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2019.06.12

決裁承認される!MAツール導入のための稟議書の作り方

いまやWebマーケティングの推進になくてはならないものとなりつつあるMA(マーケティング・オートメーション)。「導入したいんだけれど、なかなか会社から承認が下りなくて…」と、頭を抱えているマーケティング担当者の方も少なくないのではないでしょうか。
でも、諦めることはありません。稟議書の書き方一つで、承認が下りる確率をぐんと引き上げることができるのです。この記事ではMAツール導入のための稟議書を作成する際のポイントを分かりやすく解説します。

稟議書に明記すべき5つのポイントとは

稟議書を作成する際にもっとも大切なのは、稟議に際して必要な情報が漏れなく記載されているかということです。特に、以下の5つのポイントは必ず押さえておく必要があります。

1.明確な目的と、目的を叶えるためのMA機能の説明
2.必要な費用(予算)と他社ツールとの費用比較
3.運用開始までの期間
4.運用体制(自社+MAベンダー)
5.実行後のリターン予測

企業が何かを購入する際には、明確な目的が必要です。ツールを導入する場合にも、どのような課題を解決するためのそれが必要なのかを明示しなくてはなりません。また、ツールの導入にはコストがかかりますが、かけたコストがどのようなリターンを生むのか…すなわち費用対効果の面にも触れて置く必要があります。加えて、いつ頃までに導入するのか、導入したツールを適切に運用していくための体制がきちんと整っているのかといった点についても網羅しておくことが重要です。
以下、5つのポイントについて1つずつ解説していきます。

1)明確な目的と、目的を叶えるためのMA機能の説明

目標達成までのプロセスのイメージ

1つ目のポイントは、ツールを導入する目的を伝えることです。
導入しようとしているツールの良さを機能で説明しようとしてしまうケースがしばしばありますが、経営陣にとって、そのツールが他のツールと比較してどれだけ優れているのかということは最重要の問題ではありません。
経営陣にとって重要なのは、ツールを導入することによって自社のどのような課題が解決できるのかということです。そのためにマーケティング部門としてどのような施策を講じるのか、その施策を講じる上でMAツールがどのような役割を果たすのかということを稟議書に明確に記載することが何よりも大切です。
たとえば、「売上の増加」を目的として設定した場合、目的に至るプロセスは次のように因数分解することができます。

このように分解した上で、まずは特に効果の高い施策、あるいは効果を出しやすい施策を選択します。その上で、選択した施策においてMAツールのどのような機能が活用できるのかを考えていくわけです。

2)必要な費用(予算)と他社ツールとの費用比較

2つ目のポイントは、必要な費用を明確にするとともに、他社ツールを導入した場合にかかる費用との比較を参考資料として記載するということです。
ツールの導入にどれだけの費用がかかるのかを明記する必要があるのは言うまでもありませんが、当該ツールの導入費用だけがポンと記載されていた場合、それが妥当な金額であるのかをすぐに判断するのは困難です。多忙な経営陣が自ら調査に乗り出してくれる可能性は低いため、そのような情報不足の稟議書は即座に「否決」として処理されてしまうかもしれません。
多忙な経営陣にもひと目で費用の値ごろ感が伝わるように、稟議書には下記のような費用比較表を含めましょう。

名称SATORIA社B社C社
初期費用100,000円0円0円非公開
料金形態月額月額月額リード数
参考月額費用100,000円50,000円~150,000円~140,000円~
無料トライアルありなしありなし

※)上記は基本料金になります。各社オプション等追加料金が加算されることがあります。

費用の比較表には、導入時にかかる初期費用とその後にかかるランニングコスト(利用料)、料金形態、無料トライアル期間の有無等の情報を含めます。また、必要に応じてサポートの有償/無償の別等も併記しておくと良いでしょう。

3)運用開始までの期間

3つ目のポイントは、導入から運用開始までにかかる期間を明らかにするということです。
一般にシステムの導入には、それなりの準備期間が必要です。比較的ライトなASPなどの中にはユーザ登録後すぐに利用を開始できるようなものもありますが、導入までに数週間から一ヶ月、場合によっては数ヶ月程度が必要なシステムも少なくありません。
そのような長い時間をかけて準備したにもかかわらず、満足に投資が回収できなかった…そんな苦い過去を持つ経営陣は意外に少なくないものです。そうした経営層の懸念をあらかじめ払拭しておくために、運用開始までにどの程度の時間がかかるのかを明確にしておきましょう。
理想は導入から1ヶ月程度での運用開始。すべての要件を満たそうとすると少々厳しいスケジュールですが、目的を絞り、部署やプロジェクト単位でのスモールスタートを全体にすれば、1ヶ月で本格運用を開始することも不可能ではありません。加えて、運用開始以後にどのようなスケジュールで施策を実行し、見直しを行っていくかの計画もあらかじめ検討しておけるとベストです。計画した個々の施策について実施の難易度等を考慮しつつ優先順位を設定し、最も成功させやすいものから着手することで、早い段階で成果を形にしやすくなります。早い段階から小さな成功体験を積み重ねていくことが、社内で実績を上げていくためにも重要なポイントとなります。

4)運用体制(自社+MAベンダー)

「SATORI」のサポート体制のイメージ

4つ目のポイントは、運用体制を明確にしておくということ。
せっかく多額の費用と工数を費やしてツールを導入しても、それを満足に使いこなすことができなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。
こうした失敗は企業経営において日常茶飯事のごとく起こるため、経営陣は稟議承認に際して、割と厳しくこの点を吟味するものです。MAを運用する上で必要となる体制が整備可能であることを稟議書内で明示おくことで、そうした経営陣の懸念を払拭することができます。
MAツールの運用は、マーケティング部門だけで運用していくものではありません。リード管理やシナリオ設計を行うのはマーケティング部門ですが、Webサイトの作成・運用やポップアップの作成はWebチームが担当することになるでしょうし、場合によっては顧客サポートを行うカスタマーサービス部門との連携が必要になる可能性もあります。スムーズなリードリストの引き渡しを実現するためには、営業部門との連携についても吟味しておく必要があります。
自社内にツールを運用するための十分な体制がない場合は、ツールベンダー側に運用を支援する体制があるかを確認しておくとよいでしょう。場合によってはアウトソーシングなどを利用して人員を調達する必要もあるかもしれません。
運用体制と併せて重要なのが、ツールベンダーによるサポート体制です。
マニュアルやサポートコンテンツなどはもちろん、導入フェーズから運用フェーズまでトータルにサポートしてもらえるベンダーを選ぶのもツール選定のポイントの一つです。
たとえばSATORIでは、導入前後にはウェルカムミーティングを実施して利用に際しての注意事項などを詳しくご説明し、導入後は定期的にフォローアップミーティングを実施して運用上の疑問点にお答えしたり、成功事例などの有益な情報をご提供したりしています。
また、オンラインマニュアルを始めとした様々な資料をご提供するとともに、必要に応じて有償サポートもご用意しています。
こうしたサポート体制の厚さを稟議書内で十分に説明しておくことができれば、よりスムーズに稟議を通すことができるでしょう。

5)実行後のリターン予測

5つ目のポイントは、実行後のリターン予測を明記しておくこと。
営利企業の究極の目的は事業運営により利益を最大化することであり、何らかの投資をする際にはかならず事前に費用対効果を検証する必要があります。MAツールを導入することによって具体的にどれだけの効果が上がるのかを、定量的なKPIを設定して明示するようにしましょう。
なお、MAツールにコストを掛けすぎるのはよくないという主張をしばしば見聞きしますが、重要なのはかけるコストの多寡ではなく、かけたコストに見合うリターンが得られるかどうかということです。以下の表は、SATORIで行った実際のマーケティング活動をまとめたものになります。

費用対効果をまとめた表(例)

【費用対効果をまとめた表(例)】

たとえば、高いコストをかけて展示会などのイベントに出展し、大量のリードを獲得できたとしても、獲得したリードを十分に活かせなければ掛けたコストは無駄になります。
MAツールをうまく活用すれば、獲得したリードに対して適切なタイミングでサンクスメールを送付したり、リードがWebサイトを訪問したタイミングでフォローアップメールを送って関係性を強化したりすることが可能です。このようにしてリードをナーチャリングすることでアポ率が向上し、ひいてはより多くの顧客を獲得することも可能となるでしょう。
MAツール導入の効果について、展示会におけるリード獲得数のように分かりやすい指標を出すのは難しいものの、前述のようにストーリー立ててMAツールの貢献度を明確化し、費用対効果を見える化して稟議書に記載しておくことが大切です。
以上、この記事ではMAツール導入に向けた稟議書作成のポイントを5つご紹介しました。
現場のマーケティングチームが目指すのはリード数の増加やアポ率の向上といった成果ですが、経営陣の視線の先にあるのは、一にも二にも「利益」です。このことを常に念頭に置き、経営陣に対して説得力のある稟議書を作成するよう心がけましょう。

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