<見逃し配信> Poetic Storytelling for Marketers: Branding with Purpose【標-しるべ-】
『Poetic Storytelling for Marketers: Branding with Purpose』
元Google直伝!経営&マーケティングに欠かせない、 共感で熱狂的なファンを生み出す「ストーリーテリング」とは?
セッションパート
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質疑応答パート
Tucker Bryant(登壇者)/ 植田有香(通訳・ファシリテーション)
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質疑応答セッション中にいただいた質問のうち未回答QA
Q.今までで一番好きなストーリーは具体的にどんなストーリーか教えてください
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A.一般的にも一番よいストーリーとは、提供する価値について語っているものだと思います。
自分の人生を反映させたものだとより人々の心を動かすことができると考えます。
Q.お客様のニーズを把握してストーリーを作る際、いくつのニーズをストーリーに反映しますか?
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A.1つのストーリーにつき1つのニーズの方が基本的には良いです。
顧客は複数のニーズを抱えていることが多いですが、全てを取り込もうとすると集中するポイントを失ってしまい有効な解決法を提供することができなくなってしまいます。
1番大きなものや新しいもので、顧客のペインポイントにフォーカスしてストーリーに反映させるのがおすすめです。
Q.ソリューション前の感情で最も優先して持たせるべき感情は、ありますか?
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A.どのようなソリューションを提供するかによって変わってきます。
感情マップでいえば、ハッピーから悲しみまで色々変わってくるが、両極端な突出した感情を抽出して使うのが良いと考えます。
いい方向だと将来的な希望や志向を示すもの、ネガティブだとフラストレーションや痛み、飽きといった突出した感情を探してフォーカスするのがおすすめです。
Q.BtoBビジネおよびBtoCビジネスに活用できるストーリーテリング。興味深い話でした。ありがとうございました。すべてのプレゼンフレームがおっしゃっているような方法で参考になりました。この話は、パーソナル、個人のブランディンクにも活用できそうな気がしました。個人のブランディング向上にストーリーテリングテリングを活用するポイントを参考事例などあれば教えてください。
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A.ここに関してはいくらでも深堀り出来る面白い部分ですね。LinkedInで個別に連絡いただければディスカッションできます。
簡単に説明すると、何事も問題に対する解決手法はたくさんありますが、世間に共通するニーズを特定し、それを現状と比べてどうなりたいか、その理想に対しなぜそれがうまく実現できていないのかという部分をフレームワークを活用して考えていくのがポイントです。
Q.ストーリーテリングを有効に活用した社内構造改革のコツを教えて頂けますでしょうか?
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A.フレームワークで考えると3つの段階で考えられます。コンテキスト、問題、ソリューションの3つです。
企業はソリューションに飛びつきがちですが、文脈(コンテキスト)と問題の理解を深めるのがすごく大事です。例えば全社員に同じように有休を与えるとすると、子供がいる社員は子供がいない社員よりもより有休が必要になるのか、などのように異なってくると思います。
そういったことを踏まえたうえでどういったソリューションがいいか考えるのが重要です。その方が、社内のステークホルダーにより受け入れてもらえるソリューションとなるでしょう。
Q.「魅力的なストーリーづくり」が弊社の大きな課題になっています。誰もストーリーを作れる人がいないので自分が成長しなければなりませんが、ストーリーづくりのトレーニングとして、Tuckerさん自身はどのようなことに取り組まれてきましたでしょうか
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A.いくつかやり方はあるが、おすすめはプレゼンで出てきたフレームワークや世の中にあるフレームワークでフィットするものに合わせて複数構造を作っていくのが良いと思います。
自身の中にストーリーテリングの手法が染みついていき、そのうち問題をとらえる際もストーリーテラーとして捉えられるようになっていきます。まずはゲーム感覚で様々な課題にチャレンジいただいて練習していくことがおすすめです。
Q.数え切れない種類の人間の感情が存在しますが、タッカーさんがGoogleでのお仕事やストーリーテリング・ポエトリーリーディングをする中で、我々人間のどんな”感情”が最も揺るぎやすい、動きやすい、響きやすい、と思われますか?怒り?悲しみ?感動?etc
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A.ものによって異なってきます。
Googleに関してはGoogleの各種サービスにおいて「あなたの人生を楽にします」というのが価値だったのでポジティブな感情にフォーカスすることが多かったです。キーワードだとエレガント・シンプル・スムーズです。
Googleマップでは渋滞の予測ができたり、音楽を流しながらスムーズに目的地にたどり着けたりします。居心地の良さや安らぎをターゲットにしていたからです。
ただ、例えば葬儀系の会社だと着目する感情はよりデリケートなものになるなど、全然異なってくるのでサービスによって違います。そのためそれぞれに合ったものを考えるのが重要です。
Q.ソーシャルメディアの効果を最大化させるためのストーリーテリングのコツや今までに見られてうまくやっていると感じられた事例を紹介していただきたいです
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A.米国では数年前からブランドが顧客とSNSで関係構築を図るトレンドがあります。
例えばファストフード店のウェンディーズでは、ブランドに対するネガティブなツイートに対し、ウェンディーズも子供のような絡み方で応戦した事例がある。
これがいい例とは言えないが、今までではなかったような顧客との関係構築ができるようになっていると言えるでしょう。
Q.BtoBの場合、購買決定に感情を伴わずに意思決定が行われることも多いのですが、購買決定以前のプロセスで訴求するポイントはどんなものが効果的だと思われるか、具体的にヒントをいただければ幸いです
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A.仰る通りBtoBの場合はBtoCのような感情変化が起きにくい。が、B2Bの場合でも信頼は非常に重要になってきます。
製品や会社に対する信頼を醸成してほしいとおもうことは自然なことです。そのため、その人を情報のハブのような立ち位置に置くことで、自身の会社のことを漠然とした大きな会社ではなく、「人」が感じられるような愛着が持てるような人間的な会社のイメージを持ってもらうことが可能であると言えるでしょう。
持ってもらいたいイメージに合わせた情報発信でブランディングができるのです。
Q.お話頂いたようなストーリーテリングは欧米ではもはや当たり前ということでしょうか。日本企業では、「お客さま第一」と掲げているものの、プロダクトアウト:企業側の売りたい都合が優先されてしまいます。この辺りの意識改革のヒントをお願いします
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A.マーケティング界隈にいる我々がよく使うワードに「WIIFM(What’s in it for me?)」というものがあり、変化をもたらす相手が何を求めているかしっかりと目的を見極めることが重要。方法は大きくわけて2つあり、1つ目は例を示すこと。
顧客中心というよりはストーリーテリング中心にしてどれだけ利益をもたらしたか例示する。2つ目はシフトすることにより得られるメリット(マーケティングの対象を変更するなど)、特に経営層が関心を持ちそうなROIなどのテーマにおいて彼らが分かる言葉で説明するのが大切になってくると思います。
Q.BtoBのカスタマージャーニー構築のコツがあれば伺いたい。
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A.カスタマージャーニーを作るうえでフォーカスできるポイントがたくさん出てくると思うが、その中で顧客との対話を重ねて見えてきた全体に最もインパクトをもたらす部分を選択して取り組んでいくのが良いのではないでしょうか。
Q.ストーリーテリングの効果、よくわかりました。一方で、ブランディングにおいて効果が見えるまでに少し時間がかかることもあると思います。タッカーさんなら短期間の利益・効果を求める会社や上司に対して、どのように説得や話をされますか?
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A.仰る通り非常に難しく、マーケターによくある課題だと思います。ここでも仮定を作って長期的な利益をどれだけ持てるか数字を伴うロジックをもってしっかり説明していくのがいいのではないでしょうか。
短期的なゴールを達成したいという上司の気持ちも理解できますが、この変更を行わなければ実現できないことがどれだけあるかをリサーチに基づいて具体的に示すことが重要になってくる。
Q.当社は某CVS専用ベンダーとして中食原材料卸を生業としておりますが、原材料視点での商品提案を求められています。
しかしながら、営業マンはメーカーとCVSの調整業務体質から脱却できず、商品開発提案(自ら考える)の思考転換が進んでいません。
社員の意識改革にストーリーテリングを活用するにはどのような点に注意すればよろしいでしょうか?
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A.意識改革についても「ビジネスにとってどんな価値があるのか」という観点からストーリーを作るのが良いのではないでしょうか。「原材料のストーリーを示すことで消費者にどのようなメリットがあるか」「ポテンシャルのマーケットがあるのか」を提示するのです。 フレームワークでコンテキスト=商品を売りたい、ゴールが原材料を見せて顧客を満足させる、その2つをつなげるために何をすればいいのかを埋めてストーリーを作っていくのがいいのではないでしょうか。
Q.素晴らしい講演、ありがとうございます。大変勉強になりました。
よいブランドを作成した後、認知度を広めるには、どうしても時間がかかると思いますがコツコツ、ストーリーを構築するのが遠いようで近道でしょうか。
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A.できるだけ大局的にとらえることが大事です。例えば認知を高めるためにYouTubeを使うことを考えることが多いがその次のステップも見据えて考える(Google検索の行動を見据えるなど)ことが重要になってくると思います。短期的かつ限定的に考えるのではなく、広く捉えること。
Q.ユーザーの弱点とモチベーションを知ることが大切とおっしゃっておりましたが、弱点というのはどういったポイントを押さえればよいのでしょうか?
感情が動かされやすいポイントというイメージでしょうか?
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A.弱点というのは、ユーザーの1日のうちしんどい、つらいと思うところを特定するという意味です。
例えば建設業で働いている30,40代の男性を想定すると精神的には満たされているが身体的には疲れや痛みを抱えていることが多い。精力的に活動しつつ身体的な健康を保つというのが重要な視点になってくる。そこで彼の身体的なペインポイントを自社サービスで解決・緩和できるのはどの部分になるかを考えていく。今は1日の例で見たが1年や1週間など長さはもっと変わってくる。自社サービスがどういった価値を提供して顧客のどういったシーンのペインポイントを解消できるかからストーリーを考えていくのが良いでしょう。
Q.長い内容をTheme(一言)にまとめるコツってありますでしょうか?
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A.いくつかテーマがある中で共通する/共有される価値観を探してピックアップし、それ以外のものを切り離すという作業を繰り返すことが重要になってきます。
(ご相談があれば是非タッカーさんのLinkedInまでご連絡ください。)
Q.ファネルの下層にいるオーディエンスは商品や企業のストーリーを聞きたいと思っていると思いますが、上層の購買に遠い人たちにもストーリーを届けたり、聞いてもらうにはどうしたら良いでしょうか?
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A.もちろん可能で購買層が瞬時に変わることも考えられます。例えばP&Gはオリンピックに家族にフォーカスした泣けるCMをたくさん流します。
いますぐ客でなくても将来的に買ってくれる層を増やすためにブランドの目指すところをストーリーに反映させてプロモーションを打っています。
Q.BtoBのセールスでは、プレゼンテーションを聞く人と決裁をする人が異なり、ニーズも異なってくるケースも発生しています。
ストーリーを構成する際、どのようなターゲットを意識してストーリーを構成していますか?
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A.このような場合には、「ゴール」を徹底的に理解することが重要です。
そうすれば、目標に向かって進むためにストーリーに賛同してもらう必要があるのは主に「意思決定者」であり、そのためにストーリーは彼らを第一に考えて作られるべきだということが理解できるでしょう。
理想的には、オーディエンスが無視されたと感じないように、オーディエンスのニーズを認める視点をストーリーテリングに盛り込み、全体的にポジティブな印象を持ってもらうことだが、意思決定者は他の誰よりも共感することを目指すべきステークホルダーである。
Q.BtoB企業に対するストーリーを考える場合、ターゲット法人との関係性のみをストーリー化するのがベストでしょうか?
法人側の先にいる個人についての関係性も、ストーリーを作る際に考えておくべきでしょうか?
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A.マーケティング事業会社に勤めているなどのケースを除いて、BtoB企業に対するストーリーだけをダイレクトに考えるのが重要になってくると思います。
Q.ストーリーテリングに続いて、最近では「ナラティブ」がバズワードになっていると感じています。Tuckerさんは、ストーリーテリングとナラティブはどのように使い分けるのが効果的だと考えていらっしゃいますか。
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A.ナラティブ:消費者に商品をアピールするために使用する、商品に関する重要なキーコンセプトまたはセールスポイント。
商品ナラティブは、商品がユーザーに対して約束する2~3つのポイント、またユーザーが抱えていることがわかっているニーズ/課題に関連している必要がある。
ストーリーテリング:商品がこれらのキーポイントをどのように実現するかを示す事例(ユースケース)または例え。このウェビナーで取り上げられている3つの方法でストーリーテリングを効果的に使用できる。
Q.自動車のような高額商材のBtoCで、ストーリーテリングを用いるときの最も注意すべき点や、考慮すべき点はありますか?
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A.あなたの取り扱っている商品が高級品または車や宝飾品のような大きな買い物である場合、伝えるストーリーの種類をより自由に、ロマンティックに、壮大に、抽象的にすることができる。そして、あなたが話すストーリーをより抽象化することさえできる。なぜなら、製品について共有する最初のストーリーを顧客が見たときに、その場ですぐに購入することはないからです。
シンプルにあなたは、顧客の意識を、「商品を購入する」という方向に”より近く”に移動させたいだけなのである。
あなたの製品とお客様が望む感情との間に強い関連性を築き、数年後にお客様がようやく購入の準備ができたときに、あなたの製品がお客様のニーズを満たしていると信頼してもらえるようにすることを目指すべきだと考えます。
Q.顧客理解に苦節しています。インタビューやアンケートをとった人それぞれで考えていることが違ったりしますが、どれくらいの人数を調査することが効果的でしょうか?
また、顧客の「弱点」や「モチベーション」を効果的に引き出すコツがあれば教えていただけると嬉しいです。
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A.調査対象となるお客様の数が多ければ多いほど、パターンが見えてきます。
十分なサンプル数が得られない場合は、アンケートの質問をより絞り込んだものにしてみましょう。例えば、「製品Xについてどのように感じますか」と尋ねるのではなく、回答の中に出てきた感情的な反応のカテゴリーをすべて取り上げ、それらのカテゴリーを質問のベースにします(例:「製品Xから最も強く連想される感情はどれか、次の感情をランク付けしてください」)。そうすれば、正確な類似性がなくても、お客様の製品に対する感情を大まかに把握することができるようになる。
お客様のペインポイントやモチベーションを引き出すためには、リサーチを通してお客様をよく知ることが一番の近道である。ユーザーグループのペインポイントはそれぞれ異なり、そのユーザーグループは、問題が解決できることに気づかないほど崇高なものであれば、それをペインポイントとして認識していないかもしれない。
そのため、その人の日常生活や週単位の生活、仕事の内容、身体的な健康状態、人間関係や社会生活の状態、経済的な健康状態など、生活に関わる主要な要素をすべて把握する必要がある。これらのカテゴリーの中で、「あなたのXに対する短期的および長期的な目標は何ですか」というようなシンプルで直接的な質問をすることで、洞察を得ることができる。また、さらに質問をすることで、その目標を実現するための障害を発見することができるでしょう。
Q.相手が会社(弊社)や製品、担当者について、既にネガティブな印象を持っている時には、何か対応のコツがありますか?
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A.このようなネガティブな印象を認めるかどうかは慎重に判断する必要がある。なぜなら、そうすることでそのネガティブな印象にさらに注目が集まり、悪化させてしまうことがあるからです。
とはいえ、ネガティブな印象が自分の組織に対する誤解に基づいている場合や、その原因となっているものを改善する能力や意図がある場合には、自分の欠点について透明性を保ち、改善への関心を示すことで、信頼を築き、そのような思い込みを打ち消すことができる。