【対談】前編:マーケティングオートメーションとは

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SATORI開発の裏話や活用アイデアをスタッフが語り合う、対談記事がスタート! 第一回のお題は「マーケティングオートメーションとは?」。さまざまな切り口から、マーケティングオートメーションの「過去・現在・未来」が浮き彫りになりました。SATORIは他のマーケティングオートメーションと何が違うの?今後の展望は? といったところにも是非ご注目ください。(続編の記事はこちら。第二回「マーケティングオートメーションのメリット・デメリット」第三回「マーケティングオートメーションの失敗事例」)

対談参加メンバー

  • SATORI株式会社
    Co-Founder 代表取締役
    植山浩介
  • SATORI株式会社
    Co-Founder 取締役
    太田祐一
  • SATORI株式会社
    プロダクト事業部
    データストラテジスト
    室園拓哉

マーケティングオートメーションの過去・現在・未来

植山

今日の対談は、マーケティングオートメーションの開発に携わるSATORIスタッフが、自身の言葉で熱くお伝えするという、そんな趣旨でお送りします。
私、代表取締役の植山と、取締役兼プロダクト責任者の太田、顧客サポート責任者の室園の3人ですすめていきますので、よろしくお願いします。

マーケティングオートメーションとは - 対談第一回のお題は「マーケティングオートメーションとは?」です。
一言では難しいのですが、簡単に言うとマーケティングオートメーションとは、「買い手主導の時代に、非対面でコミュニケーションし、見込み客を獲得すること」です。買い手は、売り手に対面で会う前に、購買プロセスの57%を終えている※1上に、コミュニケーションの85%がオンライン化される※2という数字がありますので、いかに買い手と非対面でコミュニケーションするかが課題であり、マーケティングオートメーションはその解決策というわけです。

  • 1 CEB, MLC Customer Purchase Research Survey, 2011
  • 2 Gartner Predicts, Gartner Customer 360 Summit 2011
植山

マーケティングオートメーションの歴史はもうすぐ20年になります。
1999年に世界で初めてマーケティングオートメーションを発明したのは、Eloquaという会社です。2012年にOracleに買収されるわけですが、当時の役割は大企業のマーケティング業務の効率化であり、主な機能はマーケティングプロセス管理やSFA連携であり、買い手向けの施策と言えばメール配信が中心でした。

MA対談1 - 植山1それを第一世代と呼ぶならば、2006年位に、HubSpotやMarketoが中小企業向けに実現した、ウェブからのリード創出、リード管理をするという世界観が第二世代だと思っています。Webサイトやソーシャルメディアといったオンラインによるマーケティングを重視する製品で、そこが第一世代との大きな違いになりました。

2014年に「マーケティングオートメーション」という言葉が米国から輸入され、Marketo、Eloqua、Pardotなどが国内で立ち上がっています。我々SATORIも2014年秋から彼らの肩を借りて、「国産マーケティングオートメーション」としてしのぎを削っています。

我々が彼らと比べて特徴的なのが、リード創出(リードジェネレーション)の機能が豊富なところです。いずれのツールもリード創出の機能は弱く、リード創出後の顧客群(個人情報やメールアドレスを開示してくれた顧客達)に対して、メールや電話等の非対面でのコミュニケーションを行うことに特化しています。我々はリード創出自体を目的として、個人情報開示前のアンノウンユーザーに対してアプローチすることができる唯一のマーケティングオートメーションです。
satori_feature 具体的にはアンノウンユーザーの購買意欲に応じて、Web広告(アドネットワーク)、ライブチャット、ポップアップなどで直接メッセージを送ることができます。これによって、アンノウンユーザーに、自社サイト外でもコミュニケーションすることができ、お問合せを促進することができます。ある意味でマーケティングオートメーションの前工程とも言えると思います。

SATORIはマーケティングオートメーションの前工程をアンノウンマーケティングと呼んでいて、それに対応したツールを第三世代と言っています。要は圧倒的なリードジェネレーションを実現できるマーケティングオートメーションというわけです。

  • *リードジェネレーション:マーケティング活動において、見込み顧客(リー ド)を獲得すること。リードナーチャリング(育成)の前段階。
  • *アンノウンユーザー:資料請求や問い合わせ前の、個人情報を開示する前の、 匿名ウェブ顧客のこと

サイト訪問者の「9割」は個人情報が分からない

太田

マーケティングオートメーションと一緒に、マーケッターの役割も変わってきていますよね。
SATORIの管理画面で、サイト訪問者の個人情報がどれだけ分かっているかというグラフが出せますが、それを見るとSATORI導入企業様のウェブサイト訪問者の「9割以上」は、個人情報もメールアドレスも分からないんです。

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でもBtoB企業のマーケッターはこれまで、個人情報が分かる「1割」をいかにリードナーチャリングするかということを頑張ってきました。だから展示会に出て幅広く名刺を集め、メールでナーチャリングするのが普通だった。でも本当は個人情報が分かっていない「9割」のほうが何かしら意識的にサイトを訪問しているので、彼らに向けてメッセージを打ったほうが絶対効率がいいわけです。MA対談1 - 太田1
だからこれからのマーケッターは、非対面の段階からアプローチすること、リードナーチャリングとその前のリードジェネレーションですね。そこをちゃんと考えないといけません。

SATORIは、そこにフォーカスを当てたマーケティングオートメーションと言えます。リードジェネレーションからちゃんと考えるマーケッターにはマッチするし、従来のマーケティングオートメーションよりも購買意欲の高い顧客に確実にアプローチできるのではないかなと思います。

  • リードナーチャリング:リード(見込み顧客)を育成する過程や手法のこと 。リードナーチャリングとも言う。
植山

第三世代に位置付けられるマーケティングオートメーションが今、どのくらいあるかというと、あまり聞きません。BtoC向けでは、CCCMが概念としては似ているかもしれません。これからは、お客さんが見えないうちから手を打ちましょう、10倍以上の母集団にアプローチしましょう、そういう流れにに必ずなると思います。

  • CCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント):BtoC向けのマーケ ティングオートメーションとも言われ、One-to- Oneのコミュニケーションを 、Web広告、メールや電話、DMやSNSのダイレクトメッセージといったチャネル を横断して自動的に行う仕組み。

リードジェネレーションをサポートする機能とは…

太田

SATORIの開発にあたっては、リードジェネレーションのところからサポートできる機能を厚めにしたいというのがありました。今はデジタルの時代なので、Web上で接触したアンノウンユーザーの時点からその人のナーチャリングが始まるけれど、そこをサポートする機能は今までのマーケティングオートメーションにはなかった。なぜなら第二世代までは、個人情報を獲得したあとに、いかにリードをHotにしていくかということに主眼が置かれていたからです。
そこで、SATORIではアンノウンユーザーへのアプローチ、具体的にはWeb広告によるアプローチに力を入れました。

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MA対談1 - 太田2もともとWeb広告はBtoCが得意で、クリックするとランディングページに飛んで、ECサイトならそこで商品が購入されてコンバージョンする、という集客メインのものでした。でもBtoBでは、自社サイトに来た人はその時点で会社のことを認知しているし、お問合せや商談化まで半年〜1年はかかるので、追跡型のリタゲーゲティング広告が主なアプローチとなります。その長期的な施策を効果的に行えるように、SATORIにはアンノウンユーザーを蓄積するプライベートDMPを内蔵して、広告機能を充実させています。

  • プライベートDMP(Data Management Platform):社内外の多様なデータを一 元管理・分析するためのプラットフォーム。SATORIにはプライベートDMPが内 蔵されているるので、外部サイトのユーザーデータを自社の顧客データなどと 組み合わせて自在に活用することができる。

BtoBに有効なWeb広告枠/外部データの使い方とは

太田

Web広告周りは引き続きこだわっていて、究極的には「外部メディアを自社のオウンドメディアの一部として使っていく」ことを実現したいと考えています。
それには2つの意味があります。

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1つ目は外部メディアのユーザーデータを売買することで、自社のオウンドメディアに訪問したことがないユーザーに対しても、アプローチすることができるということです。BtoCではユーザーデータの売買市場は徐々にでき始めていますが、BtoBではこのような事例はほとんど聞きません。具体的には、例えば当社の場合だと「マーケティングオートメーション」という製品なので、マーケティングオートメーションに関する「比較サイト」「まとめサイト」「資料請求サイト」などから、アンノウンユーザーを購入してくることができます。このユーザーに対してWeb広告によってアプローチが可能です。外部メディアを活用できれば、必ずしも自社メディアと接点がある必要はありません。

MA対談1 - 太田32つ目はその広告でのアプローチ方法で、イメージとしてはインバナーサーベイが近いです。インバナーサーベイはWeb広告枠にアンケートを表示して回答を入力させるものですが、Web広告枠の中に個人情報を入力してもらったり、ダウンロードできる資料を直接置いたりするんです。例えば、僕がマーケティングオートメーションに興味があって、比較サイト上でどういうサービスがあるのかな? とちょっと見たとします。で、離脱して違うメディアを見ていると、Web広告枠に「あなたが興味を持ちそうな資料がここでダウンロードできますよ」と現れる。そうすれば単純にダウンロードされると思っていて、BtoBにおける資料請求のハードルは下がる、という感じですね。

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他のマーケティングオートメーションでも広告連携という話は出て来ていますが、基本的にはリード管理されている(個人情報が分かっている)顧客へのアプローチであり、SATORIが目指している広告機能はその一歩先、「問合せ前のアンノウンユーザーに、オウンドメディアで訴求するような感覚で、外部メディアでもコンテンツを提示できる」という世界観です。

  • インバナーサーベイ:BtoC分野では、ブランドの動画広告を打つ前にまずイ ンバナーサーベイで認知度を調べ、広告後にもう一度実施して、認知度の向上 度合いをみ見るという使い方がされています。

アンノウンユーザへの他のアプローチ方法は?今後のBtoBメディアは?

植山

リードジェネレーション段階では、Web広告の他にも、自社サイトを再訪してもらったときにチャットで話しかけたり、特別なポップアップやバナーでコンテンツ訴求する方法があります。例えば我々だと、比較サイトを見ていたユーザーが自社サイトにランディングしたら、チャットで話しかける試みをしています。

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比較サイトを見て検討していたことは分かるから、その人だけにチャットツールを出すと効果が高く、すでに100件のアウトバウンドチャットに対して、3件コンバージョン、1件受注を実現しています

室園

僕が担当している不動産系のクライアントA社は、他社が運営するマンション系ポータルサイトからユーザーデータ(アンノウンユーザー)を購入することで、顧客へのアプローチを最適化しています。BtoCの事例ですが、外部にあるデータを基にした最適化という意味で、同じようなことをBtoBの現場でもやろうとしているところです。世の中に、比較系や口コミ系のコンテンツはたくさんあるので、そこに対して網をはっていくことになりますね。

太田

IT系とか業界特化型のメディアに計測タグを貼ってもらって、取得したアンノウンユーザーをクライアントに販売していくようなメニューが作れたら…ということですね。先ほどもありましたが、BtoC向けのメディアでは、2013年くらいからDMPを使って「純広×データ」の販売を実現していますが、その手法が全てのメディアに浸透しているかと言うと、そうでもないです。

僕らとしてはメディアに働きかけつつデータも買って、それを業界内で販売していく。データの販売代理店プラス、その後のアクションもまかせられるSATORI、という姿がいいのかなと思っています。

植山

話は少し変わりますが、今BtoBメディアってビジネスモデルが変わりつつあると思うんです。メディアで資料請求してくれた顧客情報をクライアント企業に送客して終わり、メディア上で純広告をクリックしてクライアント企業に送客して終わり、というこれまでのメディア事業では限界がきている。どこのメディアも成約につながるリード創出の支援ができていない。今伸びているメディアはシームレスにリードジェネレーションからナーチャリングまで考えているところです。場合によっては商談、成約まで支援しようっていうベンチャー企業もちょいちょい出てきています。MA対談1 - 植山2

マーケティングオートメーションを使う企業が増えると、リード創出に対する費用対効果がどんどん見えてくるので、BtoBメディアはこれまでのやり方だけでは簡単には利用されなくなってくると思います。

MAの名にふさわしい自動化に向けて

植山

では最後に、マーケティングオートメーション全体としてはこれからどうなるか、展望について各々コメントしてみます。

マーケティングオートメーションとは、基本的には「自社内外のデータを集めて、効果を可視化して、しかるべきところに施策を打ちましょう」というものです。その施策を打つところも自動化します、というのがSATORIの最終的な狙いです。

太田

僕もマーケティングオートメーションという文字をそのまま捉えていて、もっと自動化する必要があるなと思っています。オートメーションという名前なのに、全てのシナリオはマーケッターが自分で考えなきゃいけなくて、そのへんがめちゃくちゃ大変なので…。

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データについては、名刺情報も、サイトのアクセス履歴も、外部メディアでの動きも全て取れているのだから、それを基に、どういう人にどのコンテンツをどういったチャネルでいつ見せればいいのか、マーケティングオートメーションが自動的に判断することが理想です。マーケッターはサイトにタグを貼って、作ったコンテンツをアップロードするだけで、あとは広告やらメールやらがワーッと始まって、リードを創出して育成してくれる。そして営業に渡すときも、この人に今電話しましょうとかアポ取りましょうとか、そこまで運用をしてくれる。そんなAIみたいなものになったら、これまでのマーケティング業務の多くは不要になるし、また世界観が変わってくるのかなと思います。

マーケッターは、もうちょっと複雑なブランディング、コンセプトメイキング、メッセージングといった理念的、戦略的な部分で必要とされるはずです。そこは人間が考えて、パラメーターを調整していくことで思った通りに自動化されていくという。そこまで実現できて初めて「マーケティングオートメーションができたな」という風に思えるのではないでしょうか。

室園

僕はまだ、マーケティングオートメーション自体がきちんと理解されていないと思います。海外産のブランドが色々日本に入って来たけど、すごくいい事例がたくさんあるかっていったらないじゃないですか。まだ探っているんですよね、各社さん。そして僕らは僕らで、目指すところに到達するには周辺のパーツがまだまだ足りないと思っている。ただ、前出の不動産系クライアントA社では、外部のユーザーデータを活用してリードジェネレーションのコストを半分に下げることができたり、我々も外部のデータを活用して、インサイドセールスによるアポ率を80%まで上げることができたり、ソーシャルメディアデータもからめてCVRを20倍にしたり出来ています。外部データを積極的に活用することで、リード創出、リード育成など、一つ一つの施策に圧倒的な成果を出すことができています。
satori_optimization MA対談1 - 室園3

最終的には全体最適化を目指すべきだと思いますが、まずは僕は「自社内外のあらゆるデータを徹底的に”ニッチ”に活かす」、つまり広告効果をあげる、テレアポ率をあげる、チャットで成約につなげるといった一つ一つのニッチな施策での利活用を、SATORIを使ってやっていきたいですし、この方向性はマーケティングオートメーション全体で見ても、淘汰されない力強さがあるのではと思います。


以上、第一回「マーケティングオートメーションとは?」をお送りしました。次回のテーマは「マーケティングオートメーションのメリット・デメリット」を予定しています。

対談参加メンバーのプロフィール

  • SATORI株式会社
    Co-Founder 代表取締役
    植山浩介

    デジタルマーケティング業界にて20年に渡り、エンジニアリング・マーケティング・会社経営に従事。2015年9月より 「全ての組織にマーケティング活動を根付かせる」ことをビジョンとしたSATORIを設立。代表取締役としてマーケティング業務を担当している。

  • SATORI株式会社
    Co-Founder 取締役
    太田祐一

    筑波大学、マネックス証券、独立起業を経て、株式会社アドクラウドにて、日本初のDMPのサービスをローンチ。2015年9月SATORI株式会社を設立。プロダクト責任者としてサービス設計から開発運用まで指揮を執る。

  • SATORI株式会社
    プロダクト事業部
    データストラテジスト
    室園拓哉

    サイバーエリアリサーチ株式会社において、8年間サービス開発およびセールスマネージャーを経験。技術的な知識と、多様なお客様の業界経験から、SATORIではお客様サポート責任者として全顧客サポートの指揮を執る。人を大切に、即時課題解決することをモットーに邁進している。

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