マーケティングオートメーション SATORI

無料で始められるマーケティングオートメーション 「Mautic」徹底解説

このエントリーをはてなブックマークに追加


img2_13_01

この記事では、PHPで開発されたパッケージ型の無料マーケティングオートメーション「Mautic」の機能、インストール方法、使い方から運用までを解説します。

無料マーケティングオートメーション「Mautic」の機能

2015年はマーケティングオートメーション(MA)元年といわれ、日本国内でも多くの企業でMAツールの導入が進みました。MAに用いるあらゆるツールを備えた高機能なMAツールは、一般に導入費用も高額ですが、そんな中、無償で使えるオープンソースのMAツールも登場し始めています。

今回ご紹介するMauticも、そうしたオープンソースのMAツールの一つ。無料のツールでありながら、商用のMAツールに引けを取らない多彩な機能が搭載され、MA導入を考える企業の注目を集めつつあるようです。

Mauticには、次のような機能が搭載されています。

リードの管理と行動トラッキング

匿名ユーザーおよび既訪問者、これら双方のリードを管理し、Webサイト上などでの行動をトラッキングすることが可能です。

マーケティングキャンペーン管理

リード育成のためのシナリオを作成して、マーケティングキャンペーンを設定することができます。また、キャンペーンの実施状況をモニタリングし、グラフィカルで分かりやすいレポートとして表示させることも可能です。

ソーシャルメディア統合

FacebookやTwitter、Instagram、Google+など、連携用APIを提供しているSNSと簡単に連携させ、リードに対して情報配信を行ったり、ソーシャルメディア上でのリードの反応をモニタリングしたりすることができます。

フォームの設置

専用のタグを利用して、資料請求や問い合わせなどを受け付けるためのフォームをWebサイトに設置し、Mauticと連携させることができます。

メール連携

外部のメールサービスなどをMauticと連携させることで、メールを受け取ったリードのアクションをトラッキングすることができます。たとえば、メールの開封率やメール内リンクのクリック率などを計測可能です。

このほかにも、ランディングページの管理、複数リソース情報の統合管理など、豊富な機能がMauticには備わっています。

SATORI/Mautic機能比較表


img2_13_02
※図をクリックすると拡大されます

このように、マーケティングオートメーションに必要な機能をほぼ網羅しているのが、Mauticの特徴です。これらの機能を無料で利用することができます。低コスト・スモールスタートでMAツールの導入を検討したい企業にとって、Mauticは有力な選択肢の一つとなり得るのではないでしょうか。

「Mautic」を使ってみよう

では、Mauticの導入を検討されている方に向けて、インストール方法と使い方を簡単にご紹介していきます。

推奨環境

Mauticを動作させるためには、ApacheなどのWebサーバ、PHP(※1)、MySQLなどのデータベースが必要です。また、一定時間ごとに自動でバッチプログラムを動作させる機能のため、cronというソフトウェアが必要です。

必要なソフトウェアがセットアップされていれば、AWSなどのクラウドにも社内のサーバマシン上にも、インストールが可能です。

(※1)Mauticのバージョンにより利用できるPHPのバージョンが異なりますので、事前に確認するようにしてください。

インストール手順

Mauticのインストール用ファイルは、配布サイトからダウンロードできます。
インストーラーは無料でダウンロードできますが、ダウンロード時に氏名、会社名、メールアドレスの入力が必要です。

インストールの詳しい手順については、Mauticのドキュメントに詳しく解説されていますので、こちらを参照してください。

Mauticインストール作業の難易度はさほど高くありません。Webサーバに適切にファイルをアップロードすることができれば、あとはインストーラーの指示に従うだけで簡単にセットアップが行えます。
自前で環境を用意してセットアップするのが難しい場合は、Mautic.comが提供する、無料のクラウドホスティングを利用するのもおすすめです。

Mautic.comを利用すれば、数分でアカウントが開設でき、基本的なセットアップもすべて完了した状態で、すぐにMauticを使うことができます。

「Mautic」で始めるマーケティングオートメーション

Mauticのセットアップが完了したら、いよいよマーケティングオートメーションに着手することができます。

セットアップしたMauticの管理画面にログインすると、リード管理やキャンペーン管理、コンポーネント管理やレポーティングなど、様々な機能へのメニューリンクが表示されます。これらのリンクから各機能にアクセスすることができます。

では、Mauticの主なツールの使い方を簡単にご紹介します。

リードの情報を登録する

マーケティングオートメーションとは、見込み顧客を育成して営業部門に手渡すまでの一連の活動です。従って、まずはリード情報を集めないことには話が始まりません。
既に社内のCRMなどで管理されているハウスリストがあれば、まずはそれをMauticにインポートしましょう。ハウスリストが管理されていない場合は、営業担当者の引き出しに眠っている名刺を整理するなどして、リード情報を収集してみましょう。

収集したリード情報は、Mauticの管理画面から簡単に登録可能です。ダッシュボードのメニューから「Contact」→「New」ボタンとクリックし、必要な情報を登録します。
既に大量のリードリストが準備できている場合は、「New」ボタン右側の▼をクリックし、「Import」から一括取込みをすることも可能です。


img2_13_03

インポートするファイルはCSV形式で作成します。ファイル内の情報とMautic上での管理項目とのマッチングは、インポートツール上で簡単に設定できます。

セグメント機能を利用する

Mauticのセグメント機能を使うと、登録したリードを属性や行動履歴によってセグメントに分割・管理することができます。セグメント機能には、メニューから「Segments」をクリックしてアクセスします。


img2_13_04

スコアリング(ポイント)機能を利用する

マーケティングオートメーションでは、リードや案件の成熟度を「スコア」と呼び、リードの行動から成熟度を推し量ることを「スコアリング」と呼びますが、Mauticではこの概念を「ポイント」と呼びます。

ポイント機能には、メニューから「Point」→「Manage Action」をクリックしてアクセスできます。


img2_13_05

資料をダウンロードしたらプラス5ポイント、メールを開いたらプラス1ポイント、というように、ユーザーの行動に応じたポイントを設定することができます。

また、Managet Triggerという機能を使うと、指定したポイントに到達したユーザーに目印をつけて、リスト上で目立たせたり、文字通りそれをトリガーとしてメール送信などのイベントを実行させたりすることも可能です。

MAプロジェクトを成功させるためには…

以上、昨今話題のオープンソースのMAツール「Mautic」について、簡単にご紹介しました。

ざっとご覧いただいた通り、無料で使えるにもかかわらず、有償ツールにも引けを取らない多彩な機能が搭載されています。Mauticさえあれば、高額なMAツールを使う必要はない…という気もしてきますね。

もちろん、貴社の目的や状況によっては、Mautic一つでマーケティングオートメーションに着手し、それなりの成果を上げていくことも可能です。ただ、多機能で優秀なツールであるとはいっても、Mauticにも不得意な分野は存在します。たとえば、マーケティングオートメーションの一環として広告配信を自動化・最適化したい、とお考えの場合、Mauticは最適なツールとはいえません。
MAツールは、一度導入したら長く利用するものであるだけに、導入に当たっては事前に念入りな情報収集をし、自社の目的や状況にマッチしたものを選ぶことが大切です。

なお、クラウドホスティング版のMauticを使用する場合、無料版ではリードを2,500件までしか登録できません。
オンプレミスでの利用が難しい場合は、まずは手軽なクラウドホスティングの無料版からスタートし、リード数が増えてきたところで有償版に乗り換える、というのも一つの方法です。

SATORIが主催する「マーケティングオートメーション紹介セミナー」では、マーケティングオートメーションの概要説明や、マーケティングオートメーション導入を成功させるための、プロジェクト進行のコツなどをご紹介しています。それとともに、本記事でご紹介したMauticとSATORIの違いについてもお話しています。
マーケティングオートメーションの導入に関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にご参加ください。

このエントリーをはてなブックマークに追加

マーケティングオートメーションを強化したいなら“SATORI”を

マーケティングオートメーション - その他の記事

お客様の成果に真摯に向き合うことがMAベンダーSATORIの挑戦 ~ B2Bハックカードとチャレンジャーセールスモデルに触れてみて~

SATORI(そして多くのMAベンダー)は、自社が得意なターゲット分野(業界/ビジネスモデル/業態など)を明確に定めることで、お客様の成果に真摯に向き合うべきだと思う。その分野については、業界についてのビジョン、企業が解決すべき潜在ニーズ、具体的なソリューションまで、お客様と作り上げ、提示する。そうしてお客様の成果につなげることでしか業績向上はもちろんのこと生き残ることすらできないと思う。

リードスコアリング失敗事例・成功事例~マーケティングオートメーションを成功させる「今すぐ客」のあぶり出し方~

マーケティングオートメーションをフル活用するSATORIが全て解説します。自社のリードの中から、購買意欲の高い顧客をあぶりだす「リードスコアリング」についての考え方から具体的な事例まで、「スコアリングの設計が分からない」「スコアリングが上手くいかない」と考えているマーケティング担当者には参考にして頂けるノウハウをご紹介しています。

「そのうち客」という考え方〜休眠・低スコア顧客とどう向き合うのか 。マーケティングオートメーションを成功させる秘訣

「そのうち客」とどのように向き合うのか。休眠・低スコア顧客と積極的にコミュニケーションを行うSATORIが全て解説します。目的から企画・実施まで。 「そのうち客」と呼ばれる休眠・低スコア顧客と積極的にコミュニケーションを…続きを読む

展示会、セミナーによる成果を倍増させる「共同マーケティング(co-marketing)」のススメ

直近1年で共同セミナー、共同出展、共同コンテンツ作成など30回以上を実施した実績のあるSATORIが、企業のマーケティング担当者に向けて「共同マーケティング」を成功させるためのポイントを解説します。特に、「自社だけで展示会、セミナー、コンテンツ作成などのマーケティング活動を続けるのは、アイディアにも予算にも人員にも限界がある」と考えている方には参考にして頂けるノウハウを記載しています。

【シリーズ3】セミナーの実施&アフターフォロー編(当日運営、アンケート、ウェブ更新)〜セミナー実績150回越えのSATORIが全て解説!〜

従来の営業手法では顧客の興味を引くのが難しい、もっと確度の高い見込み顧客と出会いたい、といったときに有効なのが「セミナー開催による顧客育成と商談化」です。直近1年で無料セミナーを150回以上実施し、2,000人以上を集客した実績を持つSATORIが、企業のマーケティング担当者に向けて、セミナー開催を成功させるためのポイントを解説します。特に、比較的高額で検討期間が長い商品や、競合との違いを説明するのが難しい商品を取り扱う皆様には、参考にしていただけるノウハウが満載です。

【シリーズ2】セミナーへの集客編(ターゲット設定、露出方法、LP、リマインドメール)〜セミナー実績150回越えのSATORIが全て解説!〜

従来の営業手法では顧客の興味を引くのが難しい、もっと確度の高い見込み顧客と出会いたい、といったときに有効なのが「セミナー開催による顧客育成と商談化」です。直近1年で無料セミナーを150回以上実施し、2,000人以上を集客した実績を持つSATORIが、企業のマーケティング担当者に向けて、セミナー開催を成功させるためのポイントを解説します。特に、比較的高額で検討期間が長い商品や、競合との違いを説明するのが難しい商品を取り扱う皆様には、参考にしていただけるノウハウが満載です。

【シリーズ1】セミナーの企画編(セミナーの位置づけ、目標設定、ストーリーの作り方)〜セミナー実績150回越えのSATORIが全て解説!

従来の営業手法では顧客の興味を引くのが難しい、もっと確度の高い見込み顧客と出会いたい、といったときに有効なのが「セミナー開催による顧客育成と商談化」です。直近1年で無料セミナーを150回以上実施し、2,000人以上を集客した実績を持つSATORIが、企業のマーケティング担当者に向けて、セミナー開催を成功させるためのポイントを解説します。特に、比較的高額で検討期間が長い商品や、競合との違いを説明するのが難しい商品を取り扱う皆様には、参考にしていただけるノウハウが満載です。

「SATORI」に興味津々! 日本発のマーケティングオートメーション「SATORI」セミナーに初参加してみました。

SATORI株式会社が毎週開催している「マーケティングオートメーション紹介セミナー」。MA初心者の方は、参加しても良いものなのか、参加するとどんなことが知れるのか、もう少し初心者目線で知りたいとお考えかもしれません。そんな方のお声にお応えし、MA初心者のライターさんに、当セミナーの体験をしていただきました。

SATORIを使ってターゲティングメールを行う~設定方法・事例~

マーケティングオートメーションSATORIを使って効率よくお客様にアプローチする方法として「ターゲティングメール」があります。顧客データを属性や興味関心、過去行動履歴などの情報を活用して分類(セグメンテーション)して、より効果の高いメール配信を実施するまでの一連の流れを分かりやすく説明していきます。

【2017年最新版】 マーケティングオートメーションツール 7社比較<目的別>

2016年8月現在、国内で選択可能なマーケティングオートメーションツール7社を、目的別に比較しました。MAで「集客」=リードを増やしたいのか、「育成」=成約に近づけたいのか、それによって選ぶべきツールは変わってきます。目的で選ぶポイント、機能比較を分かりやすくまとめました。

【対談】ファッション業界現場からみたマーケティングオートメーションの可能性

大手アパレルでの接客経験などをもとに、ファッション業界におけるオムニチャネル化という潮流の先陣を切った 高野 一朗さん。オムニチャネル化によってどんなことが実現できたのか、今後の課題やマーケティングオートメーションの活用アイデアなども含めて語っていただきました。(聴き手:SATORI株式会社)

【対談】前編:マーケティングオートメーションとは

SATORI創業メンバーによる対談記事。 第一回のお題は「マーケティングオートメーションとは?」。さまざまな切り口から、マーケティングオートメーションの「過去・現在・未来」が浮き彫りになりました。SATORIは他のマーケティングオートメーションと何が違うの?今後の展望は? といったところにも是非ご注目ください。

リードナーチャリングとは?注目すべき戦略事例と今すぐ実践できる手法を解説します

リードナーチャリングとは、直訳すると「見込み顧客の育成」になり、主にBtoB(法人向け)営業のプロセスで使われる手法になります。リード=見込み顧客は、名刺を交換しただけ、またはサービスを知っただけの顧客。契約に至るまで、フェーズに合ったコミュニケーションを取ることが大切になります。リードナーチャリングの意味から、戦略までをわかりやすく解説します。

インサイドセールスで営業効率化!売上を10%増やす正しいアプローチ法とは

自社Webサイト、展示会などのイベント、自社セミナーや共催セミナー…など見込み顧客(リード)を獲得する機会は多く存在します。ただ、そこで獲得できたリードからどれくらいの商談が生まれ、成果がでているか、きちんと把握していますか?また、リードのフォローを営業部隊に任せっきりにしてないでしょうか?上記の質問に少しでも「ギクッ」とされたマーケティングや営業企画のご担当は、ぜひ「インサイドセールス」という概念を取り入れた活動をオススメします。獲得したリードを効率的、効果的に商談や成果に結びつけ、営業部隊との連携を高めるインサイドセールスを行うためのアイデアをお届けします。

One to Oneマーケティングの分かりやすい事例と導入しやすい実践法

顧客の趣味趣向や属性、行動履歴をもとにひとりひとりに合わせてマーケティング活動を行うOne to Oneマーケティングでは、ビッグデータ活用・DMPの導入・データ分析技術の革新により、本当の意味での「ひとりひとり」が実現されつつあります。そんな最新事例と、簡単に導入できる手法をまとめてみました。

カテゴリーCategories