インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティング(Inbound Marketing)は、広告や積極的な営業に頼らない興味があるユーザーを育成していくマーケティング活動。検索エンジンマーケティングやソーシャル、インサイドセールスなどさまざまな手法があります。SATORIマーケティングブログでは、独自の視点から分かりやすい事例などを紹介していきます。

インバウンド・マーケティングとは、消費者の自発的な行動をターゲットにしたマーケティング手法を意味します。アウトバウンド・マーケティングの対義語であり、一言でいうと「売り込まない」手法全般を指します。こちらでは、SATORIが注目している事例記事をまとめておりますので、ぜひご覧ください。

インバウンド・マーケティングとは?

インバウンド・マーケティングとは、マス広告やDM、テレマーケティングなどを通じて消費者の認知や関心を引きだし、購入などの行動に結びつけていく従来型のアウトバウンド・マーケティングとは対局にあるマーケティング手法を総称したものです。それぞれのマーケティングに用いられる具体的な手法を対比すると、以下のようになります。

アウトバウンド・マーケティング インバウンド・マーケティング
・テレビCM
・新聞・雑誌広告
・DM
・テレマーケティング等
・コンテンツマーケティング
・SEO
・アクティブサポート等

インバウンド・マーケティングが必要となった背景

インバウンド・マーケティングが注目されるようになった背景は、第一に、顧客の行動が変化し、従来型のウェブ広告や検索連動型広告の効果が効きにくくなってきたことが挙げられます。

・77%のウェブ広告は一度も見られることがなく、全てのフォーマット、広告場所を通じて、平均的なウェブ広告をクリックする割合は0.06%である。
・自転車購入時の93%はインターネット検索から始めている。検索で上位に挙がらなければ、リーチは困難であり、SEOの重要性は明らかである。実際に、グーグルのスポンサー広告は80%が無視されており、75%のユーザーは検索結果の2ページ目以降を閲覧したことが一度もない。また、関連するマーケティングメッセージを見つけるために、人々は10秒しか費やさず、すぐに離脱してしまう。

これに対し、インバウンド・マーケティングは低コストで高いコンバージョン率を実現できるといわれており、実際に効果もあがっているようです。

・ハブスポット社の調査によれば、インバウンド・マーケティングを導入している企業の42.2%がリードからのコンバージョン率増加に成功 しており、インバウンド・マーケッターは平均的なコンバーション率を2倍(6%→12%)に引き上げることに成功している
・インバウンド戦略では、従来型の有料マーケティングに比べ54%多くのリードを獲得2できる上、リード獲得コストはアウトバウンドの60%に留まるため、インバウンド・マーケティングへの投資により、平均では年間20,000ドルの節約が期待できる。実際に、多くのマーケッターが、インバウンド・マーケティングの見込み客あたりのコストは、アウトバウンド戦略の半分以下であると公言している。

このように、従来型のマーケティング手法に限界が見えつつあるなか、より高いROIの実現が見込まれるインバウンド・マーケティングは急速に支持を拡げているといえるでしょう。

・インバウンド・マーケティングにより、79%の会社がポジティブなROIを報告2しており、ROI向上の可能性はインバウンド・マーケティングの方が3倍高い。
・インバウンド・マーケッターの数は1年間に60%から85%に増加した。従来型のマーケティング手法に価値を見出している人は徐々に減少している。

インバウンド・マーケティングおすすめの本

インバウンド・マーケティングに取り組むには、まず書籍を通じて基礎的なフレームワークの理解を深めておくことが肝要です。書籍を通じて様々な手法・フレームワークを理解しておくことで、企業事例から様々な応用の可能性を読み取ることができるようになるでしょう。
ここでは、インバウンド・マーケティングの基礎的な考え方や実践の方法について、教科書として使える代表的な本をご紹介します。

インバウンドマーケティング
高広 伯彦(著)

歴史的な経緯を含めて、インバウンド・マーケティングが求められるようになった背景や方法論についての体系だった説明、実践にむけた手順までを網羅的に解説されたものです。筆者の高広氏は、インバウンド・マーケティングの導入支援にも携わっているため、インバウンド・マーケティングに取り組むにあたって必要な実践的な知識を入手する上で、非常に参考になる一冊といえるでしょう。

インバウンド・マーケティング
ブライアン・ハリガン,ダーメッシュ・シャア(著)川北英貴(監修),前田健二(翻訳)

インバウンド・マーケティングを語る上で、外すことができないハブスポット社の共同創業者2人による解説書です。原書は2009年、邦訳版は2011年と少し古いですが、インバウンド・マーケティングの考え方や具体的な方法論を含めた包括的なテキストとして非常に完成度の高い本となっています。最新事例はWeb検索などでも入手可能ですが、企業事例を正確に理解し、実践につなげていく上で、必読の書といえます。

手法を学ぶなら成功事例から

インバウンド・マーケティングの具体的な手法を学び、実践につなげていく上では、できるだけ多くの成功事例に触れることが肝要です。国内でも、インバウンド・マーケティングを導入し、成果につなげている会社も増えてきました。ですが、海外の方がインバウンド・マーケティングへの取り組みは先行しており、優秀な事例も多く、大きな成果につなげる会社も多くなっています。これら国内・海外の成功事例は関連記事でもご紹介していますので、ぜひお読みください。

執筆者情報
名前 井上 智紀(いのうえともき)
所属企業 ニッセイ基礎研究所
プロフィール 生活研究部 准主任研究員

・1995年:財団法人生命保険文化センター 入社
・2003年:筑波大学大学院ビジネス科学研究科経営システム科学専攻修了(経営学)
・2004年:株式会社ニッセイ基礎研究所社会研究部門 入社
・2006年~:同 生活研究部門
・東洋大学経営学部(2006年度~)非常勤講師
・山梨大学生命環境学部(2010年~)非常勤講師

所属学会
・日本マーケティング・サイエンス学会
・日本消費者行動研究学会
・日本ダイレクトマーケティング学会
・生活経済学会
・日本保険学会
・生命保険経営学会
・ビジネスモデル学会