【2017年】マーケティング領域におけるAI活用事例とコツ<実践編>

鈴木あゆみ (デジタルマーケティング・コンサルタント)

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マーケティング担当者、あるいはマーケティングマネージャーとしてどのようにAIを活用していくべきか、AI導入にあたり、本当にコストに見合う価値があるのか悩まれている方もいるでしょう。ここでの結論としては、「マーケティング担当者は、業務を自動化することで生産性を上げるべき(コストよりも優先させるべき)」となります。

前回の記事、人工知能(AI)が企業のマーケティング部門にもたらす影響力では、マーケティング部門の業務におけるAI導入の現状について、客観的なデータを用いて解説いたしました。今回は、各担当者レベル、あるいはマネジメントレベルでAIを活用することでどのようなメリットがあるか、またどのような工夫を行うべきか、考えてみたいと思います。

マーケティングマネージャーの業務の15%程度は自動化が可能

McKinsey Global Institute (MGI)の調査によると、マーケティングマネージャーの業務の10%~15%程度は、現在の技術ですぐにでも自動化が可能なものだといいいます。業務を自動化させることによるメリットとして、自動化にかかるコストの3倍~10倍の価値に見合う生産性が期待できるといいます。さらに、以前であれば人員を配置しなくては対応できなかった付加価値の高い業務でさえ、最近は自動化が可能になっていると指摘しています。こうしたことを鑑みて、McKinsey Global Institute (MGI)では、マーケティングマネージャーは業務を自動化させることにより、新規事業の構想や部下の育成、他部署との調整業務、戦略立案など、他の業務に時間を費やすべきだとしています。

McKinsey Global Institute (MGI)による以下のグラフは、職種別に業務自動化が可能な業務割合について示したものです(Harvard Business Reviewより引用)。同社の調査では、完全に自動化が可能である職種は、全職種の5%未満であると言及していますが、一方で、グラフィックデザイナーの業務では全体の10%程度が、マーケティングマネージャーや広告マネージャーの業務では、全体の10%~15%程度が自動化可能であることが分かります。

AI活用により組織全体の見直しも必要とされる時代へ

AI活用について、「マーケティングマネージャー」「グラフィックデザイナー」といった特定の職種に与える影響について考えるのみならず、組織全体に与える影響について再考することも重要です。AI導入が促進されたからといって、大企業では特に、既存の職種がすぐに無くなることはないようです。しかし、場合によっては、AIが導入されることにより、他部門との合併や新規部門の設立など、組織の再編が必要になるケースも増えていくでしょう。どのような業務がAIによって代行できるようになり、それによりどのような職種・部門が再編されるべきか、といった視点で組織全体の見直しを図ることが、今後経営陣には求められるようになるでしょう。

エプソンアメリカの事例から学ぶAI導入がもたらす生産性

とはいえ、各マーケティング担当者レベルでは、AI導入後の業務状況について、なかなか会社経営全体についての視点を持つことは難しいものです。エプソンアメリカの事例を紹介しましょう。エプソンアメリカは、2016年に営業アシスタントAIとして、Conversicaを試験的に導入しました。エプソンアメリアでは、展示会やダイレクトメール、メールマガジン、ソーシャルメディア、その他オンライン・オフライン広告など様々なチャネルを通じ、毎年40,000件~60,000件のリードを獲得していました。しかし、リードの質によって振り分けがなされることなく、営業担当者に割り当てられている状況でした。

営業アシスタントAIを導入後、同社では迅速、かつ一貫性をもって顧客対応ができるようになり、Conversicaは営業チームにおいて強力なサポート役を果たすようになったといいます。営業アシスタントAIは、顧客の満足度を確認するだけでなく、新たなセールスオポチュニティを模索し、フォローアップも行います。結果、エプソンアメリカでは営業アシスタントAI導入により、顧客からの返答が導入開始時に比べ240%増加、リードの質も75%増加したといいます。同社のシニアマネージャーChris Nickelによると、わずか90日間で200万ドルも収益を増加させることができたといいます。

エプソンアメリカの事例から学べることは、AIの導入により、顧客のニーズについて、企業側がより深く理解をし、適切なアプローチを採ることができるようになった点です。

AI導入、特にMA導入をご検討中のマーケティング担当者の方へ

SATORIは、リードナーチャリングを得意とする国産のマーケティングオートメーションツールです。小さなチームでも成果を出せるよう、MAツール導入から運用までのサポート体制が手厚いことも特徴です。営業アシスタントAI導入以前のエプソンアメリカ社のように、特にスタートアップや中小企業様では、獲得したリードを有効活用できていないケースがまま見受けられます。顧客のニーズを正しく理解し、適切なタイミングで適切なアプローチをとることで、リードの質やその後の収益は大きく変わるはずです。マーケティング領域におけるAI活用、とりわけMAツールの導入による業務効率化をご検討中の方は、ぜひ一度SATORIセミナー(無料)にご参加ください。

 

参考文献
・Michael Chui, James Manyika, and Mehdi Miremadi, ‘How Many of Your Daily Tasks Could Be Automated?’, 2015. [Online]. Available: https://hbr.org/2015/12/how-many-of-your-daily-tasks-could-be-automated [Accessed: 19- Jul- 2017]
・Michael Chui, James Manyika, and Mehdi Miremadi, ‘Four fundamentals of workplace automation’, 2015. [Online]. Available: http://www.mckinsey.com/business-functions/digital-mckinsey/our-insights/four-fundamentals-of-workplace-automation [Accessed: 19- Jul- 2017]
・Julia Kirby and Thomas H. Davenport, ‘The Knowledge Jobs Most Likely to Be Automated’, 2016. [Online]. Available: https://hbr.org/2016/06/the-knowledge-jobs-most-likely-to-be-automated [Accessed: 19- Jul- 2017]
・Ravin Jesuthasan and John Boudreau, ‘Thinking Through How Automation Will Affect Your Workforce’, 2017. [Online]. Available: https://hbr.org/2017/04/thinking-through-how-automation-will-affect-your-workforce [Accessed: 19- Jul- 2017]
・Brad Power, ‘How AI Is Streamlining Marketing and Sales’, 2016. [Online]. Available: https://hbr.org/2017/06/how-ai-is-streamlining-marketing-and-sales [Accessed: 19- Jul- 2017]

 

 

PROFILE

鈴木あゆみ

デジタルマーケティング・コンサルタント


グリー株式会社、複数の外資系企業を経て、独立。海外企業におけるデジタルマーケティング施策の戦略立案を得意とし、日本市場へのローカライゼーションを幅広く手がける。スタートアップ企業のブランドマーケティングにも関心があり、デジタルマーケティング支援を広く行っている。慶應義塾大学法学部卒。
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