィードを中心に広告を出すのであれば1:1を作り、Facebook Stories、Instgram Storiesを中心に広告を出すのであれ9:16を作成する
・ 最初の3秒以降はぐっと視聴者が減る傾向にあるので重要なことは3秒以内にいれる

4-3. ランディングページフォーマットをどう使うか

1) リード獲得広告はBtoB向けのリード収集やイベント集客で使う

広告フォーマット工数負担ランディングページフォーマット工数負担
シングル画像リード獲得広告中~高
カルーセル低~中  
動画広告中~高  
スライドショー低~中  
動画作成キット低~中  

取り扱っている商材において、リード(氏名、メールアドレス、電話番号、会社名など)獲得が必要なものであれば、最初に検討したいフォーマットです。詳しくは3-2のメリット、デメリット欄を見て導入判断をしてください。Facebook内で完結するフォーマットなので読み込み速度がかなり早い上に、最初から入力された状態で入力フォームが立ち上がるというのは、ユーザー側の使い勝手としては素晴らしく、コンバージョン率が高まりやすい傾向にあります。Basic社(WebメディアのFerret)事例ではコンバージョン率24倍、ユビレジ社事例ではコンバージョン率7倍となっています。成功事例では広告フォーマットはシングル画像広告とスライドショー広告が使われていますが、動画広告×リード獲得広告というのもオススメです。

・シングル画像広告×リード獲得広告
シングル画像広告とリード獲得広告の例
引用元:https://www.facebook.com/business/success/ferret-one#

・スライドショー広告×リード獲得広告
スライドショー広告とリード獲得広告の例
引用元:https://www.facebook.com/business/success/ubiregi#

【リード獲得広告のポイント】
・ フォームの入力項目はできる限り少なくする
・ 広告をクリックした後に表示される導入部分のテキストはしっかりとした内容を記載する
・ リードの取り扱い方法(Facebookからのダウンロード頻度など)をちゃんと決めておく

2) インスタンスエクスペリエンスは通常のランディングページに課題がある場合か、わかりづらい商材の場合に使う

広告フォーマット工数負担ランディングページフォーマット工数負担
シングル画像インスタンスエクスペリエンス
カルーセル低~中  
動画広告中~高  
スライドショー低~中  
動画作成キット低~中  
コレクション中~高  

インスタンスエクスペリエンスは工数負担の大きいフォーマットなのでFacebook広告を始めたばかりの方にはオススメしません。Facebook広告に慣れてから導入検討しましょう。インスタンスエクスペリエンスは、多彩な表現が可能という点と、リード獲得広告同様、読み込み速度が速いという点が特徴。このフォーマットを使用する場合は、その特徴を活かせるかどうかで判断しましょう。
インスタンスエクスペリエンスを活用するケースとしては、ランディングページの読み込み速度が遅すぎて離脱率が高い状態になっているか、新しい製品/サービスをローンチしたもののランディングページをまだ作っていない場合が多いです。他には商材/サービスがわかりにくく、動画広告やカルーセル広告などでは説明しきれない場合に使う事もあります。進め方としては、動画広告の制作などと同様、シングル画像広告で良好なクリエイティブの傾向を把握してから制作することで効率的に制作できるでしょう。
下記ネクソン社の例では、アプリインストールを目的とした広告でインスタンスエクスペリエンスを使用しています。動画広告だけでは伝えきれない内容をインスタンスエクスペリエンス内にカルーセル広告などを設置して補足することでゲームの世界観を伝えて興味を持ってもらい、インストールを促しています。

・動画広告×インスタンスエクスペリエンス
動画広告とインスタンスエクスペリエンスの例
引用元:https://www.facebook.com/business/success/nexon#

【インスタンスエクスペリエンスのポイント】
・ インスタンスエクスペリエンス内の行動をFacebookで分析するために極端に短い構成にはしない
・ 最初は目的にあったテンプレートから試して、慣れてきたらカスタムで制作する
・ 作って終わりにせず、広告配信をしたら構成要素の分析を行って要素の改善を行う

5. あとがき

Facebook広告初級者のかたに向けて、全体像が見えるような構成を目指して記事を書きました。筆者としては動画広告、リード獲得広告、インスタンスエクスペリエンスは成果も出しやすいですし、ポテンシャルの高い重要な機能だと考えています。早めに取り組んでノウハウを溜めておくことをオススメします。

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